はじめに
25個目の育成論投稿になります。至らぬ点も多々あると思いますが、改善点等ご指摘いただければ幸いです。
今回の育成論はエムリットとなります。前回がユクシーだったため、このままUMAの完成を目指していきたいと思っています。今まで何かと不遇な扱いであったエムリットですが、思いのほか戦える面白い型となったので最後まで見ていただけると嬉しいです。
- HABCDS、など非公式の略語、単語等を用います。
- 論中に登場するポケモンの個体値は特に指定がなければ理想個体とします。
- ダメージ計算にはポケソル様のダメージ計算ツールSV(https://sv.pokesol.com/calc)を使用させていただきました。
- 環境ポケモンの型や採用技等はhttps://sv.pokedb.tokyo/pokemon/list?season=7&rule=0を参考にさせていただきました。
エムリットについて
前回に引き続き、このポケモンを使おうとするならばユクシーアグノムクレセリアとの差別化が必須となると思いますので説明させていただきます。
まずこのエムリットというポケモンは種族値が平均的に割り振られており、よく言えばバランスタイプ、悪く言えば器用貧乏という印象が強いポケモンでした。
特にサポートに特化したユクシーとアタッカーに特化したアグノム、受けや積みアタッカーとしての運用が強いクレセリア達に常に出番を奪われてきた不遇なポケモンであるといえるでしょう。
しかし今作ではしんぴのちからという攻撃後にCを上昇させる新規技を習得しており、器用貧乏と言われてきた攻撃力と耐久力を存分に生かせる機会が生まれました。
そこで今回は広い技範囲とそれなりにある攻撃力、耐久力を用いて対面性能を高めたフルアタッカー型での運用を考察していこうと思います。
この型で使うにはユクシークレセリアでは初動の攻撃力が足らず、アグノムでは耐久力が足りないためこれらをもって差別化とさせていただきます。
コンセプトと役割
今回のコンセプトは
- 広い技範囲によって弱点を突くことで対面と最低限1vs1交換を行えるアタッカーとなる。
- せんせいのツメによってはねやすめやとんぼがえり等の行動前に攻撃を差し込み、落としきることで相手のプラン崩壊を狙う。
になります。
せんせいのツメの効果を強く使える汎用例
シンプルに素早さ関係を逆転できるため、被弾せずに突破できる可能性が生まれます。
確定2発が取れる対面であれば1発目で下から攻撃し、相手が回復しようとしたタイミングで発動すればそのまま倒しきってしまうことが可能です。
技さえ通れば1発で倒せるがSで負けているため交代技で逃げられてしまうという場合に発動すると大きなアドバンテージが取れます。
- 積み技持ち(クエスパトラフリーザー(ガラル)等)
積まれる前に攻撃できれば当然ダメージが上がります。確1が取れているわけでなければ2連続で発動させないと倒せないという場合もありますが、少なくとも無視できない程度の負荷はかけられます。
- HP依存の技持ち(コータス(トリル時)バクフーン(ヒスイ)等)
HPの残量によって大きく威力の変わるふんかのダメージを減らせる可能性があるのは強いです。
タイプを変えられる前に行動できれば弱点を突きやすくなるので突破しやすくなります。
持ち物
せんせいのツメ
持たせると、20%の確率で素早さに関係なく先制できる。
今回のコンセプトです。
一般的に運ゲーでネタアイテムの域を出ないものとされていますが、環境の火力が高くなってきた昨今ではオボンのみを用いても確定数をずらせない場合も多く、一考の余地があるのではないかと思っています。
20%であっても発動さえすれば勝利に直結するという場面は少なからずあるため、対戦回数が増えていけば全体的な勝率は上がるのではないかと考えています。
この持ち物を使うには持ち物なしの状態でもある程度戦える攻撃力と発動の試行回数を稼ぐための耐久力が必要となるため、エムリットとの相性は比較的良い方なのではないかと思います。
しかし所詮20%の運ゲーのため、あまり過信せず「このエムリットは持ち物を持たせ忘れた」くらいの気持ちで運用するほうが精神衛生上良いとは思います。必要な時に発動して勝ってしまった時の多幸感は病みつきになります。非常に良くないです。
※豆知識
- せんせいのツメに技の優先度を上げる効果はなく、先制技に対しては発動しても上から攻撃することはできません。あくまで同じ優先度同士の技において先制できるという持ち物であることは覚えておきましょう。
