あいさつ
こんにちは。
2度目のテラレイドバトル「だれとでも」カテゴリー(以下、野良レイド)用のサポーターの投稿となります。
前回のウェルカモの育成論(育成論SV/1581)では、たくさんの方にご覧頂き、身に余る評価までつけていただき本当の本当にありがとうございました。
さて、今回紹介させて頂くのはママンボウママンボウです。
ポケモン徹底攻略様での前例投稿はまだですが、ママンボウは極めて優れた野良レイド用対物理サポーターです。
仲間のHP回復はできず、あまえるも覚えず、リフレクターも貼れませんが、それを補って余りある優秀な対応力があります。
今回紹介するのは、その多数ある型のひとつです。
尚、前提として
・レベル100の理想個体(個体値が32段階中最良)使用
・HABCDSの略語使用
・野良レイド=アタッカー選出過多かつ長期戦の環境
・サポーターは、変化技が無効になるシールドを貼られても役割を果たせることが重要
・野良レイドにおいては、パーティの誰か1体が退場するたび、残り時間ゲージが約1/7(60秒ちょい)削れる。よって簡単には退場しない高耐久高耐性である事が原則である
ということを御承知おきください。
前文〜野良レイドの悲劇〜
ところで、ポケモンSVでテラレイドバトルを経験されたことのある皆様、このような光景に覚えがありませんか?
例えば★6ガブリアスガブリアス、テラスタイプ「みず」の場面。
ブロロン/・・・/・・・/・・・
あなた「テツノカイナではじしんが受け切れないなぁ。それにかえんほうしゃも使ってくる。なら手持ち最適のオーロンゲ オーロンゲを選ぼう。ソウルクラッシュで特殊方面のノイズもシャットアウトだ!」
もっと悲惨で典型的な例なら、★6レイドアーマーガアアーマーガア、テラスタイプ「ドラゴン」の場面。
コライドン!?/・・・/・・・/・・・
あなた「これは手持ち最適なら物理受け型ポットデスポットデスやな。スキルスワップしてくだけるよろいを押し付けて、あとは壁でもトリックルームでも貼ってやりゃええねん。ミラーアーマーさえ没収したらあまえるもひやみずもいやなおとも通るようになるし、何とかイケるやろ(A連打)。」
野良レイドをやる上で絶対に避けられないのが、このタイプ相性不一致の悲劇です。
特性込みの種族値や火力、耐久そのものは申し分ないポケモンが、その致命的なタイプ相性のせいでほぼ毎ターン退場し、持ち時間の520秒を60秒120秒とガリガリガリガリと削っていくあの現象です。
では何故、そのようなタイプ不一致なポケモンが選ばれるのか?
理由は簡単。
そのポケモンが『強い』し、『手持ち最適』だから。
上述のミライドンやマリルリ、コライドンといったポケモン達は本来火力耐久ともに申し分なく、ダメージを与える分には十分な戦力になります。初心者や子どもならそう言ったポケモンを選ぶのは極めて自然なことです。
ならばその気持ちに応えるのがサポーターというものです。ではどうやって?
簡単。
タイプ相性さえ変えてやればいいんです。
タイプそのものを変えて、等倍受けの一流アタッカーに作り替えてしまえばいいんです。
そのついでに、厄介な特性を持つポケモンも一緒に無力化してしまえばいいんです。
そんな芸当が出来るのが、このみずびたしママンボウです。
前置き大変長くなりましたが、解説をご覧ください。
役割
コノヨザルコノヨザルアーマーガアアーマーガア等の特性が厄介な物理系レイドにおける特性没収および、「みずびたし」によるタイプ不適正な仲間の総戦力化
持ち物
ミストシード
→ミストフィールド下で発動し、1回きり自身のDをランク1段階上昇させるアイテムです。
型次第で持ち物の選択肢は他に多数ありますが、自身と仲間の生存という観点から今回はこれです(技構成の項目で詳述)。
特性&テラスタル
なんでもいいです。
強いて言うなら、夢特性のうるおいボディはあまごいを使うポケモンと相性が悪いくらいです。
何故テラスでんきにしてるかというと、筆者のママンボウがたまたまそれだったと言うだけの話です。
貴重なテラスピースは、他のポケモンに使いましょう。
性格・実数値(努力値)
性格
ずぶといorわんぱく
実数値(努力値):534(252)-167-284(252)-117-126(4)-166
このママンボウの最大物理耐久指数は151656です。大体の目安で言うなら、輝石リングマより若干脆く、ブラッキーや輝石ウェルカモよりは圧倒的に固いくらいです。
