初めに
初めまして、ごましおと言います。
突然ですが皆さん、「ダブルの育成論」を見たことはどれだけありますか?
…ほぼない、そう思いませんでしたか?
そう、ダブルの育成論、ほぼないんです。その数なんとシングルの60分の1。割と絶滅危惧種ですね。
ダブルのプレイヤーとしてこの状況は寂しいと思い、最近使って楽しかったS無振ハバタクカミの育成論を自分も書いてみることにしました。(本当はダブル初心者の方向けにテンプレ系を書きたかったのですが、文章力が足りず挫折してしまいました)
初投稿で慣れない部分が多いですが、ぜひ読んでいただけると幸いです。
- 基本的な略称等を用います。
- 「C252
ハバタクカミ」のような「HABCDSのような能力値の略語+数字」という形でその能力の努力値の値を表します。能力値の略語の直後の+/-は性格補正、能力値の略語の直前の+n/-nはランク変動を表します。
- ダメ計には「理にかなったダメージ計算ツール」を用いています。オススメ
- ミス、質問等あれば気軽にコメントお願いします。
コンセプトと役割
『ブーストエナジー』のS上昇を利用し、上からある程度の特殊打点と『こごえるかぜ』によるS操作を通すというダブルのSブーストハバタクカミの基本的な役割を持ちます。
ただし過剰なSを最低限に抑えることで耐久を伸ばし、また相手のSブーストハバタクカミとの素早さ順が自分にだけ明確になるというアドバンテージを得るというのがコンセプトです。
ハバタクカミは無振でも性格補正をかけるだけでかなり高いSになるため、Sに振らずともSブーストすればスカーフ
ウーラオス(いちげき)
ランドロス(霊獣)は抜けますし、相手の
ハバタクカミ
テツノツツミに上からこごえるかぜを打たれてSブーストを打ち消されたとしても並のアタッカーなら抜けることが多いです。Sを削った分で耐久を高めればSブースト
ハバタクカミシャドーボールを耐えられますし、無理にSを高める必要はありません。
S関係が自分にだけわかるというメリットを踏まえれば、不毛な同族素早さ合戦から撤退し、Sを完全に無振にして耐久に回す調整も合理的なのではないかと考えました。
持ち物
『ブーストエナジー』コンセプトです。
場に出た時に消費されこだいかっせい・クォークチャージを発動させます。
特性
『こだいかっせい』コンセプトです。
ブーストエナジーや晴れの効果で発動し、発動時点で最も実数値の高いステータスを高めます。倍率はSの場合1.5倍、それ以外なら1.3倍。今回は基本的に関係ありませんが、上昇するステータスの選択はすでに受けていたランク変動や追い風の効果にも影響されます。
また最高のステータスが複数あった場合、A>B>C>D>Sの順に優先度が高くなります。つまり、Cブーストハバタクカミを使うならS=Cでよいが、Sブースト
ハバタクカミを使うならS<Cにしなければならないということです。
性格・努力値と調整
H244/A0-/B156/C108/D0/S0+
(実数値161-x-95-169-155-170)
<H>
奇数最大。物理:特殊=1:1なら実数値159に留めBに回す方が少し総合耐久が高いですが、わざわいのたま時に相手のハバタクカミのシャドーボールの乱数に関わるためHは高めておきたく、またグラスフィールドの回復効率の高い16n+1にもなることから実数値161。
<HB>
−1S時に抜かれるスカーフウーラオス(れんげき)、受けうる先制技のほぼ最高ラインである
パオジアンを意識。B実数値95は効率が悪いですが、96にするのは過剰だと感じC振りを優先しています。
※努力値をCからBに8回すと上が99.7%耐え、下が確定耐えになります。
<HD>
無振ですがH244のおかげでかなり硬いです。実数値H>Dは強い。
C252+![]() | 120-144 確定2発 |
C252+![]() ダブルダメ | 134-158 確定2発 |
C252![]() わざわいのたま | 140-176 乱数2発 56.25% |
※3つ目はSブーストハバタクカミ&メガネ
イーユイのような並びを想定していますが、この場合Cは削られがちなので実際にはもう少し有利な乱数になるでしょう。Hを伸ばしたのはこの乱数をよくするため。C132未満なら確定耐えです。
<C>
せっかくSブーストで上から動けるので、できるだけ圧を強めるため余りの範囲内で最大限高くしたいです。ただし実数値169までなのでこれが限界。HB調整と合わせてぴったりの配分ができるのはパルデア種族値調整の恐ろしさを感じますね。
HBを高めて一撃で処理しにくるウーラオス(れんげき)などの攻撃を耐えて上から2度行動すればメガネC252+
ハバタクカミより与える総ダメージは大きくなる!…と書くと聞こえはいいですが、単発火力が本当に最低限のラインなのでアタッカー要素には変に期待しない方がいいです。
<S>
コンセプトのS0+。実数値170によりSブースト込みならスカーフウーラオス(れんげき)
