はじめに
本育成論を見て頂きありがとうございます。ヒナタと申します。SVで育成論を投稿するのは初めてですが、生暖かく見守ってください。
DLC第2弾「藍の円盤」では様々な新技が登場しました。その中でも今回は『はやてがえし』に注目した育成論になっています。使いにくいと評判の技ですが、この育成論でぜひこの技の可能性に触れていただけると嬉しいです。ではどうぞ。
- 諸注意
・HP→H、こうげき→A、その他「種族値」や「個体値」など非公式用語が頻出します。ご了承ください。
・本育成論は一から自分で考えたものになっています。偶然似通った育成論が世にあるかもしれませんが、剽窃ではございません。
・考察を深めたいので、ご意見・ご感想がありましたらぜひコメントお願いします。
新技「はやてがえし」について
皆さんもある程度ご存知かと思いますが、『はやてがえし』について改めて考察を。
威力は65、優先度+3で『しんそく』よりも先に行動でき、当たれば相手を確実にひるませる強力な技です。が、相手が先制技を使わなければ失敗するというデメリットが強烈な扱いづらさを生んでいます。
実際に使ってみて感じたメリット・デメリットとしては下記が挙げられます。
- メリット
・終盤まで隠した上で打った時のアドバンテージが非常に大きい。
・どんなにHPが少ない状況からでも2択を迫れる。
- デメリット
・相手が先制技を持っているかどうかの見極めが難しい。
・威力はそこそこなので、相手のHPがはやてがえし圏内にならないと不利な択になりがち。
・こちらが高火力を出せないと相手は先制技を連打するのが安定択になるため、不利な読み合いになりがち。
・そもそも相手には択を迫れない。
デメリットの内、1つ目は構築次第で相手の技を見ることは十分可能なので、この技は最後の詰め&逆転要素として非常に強力です。
しかし、火力の面とゴーストに無効にされてしまう点はかなりキツく、そもそも択にならないと技スペースの無駄になってしまいます。
ということで、この技を上手く扱うためには
- 高火力を出せること
- はやてがえしでもある程度火力を出せること
- ゴーストに打点があること
が条件になります。そんなわけで、今回はこの条件を満たせるオオニューラオオニューラをご紹介します。
技構成
はやてがえし
今回のコンセプトなので、確定とします。
こらえる
後述の『きしかいせい』と合わせて超火力を実現します。また、きあいのタスキと比べると連続技を耐えられる点で優れています。はやてがえしを打った直後に挟む事で相手の次の選択肢を確認する動きは非常に重要です。
きしかいせい
『こらえる』と合わせて最大威力200で殴ります。A特化130族のタイプ一致ですから、半端な受けは許しません。
シャドークロー
はやてがえし・きしかいせいが効かないへの打点です。そもそもとの技範囲はゾロアーク(ヒスイ)以外の全てに等倍以上で殴れるため、ほぼ必須枠とします。
※『フェイタルクロー』『アクロバット』なども技候補として挙げられますが、サーフゴーハバタクカミなどへの打点が無くなるのはかなり辛いので『シャドークロー』を推奨します。
性格・努力値・個体値
- 性格 やんちゃ
- 努力値 A252 S252
- 個体値 H B Dは0推奨 AとSは31
こらえるで確実にHPを1にするため、耐久は極力削っています。オオニューラは意外とD方面は柔らかくないので、性格の下降補正もかけています。
すばやさに関しては、『かるわざ』が発動すれば特性発動時のハバタクカミテツノツツミも余裕で抜き去れるので、準速で充分かと思います。
持ち物
- 第1候補 チイラのみ
こらえると合わせて発動させ、火力を底上げします。安定した効果が見込めるので、基本的にはこちらをオススメします。
- 第2候補 じゃくてんほけん
『チイラのみ』と比べて更に火力を伸ばせますが、意外と弱点を突かれない対面も多いです。明確な仮想敵がいなければ、チイラの実で充分です。
特性
- かるわざ
前述の持ち物を消費してすばやさを2倍にします。
ブーストエナジーテツノツツミやスケイルショットカイリューも余裕で抜きつつ、上から超火力の『きしかいせい』を叩き込める事が、はやてがえしを使いこなせる最大の理由です。