- せんせいのツメの発動確率は行動回数1回20%、2回36%、3回48.8%、4回59.04%となっています。
オボンのみ
持たせると、戦闘中にHPが半分以下になった時に自分のHPが最大HPの1/4回復する。
先ほど「オボンのみを用いても確定数をずらせない場合も多い」とは言いましたがそれでもしっかりと仕事をしてくれることは多いので、安定性を取るのであればこちらが無難かと思います。
たつじんのおび
持たせると、効果抜群の技を使った時に威力が1.2倍になる。
確定数が変わるほどの変化は多くありませんが、技範囲を広くとったフルアタッカー型である本論との相性は良いです。いのちのたまでは耐久に難が出るため火力の補強がしたいのであればこちらとなるでしょう。
特性
ふゆう
『じめん』タイプの技を受けない。また、技『どくびし』『まきびし』『ねばねばネット』や特性『ありじごく』の効果を受けない。『エレキフィールド』『サイコフィールド』『グラスフィールド』『ミストフィールド』の効果も受けない。
これしかないため確定です。
性格・努力値と調整
ひかえめ(C↑A↓)H204 A0 B4 C252 D4 S44
HBD…余り
A…イカサマ対策のためA個体値0推奨
C…アタッカーのため最大まで
S…4振りサーフゴー無振りバサギリクレセリア抜きまで
Hに振っても確定数の変わる相手があまりいなかったためサーフゴーと打ち合えるようにしました。
技構成
- 採用技
しんぴのちから
今作からの追加技です。攻撃後に確定でCを上げる効果がついているため、ある程度の耐久を持つエムリットとの相性が良いです。確定技として良いでしょう。
れいとうビーム
主にカイリューガブリアスランドロス(霊獣)等への打点となります。
10まんボルト
主にテツノツツミヘイラッシャアーマーガア等への打点となります。
シャドーボール
主にハバタクカミサーフゴークエスパトラ等への打点となります。
- その他有用な技
エナジーボール
主にウォッシュロトムキョジオーンヌオー等への打点となります。
マジカルシャイン
主にパオジアンマスカーニャウーラオス(いちげき)等への打点となります。
テラバースト炎
主にサーフゴーハッサムアーマーガア等への打点となります。
テラバースト格闘
主にパオジアンイーユイヒードラン等への打点となります。
テラスタル
でんき
今回の採用枠です。ある程度受けられるだけの耐久があるため、特性と合わせて弱点を0にできる電気は相性が良いです。10まんボルトのダメージを上げられるのも良い点です。
ほのお/かくとう
テラバーストを採用する場合はこちらになります。自分のパーティと相談してエムリットを誰と対面させるのかを考えて選択しましょう。
立ち回り例
先発には交代技を持った高速ポケモンやバトンタッチ使うサポート系のポケモンが比較的出てきやすいため基本的には先発で良いと思います。
後投げから運用できるほどの耐久はないため、初手から広い技範囲で相手の先発の弱点を突いていきたいところです。
起点作成役のようなこちらに対して打点のないポケモンが出てきた場合にはしんぴのちからの起点にしていきましょう。
与ダメージ計算
- 特に表記がない場合"持ち物無し""無振り"で計算しています。
- 【 】内は自分がテラスタルした時のダメージとします。
しんぴのちから
テツノドクガ(H252)
104 ~ 126 (55.7 ~ 67.4%) 確定2発
コノヨザル(H252)
126 ~ 150 (58.1 ~ 69.2%) 確定2発
テツノカイナ(H252)とつげきチョッキ
C±0
104 ~ 126 (39.9 ~ 48.3%) 確定3発
C+1
156 ~ 186 (59.8 ~ 71.3%) 確定2発
イダイナキバ(H4)
186 ~ 222 (97.4 ~ 116.3%) 乱数1発 : 87.5%
ドヒドイデ(HD↑252)
C±0
66 ~ 78 (42.1 ~ 49.7%) 確定3発
C+1
98 ~ 116 (62.5 ~ 73.9%) 確定2発
モロバレル(HD↑252)
C±0
96 ~ 114 (43.5 ~ 51.6%) 乱数2発 : 4.29%
C+1
140 ~ 168 (63.4 ~ 76.1%) 確定2発
オオニューラ(H252)
268 ~ 324 (143.4 ~ 173.3%) 確定1発
サンダー(ガラル)(H252)