技構成とその採用理由
【どの型でも必須】
・スキルスワップ
・ひやみず
→スキルスワップはアーマーガアのミラーアーマー(能力下降補正だけ都合よく相手に返す)やコノヨザルのまけんき(何か能力ランク下げられたらA2段階上昇、つまり打点2倍)等の、特性が厄介極まりないレイドで用います。そしてひやみずはそれらの特性を没収した後、シールドを貼られた後もAを継続的に下げ続けるために使います。
【この型では必須】
・みずびたし
・ミストフィールド
→まずはみずびたしについて。
これの効果は『対象のポケモンをみずタイプにする』です。しかし、テラスタルを発動したポケモンには無効。つまりレイドボスには一切効きません。
じゃぁ誰に打つんですかって?味方です。
根本的にタイプ相性不適切なポケモンを、弱点がくさとでんきしかないみずタイプにしてしまう事で、高耐久高耐性高火力の戦力に作り替えてしまうのです。
このみずびたしという技、非常に器用です。
マリルリを水単にしたことで最強ゲッコウガゲッコウガのダストシュートの悲劇を回避したり、同じくヤドランをつじぎりから守ったり、ミミズズミミズズやガブリアスガブリアスに選出されてしまったテツノカイナテツノカイナをみずびたしにすることで弱点のじしんを余裕の等倍受けにしたりするだけではなく、ちょすいやよびみず持ちにぶっかけてサポートするといった芸当も可能です。
ちなみに最強ゲッコウガ戦では、ヘイラッシャヘイラッシャが同じ役割を持ちました。特性てんねんにより命中率に左右されなかったので。
そしてミストフィールドとミストシードの採用理由ですが、これの理由は3つ。
1つ目は、自身のDが悲しいくらい低く、物理中心の両刀相手には、下手したら半減でもキツいこと。
2つ目は、当初この枠にあった『しんぴのまもり』を打つ機会があまりなかったこと(物理で状態異常変化技を打つ★6はドドゲザンくらい)。
そして3つ目は、元のタイプがドラゴンのレイドに何故かドラゴンが呼び込まれる確率が異常に高かった(体感約4割)ことです。等倍受けになろうがそもそもげきりん連打はキツい。
これらの条件を1度に克服できる技と持ち物がないかを模索した結果、現時点ではこの組み合わせかな...?と言う暫定的な結論に落ち着いています。
ちなみにゴルダックゴルダックも「スキルスワップ」「ひやみず」「みずびたし」を覚えますが、ミストフィールドというより介抱的な選択肢はママンボウにしかできません。何より物理耐久はママンボウの方が圧倒的に上です。
(注意)
ひやみずと違って、みずびたしとミストフィールドは誰にでも何回打っても良い技というわけではありません。
例えば★6ブースターブースター、テラス「みず」にテツノカイナが選出されていた場合、これをわざわざみずびたしにする必要はありません。
タイプ一致だったドレインパンチやかみなりパンチがタイプ不一致となり、貴重な打点がごっそり減ります。
また、ミストフィールドの効果は、地面にいるポケモン全員が影響を受けます。
「ステータス異常にならず」
「ドラゴンタイプの技の受けるダメージが半減する。」
の恩恵は、相手も受けます。
わかりやすい例で言うなら、テラス「ドラゴン」のレイドて.相手が物理技しか撃たず、ドラゴンタイプの技も撃ってこないような場合。
味方のオノノクスやガブリアス達のげきりんを邪魔するようなミストフィールドを撃つのはNGです。
タグの「上級者向け」の理由の一つはこれです。
立ち回り(概要)
1.状況に応じてスキルスワップ、みずびたしのどれかを迅速に打つ。
2.必要ならひやみず、ミストフィールドも打つ。
以上です。
「なぁんだ、すっごく簡単じゃん?」
そうでもないんです。
『状況に応じて』の定義が、毎回毎回コロコロ変わるからです。
しかもその状況判断を、初手は12秒(テラレイドのBGMが始まってからコマンド入力が可能になるまでの時間)、以降毎ターン数秒以内で行わなければならず、判断を誤ると残り時間が削れ飛び、敗北一直線です。
具体的にどう言う状況判断を迫られるかというのを、次の項目で体験してみましょう。
立ち回り(実戦での具体例)
今からクイズを2問出します。
これらはママンボウを扱って発生した実例、つまり前文の悲劇です。
それぞれの問題における、最適解の立ち振る舞いを考えてください。
ただし制限時間は各問12秒です。
問1.