ランドロス(霊獣)のほかくだけるよろいが一度発動した+2S252
グレンアルマやS252
レジエレキまで抜け、こごえるかぜ等を受けた−1S時でもこごかぜ要員の横に並びやすいS252
オーガポン(いど)S252+
ウーラオス(いちげき)S252+
イーユイあたりには先制できます。
天候下のようりょくそやすいすい、Sブーストハバタクカミ
テツノツツミ
トドロクツキには抜かれますが、逆に言えば基本的にSブースト
ハバタクカミのS振りは特性でS上昇があるポケモン同士のS勝負にしか影響しないということです。
さらに、耐久に厚く振っていることでSブーストハバタクカミ
テツノツツミ
トドロクツキの通常攻撃ではこのハバタクカミを倒せません。
『Sを削った分耐久を高められ、デメリットは一握りの超高速ポケモンに抜かれることだけで、しかも情報アドバンテージも取れる』と考えれば、S上昇補正無振という配分も十分理解できるものなのではないでしょうか。
<A>
執筆現在のダブル環境は、ちからをすいとるを7割近い割合で採用しているポケモンヤバソチャが使用率14位に入る大A0厳選時代です。混乱自傷やイカサマのダメージを抑えるためにも、A0個体の使用が望ましいでしょう。ちなみに厳選は地下がいいみたいです
技構成
基本形はコレ
[1]『ムーンフォース』 …優秀なメインウェポン
[2]『シャドーボール』 …補完のいいサブウェポン
[3]『こごえるかぜ』 …コンセプトである強力な範囲S操作技
[4]『まもる』 …行動タイミングをずらす・トリックルームターンを稼ぐなど便利
<選択枠>
[1]と競合:『マジカルシャイン』(あると便利な範囲技)
[2]と競合:『マジカルシャイン』『たたりめ』(オーロンゲ
キラフロルなど状態異常要素がある構築で。)『10万ボルト』『エナジーボール』『マジカルフレイム』『パワージェム』
[3]と競合:『マジカルシャイン』『10まんボルト』『エナジーボール』『マジカルフレイム』『パワージェム』『トリックルーム』(おいかぜやトリックルームへの切り返し)『ちょうはつ』『ほろびのうた』(ヘイラッシャ
シャリタツ対策等)『みがわり』
[4]と競合:『マジカルシャイン』『トリックルーム』『ちょうはつ』『ほろびのうた』『みがわり』『こらえる』(非常に稀)
「最低限の火力と耐久を持った超高速Sサポーター」というコンセプトに沿うならこごえるかぜは確定ですが、ムーンフォースとマジカルシャインの選択は悩む部分。あると便利ですが、Cを削っているためムーンフォースでないと火力不足な面もあります。
心をオーガポンにしてシャドーボールを抜くことや他の変化技・技範囲のためにまもるを抜くこともそれなりにありますし、コンセプトからは外れますがSブースト
ハバタクカミ自体はこごえるかぜによるS操作を目的とする場合にしか採用されないようなポケモンでもありません。(この論の調整も特にこごえるかぜを前提としたものではないです)
ブエナハバタクカミの技構成は選択肢が多いので、一つに決めず色々試してみてください。
テラスタル
テラス
大きな耐性変化はないものの、ムーンフォースのリーチを伸ばしながらゴースト弱点を消せるのはシンプルながら強力です。育成も楽です
テラス
元々弱点が少ない優秀なタイプでありつつ、弱点のはがねを半減・ゴーストを等倍にできて噛み合いもいい耐性テラスの筆頭です。HBハバタクカミが一撃で倒される技といえば
テツノカイナヘビーボンバーとテラス
ウーラオス(れんげき)すいりゅうれんだですが、その両方が半減になるのが素晴らしいです。
他は
あたりを見たことがありますが、特に理由がなければ
からの選択でいいと思います。
与ダメージ計算
アタッカー運用主体ではなく、与ダメもダメージ感覚の基準としてなので、相手については目安として割り切ってください。
テラスや道具等の計算は各自でお願いします。乱数は「受けの生存ターン数が増える方」に統一しています。確率については「乱数(によって)2発(になる確率は)98.03%」と読んでください。また、範囲技は全て範囲補正込みで計算しています。(単体でのダメージはほぼ4/3倍です)
ムーンフォース | H252D4![]() | 78-93 確定3発 |
H84D252![]() とつげきチョッキ | 102-122 乱数3発 96.49% | |
H4![]() ![]() | 228-270 確定1発 | |
シャドーボール | H116D4![]() | 102-120 確定2発 |
H252D4![]() | 152-180 乱数2発 93.75% | |
H252D4![]() | 110-132 乱数3発 7.82% | |
こごえるかぜ | H252D4![]() | 22-27 乱数8発 100% |
H4D4![]() | 104-124 確定2発 | |
H4D4![]() | 52-62 確定3発 | |
マジカルシャイン | H252D4![]() | 49-58 確定4発 |
