本育成論の形式について(必読)
本育成論はママンボウ単体の育成論ではありません。
普通の育成論の場合、一匹のポケモンから出発しこれをどういう方針で育成するかという方針で論が展開されます。
一方、今回の論は「〜ができる、という採用理由から出発し、その条件に適合するポケモンを複数体考察する」という形式を取ります。
今回は、ママンボウを含めた、後攻からクイックターンを打ち味方を無償降臨させることを目的とした、
タイプのクッションポケモン5体複数考察を行います。
サイトで浸透している形式ではなく、1匹につき最低限の情報しか記載できない、検索で引っかかりにくいなど賛否が分かれる事も予想できています。
論以外にも形式も評価に入れて結構ですが、前述の通り初めての形式ではなく管理人からも許可をいただいている為この論の削除・形式の変更は行いません。
また、確定欄の構成のみを見て論を見ずに発言されたと見て取れるコメントは予告なく削除いたします。どうかご理解のほどよろしくお願いします。
以下にこれまで投稿された複数種族考察の論の先例を載せます。
- 先例
・対クッション(シケ猫様) (育成論ORAS・XY/1801) :複数種族考察の初出。でんじは・ボルトチェンジ対策の必要性が今以上にあった6世代の論。
・特殊相手に後出しし、後攻からの交代技で味方を無償降臨させるクッションポケモン5体の育成論です。
・こうこうのしっぽトリック(筆者の論)(育成論ソードシールド/722):制圧力の高いDMエース、とりわけダイジェット持ちを後出しから止められるポケモンを10匹選別し考察しました。
・先発要員(筆者の論)(育成論ソードシールド/1056):高速道連れ+挑発で相手を確殺、DM等で難しい場合でもおにびとこごえるかぜで起点にならない先発要員にふさわしい、この構成を満たせるポケモン3匹を考察しました。
・ステロ要員(けいけい様)(育成論ソードシールド/1419):2部に分かれています、襷を用いて先発で確実にステルスロックを撒くことに長けたポケモンを網羅した、ステロ要員の辞書と言える内容です。
・壁貼り要員(けいけい様)(育成論ソードシールド/1601):裏の積みの起点作成を目的とし、S種族値の高さを活かして壁を貼るポケモンを網羅しております。
・すなかきAT(筆者の論)(育成論ソードシールド/2316) :すなあらしから展開されるエース4体を考察してます。
コンセプト
クッションの定義について
「クッション」の定義は以下の3要素を備えるポケモンと本育成論では定義します。
(育成論SV/3112の引用、一部編集)
定義
- 一定の耐久・耐性のいずれかを有し、特定の相手に対する繰り出し性能が高い。
- 自らは起点にされにくく、不利対面で切り返し手段がある。
- 味方を傷つける事なく裏に繋ぐ自主退場手段がある。
「受け」ポケモンの場合は後出しから耐久・再生技を駆使し特定のポケモンを受けきる「受け」(ドヒドイデ
ハピナスなど)ことが前提とされますが、
「クッション」ポケモンにおける役割遂行は必ずしも相手の攻撃を受け切ることに限定されません。
後出しから「仮想敵」の攻撃を2発以上受けることで味方のATの犬死を防ぎつつ、
切り返し手段(S操作や削り)と攻撃技を通じ、「味方の無償降臨」「仮想敵の突破の補助」を行うのが役割となります。
今世代における具体例
ハッサム…S65+とんぼがえりで味方を無償降臨させやすい。
耐久は並程度ながらとメジャーな攻撃技に対し耐性があるため繰り出し性能が高く、A130+テクニシャンバレットパンチの火力で裏の圏内まで押し込める削り性能が高い。
てんねんで積み技による強引な突破を許さず、あくびで裏のATの起点作成が可能。じわれとA100+ウェーブタックルで耐久偏重系種族値の割には突破力が高い。
ランドロス(霊獣)…いかく+とんぼ返り、無効耐性2つ
参考文献
育成論ORAS・XY/1734(Azuki様のぬめぬめヌメルゴン論)
育成論ソードシールド/1403(筆者のHDとつげきチョッキトゲデマル論)
クッションの概要と採用条件
今回考察したクッションの傾向としてタイプによる場持ちの良さが挙げられます。前述のランドロス(霊獣)等と違い、4倍弱点がなく弱点は
のみである。複合タイプとして組み込んだ場合でも弱点は少なくなりやすいです。
タイプが現在環境上位にほとんどいないこともあり、
