前置き
- お互いに理想個体を想定します。
- ダメージ計算はトレーナー天国様のツールをお借りしました。
- 一部略語を用います。
(H/A/B/C/D/S=こうげき/ぼうぎょ/とくこう/とくぼう/すばやさなど)
- 数値の指標として、火力指数(攻撃の実数値*技威力*タイプ・持ち物等各種補正)、耐久指数(H*BDの実数値*持ち物等補正)も本論に持ち込みます。
採用理由
強み1:A150+こだわりハチマキ+ガリョウテンセイ
A種族値150からの一致120技(ガリョウテンセイ)+こだわりハチマキの火力は非常に高く、火力指数は59,940である。これはようきパオジアンのつららおとし(特性込みで29,000代相当)×2以上の火力に相当する。
H252ハッサム程度の中耐久(耐久指数20,000代)なら確定1(105,6〜125,4%)、HB特化ヘイラッシャさえも高乱数2(48,2〜57,1%)にする超火力で、有利対面を作った際の負担がとても大きい。
ガリョウテンセイは技であり、タイプや特性による踏み倒しを気にする必要がない高い一貫性を持つという点も優秀。
強み2:テラスしんそく
しんそくは優先度+2の先制技で、レックウザより高いSのポケモンの他、ふいうちなど他の先制技より早く行動ができる。
これにこだわりハチマキとテラスタルを併せると火力指数は39,960。無振りパオジアンが高乱数1と低〜並耐久のATは乱1以上の圏内(耐久指数15000~18000まで乱数1圏内)、高耐久ATすら大抵2発(H204振りまでのガチグマ(アカツキ)が確定2)という高火力である。
ステルスロック等で耐久+きあいのタスキを潰した後は多くの高速AT(パオジアンテツノツツミオオニューラオーガポン)を縛ることが出来る他、試合終盤で体力が削れた相手へのスイーパー性能がとても高い。
強み3:一定の種族値やテラスタルなどによる行動保障
耐久種族値はH105-BD90と伝説ポケモンの中では並以下だが、一般ポケモンではラグラージ以上と平均以上の数値を誇る。これに加え、以下の要素が加わるため、大抵の攻撃で落ちない対面性能と流し性能を確保可能となる。
・テラスタルと相性が良い:テラスタルしんそくによる火力を押しつける役割上、テラスタルを切った後に攻撃を受けることが前提になりやすい。
耐性数こそ少ないものの、弱点はのみ。そのもテラスタル前のタイプの関係上撃たれにくく、大抵の攻撃を等倍で受けられる。
・しんそくの存在で耐久に努力を無理なく回せる:「しんそく」を打つ相手に限っては数値を無視してて、先制を取れる関係からSを振る必要性がなくなる。その浮いた努力値を耐久に回す(H180B4D68)と無振りと比べ1,10/1,18倍(B/D)固くなる。C252ハバタクカミのムーンフォース、C特化ミライドンのイナズマドライブ、A特化ザシアン(王)のきょじゅうざんといった大技を確定で1耐えできる数値となった。
・特性エアロック:カバルドンによる天候のすなダメージを無効化、コライドンのひびいろのこどうを封じられるなど特性が疑似的な耐久補強に繋がる場合もある。
・無効といったテラスタル前の耐性により、特定の相手への低リスクの繰り出し・行動回数が確保が可能な場面もある。
(仮想敵:ウーラオス(いちげき)(れんげき)オーガポン(かまど)オーガポン(いど)ゴリランダーディンルーランドロス(霊獣))
まとめ
物理受けヘイラッシャの後出しすら許さない超火力・大抵の攻撃を1耐えする耐久・しんそくによる高いフィニッシャー性能の3つを兼ね備えた伝説枠にふさわしい超火力ATといえる。前半はガリョウテンセイorとんぼがえりの打ち逃げによる敵の対面処理、後半で裏で削った相手をしんそくで一掃するといった使い方が主となる。
なお、他のレックウザの差別化は不要である。