126 ~ 150 (64.0 ~ 76.2%) 確定2発
れいとうビーム
カイリュー(H252)
マルチスケイル有り
98 ~ 116 (49.5 ~ 58.6%) 乱数2発 : 98.43%
マルチスケイル無し
196 ~ 232 (99.0 ~ 117.2%) 乱数1発 : 87.5%
ガブリアス(H252)
224 ~ 264 (104.2 ~ 122.8%) 確定1発
ランドロス(霊獣)(H252)
236 ~ 280 (120.5 ~ 142.9%) 確定1発
サンダー(H252)
106 ~ 126 (53.9 ~ 64.0%) 確定2発
マスカーニャ
130 ~ 154 (86.1 ~ 102.0%) 乱数1発 : 12.5%
10まんボルト
テツノツツミ
146 ~ 174 (111.5 ~ 132.9%) 確定1発
ヘイラッシャ(H252)
138 ~ 164 (53.7 ~ 63.9%) 確定2発
【206 ~ 246 (80.2 ~ 95.8%) 確定2発】
アーマーガア(H252)
112 ~ 132 (54.7 ~ 64.4%) 確定2発
【168 ~ 198 (82.0 ~ 96.6%) 確定2発】
ゲッコウガ
128 ~ 152 (87.1 ~ 103.5%) 乱数1発 : 18.75%
【192 ~ 228 (130.7 ~ 155.2%) 確定1発】
ウーラオス(れんげき)れんげき(H252)
146 ~ 174 (70.6 ~ 84.1%) 確定2発
【218 ~ 260 (105.4 ~ 125.7%) 確定1発】
シャドーボール
ハバタクカミ(H4)
68 ~ 82 (52.0 ~ 62.6%) 確定2発
サーフゴー(H252)
94 ~ 112 (48.5 ~ 57.8%) 乱数2発 : 94.92%
クエスパトラ(H252)
130 ~ 154 (64.4 ~ 76.3%) 確定2発
バクフーン(ヒスイ)(H252)
100 ~ 118 (55.6 ~ 65.6%) 確定2発
エナジーボール
ウォッシュロトム(H252)
92 ~ 110 (58.6 ~ 70.1%) 確定2発
キョジオーン(H252)
106 ~ 126 (51.3 ~ 60.9%) 確定2発
ヌオー(HD↑252)
184 ~ 220 (91.1 ~ 109.0%) 乱数1発 : 50%
マジカルシャイン
パオジアン
124 ~ 146 (80.0 ~ 94.2%) 確定2発
サザンドラ
192 ~ 228 (115.0 ~ 136.6%) 確定1発
ウーラオス(いちげき)いちげき(H252)
260 ~ 308 (125.7 ~ 148.8%) 確定1発
テラバースト炎
サーフゴー(H252)
【140 ~ 168 (72.2 ~ 86.6%) 確定2発】
ハッサム(H252)
【312 ~ 372 (176.3 ~ 210.2%) 確定1発】
アーマーガア(H252)
【150 ~ 176 (73.2 ~ 85.9%) 確定2発】
テラバースト格闘
イーユイ(H4)
【114 ~ 134 (87.1 ~ 102.3%) 乱数1発 : 18.75%】
ドドゲザン(H252)とつげきチョッキ
【204 ~ 240 (98.6 ~ 116.0%) 乱数1発 : 81.25%】
ヒードラン(H252)
【126 ~ 150 (63.7 ~ 75.8%) 確定2発】
被ダメージ計算
- 特に表記がない場合"持ち物無し""無振り"で計算しています。
- 【 】内は自分がテラスタルした時のダメージとします。
テツノドクガ(C↑252)
ほのおのまい
76 ~ 90 (42.0 ~ 49.8%) 確定3発
ヘドロウェーブ
90 ~ 106 (49.8 ~ 58.6%) 乱数2発 : 99.6%
コノヨザル(A↑252)
ふんどのこぶし@50
84 ~ 98 (46.5 ~ 54.2%) 乱数2発 : 47.26%
【42 ~ 49 (23.2 ~ 27.0%) 乱数4発 : 47.88%】
ふんどのこぶし@100
164 ~ 194 (90.7 ~ 107.2%) 乱数1発 : 43.75%
【82 ~ 97 (45.4 ~ 53.6%) 乱数2発 : 39.45%】
テツノカイナ(A↑252)
かみなりパンチ
72 ~ 85 (39.8 ~ 47.0%) 確定3発
イダイナキバ(A↑252)
はたきおとす
118 ~ 140 (65.2 ~ 77.4%) 確定2発
