はじめに
- はじめまして
今回2本目の育成論を投稿するぶろ🥦と申します。S1以来の投稿となるため対戦環境の考察等不十分な点があるかもしれませんがよろしくお願いいたします。
- 本論では指定のない限り、全てのポケモンは6Vとします。
- H,A,B,C,D,Sといった略語を使用します。
- ダメージ計算は「ダメージ計算ツールSV byポケソル」を使用させていただきます。
- 環境考察のため「ポケモンバトルデータベース スカーレット・バイオレット」を参照 させていただきます。
採用理由と役割
初登場の5世代から現在までそのデザインと突出したC種族値により一定の人気を獲得してきたシャンデラシャンデラですが、インフレの進んだ現環境では物足りないスペックだと感じます。この育成論を書こうと思った背景も単に私がシャンデラシャンデラが好きだからという側面もあります。
しかし、この環境でも十分に活躍できる可能性を秘めており、このポケモンにしかできない強みを持っているのも確かです。本論では現環境で最大限の対面性能と独自性を発揮できるよう考察してみました。
シャンデラシャンデラの特攻種族値は145という未だ他のポケモンと一線を画す数値であり、H60,B90,D90という並みの耐久と、十分な技範囲、トリックという絡め手を使うことができるという点から対面から崩す特殊アタッカーの役割を担います。トリックの無いアタッカーシャンデラはイーユイイーユイやハバタクカミハバタクカミと差別化できませんので、「トリックと高火力の両立」をこの型の強みだと思ってください。特にラス1対面でこだわりを押し付ける動きと、こだわりトリック後の相手の交代にあわせて攻撃する動きが強いので、トリック周りの話はラス1対面や次ターンの相手の交代を想定しながら読んでいただきたいです。
また、スカーフで上から攻撃するのではなくトリックを挟む理由は、襷で耐えられて先制技でやられるのを防ぐためです。そのため、テラスタルしながら2回耐えることと一発で落とすことの2つの条件を達成できる相手も役割対象となります。
持ち物
- こだわりスカーフ
素早さを1.5倍にします。シャンデラシャンデラと言えばスカーフか襷ですが、トリックとの相性の良さを発揮するためにこの持ち物を採用します。
特性
- すりぬけ
身代わりを張ってくるポケモンに強く出る他、壁構築にも強いです。
せっかくの絡め手を使えるポケモンなので、身代わり一つで止まらないようにしたいと思いこちらを採用しました。
炎技に合わせて交代できるもらいびも選択の余地はありますが、拘っているため身代わり+テラスタルで起点にされないことを優先してすり抜けです。構築と要相談。
テラスタル
- フェアリータイプ
パオジアンパオジアンの嚙み砕くまたは地獄突きや、ウーラオス(いちげき)ウーラオスの暗黒強打、その他ポケモンのはたきおとす等に合わせてトリックしながら切ります。こだわりを押し付けながら耐える動きが強いことや、単純にテラバーストによるフェアリー打点が強いです。
- あくタイプ
上と同じくトリックをしながらテラスタルを切ります。この場合フェアリーと比べてハバタクカミハバタクカミのシャドーボール合わせると強いですが、攻めの範囲として弱いのでどの程度ゴースト技を重く見るかで決定してください。本論ではフェアリータイプをお勧めします。
- くさタイプ
ガチグマ(アカツキ)ガチグマの大地の力やウーラオス(いちげき)ウーラオスの水流連打に合わせて切ります。この場合、テラバーストは入れずエナジーボールが確定技となります。ガチグマ(アカツキ)ガチグマにはトリック打つ必要はなく、エナジーボールを打ちます(襷を持っていることがほとんど無いため)。
技構成
- 確定技
トリック