問2.
★6アーマーガア、テラスタイプ「ドラゴン」レイドで
コライドン/ニャイキング/マリルリ
と同席することになりました。
あなたがママンボウを選出した際、シールドを貼られるまでにあなたが行うべき行動を説明しなさい。
(解答例と解説)
問1.
(答)
1ターン目にミライドンにみずびたしを打つ。
2ターン目にシビルドンにみずびたしを打つ。
3ターン目におうえん「いやしのエール」で味方全体を回復する。
(解説)
まず最大の火力源でありタイプ不適正なミライドンを真っ先にみずびたしで保護する必要があります。
次にシビルドンですが、とくせい「ふゆう」を持っていることからみずびたしの優先順位はその後です。
最後に、3ターン目ともなるとミライドンもシビルドンも体力を消耗して退場寸前になっているはずなので、応援を使って全体回復する必要が出てきます。
スキルスワップでさめはだを没収するのはそれ以降で構いません。
尚、シビルドンは、特殊アタッカー支援向けの構成が出来たりいえきで特性を消したり出来たりする、器用なポケモンの1匹です。使ってる人は1回しかみたことないですが。
問2.
(答)
1ターン目に速やかにスキルスワップでミラーアーマーを没収する。
2ターン目の時点でマリルリのダメージがはらだいこによるもののみの場合は速やかにみずびたし、はらだいこに加えダメージまで受けていた場合はマリルリが退場するまでアーマーガアにひやみずを打ち続ける。
そしてマリルリが再登場するタイミングを狙って速やかにみずびたしをマリルリに打つ。
その後はひやみずと応援を必要に応じて打つ。
(解説)
コライドンとニャイキング、特にニャイキング単体で選出してくるトレーナーが初手に選択してくるわざは高確率で「いやなおと」か「アイアンヘッド」です。
前者をミラーアーマーでハネ返されると、返しのターンでコライドンやニャイキングの退場がほぼ決定してしまうため、真っ先にスキルスワップです。
問題はこの後。なぜマリルリ放置の選択肢があるのか?
アーマーガアはマリルリに対して、弱点であるアイアンヘッドか、Aを上げるつめとぎしか打ちません。
そしてマリルリは、はらだいこの後、アーマーガアのアイアンヘッドに事実上1発しか耐えられません。
すごく大雑把な目安として、アイアンヘッド1発でマリルリのHPを約25%程度持っていきます。つめとぎでAが上がっていたら更に1割上乗せです。
尚、コライドンに対しても弱点であるドリルくちばしを連発し、そして毎ターンHPを25〜30%程度削っていきます。しかし自分でHPを半減したりすることはなく、ビルドアップでの耐久底上げもあるのでみずびたし優先順位はかなり後回しです。何より、コライドンのタイプ一致火力を、みずタイプにしてしまう事で減らす事態は極力避けたいのです。
要は、マリルリもコライドンも、サポート無しでは4ターンに1回ずつ退場していきます。しかしマリルリはその仕様上実際はさらに脆く、アーマーガアにわざわざ選出するということは、最優先の保護対象なのです。
・・・と、このように考えるべき事は多いです。
ちなみに筆者は実戦にて、これらの状況判断を大半間違えました(振り返って気付きました)が、それでもスキルスワップとひやみずが強すぎて勝ちました。
とりあえず使ってみて、レイド特有の環境に慣れさえすれば、皆様の方が絶対に上手くやれるはずです。
与ダメージ計算
アタッカーの役割、略。
被ダメージ計算
物理レイドで素の火力が最大であるオノノクスオノノクスのげきりん、そして役割対象であるコノヨザルコノヨザルのシャドークローの急所
それからうっかりAを下げすぎて喰らいがちなブースターブースターのテラバースト(タイプ:今回はノーマル)を計算します。
・オノノクス(A297)/げきりん(物理:威力120)→123〜145(乱数4発、56.7%)
・コノヨザル(A239)/シャドークローの急所(物理:威力70)→87〜103(乱数6発)
・ブースター/テラバースト(C203)(特殊:威力80)→126〜148(高乱数4発、84.4%)
苦手なポケモン(味方の)
・ニャイキングニャイキング等のはがねポケモン
→基本撃たない方がいいです。下手にタイプ変更するとそれが原因で負けることがあります。
どちらかといえばフェザーダンスorあまえる持ちの出番ですが、状況次第です。サーフゴーはそもそもみずびたし対象外です。
