注意
- 本育成論はドラパルト単体を考察するものではなく、特定の採用理由を満たすポケモンを複数体取り上げた比較考察論です。この形式の育成論については、前例として大天使様の対面構築における先発要員の考察(育成論ソードシールド/1056)や私の先発襷ステロ撒きの考察(育成論ソードシールド/1419)などがあります。特に前者は同形式の前例や注意点に関する詳しい説明がありますので、気になる方はそちらを参照してください。
- 長文の考察になります。適宜目次から読みたい項目/個別考察に飛ぶことを推奨します。個別考察については最後にまとめを載せており、そこを読むだけでも概要を掴むことはできます。
- 形式の都合上、個別考察については通常の育成論よりも内容が薄くなっています。補完として、参考にしたポケモン徹底攻略の過去の育成論のリンクを貼りました。無許可ですので問題があれば削除を検討します。
- 個別考察では最初に構成例を提示していますが、あくまで議論の前提を明確にするために仮置きしたものであり、各自の構築に合わせて配分/技構成/持ち物をカスタマイズする余地が大いにあります。構成例については論の根幹に関わる間違い以外は修正しない方針ですが、コメントで提案・議論していただくのは歓迎です。
- 筆者が育成・使用したことのないポケモンを一部含みます。
- ダメージ計算はダメージ計算SS(for iPhone)を使用しています。
- 以下常体で記述します。
壁貼り概要
- 壁貼りの役割
リフレクターおよび光の壁、あるいはオーロラベールは、5ターンの間相手からの攻撃のダメージが半分(=味方の耐久力が実質2倍)になる効果がある。これにより、後続のポケモンが積み技を使う余裕ができたり殴り合いを有利に進めたりすることができる。戦術的な軸としても採用されうる強力な効果だが、技スペを2つ消費するため壁を貼ることそのもの役割とするポケモンを構築に採用することが一般的であり、本論はその役割に適したポケモンを考察する。
壁展開を使用する上での注意点をいくつかあげておく。
・急所に当たった場合は壁の効果が無視される。基本的には運に関係する話だが、確定急所技を持つウーラオス(いちげき)や強運+ピントレンズのトゲキッスなど戦術的に急所を利用するポケモンもおり注意が必要。
・特性:すり抜けを持つポケモンは壁の効果を無視して攻撃できる。ドラパルトやシャンデラなど。
・壁は瓦割り/サイコファングによって破壊される。壁展開へのメタとしてドリュウズゴリランダーなどに採用されることがある。
- 壁貼り役に求められる要素
壁貼り役に求めたいのは、「できる限り2枚の壁を貼る」「最悪の対面でも1枚は壁を貼る」「壁ターンを残しつつ後続に繋ぐ」ことである。これらの条件を具体的な性能に落とし込むと、次のような要素に分解できる。
1. 上から壁を貼れる
相手が攻撃する前に壁を貼ることで自身の耐久力を底上げし、次のターン以降の選択肢を増やすことができる。基本的には素早さが指標となるが、特性:悪戯心持ちは先制技以外の攻撃の上から壁貼りができるため特に優秀。また、挑発をされる前に壁を貼れるという側面もある。
2. 最低限の耐久力と弱点の少なさ
スカーフ持ちなどに上から攻撃される可能性を考えると、それらを耐えて最低1枚は壁を貼れるようにしたい。また、高火力なタイプ一致抜群技は壁込みでも耐えないことがあり、その場合は2枚目の壁が貼れなくなってしまう。 あまりにも耐久数値が不足していたり弱点が多かったりすると、これらの事態への対応が難しくなるため適性が低いと言える。
3. 自主退場手段
壁展開に対しては補助技や低火力技を打ちながら壁ターンを枯らすプレイングで対応される場合がある。壁貼り役に自主退場手段があればそのような時間稼ぎを許さず、迅速に後続エースに繋ぐことができる。徹底抗戦/呪いなどが扱いやすいが、蜻蛉返り/ボルトチェンジなどの交代技(ただし先攻で打った場合は後続が攻撃を受けるデメリットあり)や欠伸による対面操作+交代で代用できる場合もある。
4. 起点回避/展開阻止能力
壁を貼っている間に積み技などで能力を上げながら突破されると、後続の負担が大きくなってしまう。積み技の使用を防ぐ挑発、積んだ相手を流す欠伸、相手の足を奪う電磁波などで起点にされることを防ぎたい。身代わりを割れる程度の火力もできれば欲しい。また、初手で対面しやすい壁貼り/ステロ撒きなどの起点作りを妨害できるとなお良い。
5. 壁張りが読まれない
いわゆる「意表がつける」ということ。壁展開は構築のメインの勝ち筋を担うことも多く、選出画面でこちらの戦術を悟らせないことは大きなアドバンテージとなる。壁展開への対策枠を呼び込みにくくなるほか、挑発を打たれにくいという運用上のメリットもある。ただし、壁貼り役としての単純な扱いやすさでは認知度の高いポケモンの方が優れるというトレードオフが一般的に存在する。
- 具体的な運用法
相手が物理ならリフレクター、特殊なら光の壁を使い、次のターンにもう一枚の壁を貼るのが基本行動。ドラパルトギルガルド(シールド)など物理/特殊どちらもあり得る場合は相手のパーティ構成などから推測しつつ選択する。その後は自主退場か交代で後続を場に出しダイマックスや積み技で展開していく。自主退場手段がない場合、相手に壁ターンを稼ぐ行動を許しやすいため壁の貼り方に工夫が必要になる。後出し性能が低いポケモンが多いため先発で出すのが基本だが、場合によっては控えに置いて途中から壁展開に持ち込むような試合の組み立て方もあり得る。
オーロラベールを使う場合は1ターンで両壁を貼ることができ物理特殊の読み合いを必要としないが、天候起動特性持ちバンギラスカバルドンニョロトノとの対面やそれらを後投げされると壁が貼れないというデメリットがある。
- 相性の良いエースと壁貼り役の選択基準
壁貼り役自身には突破力がないため、実質的に味方のポケモン2匹で相手の3匹を倒さなくてはならない。その点を考慮して壁下で展開していくポケモンを選ぶ必要がある。
まず、わかりやすく抜き性能を得られる以下のようなポケモンがエースの候補となる。