シャンデラシャンデラが他の特殊アタッカーと差別化できる技です。これによりキョジオーンキョジオーンやヘイラッシャヘイラッシャの機能を防ぐ他、テラスタルしながら打つことでパオジアンパオジアンやイーユイイーユイ、ハバタクカミハバタクカミ、ウーラオス(いちげき)ウーラオスなどを対面突破できます(ダメージ計算で後述)
また、相手に交代先がある場合でも裏にC145から攻撃できるため、非常にシャンデラシャンデラと相性が良い技だと言えます。
シャドーボール
シャンデラシャンデラのメインウエポンです。等倍範囲が広く、ハバタクカミハバタクカミへの打点にもなるため優秀な技です。
- 準確定技
以下の技から1つ選択
かえんほうしゃ
サーフゴーサーフゴーやパオジアンパオジアン、テツノツツミテツノツツミ等のポケモンへの有効打になります。
オーバーヒート
こちらも上と同じく炎技が等倍以上で通る相手への打点になります。拘っているので連射性能の低いオバヒは相性が悪いのですが、ダメージ計算の関係でこちらをお勧めします。(与ダメージで後述)
だいもんじ
火炎放射のハイリスクハイリターン版です。
火炎放射より威力が20高く、オーバーヒートより20威力が低いですが、確定数の関係で火炎放射との20の差よりオーバーヒートとの20の差が大きいのでダメージ計算を参考に第3の選択肢として考えてください。
最も大きな火炎放射との差別化点としてはオーガポン(いど)オーガポン(かまど){オーガポン(いしづえ)}オーガポンの受け出し→次ターン半減テラスに対して火炎放射は確定3発、大文字は確定2発という点です。
- 選択技
テラバースト
フェアリーテラスの場合はこちらになります。
エナジーボール
くさテラスの場合はこちらになります。
おにび
こだわり後の交換に合わせて打ちます。交代先に負荷をかけられる有効打が無さそうな時やシャンデラシャンデラの裏に繋げるときに使えます。
おきみやげ
上に同じくシャンデラシャンデラに仕事がなさそうなときに。
のろい
上に同じくシャンデラシャンデラに仕事がなさそうなときに。テラスタルを切ると効果が変化することに注意。
トリックルーム
シャンデラシャンデラの裏に遅いアタッカーがいる場合や、トリックのタイミングで交代されたときなどに打ちます。
性格・個体値・努力値と調整
個体値はA抜け5V、Aは逆Vです。
性格はSを上げ、Aを下げる「おくびょう」としています。Sに努力値を204振り、スカーフを持たせることで最速136属(テツノツツミテツノツツミなど)抜きになります。実数値207
C252 実数値197 (与ダメージ後述)
B52 実数値117
余りを振りました。この調整がフェアリーまたは悪テラスタルならパオジアンパオジアン、草テラスタルならウーラオス(いちげき)ウーラオス突破のカギになります。(被ダメージ後述)
立ち回り例
1先発で投げる。
A.
<相手が一発で倒せそう(テラスタル込み)な場合>→2
<相手が起点作成してきそうな場合>→3
<相手が一発で倒せなさそうな場合>→4
2対面の相手が倒れる又は交代するまで攻撃する。→B
3スカーフトリックする。その後、相手が交代しそうなら通りそうな技で攻撃する。→B
B.
<新しく出てきた対面のポケモンがこのまま倒せそうな場合>→C
<新しく出てきた対面のポケモンから返しの攻撃を食らいそうな場合>→C
4裏のポケモンと交代して有利対面を作り、対戦を進める。→C
C.
<シャンデラシャンデラが安全に着地でき、攻撃して落とせそうな場合>→5
<シャンデラシャンデラがスカーフを持っており、安全に着地でき、受けポケモンとの対面になる場合>→6
<シャンデラシャンデラが最後の1匹になった場合>→E
5シャンデラシャンデラを投げて倒れるまで攻撃する。→D
6シャンデラシャンデラを投げてスカーフトリックする。交代先に攻撃を入れる。→D
D.
<新しく出てきた対面のポケモンがこのまま倒せそうな場合>→2
<新しく出てきた対面のポケモンから返しの攻撃を食らいそうな場合>→4
E.
