初めに
こんにちは。のりです。
今回は『カイリュー』について書きました。
カイリューと言えば高種族値、最強特性、豊富な技に合わせて、元タイプ及びテラスタルにより非常に多くの役割をこなせます。
そのため巷では200個またそれ以上の型があるとも噂されるSV環境トップメタのポケモンですね。
中でもりゅうのまいを採用したエース型が強力であり、汎用的な対策として特性いかくを絡めたり
でんじは、あまえる、がんせきふうじでの妨害、展開阻止が思い浮かぶと思います。
カイリューにクリアチャームを持たせることで能力を下降させられず、
やのテラスタルによって耐性を変えつつでんじはを無効にします。
これによってオボンのみやとつげきチョッキのランドロス(霊獣)、ブーストエナジーハバタクカミなどを逆に起点にすることが可能になります。
参考
うーたん氏とつげきチョッキランドロス(霊獣)(育成論SV/3443)
自身のブーストエナジーハバタクカミ (育成論SV/3116)
有効打を持たない水ウーラオス(れんげき)やオーガポン(かまど)などには元々強く
多くのポケモンを起点にしながら相手の全抜きを狙いに行けます。
既にクリアチャーム持ちカイリューの論がありますが、環境や考察内容が違うことからフォークとさせてもらいました。
育成「論」として各項目に対して理由付け、深掘りしていきますのでボリュームが多くなりますが育成するにあたり参考になれば幸いです。
感想や改善案など、なんでもコメント頂けると嬉しいです。
注意事項
- 本育成論では非公式な略称や用語(HABCDSや努力値など)を使用します。
- その他表現方法などは過去の育成論を参照お願いします。
では本題へ
コンセプトと役割
メジャーなカイリュー対策をメタることで簡単に止まらない、りゅうのまいによる抜きエース
- 解説
冒頭でも話した通り、相手側のカイリュー対策に対して、テラスタルによる耐性の変化とでんじはの無効化、
クリアチャームによるいかく、あまえる、がんせきふうじなどの能力下降を無視してりゅうのまいを積んで全抜きを目指す。
相手のカイリュー対策枠であろうポケモンにこの型のカイリューを合わせることで
無償のターンを得られ全抜きの体勢を整えやすい。
元々のスペックが高いため、テラスタルやクリアチャームに依存しなくてもある程度は強く立ち回れる。
また、カイリューは型が豊富すぎるためこの型を一点読みされづらいのもポイント。
(パッと思いつくだけでも、ダイス・鉢巻・ゴツメ・残飯・ブーツ・弱点保険 などの持ち物候補があり
技範囲もとんでもなく広く物理特殊両方で採用でき、アンコールといった補助技もある)
例を挙げると型を読まれて挑発を打たれたり積み合いになると面倒ではあるが、
鉢巻やアンコール持ちカイリューだと裏目になりやすい。
相手としては一貫しやすいでんじは、あまえるで型の確認とデバフからの処理を狙うのが安定行動のように思える。
そういう動きに対してこの型のカイリューが非常に刺さる。
持ち物
- クリアチャーム
- 今回のコンセプト。
- 投稿時点での採用率は約12%とシーズン14→15でかなり増加している。
- いかく、あまえる、がんせきふうじの他、ちからをすいとる、おきみやげなどの能力下降も防げる(その後の処理は発動する)。
- すてゼリフは交代も無効化される。
特性
性格・努力値と調整
性格 いじっぱり
努力値 244-132-4-0-36-92
実数値 197-188-116-*-125-112
- H 耐久確保のため奇数最大
- A 性格補正効率のよい11n(187)プラス1
(目安)
A↑↑ テラバで
H4B4(167-116)カイリューに147 ~ 174 (88.1 ~ 104.2%) 乱数1発 : 25%
+ステロ1/8ダメで確定1発
H244B4(197-116)カイリューに147 ~ 174 (74.7 ~ 88.4%) 確定2発
+ステロ1/4ダメで乱数1発 : 93.75%