◆ダイジェットエース:エースバーントゲキッスギャラドスリザードンスピンロトムゴリランダーパッチラゴン
◆天候エース:ドリュウズ(砂掻き)/キングドラガマゲロゲ(すいすい)/サンドパン(アローラ)(雪掻き)
◆強力な積み技持ち:パルシェンカメックス(殻を破る)/ウルガモスモスノウ(蝶の舞)/ドラパルトギャラドスバンギラス(竜の舞)
エースの持ち物としては、壁による耐久補強を活かせる弱点保険や電磁波/欠伸等で止められなくなるラムの実などが有力になる。
また、耐久系の積み技を用いて要塞化するタイプのエースもいる。
◆詰ませエース:カビゴン(鈍い)/ピクシー(コスモパワー)/マホイップ(瞑想溶ける)
さらに、バトン要員+エース(バトン構築)の起点作りとして壁貼り役を採用することも考えられる。
◆バトン要員:ペンドラーバイウールーポットデスエースバーンドラパルト
エース(またはバトン要員)を決めたら、壁貼り役を選ぶ際には”縦の並び”も意識したい。例えば、エースにバンギラスを採用する場合、苦手な格闘に強く起点対象の悪霊を呼びやすいニャオニクス♂などが壁貼りとして適任であろう。ステロに非常に弱いウルガモスがエースなら、ステロ持ち全般に対面有利なインテレオン(起点対象の草電気を誘う点でも相性が良い)やそもそもステロを撒かせないエーフィは相性の良い壁貼り役だと言える。
もちろん、前述の『壁貼りに求められる要素』で述べたような性能(特に展開阻止能力と読まれにくさ)や個別考察に記載した特徴なども重要な選択基準となる。これらを総合的に考慮した上で各々の構築に適した壁貼り役を見つけたい。
採用基準・選考
壁貼りというテーマであるため、リフレクターと光の壁、あるいはオーロラベールを覚えることを前提とする。ポケモン徹底攻略のポケモン図鑑ソードシールドで検索すると、両壁あるいはオーロラベールを習得するポケモンは合計112種(キョダイセンリツを持つラプラスを含めて113種)いることが確認できる(ランクマッチで使用可能なポケモンのみ/進化前含む)。
ここからの足切りについてだが、メジャーなダイジェット使いであるギャラドストゲキッスの上から壁を貼ることができ、かつ他の候補と比較しても採用に足る十分な特徴・差別化要素を持つこと、を条件とした。前者の基準は、壁を貼る前にダイジェットで突破を許し後続に大きな負担を掛けるというリスクを排除するためのものである。特性:悪戯心、あるいはS82以上のポケモンが該当するが、壁は下から貼るよりも上から貼ったほうが良いという考えからある程度のSを保証するという意味も兼ねている。後者はさらに数を絞るための基準だが、これはいわゆる程度問題であり合格/不合格の最終的な決定は完全に筆者の主観によっていることは念を押しておきたい。末尾の【補論】を読んだうえで「○○が合格していないのはおかしい」(あるいはその逆)等の意見があればコメントいただければと思う。
上記の条件を満たし、合格したのは以下の16種。
オーロンゲオーロンゲ/クレッフィクレッフィ/ニャオニクス♂ニャオニクス♂/ドラパルトドラパルト/アブリボンアブリボン/インテレオンインテレオン/フーディンフーディン/エーフィエーフィ/ライチュウライチュウ/ユキメノコユキメノコ/アローラキュウコンキュウコン(アローラ)/ウォッシュロトムウォッシュロトム/ヒートロトムヒートロトム/スピンロトムスピンロトム/ジュラルドンジュラルドン/バイバニラバイバニラ
補足として、Sの条件を満たしていないがバイバニラも合格としている、合否の判断など選考の経緯が知りたい方は末尾の【補論】を参照のこと。
以下個別の育成論に入る。なお、考察は悪戯心持ち3種→Sの高い順となっている。
個別考察前提
- 性格はS補正/努力値はHSベースで固定とする(ただし悪戯心持ちは性格/努力値ともに全て耐久に回す)。壁貼りには長く場に残らず早めに落ちて欲しいという考えで耐久に振らない採用例も見られるが、この論では確実に壁を貼ることを重視して上からの攻撃に強いHSベースを考察する。
- 持ち物は光の粘土で固定とする。構築によっては、行動保証を得るための気合いの襷や半減実、迅速に退場するための脱出ボタンや脱出パックなどが候補に上がるが、この論ではそれらの考察を行わない。
- 与ダメージ計算は省略している。
- ダイマを切ることは基本的に想定しない。
技のカスタマイズ性が高い悪戯心持ち:オーロンゲオーロンゲ
- 構成例
配分:慎重 H252 B204 D52 (202-140-111-×-112-80)
特性:悪戯心
技構成:リフレクター/光の壁@2
・調整意図:A142ミミッキュの珠戯れつくを最高乱数以外耐え、C194サザンドラのDMラスターカノンを最高乱数以外耐え、DL対策(D>B)
・耐久指数:HB22,422、HD22,624
・候補技:ソウルクラッシュ/イカサマ/不意討ち/瓦割り/電磁波/挑発
- 強み
・悪戯心による優先度+1の壁貼り
・悪戯心で唯一両壁と挑発を両立できる
・悪戯心電磁波
・対物理のイカサマ、対特殊のソウルクラッシュという優秀なタイプ一致攻撃技
・悪戯心補助技無効の悪/すり抜けドラパルト/確定急所技持ちウーラオス(いちげき)に刺さるタイプ一致妖打点
・A120とそこそこ火力がある
・悪戯心の補助技(挑発含む)が無効
・サイコファング無効
・龍無効枠
・すり抜けドラパルトのタイプ一致技両方に耐性がある
- 弱み
・壁貼り型が最メジャーであり壁展開の対策を呼び込みやすい
・サポート主体のポケモンであり挑発や拘りトリックなどを打たれやすい(挑発である程度牽制可能)
・自主退場手段がない
・バレットパンチ抜群
- ダメージ計算
A142ミミッキュの珠戯れつく 85.1%~100.4%
A205ドリュウズのアイアンヘッド 83.1%~99.0%
C194サザンドラのDMラスターカノン 84.1%~100.0%
C211ギルガルド(シールド)のラスターカノン 84.1%~100.9%
- 参考育成論
育成論ソードシールド/52(セテア様)
- まとめ