クッションは場持ちの良いクッション枠と言えるでしょう。相手のテラスタルやサブ技で大きな痛手を追うことが少なく数値のみでの受けが成立しやすいということです。
加えて、
の一貫を切れるタイプです。
ウーラオス
パオジアン
イーユイ
バシャーモ等の一貫を切りつつ、等倍以上で技を通しやすい。
- 2.一定の耐久
役割上テラスタルを切ることは弱点の突かれにくさを活かし数値受けしがちになるため(例外あり)耐性頼りにならない一定の耐久を有することを条件とします。
具体的には物理方面はA特化ウーラオスのインファイトをオボンのみ込みで2耐え(耐久指数32,000以上)、特殊は
テラス+C252
ハバタクカミのムーンフォース2耐えの耐久を基準とします(タイプ受けでも可)。
- 3.クイックターンを覚える
定義で言及した「味方を傷つけることなく裏に繋ぐ自主退場手段」に該当します。後投げから攻撃を受けた後、後攻からの交代技で流れを操作します。相手が交代した場合でも居座った場合でもその場に合わせた有利なポケモンを無償降臨させられます。
「クイックターン」の強味として、相手のちょうはつを踏み倒せる点、「ちょすい」「よびみず」持ち以外に無効されない点、攻撃技であるため最低限の削りを狙える点が挙げられます。で無効化される「ボルトチェンジ」、ちょうはつで無効化される「バトンタッチ」は考察範囲外とします。
なお、「とんぼがえり」でも同様の役割を果たせるものの、覚えるポケモンの中で単純に今回の選考に引っかかったポケモンが居ないため自動的に除外となります。※1
- 4. 起点回避の手段・裏の一貫を作る性能
定義で言及した「自らは起点にされにくく、不利対面で切り返し手段がある」に該当します。今回の論で言うとあくび、ミロカロスのドラゴンテール等が挙げられます。補助技等を駆使し繰り出した後相手の起点にされるリスクを減らしつつ、相手方にデバフ・強制交代・削りを入れる事ですみやかにエースが全抜きする手筈を整える、これもクッション役に求められる要素の一つと言えるでしょう。
- 5. 一定未満の素早さ
後攻からクイックターンを打ち味方を傷つけない運用を行う為、無振りハッサム(実数値85)を下回っていること(とんぼがえりを下から撃たれない)を最低条件とします。また、育成方針の方も(PTによってはクッション役が特定の仮想敵の上を取れないと処理が重い場合もあるので、原則として最遅(個体値0+性格下降補正)とします。
※1.とんぼがえりのみを覚えるポケモンのうち、適性があるタイプは
ペリッパー
オーガポン(いど)がいる。しかし、前者は総合耐久の低さ(HB特化した場合
シャワーズの半分程度の特殊耐久)とあめふらしで逆に相手の
ウーラオス(れんげき)を強化する点、
オーガポン(いど)は持ち物固定でオボンのみを持たせられず耐久が足りない点や最遅にしても
カイリューに抜かれる点から除外とする。
ただし、ペリッパーについては幅広いクッションを目的とした今回のニーズに合致しなかっただけで、あめ天候を必要とするPTにおけるクッション役としての適性は高いため誤解のないようお願いしたい。
採用条件・選考
上の「採用条件」を基に条件を満たせるポケモンを概観します。
- 内定組
以上6匹を内定とします。
ママンボウは
クッションの代表例ともいえるポケモンでH165B80の超物理耐久と特性「さいせいりょく」で屈指の場持ちの良さを誇ります。
シャワーズもH130D95で高い総合耐久を誇り、「ちょすい」による
の一貫切りやあくびによる起点作成といった独自の強みを兼ね備え文句なしの内定です。
ラグラージは
等倍が気になるものの、
テラバーストで役割破壊されない珍しい耐性を持ち、
ハバタクカミに有効な物理打点や「あくび」「はたきおとす」といった相手を弱化させる技々を持ち、総合耐久指数も
シャワーズに近い水準であるため及第とします。
ミロカロスは、
シャワーズと同等の物理耐久と1,04倍程度の特殊耐久を振り方次第で実現でき、「じこさいせい」を覚えるため場持ちが良いです。
シャワーズ
ラグラージのような起点作成性能はないものの、即自的に相手を退場させられる「ドラゴンテール」を覚えられる、特性「かちき」でいかく持ちのサイクルに強く出られるなど明確な独自性があるため内定。
エンペルトはこの中で唯一かくとう・じめんが抜群でテラスタルを切らないと