火力の発揮に積み技と1ターンの消費を必須とするきあいのタスキ型、打ち分け可能な代わりに耐久が犠牲になり火力も劣るいのちのたま型では上述したような動きは難しい。
比較
物理の伝説枠で競合しうるコライドンと様々な要素が似通っているカイリューとの比較を行う。
種族値はCを切り捨てる関係上完敗である。特に火力はひびいろのこどう(はれ+攻撃1,33倍)が発動した場合は雲泥の差で、こだわりハチマキとテラスタルを併せたフレアドライブの火力はガリョウテンセイの1,84倍(119,423)となる。これをS135から押しつけられるため基本的な汎用性はコライドンに劣る。
ただし、レックウザの有意性も十分にある。第1に天候に依存しない火力とガリョウテンセイである。上述の超火力を放てるコライドンを対策しない構築は皆無と言ってもよく、各方面で包囲網が張り巡らされている。
その最たる例がカバルドン(すなあらしによるひびいろのこどう無効)やテラスタルによる耐性受け()、特性による対策(ソウブレイズあついしぼうマリルリカイオーガ)であるが、レックウザのガリョウテンセイは無効タイプや天候による火力の変化がないため包囲網を潜り抜け、火力を押しつけられる。
また、コライドンのフレアドライブは体力減少・げきりんは混乱・2〜3ターン行動不可能とリスクが伴いやすい一方、レックウザのガリョウテンセイはBDダウンのみで被弾しない場合はノーリスクであるため、その点でもメインウェポンの性能には分があると言える。
第2にしんそくである。S135のコライドンといえど現環境では上を取られるケースが少なくなく(パオジアンテツノツツミオオニューラザシアンこだわりスカーフ持ち全般)、それ以外でも先制技やS操作、でんじは(ハバタクカミブリジュラス)による妨害は痛い。
レックウザは(全抜きを視野に入れる場合は、裏での削りやステルスロックが必須だが)しんそくでこうした激戦区やでんじは等による妨害を無視できる。
他、でじしんやどくびしを踏み倒せる点やはれで味方の技が半減されないなど細かい部分でも差はあるが、
こうした受けや素早さによるコライドン対策を潜り抜け、しんそくで終盤のスイーパーを担えるという点だけで十分棲み分けはできているといえるだろう。
一致120技(げきりん)+高A種族値(134)+しんそくを同時に兼ね備えている。耐久についても特性のマルチスケイルによってレックウザを上回るケースが多い。タイプも同じで、伝説枠を消費しないため競合相手になりうる。
第一の違いはA150である。A種族値16の差は大きく、ガリョウテンセイで91%で高乱数にできたヘイラッシャはカイリューの場合だと17,5%の低乱数2と75%ほど乱数がずれる。先制技の火力や一発耐えてからのタイマンに重きを置いたこの型ではこの差が活きる機会は多い。
第二の違いは、ガリョウテンセイとげきりんの使い勝手の違いである。げきりんはに無効化されかつ2〜3ターン技が固定されるデメリットがある。カイリューがレックウザ同様一致120技を持つというと聞こえは良いが、打ち逃げは不可で捨て前提になる他、常にへの交換やテラスタルに怯えなければならないという点を踏まえると、その中身はレックウザと同列に扱うことはできないといえる。
この2点から火力を押しつけるエースとしてはレックウザに軍配が上がると言える。他、サイクル性能の違い(マルチスケイル・すなあらし等の耐性・とんぼがえりの有無)やSに振っていないカイリューコノヨザルブリジュラスを抜ける点など細かな優位点も多々ある。
マルチスケイルを温存できた歳の耐久性以外はレックウザの方が総合的に優れてるといえ、差別化そのものは困らないといえるだろう。
構成
努力値:H180 A252 B4 D68 S4(A↑C↓)
実数値:203-222-111-x-119-116
特性:エアロック