<相手が襷と先制技を持っていそうな場合>→7
<そのほかの場合>→8
7スカーフトリックをして、次ターンに攻撃する。
8攻撃する。
↑のパターンは飽くまで一例です。
また、7に該当するのが対パオジアンパオジアンやウーラオス(いちげき)ウーラオスですが、フェアリーテラスを残したシャンデラシャンデラ対パオジアンパオジアンを考えます。
シャンデラシャンデラがフェアリーテラスを切りながらトリックをし、パオジアンパオジアンの悪技を耐えます。次ターンにパオジアンパオジアンの悪技を耐え、返しでオバヒを打って倒します。
テラスを切って悪技を2回耐えるように調整しているのでこの動きは覚えておいてください。
また、もし相手のポケモンの先制技がノーマル技ならテラス切る必要はありません。
与ダメージ計算
C252で考えます。
- シャドーボール
無振りサーフゴーサーフゴー確定1発
無振りハバタクカミハバタクカミ乱数1発(31.25%)
無振りランドロス(霊獣)ランドロス確定2発
H252ウーラオス(れんげき)ウーラオス確定2発
無振りオーガポンオーガポン乱数2発(98.82%)
HD252テツノツツミテツノツツミ乱数2発(95.7%)
無振りイダイトウ♂イダイトウ乱数1発(68.75%)
H252ヘイラッシャヘイラッシャ確定3発
無振りコノヨザルコノヨザル乱数1発(31.25%)
- かえんほうしゃ
無振りサーフゴーサーフゴー確定1発
無振りオーガポン(いど)オーガポン(水)、オーガポン(かまど)オーガポン(炎)、オーガポン(いしずえ)オーガポン(岩)確定2発
無振りテツノツツミテツノツツミ乱数1発(75.0%)
H252パオジアンパオジアン確定1発
H252ウーラオス(いちげき)悪ウーラオス確定2発
H252キュウコン(アローラ)アローラキュウコン乱数1発(68.75%)
H252ランドロス(霊獣)ランドロス確定2発
- オーバーヒート(2発目は特攻ランク-2で計算)
HD252サーフゴーサーフゴー確定1発
無振りオーガポン(水)、オーガポン(炎)確定2発
H252オーガポン(いど)オーガポン(水)、オーガポン(かまど)オーガポン(炎)確定2発
H252テツノツツミテツノツツミ確定1発
無振りパオジアンパオジアン確定1発
無振りウーラオス(いちげき)悪ウーラオス確定1発
H252ウーラオス(いちげき)悪ウーラオス乱数1発(18.75%)
HD252キュウコン(アローラ)アローラキュウコン確定1発
H252カバルドンカバルドン確定1発
H252ランドロス(霊獣)ランドロス確定2発
無振りガチグマ(アカツキ)ガチグマ乱数1発(37.5%)
- だいもんじ
無振りサーフゴーサーフゴー確定1発
無振りオーガポン(いど)オーガポン(水)、オーガポン(かまど)オーガポン(炎)、オーガポン(いしずえ)オーガポン(岩)確定2発
無振りテツノツツミテツノツツミ確定1発
H252パオジアンパオジアン確定1発
H252ウーラオス(いちげき)悪ウーラオス確定2発
H252キュウコン(アローラ)アローラキュウコン確定1発
H252ランドロス(霊獣)ランドロス確定2発
- テラバースト(妖)
等倍範囲ではシャドーボールと同じ。
HD252トドロクツキトドロクツキ確定1発
H252ウーラオス(れんげき)水ウーラオス確定1発
H無振りパオジアンパオジアン確定2発
H252パオジアンパオジアン確定2発
H252ディンルーディンルー(オボン無し)確定2発
H252ディンルーディンルー(オボン込み)確定3発
無振りイーユイイーユイ乱数2発(98.43%)
H252カイリューカイリュー(ステロ込み)確定1発
- エナジーボール(草テラスタル時)
等倍範囲では火炎放射と同じ
H252ガチグマ(アカツキ)ガチグマ 確定1発
H252キョジオーンキョジオーン乱数2発 (12.89%)
H252ディンルーディンルー(オボン無し)確定2発
H252ディンルーディンルー(オボン込み)乱数2発(56.64%)
HD特化テツノツツミテツノツツミ確定1発
H252オーガポン(いど)オーガポン(水)、オーガポン(いしずえ)オーガポン(岩)乱数2発(67.57%)
H252ウーラオス(いちげき)ウーラオス確定1発
H252カバルドンカバルドン確定1発
H252ヘイラッシャヘイラッシャ乱数1発(50.0%)
被ダメージ計算
H0,B52,D0とします。
テラスタルを切っていないとき