ウーラオスやじめんに弱いです。しかし、
テツノツツミ
ハバタクカミ
ラティオス等の繰り出しに耐性的に安定するメリットがあります。あくびによる起点回避・作成能力も魅力でこちらも内定。
アシレーヌはHB特化でやっと本論の基準を満たせる程度(=Dに振れず耐久不足)なものの、
ウーラオス(両方)
パオジアンの一致技を半減できる耐性やドラゴン無効で物理竜に出しやすいです。耐性で数値の脆さを補っているといえる他、優秀な一致範囲(両方半減できるのは
+
or
複合と
エンペルトのみ)火力でトップクラスの単体性能を持つため内定。
- 落第
ゴルダック
ダイケンキ
ブロスターは単純に耐久が足りないため落第(3匹で一番固い
ダイケンキすら
ウーラオスのインファイト2耐えまで降ると
ハバタクカミのテラスタルムーンフォース2回でほぼ落ち)。
カメックスはあくびが強力なかつからをやぶるでATへの転換も可能というメリットがあるものの、耐性が少なく種族値が
シャワーズの劣化(0,92倍程度の特殊耐久、0,8倍程度の火力,13高いS種族値)で数値不足、かつからをやぶるのメリットも今回の指定では活かしにくい(最遅、ワンウェポン)点から落第。
ドククラゲは耐久ラインはHD耐久の高さ・
ウーラオスの一致技を半減できる点から辛うじて満たせるといえ、アシッドボムやどくどくによる耐久型対策等用途が広いです。しかし、Sが高すぎる(最遅で94)ため
チオンジェン等の下からクイックターンを打てず、かつ
抜群・相手を流せる技がないなど根幹となる性能に問題があるため落第
ランターンは10まんボルトで
テツノツツミを落とせないなど火力不足が深刻な割に数値は
カメックスをも下回る水準。特性による耐性受けもちくでん(
無効)は現環境では仮想敵が少ない、ちょすいは
シャワーズの壁が厚いと現環境での実用は難しいと考え落第。
キングドラ
イダイトウ
ウネルミナモは耐性数の割に
等メジャーな攻撃技2つ以上が抜群となるためクッション役としての運用は現環境では難しいと判断し落第。
育成方針
- 努力値
耐久に全振りとします。具体的には、ママンボウかくとう等倍組(
シャワーズ
ラグラージ
ミロカロス)は役割対象の
ウーラオス(れんげき)のA特化インファイトをオボンのみ込みで2耐えする数値を確保し、余りをvs
ハバタクカミ
ラティオス
アシレーヌ等の特殊AT意識でDに割きます。
ママンボウはH>>B・Dという極端な種族値の関係上耐久調整を行いHBDそれぞれに振り分けると却って汎用性が低下するリスクがある為BDに振り切ります。
アシレーヌ
エンペルトはHBに振り切ります。
前者は素の物理耐久の低さから等倍や役割破壊で技を食らう場面があると痛手を負うため、汎用性確保目的、
後者は特殊は耐性で受ける(ハバタクカミ
テツノツツミ
ラティオス)関係から必ずしもD振りの必要はないこと、他と違い
パオジアンのせいなるつるぎを抜群で食らうことから安定性確保のためです。
振り方は無限に存在する為、本育成論ではバランスを重視した上の振り方で統一するものの、vsウーラオスを重く見てHBに振り切る、逆にHDに寄せ
ハバタクカミ耐性を付ける等他の振り方も実際の運用では一考の余地があります。
- 持ち物
ママンボウ以外は持ち物なしで前述の火力を受けきれる耐久がないため「オボンのみ」で確定とします。
ママンボウのみ、オボンのみがなくともインファイトや
パオジアンのいのちのたまかみくだくを2回耐える耐久があり、かつ変則的な攻撃技で4枠が自然と技欄を埋めることが可能であることから「とつげきチョッキ」と「オボンのみ」の選択制とします。
- 技
まずコンセプト上必要な「クイックターン」は有無を言わせず確定。その他各自、起点回避・作成に必要な技で1~2枠埋めます。
もう1~2枠は一致攻撃技を搭載します。クッション役ですが、ラスト1対面や裏への交換が躊躇われる場合、単独突破した方がかえって展開が優位になる場合は殴り合う場合も普通にあるからです。また、サポート特化の構成で単体性能が低すぎる故、選出機会が損なわれるという事態を防ぐための措置でもあります。幸いにもママンボウ以外は火力種族値100を超えていて一定の火力は担保されます。
- テラスタル候補
:
タイプとのかみ合わせが良いです。運用すると片方の技を半減にしても片方の一致技で等倍を取られるという場合があり(