HB252(162-107)ハバタクカミに (98.2 ~ 115.5%) 乱数1発 : 87.5%
- B 端数
(目安)
A特化(216)ランドロス(霊獣)のがんせきふうじで (43.7 ~ 51.8%) 乱数2発 : 6.25%
等倍時にA特化水ウーラオス(れんげき)のテラス水流連打+アクジェで
初撃マルスケ込みで165 ~ 198 (83.8 ~ 100.6%) ほぼ耐え
- D 粘れる範囲を増やすため余りを全て
(目安)
等倍時にC252ハバタクカミのムンフォが(41.2 ~ 48.8%)
- S 2舞で準速スカーフウーラオス(れんげき)抜き
準速スカーフウーラオス(れんげき)149*1.5≒223
S↑↑カイリュー112*2=224
1舞だと112*1.5=168 で最速100族(167)まで抜ける。
- その他の努力値調整の例を以下に記載する。
- サンプル1 ASベース
性格 いじっぱり
努力値 132-164-4-0-4-204
実数値 183-192-116-*-121-126
(HB目安)
A特化水ウーラオス(れんげき)のテラス水流連打で (41.5 ~ 49.8%)
(HD目安)
C特化サーフゴーのシャドボで(41.6 ~ 49.8%)
(A目安)
B4テツノツツミを電気テラバで(100.8 ~ 119.1%)
B特化ドヒドイデをA↑↑電気テラバで(99.4 ~ 118.5%) 乱数1発 : 93.75%
S↑で準速135族パオジアンハバタクカミ(実数値187)抜き
- サンプル2 耐久ベース
性格 いじっぱり
努力値 244-12-76-0-84-92
実数値 197-171-125-*-131-112
(HB目安)
A36+(187)ランドロス(霊獣)の等倍じしんで (42.7 ~ 50.8%)
A特化オーガポン(かまど)のA↓じゃれつくで(41.7 ~ 49.8%)
(HD目安)
特化ガチグマ(アカツキ)のテラスブラムでマルスケ込み84 ~ 99 (42.7 ~ 50.3%) 乱数2発 : 1.17%
=羽休めでマルスケが確定で復活する。
等倍時にC特化ハバタクカミのムンフォで(42.7 ~ 50.8%)
(A目安)
H252ブリジュラスをA↑テラス地震で(98.5 ~ 116.8%) 乱数1発 : 93.75%
Sラインは確定欄と同じ。
他にオススメ案あればコメント願いたい。
技構成
- 以下から選択
- じしん
- 元々威力100の技であり非テラス状態でも打って火力が出る。
- テラスを切れば即時に1.5倍になるため1積みからでも火力を出しやすい。
- ワイドブレイカー
- 追加効果で相手のAを下げられるため起点にできる相手が増える。
- (例えば火力が高めなランドロス(霊獣)、氷技持ち水ウーラオス(れんげき)テツノカイナ、じゃれつく持ちオーガポン(かまど)など)
- タイプ一致であるため上記の技と同じくらいには火力は出る。
- しんそく
- お馴染みの高火力かつ優先度+2の先制技。
- 舞わずとも対面で倒せる相手が増えたり、味方の取りこぼしをノーダメで処理できる。
- はねやすめ
- 能力下降の追加効果を受けないため粘り易く、耐性変化やテラスを合わせると多くの相手を起点にしやすい。
- りゅうのまいを積んで先制ではねやすめすることでマルスケを盾に相手の技構成を把握でき、テラスタルを切るかどうかの判断もできる。
- 採用する場合は耐久寄りの努力値配分としたい。
- アンコール
- 低速の積み技や再生技持ちを起点にでき、じしんなど無効読みで後出ししアンコールすると無償でターンを得られるが
- そもそもアンコール読みで引いてくることも多く、プレイヤーや構築次第とも言える。
- 採用する場合は竜舞1回でも抜き性能を高めやすく、上からアンコールできるAS寄りの努力値配分としたい。
他にも多くのサブウェポンがあるが長くなってしまうため本論での説明は割愛する。