壁貼りに向いた優秀な複合タイプを持ち、攻撃技・補助技ともにレパートリーの質が高い。壁展開が読まれやすく自主退場手段もないため、壁ターンの管理が少しシビア。
自主退場ができる悪戯心持ち:クレッフィクレッフィ
- 構成例
配分:図太い H252 B164 D92 (164-76-145-100-119-95)
特性:悪戯心
技構成:リフレクター/光の壁@2
・調整意図:A168エースバーンの珠キョダイカキュウを壁込みで確定耐え、C152ドラパルトの珠大文字を最高乱数以外耐え
・耐久指数:HB23,780、HD19,561
・優先技:徹底抗戦
・候補技:マジカルシャイン/イカサマ/電磁波
- 強み
・悪戯心による優先度+1の壁貼り
・悪戯心で唯一両壁と自主退場手段(徹底抗戦)を両立可能
・悪戯心電磁波
・悪戯心補助技無効の悪/すり抜けドラパルト/確定急所技持ちウーラオス(いちげき)に刺さるタイプ一致妖打点
・悪戯心挑発持ちオーロンゲエルフーンに刺さるタイプ一致鋼打点
・耐性豊富で後出し性能が高い
・龍無効枠
・ダイジェットへの耐性
・高火力先制技グラススライダーへの耐性
- 弱み
・壁貼り型が最メジャーであり壁展開の対策を呼び込みやすい
・サポート主体のポケモンであり挑発や拘りトリックなどを打たれやすい
・すり抜けシャンデラに弱い
- ダメージ計算
A168エースバーンの珠キョダイカキュウ 166.4%~196.3%
A187ドリュウズの地震 89.0%~106.0%
C152ドラパルトの珠大文字 84.1%~100.0%
C205ウルガモスのDMオーバーヒート 165.8%~197.5%
- 参考育成論
育成論ソードシールド/1155(陽炎様)
- まとめ
悪戯心持ちとしては自主退場手段があることと多耐性で後出ししやすいことが大きな特徴。ただし壁が読まれやすい割りに対策がある相手への対抗手段は薄い。
欠伸が個性の悪戯心持ち:ニャオニクス♂ニャオニクス♂
- 構成例
配分:穏やか H244 B116 D140 (180-47-111-103-132-124)
特性:悪戯心
技構成:リフレクター/光の壁@2
・調整意図:C167ドラパルトの珠シャドーボールを確定耐え、A211ギルガルド(シールド){のシャドークローを最高乱数以外耐え
・耐久指数:HB19,980、HD23,760
・優先技:欠伸
・候補技:サイコキネシス/電磁波/トリック
- 強み
・悪戯心による優先度+1の壁貼り
・欠伸による対面操作/起点回避ができ、自身が控えに戻りつつ後続を無償光臨させる動きが可能。EF/MF展開のためにダイマを強制できる点もメリット
・悪戯心電磁波
・確定急所技持ち連撃{ウーラオス}に刺さるタイプ一致超打点
・悪戯心持ちとしては素のSが高く、一部先制技(ゴリランダーのグラススライダー等)の上から壁を貼ったり退場際に攻撃技で削ったりできる
- 弱み
・壁貼り型が最メジャーであり壁展開の対策を呼び込みやすい
・サポート主体のポケモンであり挑発や拘りトリックなどを打たれやすい
・自主退場手段がない
・ラム持ちに起点にされやすい
・悪戯心の補助技が無効化される悪にタイプ上不利で、有効な攻撃技も持たない。特に確定急所技である一撃ウーラオス(いちげき)の暗黒強打に弱い
・すり抜けドラパルトシャンデラに弱い
・不意討ち/影討ち抜群
- ダメージ計算
A211ギルガルド(シールド)のシャドークロー 84.4%~100.0%
A184エースバーンの珠火炎ボール 81.1%~96.1%
C167ドラパルトの珠シャドーボール 83.8%~99.4%
C152ドラパルトのDMシャドーボール 93.9%~111.1%
- 参考育成論
育成論ソードシールド/904(sia様)
- まとめ
欠伸によってエースを無償光臨させつつ2度目のサポートを狙う動きができる。悪タイプ全般にめっぽう不利なため、それらを起点にできるエースと組むと良い。
型の読みづらさと数値の高さが魅力:ドラパルトドラパルト
- 構成例
配分:臆病 H244 B4 C4 D20 S236 (194-112-96-121-98-211)
特性:呪われボディorクリアボディ
技構成:リフレクター/光の壁@2
・調整意図:スカーフ準速ドリュウズ抜き、H2n調整(呪い意識)、C177サザンドラの悪の波動を最高乱数以外耐え、A156ミミッキュの戯れつくを乱数上から2つ切って耐え、DL対策(D>B)
・耐久指数:HB18,624、HD19,012
・優先技:呪い
・候補技:ドラゴンアロー/シャドーボール/祟り目/蜻蛉返り/鬼火/電磁波
- 強み
・環境最速レベルのSを持ち、相手の攻撃や挑発の上から壁貼りができる
・高速帯にしては高めな中程度の耐久
・呪いによる自主退場、積み技やバトン展開の牽制
・電磁波/鬼火を撒ける。鬼火は確定急所技を使うウーラオスに有効
・A120/C100とそこそこ火力がある
・格闘/ノーマル無効。瓦割り無効
・高火力先制技グラススライダーへの耐性
・呪われボディによる30%のアド稼ぎ
・型が豊富かつ初手性能が高いポケモンなので壁貼りだとバレにくい
- 弱み
・壁貼り型はかなり有名であり構築の組み方によっては壁展開の対策を呼び込むことがある
・すり抜けドラパルトシャンデラに弱い
・確定急所技である一撃ウーラオス(いちげき)の暗黒強打に弱い(鬼火である程度対抗可能)
・不意討ち/影討ち/氷の礫抜群
- ダメージ計算
A156ミミッキュの戯れつく 86.5%~102.0%
A172ドラパルトのドラゴンアロー 52.5%~62.8%×2
A168エースバーンの珠リベロDM不意討ち 158.2%~189.1%
C177サザンドラの悪の波動 84.5%~100.0%
- 参考育成論
育成論ソードシールド/321(tさくや (さく)様)
育成論ソードシールド/1454(弱保信者様)
- まとめ
半端なスカーフ持ちの上を取る素早さを持ち、攻撃技や呪いで削り性能にも優れる。壁貼り型自体は有名だが、型の豊富さゆえに構築次第ではミスリードも狙いやすい。
高速でねばねばネットが撒ける:アブリボンアブリボン
- 構成例
配分:臆病 H252 B4 C4 D12 S236 (167-54-81-116-92-191)