パオジアン
イーユイ
セグレイブ)、テラスタルの競合が激しくない構築の場合繰り出しのリスクを軽減できます。
弱点の少なさからもこれを一番推奨します。シャワーズの場合はかくとうを半減しつつ、ちょすいですいりゅうれんだを受けられるとvs
ウーラオス(れんげき)性能が高まることからこれでほぼ確定。ただし、既に
を有しており有利不利が逆転しにくい
アシレーヌは候補外
立ち回りと仮想敵
- クッションポケモンに求められる役割について
1.相手に起点されずに、味方のATを安全に繰り出せる盤面を作成する
2.起点作り・流し
3.攻撃技・クイックターンによる削り
4.単独突破orテラスタルを切らせる
立ち回り・仮想敵について意識を共有する為おさらいします。今回の6匹の役割には主に以上4つが挙げられ、特に1・2が重要になり、「単独突破」(4)のみを指し「仮想敵」とは呼びません。
- 基本運用
役割対象へ後出しし、クイックターンを使うことを基本とします。積み技等の起点にされる可能性がある場合は起点回避用の技、少ない手数で単独突破が可能な場合・重い相手を弱体化させられる場合は攻撃技とエースが制圧できるよう必要に応じ場を整えていきます。
この中でもママンボウ以外はある程度の打ち合い性能を有する他、タイマンにも優位に働く補助技のお陰で終盤残っても腐りにくい(あくび、アンコール、ねっとう+じこさいせい)ですがそちらを本分にすると余計な消耗や起点化もあるため過信は禁物。
1~2回の繰り出しが限界になりがちなクッションであるため、役割対象をクッションの身に一任しないこと。また、釣り交換により役割対象外との対面を作られ腐る場面もある為そこも気を付けたい。
- 構築
後出し性能が低く、HP管理が必要な欠点がありながら一度場に出した後の制圧力の高いポケモン(ハバタクカミ
テツノドクガ
カイリュー
オーガポン
ラティオス
イーユイなど)を無償降臨させる目的で採用されます。一度場に出した後1:1交換以上を望めるこだわりアイテム持ちATや積みAT全般と相性が良いです。
ただし、前述したようクッションのみにすべて丸投げするとサイクルが破綻するため、苦手なポケモン等が一貫しないながら、クッションに一任するような選出は避けるよう意識すること。
- 役割対象一例
お互いの構成やテラスタル次第で変動しうる、採用するポケモンによって有利不利は逆転し得る、そもそもレギュレーションF解禁直後で環境が確定していないと不安定要素は多いものの、環境・役割対象について軽く記載することで読者との共通理解を図ります。
AT(物理)カイリュー
ウーラオス(れんげき・いちげき)
パオジアン
ハッサム
ランドロス(霊獣)
トドロクツキ
ウガツホムラ
メタグロス
エンテイ
ドリュウズ
バシャーモ
ガブリアス
セグレイブ
ミミッキュ
ドラパルト
高速AT(特殊)ハバタクカミ
テツノツツミ
サーフゴー
ラティオス
アシレーヌ
ブリジュラス
イーユイ
キラフロル
テツノドクガ
ペリッパー
ウーラオスのA特化インファイトや
カイリューのこだわりハチマキテラスタルしんそく、
ハバタクカミのテラスタルムーンフォースはほぼ2耐えできる耐久を各クッションは備えています(総合耐久が低い
アシレーヌでもH252D12でムーンフォースをちょうど2耐え、上記のしんそくは93,4%で2耐え)。上記で挙げたポケモンのうちこの火力帯を大きく上回るものはテラスタル・こだわりハチマキ持ちを含まなければおらず、火力補強がなければ1~2回の繰り出しは可能と言えるでしょう。
また、その他のポケモンはSの比較的高いミロカロス(74)以外は下を取れるためあくびサイクルを断ち切りつつ、下からクイックターンを打つ・補助技で機能停止させ試合展開を優位に運ぶことも可能です(無振り
カバルドンは67)。
一方、テラスタルがないとオーガポンに対してはどのクッションも耐性がなく、
ジャローダ
スイクンのみがわり、下を取れない
キョジオーンのしおづけ、
(
ラグラージを除く)は構築時穴となる為対策したいところです。
以下、個別育成論に入ります。枠クッションが必要となった際、下の選択肢をそれぞれ比べ、最適なポケモンを構築時選択してください。ただし、下で取り上げる構成は本育成論のコンセプトに基づいた一例にすぎず、最適解は一つでないことをご留意ください。