10まんボルト | H4D4![]() | 114-136 確定2発 |
エナジーボール | H4![]() ![]() | 144-170 確定2発 |
マジカルフレイム | H4D4![]() | 106-126 確定2発 |
パワージェム | H4D4![]() | 102-120 確定2発 |
被ダメージ計算
環境の個体数も意識していますが、基本的に乱数2発前後になるものや上を取られるものを優先しています。
テラスや道具等の計算は各自でお願いします。乱数は「受けの生存ターン数が増える方」に統一しています。確率については「乱数(によって)2発(になる確率は)98.03%」と読んでください。また、範囲技は全て範囲補正込みで計算しています。(単体でのダメージはほぼ4/3倍です)
A252+![]() | 138-165 乱数2発 98.03% |
A252+![]() わざわいのつるぎ・いのちのたま | 136-162 乱数2発 93.75% |
A252+![]() わざわいのつるぎ | 127-151 確定2発 |
A252+![]() ![]() | 134-158 確定2発 |
A252+![]() ![]() | 138-164 乱数2発 87.5% |
A252+![]() グラスフィールド | 82-97 確定2発 |
A252+![]() グラスフィールド | 84-99 確定2発 |
A252+![]() ![]() | 150-178 乱数2発 43.75% |
A252+![]() | 112-133 確定2発 |
A252+![]() | 202-238 確定1発 |
A252+![]() わざわいのつるぎ・こだわりハチマキ | 145-172 乱数2発 56.25% |
A252+![]() わざわいのつるぎ・こだわりハチマキ | 65-77 確定3発 |
A220![]() ![]() | 123-145 確定2発 |
A252+![]() ![]() | 136-162 乱数2発 93.75% |
A252+![]() | 130-154 確定2発 |
+1A252+![]() くろいメガネ | 153-181 乱数2発 31.25% |
A252+![]() ![]() | 136-162 乱数2発 93.75% |
A252+![]() こんじょう | 141-166 乱数2発 81.25% |
※A220トドロクツキ→Sブーストになる=こちらの
ハバタクカミを抜きうる場合の最高値
C252+![]() | 120-144 確定2発 |
C252+![]() | 134-158 確定2発 |
C252![]() わざわいのたま | 140-176 乱数2発 56.25% |
C252![]() わざわいのたま・こだわりメガネ | 96-114 確定2発 |
C252![]() わざわいのたま・こだわりメガネ | 178-210 確定1発 |
C252![]() | 49-58 乱数4発 57.62% |
C252+![]() | 51-61 乱数4発 9.06% |
C252+![]() | 116-140 確定2発 |
C252+![]() | 51-60 乱数4発 24.08% |
C252+![]() | 105-124 確定2発 |
C252+![]() 晴れ・100%・もくたん | 109-130 確定2発 |
相性のいい味方
上からのS操作を生業にしているので、イーユイ
ウーラオス(れんげき)
オーガポン(かまど)等の中速アタッカーたちをサポートさせると強みがわかりやすいです。
ハバタクカミ
イーユイの並びは有名。
特殊方面はある程度硬いですが、物理方面は厚く振っているとはいえ所詮ハバタクカミです。味方にランドロス(霊獣)
ウインディ(ヒスイ)のようないかく持ちがいるだけで生存率が大きく変わります。
相性の悪い相手
書き出したらキリがありませんが、ゴリランダー
オーガポン(かまど)の並びはグラススライダー集中で一方的に倒されるのでキライです。(ただしHBがかなり高いので相手がAを削っている場合稀に耐えます)
また、トルネロス(化身)
ウーラオス(いちげき)
のようないたずらごころおいかぜで強引にS操作してくる並びに対しては、一度こごえるかぜを入れないと上から行動できません。
ウーラオス(いちげき)がしんぴのしずくを持っている場合やテラスを切ってくる場合は、初手のおいかぜ+すいりゅうれんだで何もできずに倒されます。
火力がないのでチョッキテツノカイナにも半分弱の削りしか入れられず下から倒されます。
こごえるかぜがドドゲザンに当たってしまうと特性のまけんきを発動させてしまいます。同じ系統でも
コノヨザル
エンペルト
ミロカロスあたりはなんとかなりますが、
ドドゲザンはふいうちで縛ってくるので割と世界の均衡が崩れます。
終わりに
最後まで読んでいただきありがとうございました。
Sの低さは特に気にならず使用感は良かったので試して見て欲しいです。