- 技構成について(2ウェポン型の場合)
アイススピナー+テラバースト
シーズン8,9あたりからしばしば見られた構成。
どちらかの技を見せると大体この型を警戒される。
ワイドブレイカー+テラバースト
こちらも前期上位で結果を残した型。
は耐性面で弱点が少なく、ワイドブレイカーで起点にできる範囲が広い。
アイススピナー+じしん
簡単に言えばマンムーの技範囲で相手は受けづらい。
テラスでじしんのリーチを大きく伸ばせる。
テラスを切った後だと本来有利な水ウーラオス(れんげき)オーガポン(かまど)に弱くなるため注意。
構成は無限に考えられるため自分だけのカイリューを考えてみてほしい。
テラスタル
- テラス
- こちらもでんじは無効ではあるが弱点が多い。
- 特にアクジェや氷の礫が抜群で入ってしまうのがネック。
- アイスピ+地震の技構成の場合、テラスを切らずとも技範囲と威力が優秀のため他のポケモンにテラスを切る選択肢が生まれる。
立ち回り例
竜舞した後で止められそうもないパーティ相手の場合には、後発から繰り出し全抜きを狙いたい。
特にオボンやチョッキのランドロス(霊獣)、ブーストハバタクカミを誘うようにすることで
低リスクで積むターンを得られる上にそのまま試合を決定付けられる。
- ポイント
ステロなどの補助技やじめん技読みで後出ししアンコールを警戒させる
体力が少ない相手ポケモンに出し、神速やスケショを警戒させる
このタイミングでブーストハバタクカミが出てきて竜舞を積み、甘えるや電磁波に対して無償でもう1舞することで
2舞したマルスケありのカイリューが爆誕する。
ハバタクカミのブーストが発動しない場合は大抵は眼鏡持ちであり、
上から2回の攻撃は受け切れないため、1舞した攻撃で倒すのがベターであろう。
それ以外(襷、スカーフ)であってもテラス後マルスケありのカイリューを2発で倒す手段は、弱点またはテラバくらいしかない。
ランドロス(霊獣)の後出しに対してもいかくを無効にしつつ1舞し、
相手のテラスや技を羽休めで粘りながら確認し、起点にしながら突破できる。
与ダメージ計算
確定数は重要そうなものだけ記載する。
追加した方が良いのがあればコメントまで。
竜舞の回数と攻撃の倍率は以下の通り
1回:1.5倍 2回:2倍
3回:2.5倍 4回:3倍
5回:3.5倍 6回:4倍
H244カイリュー(マルスケあり) (50.8 ~ 59.9%)
H252ランドロス(霊獣) (106.2 ~ 126.6%)
無振りトドロクツキ (68.9 ~ 82.3%)
H252ガチグマ(アカツキ) (37.3 ~ 44.6%)
→1舞で (55.5 ~ 65.5%)
→3舞で (92.8 ~ 109.1%) 乱数1発 : 56.25%
無振りハバタクカミ (87.7 ~ 103.9%) 乱数1発 : 25%
H244カイリュー(マルスケなし) (38.1 ~ 44.7%)
無振り水ウーラオス(れんげき) (82.3 ~ 97.2%)
B4テツノツツミ (97.8 ~ 116.1%) 乱数1発 : 87.5%
H252アシレーヌ (97.4 ~ 115.6%) 乱数1発 : 81.25%
H252スイクン (61.9 ~ 73.5%)
B特化ドヒドイデ (49.7 ~ 58.6%) 乱数2発 : 96.48%
H252サーフゴー (38.7 ~ 45.4%)
→1舞で (57.3 ~ 68.1%)
→3舞で (94.9 ~ 111.9%) 乱数1発 : 68.75%
H252サーフゴー (64.0 ~ 75.3%)
H252ブリジュラス (48.8 ~ 57.9%) 乱数2発 : 94.92%
H252オーガポン(かまど) (36.4 ~ 43.4%)
→1舞で (54.6 ~ 64.8%)
→3舞で (91.0 ~ 107.0%) 乱数1発 : 43.75%
H252ハッサム (33.4 ~ 39.6%)
→2舞テラスで(100.0 ~ 117.6%)