超物理耐久とさいせいりょく:
ママンボウ
- 構成
努力値:H4 BD252(B↑S↓)
実数値:241-95-145-60-97-63
特性:さいせいりょく
持ち物:とつげきチョッキorオボンのみ
技構成:クイックターン/ねっとう/こごえるかぜorアクアジェットorミラーコートorうずしお/ねがいごとorみずびたし※2
※2:物理相手への起点回避の手段にして、一致攻撃技となるねっとうは確定、高い耐久で試行回数は稼げる。残りの技構成は何を取るかによって選択の方向性が変わる。
こごえるかぜはブーストエナジー持ちの弱体化、裏の起点作成(スケイルショット・あまのじゃくリーフストーム)に役立つS操作技でその役割を重視する場合はほぼ確定。アクアジェットは裏のエースがきあいのタスキ等で取りこぼした相手のHPを削り取る用。
ミラーコート・うずしおはそれぞれ単体性能補填用の技。ミラーコートは特殊技読みで打つことで低すぎるACを補う。うずしおもスリップダメージで火力を補いつつ、バインドで釣り交換等のリスクを減らし裏に繋げられる。
ねがいごとorみずびたしはオボンのみの場合のみ。ねがいごとは裏のエースの体力回復を目的に採用される。みずびたしは、単にすることで相手の火力を落としつつ、裏の
の一貫を作る。
- 解説
本育成論のポケモンで一番総合耐久が高く、A特化いのちのたまパオジアンのかみくだくをとつげきチョッキの場合でさえ2回耐えます。テラスタル・こだわりアイテム持ちでも物理には2回以上受けが成立しやすい。また、特性による交代時の1/3の回復で2サイクル目の繰り出しも容易で場持ちの良さでは断トツです。
とつげきチョッキにするか、オボンのみにするかで型の方向性が変わります。とつげきチョッキの場合の耐久指数はオボンのみ込みのアシレーヌを上回る水準になり物理特殊双方で安定します。オボンのみの場合はこだわりハチマキ
パオジアンのかみくだく2回+ステルスロックを耐える超物理耐久とねがいごとが特徴で、特性の関係からHP管理の難しいこだわりハチマキ
カイリューなどと組ませるのに向いています。
一方短所は火力の低さで、ねっとうの火力はミロカロスの54%程度。あくびやドラゴンテールのような起点回避の手段も少ないため、みがわり・積みへの耐性の薄さもこの中で随一です。
- ダメージ計算
火力指数は「AorC実数値×技威力×補正(タイプ・特性)」、耐久指数は「H実数値×BorD実数値×持ち物補正」で出る値です。他との数値の比較にお使いください。耐久指数の()表記はオボンのみ込みの数値です。
なお、オボンのみ込みのダメージ割合はHP満タン時の体力を「125%」と見て把握してください。
与ダメージ
ねっとう:火力指数:7,800
H252ハバタクカミ:11,1~13,5%
無振りバシャーモ:40,0~47,7%
H252サーフゴー:15,4~19,1%
被ダメージ:耐久指数:B34,945(436,81)/D35,065/29,221
A特化ウーラオスのインファイト:38,5~46,0%
A特化カイリューのこだわりハチマキテラスタルしんそく:39,8~46,8%
A特化パオジアンのかみくだく:32,7~39,0%
C252ハバタクカミのテラスタルムーンフォース:57,2~68,0%/38,1~45,6%
C252ラティオスのこだわりメガネりゅうせいぐん:38,5~45,2%
C特化イーユイのあくのはどう:48,5~57,2%/32,3~38,5%
単タイプ唯一のあくびとちょすい持ち:
シャワーズ
- 構成
努力値:H252 B228 D36(D↑S↓)
実数値:237-85-109-130-132-63
特性:ちょすい
技構成:クイックターン/あくび/なみのり/みわくのボイスorまもるorほえるorねがいごと※3
※3:後述する強みになる「あくび」は確定
次に、みがわり破壊・やむを得ない打ち合いに際し、なみのりを採用。火力指数はなみのりは17,550とウーラオス(いちげきorれんげきのテラスタル)を2発で倒せる程度と本育成論の中では高め。なおねっとうは、あくびを打ちたい特殊に打つと却って処理が難しくなる場合がある点や火力差から優先度は低い。
もう一つは自由枠だが、「みわくのボイス」はウーラオス(両種)
パオジアン
テツノツツミへの突破力を底上げする技。