特性:スイートベールor鱗粉
技構成:リフレクター/光の壁/ねばねばネット@1
・調整意図:スカーフ準速パッチラゴン抜き、C152ドラパルトの大文字を確定耐え、A168エースバーンの火炎ボールを壁込みで確定耐え
・耐久指数:HB13,527、HD15,364
・候補技:ムーンフォース/蜻蛉返り/痺れ粉
- 強み
・エースバーンを上回る高いSを持ち、相手の攻撃や挑発の上から壁貼りができる
・両壁とねばねばネットを両立できるポケモンとしては最速
・悪戯心挑発持ちオーロンゲ/すり抜けドラパルト/確定急所技持ちウーラオス(いちげき)に刺さるタイプ一致妖打点
・龍無効枠
・高火力先制技グラススライダーへの耐性
・スイートベールによる催眠耐性(対欠伸展開)、あるいは鱗粉による岩石封じ等の追加効果の無効化
・壁貼りだと読まれづらい
- 弱み
・低耐久/多弱点なため上からの攻撃で落ちやすい。壁込みでも持ち物補正があるとタイプ一致弱点の攻撃で落ちる
・ねばねばネットや蝶の舞が有名で挑発を打たれやすい
・自主退場手段が蜻蛉返り(/バトンタッチ)しかない
・麻痺撒き手段(痺れ粉)の低命中
・起点回避能力に乏しい
・バレットパンチ/アクセルロック抜群
- ダメージ計算
A172ドラパルトの珠鋼の翼 87.4%~104.1%
A168エースバーンの火炎ボール 168.8%~198.8%
C157ドラパルトの大文字 81.4%~97.0%
C172トゲキッスのDMエアスラッシュ 162.8%~194.0%
C205ウルガモスの大文字 165.2%~195.2%
- まとめ
高速で壁貼りとねばねばネット撒きができるが、低耐久/多弱点で全てを遂行することは難しいためきちんと優先度付けをしながら動かす必要がある。
高速で安定した仕事の遂行能力:インテレオンインテレオン
- 構成例
配分:臆病 H236 B4 C4 D12 S252 (175-81-86-146-87-189)
特性:激流
技構成:リフレクター/光の壁@2
・調整意図:最速(最速エースバーン抜き)、C177サザンドラの流星群を最高乱数以外耐え、A192ヒヒダルマ(ガラル)の五里霧中馬鹿力を乱数上から2つ切って耐え、DL対策(D>B)、H16n-1調整
・耐久指数:HB15,050、HD15,225
・候補技:熱湯/凍える風/蜻蛉返り/水浸し/神秘の守り
- 強み
・エースバーンを上回る高いSを持ち、相手の攻撃や挑発の上から壁貼りができる
・最低限の耐久と弱点の少なさからスカーフ持ちに落とされにくい
・凍える風によるS操作
・ステロ撒きカバルドンドリュウズに刺さるタイプ一致水技
・C125と火力がある
・特殊アタッカー型が主流なため壁張りだと読まれづらい
- 弱み
・自主退場手段が蜻蛉返り(/バトンタッチ)しかない
・起点回避能力に乏しい
・グラススライダー抜群
- ダメージ計算
A192ヒヒダルマ(ガラル)の五里霧中馬鹿力 86.2%~101.7%
A145ゴリランダーのGFグラススライダー 99.4%~117.7%
C177サザンドラの流星群 85.7%~101.1%
C157ウォッシュロトムのボルトチェンジ 82.2%~97.1%
C152ドラパルトの珠10万ボルト 89.1%~105.7%
- まとめ
高速壁貼りとしては耐久/耐性が安定しており、読まれにくさも相まって遂行率は高い。ゴリランダーに非常に弱いことは欠点になるが、幸いにも後続で起点にするのは難しくない。
読まれにくい高速壁と挑発:フーディンフーディン
- 構成例
配分:臆病 H28 B228 S252 (134-49-94-155-115-189)
特性:マジックガード
技構成:リフレクター/光の壁@2
・調整意図:最速(最速エースバーン抜き)、A187ドリュウズの地震を確定耐え/A184エースバーンの珠キョダイカキュウを壁込みで最高乱数以外耐え、C172トゲキッスのDMエアスラッシュを確定耐え
・耐久指数:HB12,596、HD15,410
・優先技:挑発
・候補技:サイコキネシス/マジカルシャイン/電磁波/アンコール/マジックコート/テレポート
- 強み
・エースバーンを上回る高いSを持ち、相手の攻撃や挑発の上から壁貼りができる
・両壁と挑発を両立できるポケモンとしては現環境最速
・テレポート(優先度-6)で自主退場可能
・確定急所技持ち連撃ウーラオス(いちげき)に刺さるタイプ一致超打点
・C135と火力がある
・マジックガード+広範囲特殊技+挑発/アンコールによる耐久ポケモンの牽制(選出画面での圧力)
・特殊アタッカー型が主流なため壁張りだと読まれづらい
- 弱み
・低耐久なため上からの攻撃で落ちやすい(特に物理)
・すり抜けドラパルトシャンデラに弱い
・確定急所技である一撃ウーラオス(いちげき)の暗黒強打に弱い
・不意討ち/影討ち抜群
- ダメージ計算
A187ドリュウズの地震 83.5%~99.2%
A184エースバーンの珠キョダイカキュウ 171.6%~201.4%
A194ゴリランダーのGFグラススライダー 79.1%~94.0%
A211ギルガルド(シールド)の影討ち 76.1%~91.0%
A132カバルドンの地震 58.9%~70.1% (壁なし+壁ありで高乱数2耐え)
C172ヒートロトムのオーバーヒート 81.3%~97.0%
C172トゲキッスのDMエアスラッシュ 81.3%~97.0%
C152ドラパルトのシャドーボール 89.5%~107.4%
- まとめ
低耐久で上からの攻撃に弱いという意味で扱いが難しいが、壁張りが読まれないことと高速挑発や受け駒の選出抑制力を評価しての採用となる。
マジックミラーが強力:エーフィエーフィ
- 構成例
配分:臆病 H148 B84 C4 D20 S252 (159-63-91-151-118-178)
特性:マジックミラー
技構成:リフレクター/光の壁@2
・調整意図:最速、C177サザンドラの悪の波動を最高乱数以外耐え、A172ドラパルトの珠ドラゴンアローを高乱数耐え、H16n-1調整