H244カイリュー(マルスケあり) (29.0 ~ 34.0%) 乱数3発 : 1.53%
無振り水ウーラオス(れんげき) (30.9 ~ 36.6%) 乱数3発 : 59.93%
H252テツノカイナ (19.5 ~ 23.0%) 乱数5発 : 98.68%
H252ランドロス(霊獣) (29.5 ~ 35.8%) 乱数3発 : 34.22%
H252オーガポン(かまど) (32.7 ~ 39.1%) 乱数3発 : 99.68%
被ダメージ計算
記載なしは全てマルスケなしで計算。
~50%であれば竜舞羽休めの起点にできる。
A特化カイリュー
神速 (27.0 ~ 32.0%)
ノマテラ鉢巻神速 (59.9 ~ 71.6%)
等倍:スケショ5回 (63.5 ~ 78.7%)
A特化(216)ランドロス(霊獣)
等倍:地震 (53.3 ~ 63.0%)
がんせきふうじ (43.7 ~ 51.8%) 乱数2発 : 6.25%
飛行テラバ (56.9 ~ 68.1%)
A36+(187)ランドロス(霊獣)
等倍:地震 (46.2 ~ 54.9%) 乱数2発 : 55.85%
がんせきふうじ (37.6 ~ 44.7%)
飛行テラバ (49.8 ~ 58.9%) 乱数2発 : 98.43%
A特化水ウーラオス(れんげき)
すいりゅうれんだ (27.5 ~ 33.5%)
テラスすいりゅうれんだ (38.1 ~ 45.7%)
インファイト (30.0 ~ 35.0%) 乱数3発 : 20.21%
アイススピナー (105.6 ~ 125.9%)
A特化オーガポン(かまど)
ツタこんぼう (28.0 ~ 33.5%) 乱数3発 : 0.09%
テラスツタこんぼう (55.9 ~ 66.0%)
じゃれつく (68.1 ~ 80.3%)
がんせきふうじ (45.7 ~ 53.9%) 乱数2発 : 34.37%
C252ハバタクカミ
シャドボ (34.0 ~ 41.2%)
等倍:ムンフォ (41.2 ~ 48.8%)
C特化ガチグマ(アカツキ)
ブラム (66.0 ~ 78.2%)
ハイボ (42.7 ~ 50.3%) 乱数2発 : 0.39%
しんくうは12 ~ 15 (6.0 ~ 7.7%)
不一致イカサマモロバレルポリゴン2
(29.5 ~ 35.0%) 乱数3発 : 13.15%
一致イカサマブラッキーチオンジェン
(44.2 ~ 52.3%) 乱数2発 : 16.01%
苦手なポケモン
本型で防げない補助技での妨害
おにび どくどく あくび
攻撃低下、マルスケの無効化、流しor催眠。
ちょうはつ
補助技を封じられこの型の強さを生かしづらい。
のろい ほろびのうた
積んで倒し切る前に自身が落ちてしまう可能性あり。
総じて補助技を絡めてきたり、超耐久なポケモンが厳しい。
ガチグマ(アカツキ)ディンルーキョジオーンドヒドイデヘイラッシャラグラージスイクンテツノツツミミミッキュなど
相性のよい味方・構築例
- どくびしや麻痺(+α)を撒けるポケモン
- はねやすめで粘る間に毒ダメージ蓄積や痺れ待ちを行える。
- 例 ハバタクカミ(電磁波、挑発)/キラフロル(毒菱、ステロ、キラースピン)/ブリジュラス(電磁波、ステロ、両壁)/ジャローダ(へび睨み、両壁、挑発) など
- テラス後カイリューを落としてくるポケモンを切り返せるポケモン
- やの弱点を付いてくる、に強いと良い。
- 『オーガポン(かまど)』は前述した全タイプに一致弱点をつけることに加え
- 火傷やトリック無効と上記に挙げた補助技にも耐性があり、胞子技も無効のため非常に相性が良い。
以上
終わりに
いかがでしたでしょうか。
本型は少し前からいたものの、前期のシーズン14では多く結果を残したようでした。
次回シーズンはどんな型の『カイリュー』が生まれるのでしょうか。
参考になったりブックマークの際は、評価も入れてもらえたら大変嬉しいです。
それでは。