持ち物:こだわりハチマキ
技構成:ガリョウテンセイ/しんそく/じしん/とんぼがえり
テラスタル:
- 努力値
Aは物理受けやパオジアン等少しでも落とすと乱数が変動しうるため特化。
HBはA特化ザシアンのきょじゅうざん確定耐え、A特化カイリューのテラスタルしんそくをステルスロック込みで確定する程度
HDはハバタクカミのおくびょうムーンフォースを確定耐え(=テラスタル+こだわりメガネムーンフォースをテラスタル時耐え)、ミライドンのC特化イナズマドライブ確定耐え、C特化サーフゴーのこだわりメガネゴールドラッシュを最高乱数以外耐えする調整
Sは現環境では振ってもリターンが少ないと判断したため降らないものとする。具体的に、現環境でレックウザと近いS種族値のポケモンはカイリューランドロス(霊獣)ゴリランダーグライオンコノヨザルソウブレイズテラパゴスがいる。
これらは最速か耐久振りのケースが多く、レックウザがSに振らなくても抜けるか、Sに252振りしても相手が最速の場合抜かれるというケースが多々ある。S操作技(でんじは、がんせきふうじ)や先制技(しんそく、かげうち)、こだわりスカーフで数値を逆転される場合もあること、こちらもしんそくでS関係の逆転が可能な点から、高火力技の乱数を変動可能な耐久振り以上のメリットはないと判断した。
- 技
無効化されない一致120技で火力の源となるガリョウテンセイと採用理由に直結するしんそくは確定。残りの技は、じしんととんぼがえりでほぼ確定となる。
じしんはガリョウテンセイ・しんそくで半減されるに対する打点で対応範囲を拡大できる。
とんぼがえりはあくびループ(ヘイラッシャカバルドン)への対抗策の他、バドレックス(はくば)ガチグマ(アカツキ)カイリューバンギラスなど居座ることにリスクがあるが上を取れる相手に対して有効な技となる。他の技が軒並みピンポイントであることも踏まえるとこの4つで技欄は埋まる。
(アーマーガアエアームドへの崩しを考える場合のみワイルドボルトorオーバーヒートが候補入りする。なおこの2匹以外は抜群を取っても等倍ガリョウテンセイと火力は変わらない。)
- 与ダメージ
ガリョウテンセイ(指数:59,940)
HB特化カバルドン:56,2〜66,9%(オボンのみ込みでも41,0%の乱数2)
無振りハバタクカミ:230,7〜272,3%
B252ママンボウ:71,2〜84,1%
H252テラパゴス(ステラ):65,1~76,7%
H252ホウオウ:95,7~113,1%
H252バドレックス(こくば):108,6〜128,0%
H252ディンルー:59,5〜70,2%
HB特化ヘイラッシャ:48,2〜57,1%
HB特化いかく込みランドロス(霊獣):49,4〜58,6%
しんそく(39,960)(すべてテラスタル時想定)
無振りパオジアン:97,4〜114,8%
無振りテツノツツミ:85,4〜101,5%
H252オーガポン:92,9〜110,3%
無振りカイオーガ:77,7〜92,5%
無振りミライドン・ウーラオス(いちげき):72,0~84,5%
H252カイリュー:65,6〜77,7%(マルチスケイル込み高乱数)
無振りイーユイ:115,1〜136,9%
H252ガチグマ(アカツキ):49,0~57,7%
じしん(33,300)
HB特化ドオー:86,0〜102,1%
H252サーフゴー:134,5〜159,2%
H252ブリジュラス:85,2〜100,5%
H252ザシアン(王):93,4〜110,5%
とんぼがえり(23,310)
HB特化ヘイラッシャ:19,0〜22,5%
H252バドレックス(はくば):50,2〜59,9%
H252バンギラス:65,7〜77,2%
- 被ダメージ(指数:B22,533/D24,157)