・耐久指数:HB14,469、HD18,762
・優先技:欠伸
・候補技:サイコキネシス/マジカルシャイン/バトンタッチ/トリック
- 強み
・高速域に属する高いSを持ち、相手の攻撃の上から壁貼りができる
・マジックミラーによる挑発耐性/先発サポート(ステロ欠伸展開等)や受け構築の牽制/状態異常耐性(特に電磁波を受けないこと)/変化技への後出し性能
・欠伸による対面操作/起点回避ができ、自身が控えに戻りつつ後続を無償光臨させる動きが可能。EF/MF展開のためにダイマを強制できる点もメリット
・確定急所技持ち連撃ウーラオス(いちげき)に刺さるタイプ一致超打点
・C130と火力がある
- 弱み
・壁貼り型の認知度はそこそこ高く、構築の組み方によっては壁展開の対策を呼び込むことがある
・自主退場手段がバトンタッチしかない
・ラム持ちに起点にされやすい
・すり抜けドラパルトシャンデラに弱い
・確定急所技である一撃ウーラオス(いちげき)の暗黒強打に弱い
・不意討ち/影討ち抜群
- ダメージ計算
A172ドラパルトの珠ドラゴンアロー 44.0%~52.2%×2
A205ドリュウズの地震 79.8%~94.9%
A194ゴリランダーの奇跡の種GFグラススライダー 83.0%~98.1%
C177サザンドラの悪の波動 84.2%~101.8%
C172トゲキッスの珠DMエアスラッシュ 88.0%~103.7%
- 参考育成論
育成論ソードシールド/433(Sabituki様)
- まとめ
兎にも角にもマジックミラーが採用理由に直結している。使用率はそれほど高くないが、バトン構築などに入りやすいこともあってか意外と壁対策を呼ぶ印象。
避雷針とほっぺすりすりが特徴:ライチュウライチュウ
- 構成例
配分:陽気 H164 B92 S252 (156-110-87-×-100-178)
特性:避雷針
技構成:リフレクター/光の壁/ほっぺすりすり@2
・調整意図:最速、A168エースバーンの火炎ボールを確定耐え、C189トゲキッスの珠DMエアスラッシュ+珠DMマジカルシャインを壁込みで高乱数耐え
・耐久指数:HB13,572、HD15,600
・候補技:ボルテッカー/放電/ボルトチェンジ/エレキネット/瓦割り/アンコール
- 強み
・高速域に属する高いSを持ち、相手の攻撃の上から壁貼りができる
・ほっぺすりすりによる襷/化けの皮潰しを兼ねた麻痺撒き
・エレキネットによるS操作
・麻痺無効
・避雷針による電気無効(ボルチェンのカット)
・弱点が少なく、唯一の弱点である地面技は無効化しやすい
・タイプ一致ダイジェット使い/確定急所技持ち連撃ウーラオス(いちげき)に刺さるタイプ一致電気打点
・ダイジェットへの耐性
・アタッカー型が主流なため壁張りだと読まれづらい
- 弱み
・低耐久なため上からの攻撃で落ちやすい(特に物理)
・自主退場手段がボルトチェンジしかない
・一致技が無効で弱点を突かれる地面全般にめっぽう弱い
- ダメージ計算
A168エースバーンの火炎ボール 83.3%~98.7%
A205ドリュウズの地震 170.5%~201.2%
A194ゴリランダーの奇跡の種GFグラススライダー 87.1%~103.8%
C189トゲキッスの珠DMエアスラッシュ 57.6%~68.5%
C189トゲキッスの珠DMマジカルシャイン 116.0%~137.8%
C177サザンドラの流星群 83.3%~98.7%
- まとめ
低耐久だが、単電気/避雷針/ほっぺすりすりなど他にはない特徴を持つ。(スカーフ持ち)地面には弱いが、無効化しやすいため後続の起点にできるメリットもある。
独自のタイプと豊富な補助技が強み:ユキメノコユキメノコ
- 構成例
配分:陽気 H212 D44 S252 (172–100-90–×-96-178)
特性:呪われボディ
技構成:リフレクター/光の壁@2
・調整意図:最速(最速キュウコン(アローラ)抜き)、C189トゲキッスのDMエアスラッシュを確定耐え/C152ドラパルトのシャドーボールを確定耐え、A172ドラパルトの珠ドラゴンアローを高乱数耐え、DL対策(D>B)
・耐久指数:HB15,480、HD16,512
・優先技:挑発/道連れ
・候補技:トリプルアクセル/雪雪崩/ポルターガイスト/冷凍ビーム/凍える風/シャドーボール/祟り目/鬼火/電磁波
- 強み
・高速域に属する高いSを持ち、相手の攻撃の上から壁貼りができる
・高いSから挑発が打てる。特に霰ダメ/絶対零度無効で壁貼りキュウコン(アローラ)に強い
・道連れ(+雪雪崩)による1:1交換性能
・電磁波/鬼火を撒ける。鬼火は確定急所技を使うウーラオス(いちげき)に有効
・凍える風によるS操作
・身代わりドラパルトエルフーンに強いトリプルアクセル、相手の持ち物を見れるポルターガイストという優秀なタイプ一致攻撃技
・格闘/ノーマル無効枠。瓦割り無効
・呪われボディによる30%のアド稼ぎ
・壁貼りだと読まれづらい
- 弱み
・耐久はそこそこあるが多弱点なため上からの攻撃で落ちやすい
・補助技を使うイメージから比較的挑発を打たれやすい
・自主退場手段がない
・すり抜けドラパルトシャンデラに弱い
・確定急所技である一撃ウーラオス(いちげき)の暗黒強打に弱い(鬼火である程度対抗可能)
・不意討ち/影討ち/バレットパンチ/アクセルロック抜群
- ダメージ計算
A172ドラパルトの珠ドラゴンアロー 41.8%~50.0%×2
A184エースバーンの火炎ボール 160.4%~189.5%
C189トゲキッスのDMエアスラッシュ 83.7%~99.4%
C152ドラパルトのシャドーボール 83.7%~98.8%
C133キュウコン(アローラ)のムーンフォース 43.6%~51.1%
- 参考育成論
育成論ソードシールド/521(むぅ様)
- まとめ
優秀な補助技を数多く習得し、特に道連れの1:1交換性能は個性になる。固有タイプはいくつかのメリットもあるが、弱点が多く数値以上に脆い点は課題でもある。
最速のオーロラベール使い:アローラキュウコンキュウコン(アローラ)
- 構成例