【59 ~ 70 (32.5 ~ 38.7%) 乱数3発 : 98.9%】
オオニューラ(A↑252)
ねこだまし
24 ~ 29 (13.2 ~ 16.0%) 乱数7発 : 83.01%
シャドークロー
84 ~ 100 (46.5 ~ 55.3%) 乱数2発 : 66.79%
【42 ~ 50 (23.2 ~ 27.7%) 乱数4発 : 76.56%】
サンダー(ガラル)(A↑252)
ブレイブバード
105 ~ 124 (58.1 ~ 68.6%) 確定2発
【52 ~ 62 (28.8 ~ 34.3%) 乱数3発 : 2.53%】
カイリュー(A↑252)
しんそく
49 ~ 58 (27.0 ~ 32.0%) 確定4発
テラバースト飛行
98 ~ 116 (54.2 ~ 64.1%) 確定2発
【49 ~ 58 (27.0 ~ 32.0%) 確定4発】
ガブリアス(A↑252)
げきりん
108 ~ 127 (59.7 ~ 70.2%) 確定2発
ランドロス(霊獣)(A↑252)
がんせきふうじ
39 ~ 47 (21.5 ~ 26.0%) 乱数4発 : 3.41%
とんぼがえり
90 ~ 108 (49.8 ~ 59.7%) 乱数2発 : 99.6%
サンダー(C↑252)
10まんボルト
78 ~ 93 (43.1 ~ 51.4%) 乱数2発 : 5.46%
【39 ~ 46 (21.5 ~ 25.5%) 乱数4発 : 0.34%】
マスカーニャ(A↑252)
はたきおとす
156 ~ 186 (86.2 ~ 102.8%) 乱数1発 : 12.5%
【78 ~ 93 (43.1 ~ 51.4%) 乱数2発 : 5.46%】
テツノツツミ(C252)
ハイドロポンプ
87 ~ 103 (48.1 ~ 57.0%) 乱数2発 : 90.62%
ゲッコウガ(C252)
なみのり
63 ~ 75 (34.9 ~ 41.5%) 確定3発
ウーラオス(れんげき)れんげき(A↑252)
すいりゅうれんだ
102 ~ 126 (56.4 ~ 69.7%) 確定2発
ハバタクカミ(C252)
シャドーボール
134 ~ 162 (74.1 ~ 89.6%) 確定2発
【67 ~ 81 (37.1 ~ 44.8%) 確定3発】
サーフゴー(C↑252)
シャドーボール
146 ~ 174 (80.7 ~ 96.2%) 確定2発
【73 ~ 87 (40.4 ~ 48.1%) 確定3発】
クエスパトラ(C↑252)
ルミナコリジョン
D±0
30 ~ 36 (16.5 ~ 19.9%) 乱数6発 : 99.99%
D-2
60 ~ 71 (33.2 ~ 39.3%) 乱数3発 : 99.8%
バクフーン(ヒスイ)(C↑252)
ふんか@150
252 ~ 297 (139.3 ~ 164.1%) 確定1発
シャドーボール
270 ~ 320 (149.2 ~ 176.8%) 確定1発
【135 ~ 160 (74.6 ~ 88.4%) 確定2発】
苦手なポケモン
- こちらから確1の取れていない高火力の純アタッカー(パオジアンイーユイ等)
- しんぴのちからを積めない悪タイプの耐久寄りポケモン(ディンルーチオンジェン等)
- 特殊受けのポケモン全般
- 高威力の先制技持ち
- ある程度の耐久を持ち、弱点を突けないポケモン
相性の良い味方・構築例
このエムリットはどちらかといえば対面構築向けの型であるため、対面性能が高いポケモンをパーティに入れるのが良いと思います。
ドドゲザンドドゲザン
地面・格闘弱点のためエムリットとの相性補完に優れており、つるぎのまいを覚えるため抜き性能が高いです。
また、ハサミギロチンによる受けポケモンの強制突破を狙えるので対面性能が非常に高くなっています。
トリックルームパーティに見えなくもないので選出を狂わせることができるかもしれません。
ガチグマガチグマ
エムリットと攻撃面での相性補完の良い地面・格闘技を使うことができ、すさまじい攻撃指数を誇るからげんきで無力化されるゴースト以外のポケモンを消し飛ばすことができます。
ノーマルタイプを持つためエムリットに打たれるゴースト技を無効化できます。
さいごに
ここまで本育成論を見ていただきありがとうございます。
次回はアグノムの育成論を予定しています。順番もしっかりUMAに合わせられて満足です。
評価コメント等いただけると今後の励みになります。