A特化カイリューのこだわりハチマキテラスタルしんそく:62,0〜72,9%
A特化ウーラオス(いちげき)(れんげき)のこだわりハチマキすいりゅうれんだ:42,8〜50,2%
A特化ランドロス(霊獣)のがんせきふうじ:44,3〜52,2%
A特化ザシアンのきょじゅうざん:83,2〜99,0%
A特化ミミッキュのいのちのたまじゃれつく92,1〜108,8%
A252コライドンのこだわりハチマキげきりん(テラスタル時)84,2〜99,5%
A特化レックウザのテラスタルしんそく(vsメタモン想定):44,3〜52,7%
C252ハバタクカミのムーンフォース:82,7〜98,5%
C特化ミライドンのイナズマドライブ:81,2〜96,0%
C252バドレックス(こくば)のサイコキネシス/テラスタルドレインキッス:45,8〜54,6%/51,2〜61,0%
C特化サーフゴーのこだわりメガネゴールドラッシュ:84,7〜100,4%
構築・立ち回り
- 先発運用
基本はこちら。必要に応じテラスタルを切って打ち合いを行う。ガリョウテンセイなどで1体持って行ったあと、裏2体で相手のPTを消耗させ、最後しんそくで全抜きを行うことを理想とする。
先発適正は高く、ダメージ計算で示した伝説クラスの大技を耐える耐久と超火力でテラスタルで大抵の攻撃を1回耐えてから反撃する殴り合いが成立しやすい。カバルドンを2回で落とせる超火力やとんぼがえりによりごり押しが効きやすく、でんじはを受けてもしんそくが通る場合はリスクが低いと明確な不利対面は少ない。
立ち回り上一度技を打った後、引き先になるクッション枠はほぼ必須となる。ステルスロックやとんぼがえり・クイックターン持ちなどしんそくの抜き性能を補強できる削りの手段を兼ね備えたポケモンと組ませるのが望ましい。
注意点はテラスタルの切り方について。耐えたい攻撃がある・しんそくを打つ場合は切りがちになるが、ウーラオス(いちげき)ゴリランダー等耐性的に有利なポケモンがいる場合はテラスタルにより有利不利が逆転しかねない。どくびしを後にそのまま踏むリスクもあるので、裏でそれらのケアができるか判断して切ること。
他、レックウザのしんそくは有名でタイプへの交換や、テラスタルによる読み合いが発生する場合もある。特にテラスタルが割れにくい序盤では、しんそくで落とせる序盤でもガリョウテンセイを打つなど、リスクの低い行動を意識すること。
- 2.後発運用
ステルスロック撒きやクッション役を先発にしレックウザが火力を発揮できる版面を揃え、サイクルの中で高火力を押しつける。繰り出し方はクイックターンなど交代技による無償降臨の他、ゴリランダーオーガポンイーユイウーラオス(いちげき)など耐性と耐久を活かした受け出しも考えられる。
きあいのタスキハバタクカミパオジアンなどジリ貧になりやすい相手が先発と予想される時や、しんそくによる全抜きに特化したい場合などは後発運用も十分考えられる。
- 構築・選出
レックウザ+クッション役(ママンボウランドロス(霊獣)ヘイラッシャハッサムバンギラスなど)+a(ステルスロック撒き・2枚目のクッション・サブアタッカー等)が基本選出となる。
BDの下がるガリョウテンセイ等を打ち逃げした後再度レックウザを降臨させられるクッション枠は構築に必須となる。他、ステルスロック・どくびし撒き(キラフロルカバルドンドヒドイデ)や繰り出し性能の高いAT(ディンルーハッサムなど)を入れ、クッション役との連携でレックウザを通しやすい盤面を整えていく。みがわりによるガリョウテンセイの誤魔化し(バドレックス(こくば)など)にも弱いため、それらに対するケアもあるとなお望ましい(エルフーンアンコール、ディンルーふきとばしなど)。
テラスタル権をほぼ確実にレックウザに引き渡す関係からテラスタル枠を競合する選出は控えること。
以上です。