配分:臆病 H236 B20 S252 (178-64-95-101-123-177)
特性:雪降らし
技構成:オーロラベール@3
・調整意図:最速、A194ゴリランダーの鉢巻GFグラススライダーを最高乱数以外耐え、C167ドラパルトの珠大文字を最高乱数以外耐え/C189トゲキッスの珠DMエアスラッシュを最高乱数以外耐え
・耐久指数:HB16,910、HD21,894
・優先技:絶対零度
・候補技:吹雪/フリーズドライ/凍える風/ムーンフォース/霰/アンコール
- 強み
・高速域に属する高いSを持ち、相手の攻撃の上からオーロラベールを貼ることができる
・1ターンで両壁を貼れるため物理特殊の読み合いを必要としない
・雪降らし<b>による<b>定数ダメ/襷潰し/雪掻きエースのお膳立て/特性発動順によるS関係の判別
・凍える風によるS操作
・壁ターン稼ぎを咎め、起点回避にもなる絶対零度
・悪戯心挑発持ちエルフーン/すり抜けドラパルトに刺さるタイプ一致氷打点
・悪戯心挑発持ちオーロンゲ/すり抜けドラパルト/確定急所技持ちウーラオス(いちげき)に刺さるタイプ一致妖打点
・龍無効枠
- 弱み
・壁貼り型が最メジャーであり壁展開の対策を呼び込みやすい
・天候を奪われると壁が貼れない
・耐久は並程度にあるが多弱点なため上からの攻撃で落ちやすい
・自主退場手段がない
・すり抜けシャンデラに弱い
・タイプ一致技がともに半減で4倍弱点を突かれる鋼全般にめっぽう弱い
・バレットパンチ(4倍)/アクセルロック抜群
- ダメージ計算
A194ゴリランダーの鉢巻GFグラススライダー 85.9%~101.1%
A162ルカリオのバレットパンチ 87.6%~103.3%
C167ドラパルトの珠大文字 84.8%~100.5%
C189トゲキッスの珠DMエアスラッシュ 85.3%~100.5%
C211ギルガルド(シールド)のラスターカノン 177.5%~211.2%
- 参考育成論
育成論ソードシールド/927(ref様)
- まとめ
高いSからオーロラベールを展開できるのが最大の強み。並程度の耐久を持つが弱点が多く、特に鋼を非常に呼ぶことは頭に入れておく必要がある。
ギャラドスに強い:ウォッシュロトムウォッシュロトム
- 構成例
配分:臆病 H252 B36 S220 (157-63-132-125-127-147)
特性:浮遊
技構成:リフレクター/光の壁@2
・調整意図:最速ギャラドス抜き、A194ギャラドスの珠DM飛び跳ねる+珠DMパワーウィップを壁込みで高乱数耐え、C152ドラパルトの眼鏡流星群を確定耐え
・耐久指数:HB20,724、HD19,939
・候補技:ハイドロポンプ/放電/ボルトチェンジ/エレキネット/鬼火/電磁波
- 強み
・鬼火/電磁波を撒ける。鬼火は確定急所技を使うウーラオス(いちげき)に有効
・エレキネットによるS操作
・タイプ一致ダイジェット使い/確定急所技持ち連撃ウーラオス(いちげき)に刺さるタイプ一致電気打点
・C105とそこそこ火力がある
・耐性豊富で後出し性能が高い
・ダイジェットへの耐性。特に水半減なことから(草技のない)ギャラドスに非常に強い
・地面無効枠
・弱点が草のみ(型破り地震/フリーズドライに注意)
・特殊アタッカー型が主流なため壁張りだと読まれづらい
- 弱み
・そこまで早くないので上からの攻撃や挑発を受けやすい
・自主退場手段がボルトチェンジしかない
・グラススライダー抜群
- ダメージ計算
A194ギャラドスの珠DM飛び跳ねる 44.5%~52.8%
A194ギャラドスの珠DMパワーウィップ 129.2%~152.2%
A184エースバーンの珠リベロ飛び膝蹴り 84.7%~100.0%
C152ドラパルトの眼鏡流星群 84.0%~99.3%
C172トゲキッスの珠DMマジカルシャイン 82.8%~97.4%
- まとめ
そこそこの速さ/優秀なタイプ/安定した耐久を持ち、ギャラドスに強いことが特徴。使用率は高いもののほとんどは補完枠としての採用であり、壁貼り型は想定されにくい。
トゲキッスに強い:ヒートロトムヒートロトム
- 構成例
配分:臆病 H252 B36 S220 (157-63-132-125-127-147)
特性:浮遊
技構成:リフレクター/光の壁@2
・調整意図:最速ギャラドス抜き、A194ギャラドスDM飛び跳ねる+DM滝登りを壁込みで高乱数耐え、C152ドラパルトの眼鏡流星群を確定耐え
・耐久指数:HB20,724、HD19,939
・候補技:オーバーヒート/放電/ボルトチェンジ/エレキネット/鬼火/電磁波
- 強み
・<b>鬼火/電磁波を撒ける<・b>。鬼火は確定急所技を使うウーラオス(いちげき)に有効
・エレキネットによるS操作
・タイプ一致ダイジェット使いに刺さるタイプ一致電気打点
・C105とそこそこ火力がある
・耐性豊富で後出し性能が高い
・ダイジェットへの耐性。特に妖/炎半減なことから(岩技のない)トゲキッスに非常に強い
・地面無効枠
・弱点が少ない(型破り地震に注意)
・高火力先制技グラススライダーへの耐性
・特殊アタッカー型が主流なため壁張りだと読まれづらい
- 弱み
・そこまで早くないので上からの攻撃や挑発を受けやすい
・自主退場手段がボルトチェンジしかない
・確定急所技である連撃ウーラオス(いちげき)の水流連打に弱い
・アクアジェット/アクセルロック抜群
- ダメージ計算
A194ギャラドスのDM飛び跳ねる 34.3%~40.7%
A194ギャラドスのDM滝登り 138.8%+164.3%
A184エースバーンの珠リベロ飛び膝蹴り 84.7%~100.0%
C152ドラパルトの眼鏡流星群 84.0%~99.3%
C172トゲキッスの珠DMマジカルシャイン 41.4%~49.0%
- まとめ
そこそこの速さ/優秀なタイプ/安定した耐久を持ち、トゲキッスに強いことが特徴。使用率は高いもののほとんどは補完枠としての採用であり、壁貼り型は想定されにくい。
ダイジェットエースへの偽装:スピンロトムスピンロトム
- 構成例
配分:臆病 H236 B52 S220 (155-63-134-125-127-147)