との相性補完が良く単体性能の底上げにつながる。また、ラムのみ・みがわりを盾に積むATへの牽制(混乱・みがわり貫通)になる。
あくびクイックターンの役割を強く意識する場合は「まもる」または「ほえる」採用となる。「まもる」はあくびとの相性が良く、とんぼがえりの対策にもなる。「ほえる」は「あくび」警戒で出てきた「みがわり」や「ラムのみ」を流せる点が優秀。みがわりスイクンに役割を持てるようにもなる。他、ブーストエナジー対策に。「ねがいごと」の詳細は
ママンボウを参照。
- 解説
「ちょすい」によりウーラオス(れんげき)のすいりゅうれんだで疲弊しません。テラスタルを切り、テラバーストを切らせた場合であれば
ウーラオスの単体突破の性能は一番高いまであります。テラスタルを切った後であれば
テツノツツミを受けられる、雨パーティに強い、ほえるを持たせた場合は
スイクンに強く出られるなど
無効耐性のおかげで独自の役割範囲を持てます。
また、「あくび」が非常に強力です。交代か相手方の「ねむり」を強要させること起点化を回避しつつ、逆に味方のATが相手を無償で突破できる・起点にできる機会を作れます。裏で「ステルスロック」を撒いた場合は、ねむりとステルスロックによる永続的な削りかどちらかを強要させられます。ステルスロックランドロス(霊獣)+スイーパー・積みATのような構成と相性が良いです。他、特殊耐久値はこだわりメガネ
ハバタクカミのムーンフォース2耐えと単純な数値上では
ミロカロスに次いで高い、Cも
アシレーヌに次ぐ水準と比較的数値は高めの数値も特徴です。
ただし、総合耐久はママンボウと比べると格段に劣り、物理特殊共にスリップダメージ等が入ると乱数が絡み出すようになります。また、あくびやクイックターンも読まれやすくみがわりが展開されやすいため、他の技枠や裏でどう補うかが実際の運用上の鍵となります。
- ダメージ計算
与ダメージ
なみのり:火力指数:17,550
H252ハバタクカミ:33,00~40,0
無振りバシャーモ:96,7~113,5%
H252カバルドン:66,9~79,0%
みわくのボイス:火力指数:10,400
無振りウーラオス(れんげき):57,1~67,4%
無振りラティオス:40,0~47,7%
無振りテツノツツミ88,1~45,0%
被ダメージ:耐久指数:B25,833(32,291)/D31,284(39,105)
A特化ウーラオスのインファイト:53.1〜62.4%
A特化カイリューのこだわりハチマキテラスタルしんそく:53.5~63,2%
A252パオジアンのかみくだく:39,6~47,2%
C252ハバタクカミのテラスタルムーンフォース:43,0~51,4%
C252ラティオスのこだわりメガネりゅうせいぐん:38,5~45,2%:64,3~75,9%
C252テツノツツミのフリーズドライ:45.5~54.0%(37.1%)
水クッション唯一の
枠:
ラグラージ
- 構成
努力値:H252 B124 D132(D↑S↓)
実数値:207-130-126-×-127-58
特性:げきりゅうorしめりけ
技構成:クイックターン/あくび/じしん/はたきおとすorステルスロックorほえる※4
※4:「あくび」はシャワーズ同様採用理由に直結する強みであるため確定。また、A110+一致100の物理火力を本育成論で唯一出せ、
ハバタクカミ等のみがわり対策にもなる「じしん」も確定。
もう1枠は、ポリゴン2やたべのこし持ちを弱体化させすみやかに裏の一貫を作る「はたきおとす」、あくびと組み合わせることで相手の消耗を狙える「ステルスロック」、みがわりやブーストエナジー持ちを流す「ほえる」が候補
- 解説
本育成論唯一のタイプです。一致じしんの火力は高く、無振り
バシャーモを確定1、H252
ウガツホムラを最高乱数以外2発にできます。
サーフゴー相手にテラスタルを切らせられるメリットも。耐性面では
タケルライコ
サンダー
テツノカイナを逆に役割対象にできる、でんじはを無効化し繰り出せるメリットがあります。
また、「あくび」が強力です。メリットはシャワーズで言及した通りなので避けますが、
ラグラージの場合ステルスロック(採用時のみ)と組み合わせることで、相手のPTの疲弊をさせやすいのがメリットです。