・マスカーニャマスカーニャ、ゲッコウガゲッコウガ、エースバーンエースバーン
→へんげんじざいリベロ持ちの低耐久ポケモン。
タイプが変わるのを待ってぶっかける時間が勿体無い。この場合もウェルカモ達の出番です、敵本体のAを速攻で下げた方が効率的。
・単みずタイプのアタッカーポケモン
→2023年2月中旬現在、最強ゲッコウガレイドの使い回しのシャワーズが大量発生しています。
特にタイプ相性も何も考えず選出されるシャワーズの大半(体感8割)は、ただひたすらとけるとめいそうを最長9ターン繰り返してその間盤面に一切触れず、応援やつぼをつくやアシッドボムにすら反応せず、急所事故で退場するか、はたまたバフ解除(味方の能力とか打ち消すアレです)を受けて、時間切れも気にせず9ターン...を繰り返すことが大半です。
しかし、サポーターには出来ないダメージの貢献ができるアタッカーであり、何よりトレーナー達に勝ちに行く気概がある以上、支えるべき味方である事には変わりありません。
この場合もどちらかといえば、あまえるフェザーダンスを覚える、迅速にAを下げられるポケモンを割り振る方が適切でしょう。序盤の事故くらいは防げるので。
相性の良い味方
・高火力高耐久の手持ち最適で出てくれる、その場にいる味方全員です。
タイプ相性はなんとかできるので、このママンボウの前に限っては遠慮なく高火力高耐久で相手にガンガンダメージを与えられるポケモン選出してください。
でもみずびたしが間に合わないので、できたら1ターン目は10秒だけ待ってください
構築例
・上述の通り、同じ対物理専門であっても、フェザーダンスorあまえる &ひやみずを覚える、速攻でAを下げるポケモン達との互換性は高いです。
ちなみに前回紹介したウェルカモと今回のママンボウ、そして後日紹介する4体の計6体のサポーター構築で、2023年2月現存する星6レイド70種をだいたい網羅することも可能です。多分前代未聞の野良レイド専門パ。
禁忌
下記2項目に該当するレイドは、物理相手であろうが絶対に選出してはいけません。
1.パーモットパーモット、ヌメルゴンヌメルゴン、バチンウニバチンウニ、モロバレルモロバレル、キノガッサキノガッサといったくさ・でんきタイプ技を主体に使ってくるレイド
→説明略。
2.★6カイリューカイリュー
→ひやみずミストフィールド程度でどうにかなる相手ではありません。ママンボウ本体が耐えられても味方が持ちません。物理レイド最難関です。
※他の味方にめちゃくちゃ相性の良いポケモン達(リフレクターorクリアスモッグorくろいきり持ちのうち2体以上が揃う)がいるとかいう例外中の例外もありますが、野良レイドにおいてそれは期待しない方が良いです。あったら感謝の念をこめながらHOMEボタンで記念撮影です。
※星6ソウブレイズソウブレイズに選出するのは構いませんが、スキルスワップを撃ってはいけません。十中八九「くだけるよろい」です。
ママンボウが勝手に退場します。
おわりに
最後までご覧いただきまして、本当にありがとうございます。
前文でも述べましたが、ママンボウは本当に可能性の塊です。この育成論はその一端に過ぎず、さまざまな型を組むことが可能です。
また、テラレイド用、殊更野良レイド用の育成論というのはそれ自体が未開発の領域です。発展するための呼び水が、踏み台が全く足りていないのが現状です。
もしも前回、そして今回の育成論を見て
「こんなモン私でも作れるわ」
と思われる方が出て来たり
「見ろ、お前の育成論の上位互換だ。ざまぁみろ。」
と、奮起して野良レイド用育成論を投稿される方が後に続き、それによって野良レイドがもっと面白い事になるのであれば、これ以上嬉しいことはありません。
さて、次回投稿で、物理専用サポーターの紹介は最後になります。
紹介させていただくのは、★6レイド最難関カイリュー対策専用サポーター、ゴルダックゴルダックです。
筆者が辿り着いた型と、そしてそれよりも更に美しい型や他の対策ポケモン達と併せて、きれいに紹介できたらと思っています。
2/17 18:58追記
・体裁の調整、一部誤字の訂正
・ご指摘いただいたみずびたしとミストフィールドのデメリットの追記
・立ち回り(実戦での具体例)のとんでもないミスを訂正させていただきました。