特性:浮遊
技構成:リフレクター/光の壁@2
・調整意図:最速ギャラドス抜き、A187ドリュウズのDM岩雪崩を乱数上から4つ切って耐え/A194ギャラドスの滝登りを高乱数2耐え、C152ドラパルトの眼鏡流星群を最高乱数以外耐え
・耐久指数:HB20,770、HD19,685
・候補技:エアスラッシュ/放電/ボルトチェンジ/エレキネット/鬼火/電磁波
- 強み
・鬼火/電磁波を撒ける。鬼火は確定急所技を使うウーラオスに有効
・エレキネットによるS操作
・タイプ一致ダイジェット使い/確定急所技持ち連撃ウーラオス(いちげき)に刺さるタイプ一致電気打点
・C105とそこそこ火力がある
・耐性豊富で後出し性能が高い
・ダイジェットへの耐性。特に格闘半減なことからエースバーンに強め
・地面無効枠
・高火力先制技グラススライダーへの耐性
・ダイジェットエース型が主流なため壁張りだと読まれづらい
- 弱み
・そこまで早くないので上からの攻撃や挑発を受けやすい
・自主退場手段がボルトチェンジしかない
・氷の礫/アクセルロック抜群
- ダメージ計算
A187ドリュウズのDM岩雪崩 87.7%~104.5%
A194ギャラドスの滝登り 42.5%~50.3%
A184エースバーンの珠リベロ飛び膝蹴り 42.5%~50.3%
A184エースバーンのキョダイカキュウ 80.0%~94.8%
C152ドラパルトの眼鏡流星群 85.1%~100.6%
C172トゲキッスの珠DMマジカルシャイン 83.8%~98.7%
- まとめ
そこそこの速さ/優秀なタイプ/安定した耐久を持ち、ダイジェットエース全般に強め。環境の個体のほとんどがダイジェットエースでの採用であり、壁貼り型は想定されにくい。
優秀なタイプからステロを撒ける:ジュラルドンジュラルドン
- 構成例
配分:臆病 H92 B4 C4 D164 S244 (157-90-136-141-91-149)
特性:ライトメタル
技構成:リフレクター/光の壁@2
・調整意図:準速ミミッキュ抜き/最速ギャラドス+3、C152ドラパルトのDM流星群を確定耐え、A168エースバーンのリベロDM飛び膝蹴りを最高乱数以外耐え
・耐久指数:HB21,352、HD14,287
・優先技:徹底抗戦/ステルスロック
・候補技:流星群/岩石封じ/電磁波
- 強み
・両壁とステロを両立できるポケモンとしては現環境最速
・自主退場手段(徹底抗戦)あり
・岩石封じによるS操作
・悪戯心挑発持ちオーロンゲエルフーンに刺さるタイプ一致鋼打点
・竜等倍かつタイプ一致竜打点ですり抜け持ちのドラパルトに強め
・C120とそこそこ火力がある
・耐性豊富で後出し性能が高い
・ダイジェットへの耐性。特に水半減なことから(地面技のない)ギャラドスに非常に強い
・高火力先制技グラススライダーへの耐性
・型が豊富で壁貼りだとバレにくい
- 弱み
・そこまで早くないので上からの攻撃や挑発を受けやすい
・中速帯にしては特殊耐久が低い
・弱点がメジャー寄り
・壁貼り型の認知度はそこそこ高く、構築の組み方によっては壁展開の対策を呼び込むことがある
・マッハパンチ抜群
- ダメージ計算
A168エースバーンのリベロDM飛び膝蹴り 85.3%~100.6%
A168エースバーンのリベロ飛び膝蹴り 115.9%~137.5%
A177ギャラドスの珠地震 82.8%~97.4%
C152ドラパルトのDM流星群 84.0%~99.3%
C172ヒートロトムのオーバーヒート 88.5%~105.0%
- 参考育成論
育成論ソードシールド/1023(だいすきクラブ様)
- まとめ
独自の複合タイプと型の豊富さが特徴で、ステロ撒きも兼ねることができる。中速帯にしては低い特殊耐久と弱点がメジャーよりな点は気がかりか。
自主退場可能なオーロラベール使い:バイバニラバイバニラ
- 構成例
配分:臆病 H252 B52 C4 D12 S188 (178-103-112-131-117-135)
特性:雪降らし
技構成:オーロラベール@3
・調整意図:最速70族抜き(パルシェンの上から挑発するため)/準速ギャラドス+2、A187ドリュウズのアイアンヘッドを最高乱数以外耐え/A177ギャラドスの珠DM飛び跳ねるを最高乱数以外耐え、C189トゲキッスの珠DMエアスラッシュを壁込みで高乱数2耐え、DL対策(D>B)
・耐久指数:HB19,936、HD20,826
・優先技:挑発/大爆発
・候補技:吹雪/フリーズドライ/凍える風/氷の礫/絶対零度/霰
- 強み
・1ターンで両壁を貼れるため物理特殊の読み合いを必要としない
・雪降らしによる定数ダメ/襷潰し/雪掻きエースのお膳立て/特性発動順によるS関係の判別
・凍える風によるS操作
・壁ターン稼ぎを咎め、起点回避にもなる絶対零度
・自主退場手段(大爆発)あり
・悪戯心挑発持ちエルフーンすり抜けドラパルトに刺さるタイプ一致氷打点
・C110とそこそこ火力がある
- 弱み
・そこまで早くないので上からの攻撃や挑発を受けやすい
・耐久はそこそこあるが弱点が多めかつメジャーより
・オーロラベールが有名であり壁展開の対策を呼び込みやすい
・天候を奪われると壁が貼れない
・すり抜けシャンデラに弱い
・バレットパンチ/マッハパンチ/アクセルロック抜群
- ダメージ計算
A187ドリュウズのアイアンヘッド 85.3%~101.1%
A177ギャラドスの珠DM飛び跳ねる 85.3%~100.5%
A189ドラパルトのダイスチル 86.5%~102.2%
C189トゲキッスの珠DMエアスラッシュ 85.9%~102.8%
C172トゲキッスのDM大文字 87.6%~103.3%
C152ドラパルトの珠大文字 87.6%~103.9%
- 参考育成論
育成論ソードシールド/146(unugi様)
- まとめ
Sの遅さゆえに壁を貼れる対面をやや選ぶが、キュウコン(アローラ)と比べるたときの長所である4倍弱点がない/物理耐久が高い/挑発持ち/自主退場可能といった点を活かしたい。
【補論】選考過程詳細および落選ポケモンの簡易考察