一方、等倍でテラスタルをすいりゅうれんだなどには乱数が絡む点、おにびやいかくへの弱さ(それを恐れ特殊技を採用すると他に火力が大敗するため採用意義が薄くなる)があります。
- ダメージ計算
与ダメージ
じしん:火力指数:19,500
Hb252ハバタクカミ:42,5~50,6%
H252サーフゴー:65,9~78,3%
H252メタグロス54,5~64,1%
無振りパオジアン:48,3~56,7%
はたきおとす:火力指数:12,610/8,450
無振りラティオス:61,9〜73,5%/42,5~50,3%
被ダメージ:耐久指数:B26,082(32,602)/D26,289(32,861)
A特化ウーラオスのパンチグローブすいりゅうれんだ:47,8~57,9%
A252パオジアンのつららおとし:39,1~46,3%
C252ハバタクカミのテラスタルムーンフォース:47,3~56,0%
C252ラティオスのこだわりメガネりゅうせいぐん:69,5~82,6%
C特化タケルライコのりゅうせいぐん:52,6~62,8%
場持ちの良さと即効性のある流し技:
ミロカロス
- 構成
努力値:H252 B236 D20(D↑S↓)
実数値:202-85-129-120-162-77
特性:かちき※5
技構成:クイックターン/ねっとう/ドラゴンテール(推奨)orくろいきり/じこさいせい※6
※5.特性はランドロス(霊獣)のいかくサイクルや
ハバタクカミ
ラティオス受け出し時起こり得る能力低下をカモにできる「かちき」で確定。
※6.技構成の強み・理由は後述
- 解説
シャワーズの1,04倍の特殊耐久とじこさいせいを有します。ねっとうによるやけどと高特殊耐久で場持ちが良い他、低火力相手を詰ませられる性能を持ちます。また、ラムのみや特性で無効化されない流し技ドラゴンテールを習得するため、即効性の高い起点回避と削りを両立できます(ただし、実際の運用ではみがわり+積み技やフェアリーの対策になるくろいきりも候補に入る)。他、「かちき」により
ランドロス(霊獣)を絡めたサイクルに強い点や受け出し時の能力下降のリスクヘッジになる点も魅力。
ママンボウにない起点回避技と
シャワーズにない場持ちを折衷した性能になっています。
- ダメージ計算
与ダメージ
ねっとう:火力指数:14,400
H252ハバタクカミ;22,2~26,5%
無振りパオジアン:41,2~49,0%
H252カバルドン:53,9~65,1%
被ダメージ:耐久指数:B26,058(31,995)/D32,724(40,905)
A特化ウーラオスのインファイト:51,9~61,3%
C252ハバタクカミのテラスタルムーンフォース:41,4~49,5%
C252ラティオスのこだわりメガネりゅうせいぐん:61,3~72,7%
C252テツノツツミのフリーズドライ:43,5~51,4%
枠を兼ねられる:
エンペルト
- 構成
努力値:H252 B252 D4(B↑S↓)
実数値:191-85-154-130-121-58
特性:げきりゅうorかちき※7
技構成:クイックターン/あくび/なみのり/ほえるorステルスロック※8
※7.特性はランドロス(霊獣)のいかくサイクルや
ハバタクカミ
ラティオス受け出し時起こり得る能力低下をカモにできる「かちき」、
技の火力を補強することで終盤の打ち合いに強くする「げきりゅう」のいずれかになります。
※8.技構成の考え方はシャワーズ
ラグラージと被るため割愛
- 解説
総合耐久はアシレーヌ同様高くなく、
抜群で本来役割対象にしたい
ランドロス(霊獣)
ドリュウズ
ウーラオス
ガブリアスなどに役割を持てません。しかし、
ハバタクカミ
テツノツツミ
ラティアス
ラティオスに対するタイプ耐性が独自性です。
ジャローダ
オーガポンが重くなりすぎず(繰り出しは困難)、物理
のスケイルショットへの後出しも可能なため、
クッションと
枠を両立したい場合採用。また、火力補強の特性と
シャワーズと同等の火力で撃ち合いでも一定の強さを有する他、
ラグラージ同様単独でステルスロック展開できるメリットもあります。
- ダメージ計算
火力はシャワーズとCが1違うのみで同じであり重複するため割愛します(火力指数は17,685)。
被ダメージ:耐久指数:B29,414(36,767)/D23,302(29,127)
A特化パオジアンのせいなるつるぎ:53,4~63,8%