- サーフゴーサーフゴー
臆病C252
シャドーボール 確定1発
- ヘイラッシャヘイラッシャ
無振り
ウェーブタックル 確定2発
- ハバタクカミハバタクカミ
臆病C252
シャドーボール 確定1発
ムーンフォース 確定2発
- カイリューカイリュー
A特化
地震 乱数1発 (81.25%)
飛行テラスタル テラバースト 確定2発
- ガチグマガチグマ
C252
大地の力 確定1発
ブラッドムーン 確定1発
ハイパーボイス(ノーマルテラス時) 乱数1発 : 12.5%
ムーンフォース 乱数4発 (35.64%)
- オーガポン(炎)
A252 ツタこん棒 確定2発
- ディンルーディンルー
無振り 地震 乱数1発 : (56.25%)
- ハッサムハッサム
A特化 鉢巻 バレットパンチ 乱数4発 : (2.0%)
フェアリーテラスタル時
- パオジアンパオジアン
A特化
噛み砕く+悪テラスタル噛み砕く 確定耐え
A252
悪テラスタル噛み砕く 確定3発
- ウーラオス(れんげき)水ウーラオス
A特化 水流連打 乱数1発 (0.02%)
A特化パンチグローブ 水流連打 乱数1発(78.29%)
- ウーラオス(いちげき)悪ウーラオス
A特化 暗黒強打(急所) 確定3発
A特化 鉢巻 悪テラスタル 暗黒強打(急所) 確定2発
- ハバタクカミハバタクカミ
C特化 ゴーストテラスタル シャドーボール 確定2発
C252 フェアリーテラスタル ムーンフォース 乱数1発 (43.75%)
草テラスタル時
- ウーラオス(れんげき)水ウーラオス
A特化パンチグローブ水テラスタル 水流連打+アクアジェット 確定耐え
A特化鉢巻水テラスタル 水流連打 乱数1発 (0.02%)
他の特殊アタッカーとの差別化点
環境上位の特殊アタッカーとの差別化点はやはりトリックができることです。
トリックをすることで相手の先制技を封じながらテラスタル後に半減できる技のみを打たせることで、多くの環境上位のアタッカーが直面する先制技に弱いという問題を解決できています。
サーフゴーサーフゴーとの差別化点
同じくトリックを使うことができる特殊アタッカーにサーフゴーサーフゴーがいます。すばやさの種族値が4だけシャンデラシャンデラより高いので、同じSラインに調整すると余った努力値を耐久に振ることができます。なにより素の耐久もシャンデラシャンデラより高いため数値で比較するとサーフゴーサーフゴーに軍配が上がります。
そのため、特攻種族値、攻めの範囲、特性が主な差別化点となります。
まず、C種族値は10以上シャンデラシャンデラが高く、受け出されたポケモンに負荷をかけやすいです。ダメ計をしていてギリギリ落とせる場面が多く想定されたのでこの火力の差の影響は考慮するに値します。攻めの範囲はお互い一長一短ですがすべてのお面持ちオーガポンオーガポンに等倍で殴れる炎打点は優秀です。特性についても、おうごんのからだは無論強いのですが、相手の身代わり+積みに対しても後投げからスカーフを押し付けられるすりぬけは型との相性が良いです。
苦手なポケモン
チョッキ持ちにはテラスタルを切ったとしても打ち合いで負ける可能性が高いので、フルアタのガチグマ(アカツキ)ガチグマなどには投げないようにしましょう。また、ディンルーディンルーなどの高耐久ポケモンにはたとえトリックが通ったとしてもサイクルの中で撃ち負けやすいです。S操作技にも弱いため、相手の型が分かりにくいポケモンと対面した場合は引くのが無難です。スカーフトリックしてやられてしまうということの無いよう、交代するタイミングの見極めとダメージ感覚、知識が求められます。
相性の良い味方・構築例
スカーフトリックだけしてやられてしまうのがよくある負けパターンなので、対面で勝てそうにない相手が出てきたら、確実に引きます。そしてその引き先となるポケモンが相性のいい味方となります。おすすめはランドロス(霊獣)ランドロス、ヘイラッシャヘイラッシャ、カイリューカイリューなどタイプの補完に優れ、純粋に耐久しやすいポケモンがいいと思います。また、乱数で落とせるポケモンが多いため、ステルスロックが撒けるポケモンも相性がいいです。
(追記: ランクマで色んなポケモンとの相性を調べたところ、シャンデラシャンデラ+ランドロス(霊獣)霊獣ランドロス+水技受けられる先制技持ちの選出が強かったです。カイリューカイリューやゴリランダーゴリランダー等がうまくハマりました。)