この項では、考察段階で実施した選考における合格/不合格の判定理由を個々のポケモンについて解説する。
なお、一部の例外を除いて進化前は考察していない(持ち物を光の粘土で固定とすると進化系の劣化となるため)。
- 合格組
まず、現在使用率1位のエースバーンより早く壁を張れるポケモンは非常に限られるため、採用価値が高いと判断した。悪戯心持ちの3種オーロンゲクレッフィニャオニクス♂はそれぞれタイプや習得技の違いがあり特に差別化の必要もなく合格。S120族以上のポケモンでは、純粋な数値が高いドラパルト、弱点が少なく耐久もそこそこあるインテレオン、ねばねばネットのアブリボンと棲み分けもできており合格。物理耐久に不安がありライバルの多いフーディンは迷ったが、S120(エースバーン+1)と最速挑発(と読まれにくさ)を考慮して及第点とした。
次に重要なSラインはミミッキュウーラオス(いちげき)リザードンウルガモス等のいる100族付近であり、これらの上から壁張りができるポケモンは優先的に採用できると考えた。該当するポケモンのうち、マジックミラーのエーフィ、避雷針とほっぺすりすりのライチュウ、道連れのユキメノコ、最速オーロラベールのキュウコン(アローラ)を合格とした。
続いて高速域には届かないが足切り条件である82族以上を満たすポケモンについて。このS帯だと上から叩かれる機会も多くなるため、やや厳しめに見て切り捨てを行なった。結果として、一致ダイジェット持ちに強いウォッシュロトムヒートロトムスピンロトムとステロのジュラルドンを合格とした。
最後に、Sの条件を満たしていないが例外的にバイバニラを合格とした。準速ギャラドストゲキッスの上を取れること、最速ギャラドストゲキッスの攻撃を(ほぼ)1発は耐えられること、1ターンで両壁を張れることから実質的に求める要件を満たしているためである。
- 不合格組
はじめに断っておくと、不合格と判定したことは全く採用価値がないという意味ではない。共通する点として、壁展開が読まれにくいことは構築のコンセプトを通すための障害を呼びづらくなるという大きなメリットがある。しかし、合格したポケモンと比べたときに扱いにくさや劣化点が目立つため個別考察の対象からは外した。
まず、足切り条件のS82族以上を満たしながら不合格となったポケモンについて。これらは、性能面で差別化要素が弱いと判断したため切り捨てた。以下詳細。
・スターミー:単超ニャオニクス♂フーディンエーフィと単水インテレオンの弱点をまとめて抱え込んでおり劣化気味なため不合格
・ココロモリ/シンボラー/ネイティオ:単超ニャオニクス♂フーディンエーフィより弱点が増えており劣化気味なため不合格
・アローラライチュウ:ライチュウとの差別化が難しく、単電気ライチュウと単超ニャオニクス♂フーディンエーフィの弱点をまとめて抱え込んでおり劣化気味なため不合格
・ビリジオン:独自のタイプを持つが、ダイジェット4倍が環境的に厳しすぎるため不合格
・ニャオニクス♀:ニャオニクス♂と比べて差別化要素がないため不合格
・ガラルバリヤード:氷キュウコン(アローラ)ユキメノコと超ニャオニクス♂フーディンエーフィの弱点をまとめて抱え込んでおり劣化気味なため不合格
・ロトム:Sが中途半端な割りに耐久が低く、他のロトムウォッシュロトムヒートロトムスピンロトムや霊ドラパルトユキメノコの劣化気味なため不合格
・バリヤード:S以外数値でより優れるサーナイトの壁が厚く、加えて単超ニャオニクス♂フーディンエーフィの劣化気味なため不合格
・イオルブ:ねばねばネットを撒くならアブリボンでよく、Sが中途半端な割りに弱点が多いため不合格
・カットロトム:ダイジェット等倍の草/型破り地震等倍のロトムという特徴を持つが、Sが中途半端な割りに弱点が多いため不合格
・フロストロトム:Sが中途半端な割りに弱点が多く、他のロトムウォッシュロトムヒートロトムスピンロトムや氷キュウコン(アローラ)ユキメノコの劣化気味なため不合格
・イエッサン♀:サイコメイカーは大きな個性だが、壁貼りをさせるとターンの制限が厳しく恩恵を受けづらい。他に積極的に採用できる性能がある訳でもないため不合格(コメントでの指摘により8/12付で考察対象より削除)
次にS種族値81族以下のポケモンだが、これは上から壁を貼りづらいため一様に不合格とした。ただし、該当するポケモンは耐久が高いことが多く、一撃耐えて壁を貼るという動きが可能なため考察の余地はある。例えば、条件のSラインからギリギリこぼれたトゲキッス/サーナイト/エルレイド/マンムーなどはHSベース/耐久振りベースでの壁貼り運用例が以前から見られる。また、ニンフィア/プクリン/ドータクン/ナマコブシなどは耐久振りで下から壁を貼るサポート型が一定数存在している。これ以外のポケモンも同様の運用法は考えられるだろう。
最後にオーロラベール持ちについて。
・ユキノオー:雪降らしとオーロラベールを両立するが、S60/メジャーな炎が4倍弱点/ダイジェットが弱点であるため不合格
・ラプラス:キョダイセンリツによりオーロラベールを貼れるが、S60と遅いこととダイマックスを消費しなくてはならないため不合格
・コオリッポ:アイスフェイスによる対物理の行動保証を活かして霰+オーロラベールの動きが可能だが、アイスフェイス時はS50であり、特殊AT対面/エースバーンゴリランダーのキョダイ技/型破りドリュウズなど不安定要因が多いため不合格
・ウオチルドン:雪掻き+霰+オーロラベールを両立するが、夢特性が未解禁なため考察保留
おわりに
長文読了お疲れ様でした。前回の反省を活かし、少し厳しめの足切りや表記の簡素化によってどうにか1つの記事に収めることができました。個別考察の数はもう少し減らせたのではないかという声も聞こえそうですが、壁貼り型がメジャーか否かに捉われずに純粋なスペックを私なりに吟味した結果としてご理解いただければと思います。それぞれのポケモンの特徴を見比べつつ、構築にマッチした壁貼り役を見繕う際の参考にしていただければ幸いです。コメントにて感想・意見・提案をお待ちしております。
《修正履歴》