A無振りカバルドンのじしん:41,4~49,5%
A252オーガポン(かまど)のつたこんぼう::39,7~47,1%
C252ハバタクカミのシャドーボール:36,1~42,9%
C252ラティオスのこだわりメガネりゅうせいぐん:42,4~50,2%
C252テツノツツミのフリーズドライ:30,3~36,1%
AT気質な
枠:
アシレーヌ
- 構成
努力値:H252 B244 D12(B↑S↓)※9
実数値:187-85-137-146-137-58
特性:げきりゅう
技構成:クイックターン/うたかたのアリア/ムーンフォース/ほろびのうたorアンコール※10
※9:H252D12でハバタクカミのテラスタルムーンフォースの乱数が変動しちょうど確定2耐えになるため、B252には振り切らない。
※10:起点回避技に「アンコール」「ほろびのうた」が選択肢、
アンコールは直接アシレーヌを起点にするATや低速の補助技を縛ることで展開を阻止する。
「ほろびのうた」は3ターンかかりはするものの、ターンを調整することで相手の確実な流しを狙えるためクイックターンと併せた対面操作が向上する。味方のみがわり(相手があと1ターンで倒れる際に貼る)の相性も良い。他、ラス1対面で後攻から打つことで相手を確殺するという使い方もでき、優先度はこちらが個人的には高い。
- 解説
総合耐久は低く、カイリューのこだわりハチマキテラスタルしんそくでHB特化しても低乱数2、特殊耐久は
シャワーズの0.8倍程度です。
しかし、アシレーヌの真価は火力とタイプにあります。ムーンフォースの火力指数は20,805で
ラグラージのじしん(19,500)の1.06倍で高いです。H252
パオジアンを確殺、
テツノツツミ
ラティオスを7〜9割削れる火力。大抵の攻撃を2耐えできる耐久やげきりゅうも相まってクッション以外の用途での使い方(殴り合い、削り)を重視する際は
アシレーヌが適任です。
また、タイプも大きな特色で、両
ウーラオス
イーユイ
パオジアンの攻撃技を半減、物理竜のスケイルショットや
ラティオスのりゅうせいぐんをシャットアウトできます。攻撃面でも両方の一致技を半減できるのは
・
複合と
エンペルトのみと極めて広い。
技1回で相手を流すことはできないため、後出しからの積み技への対応力は低いですが、偶発対面の起点・展開回避はアンコール・ほろびのうたで事足りる他、火力も高いため対面からであれば自らが起点にされる事態は回避しやすいです。
- ダメージ計算
与ダメージ
ムーンフォース:火力指数:20,805
H252パオジアン:99,4~116,5%
無振りラティオス:77,4~92,9%
無振りウーラオス(れんげき)113,1~133,7%
H252ブリジュラス:47,2~55,3%
無振りテツノツツミ:75.5~89,3%
うたかたのアリア:火力指数:19,710
H252ハッサム:42,3~49,7%
H無振りドリュウズ95,1~113,5%
H252サーフゴー:34,5~41,7%
H252カバルドン75,3~89,3%
被ダメージ:耐久指数:B25,619(32,023)/D25,619(32,023)
A特化ウーラオスのパンチグローブテラスタルすいりゅうれんだ:36,8~44,9%
A特化バシャーモのいのちのたまインファイト:32,0~38,5%
C252ハバタクカミのテラスタルムーンフォース:52,4~62,0%
C特化イーユイのこだわりメガネあくのはどう:35,8~42,2%
終わりに
複数種族考察という今世代では初の形式となりましたが、ご覧いただきありがとうございました。この育成論は現環境におけるのクッションの選択肢の提示であり、どれが最強と優劣をつける物ではないという点はご了承ください。
複数種族考察は一つ一つのポケモンの考察がスペースが限られる点や検索に引っ掛かりにくいのが難点ですが、一つの育成論で同じ役割のポケモンを概観することが出来、個々の特徴を比較・明確にできる点が利点と思っております。
調整案は膨らませると無限に候補が出てくるため、必要最低限度に留めましたし落第させたポケモンが多いです、しかしそれでも「これは載せた方が良い」「これが候補にいるのはおかしい」というものがあればご意見お願いします。その他何か「論を読んだ上で」疑問点があれば気軽にコメントお願いします。