テラスタイプ候補
- ゴースト
との補完がいいシャドークローのリーチを伸ばせます。先制技にはやが多いのも好相性。
後述のダメージ計算にも載せていますが、サーフゴーコノヨザルなどの確定数が大きく変わるため、基本的にはテラスがオススメです。
- かくとう
きしかいせい、はやてがえしの火力を上げられます。チイラのみ発動後のテラスきしかいせいは等倍テラスをしたHB特化ディンルーすらステロ込みでワンパンする火力がありますが、過剰かなと思います。
採用理由
軸になるポケモンではなく、2体目以降に出して対面で相手を1匹+後続に大打撃を与える役割です。ということで、ストレートに対面チックなパーティへの採用が望ましいです。後述もしますが、極端に耐久が高い相手以外には勝つ可能性を秘めているので、実際に試運転してみて合うかどうかが意外と大切です。感覚を信じてみてください。
立ち回り
- 選出時
相手の先制技の有無が重要なため、型の判別ができていない先発での適正はほとんど無いポケモンになっています。基本的に2匹目以降に置きたいところ。1匹目に出てきがちなディンルーカバルドンなどの起点作成要員には何も出来ないので、そういった意味でも先発は避けたいです。
- 対面時
先制技が有る相手の場合
体感、はやてがえしはほぼ読まれません。こらえるでチイラを発動させ、先制技に対してはやてがえしを合わせます。その次は択になりますが、
・はやてがえしを耐えるHPが残った場合→まだ安定択なので、相手は先制技を続けて使いがち
・次のはやてがえしで落ちる場合→完全に2択ですが、こらえるで1度行動を見ることができます。
先制技が無い相手の場合
こらえる→チイラまでは同様ですが、基本的にチイラ+きしかいせいが等倍で通れば確定1発です。(等倍テラスをしたH252振りガチグマ(アカツキ)をワンパン)にはシャドークローがありますが、に対応できる補完枠が必要になります。
理想の流れ
相手をステルスロックやまきびしで全体的に少しずつ削れる状況下でハバタクカミテツノツツミトドロクツキなどに繰り出し、
こらえる→チイラ&かるわざ発動→きしかいせい
で1匹もっていきます。
パオジアンハッサムウーラオス(れんげき)などの先制技持ちを誘うので、はやてがえしとこらえるで択をかけながら、あわよくばもう1匹もっていきます。
ダメージ計算
※通常であれば被ダメージ計算も載せるべきですが、基本的にこらえるでHPを1にする事を前提とするため、被ダメージ計算は載せていません。
※対カイリューについてはより詳しく考察しているため、『主な役割対象』の欄により詳しいダメージ計算などを記載しています。
- A1段階上昇きしかいせい(威力200)
HB特化ディンルー 133.5〜158.0% 確定1発
H252B4ウーラオス(れんげき)(れんげき) 135.2〜159.4% 確定1発
等倍テラスH252B4ガチグマ(アカツキ) 109.0〜128.6% 確定1発
ゆき+オーロラベールH252B4キュウコン(アローラ) 65.0〜76.6% 確定2発
HB特化カバルドン 84.1〜99.5% 確定2発
等倍テラスHB特化クレセリア 83.7〜99.1% 確定2発
HB特化ヘイラッシャ(てんねん) 48.2〜57.1% 乱数2発
H4振りカイリュー(マルチスケイル) 43.7〜51.4%
マルチスケイル無し→88.0〜103.5%
- A1段階上昇はやてがえし
等倍テラスB4振りパオジアン 70.3〜83.2% 確定2発
B4振りウーラオス(れんげき)(れんげき) 52.0〜61.7% 確定2発
H252B4ガチグマ(アカツキ) 70.9〜84.5% 確定2発
無振りオーガポン(かまど) 67.7〜80.0% 確定2発
- A1段階上昇シャドークロー
H252B4サーフゴー 70.1〜83.5% 確定2発(※テラス時には105.1〜124.7% 確定1発)
H188B76コノヨザル 69.8〜82.2% 確定2発(※テラス時には104.3〜123.4% 確定1発)
主な役割対象
- 先制技のあるポケモンウーラオス(れんげき)オーガポン(かまど)ガチグマ(アカツキ)パオジアンハッサムマスカーニャなど
その他、自分をHP1まで削ってくれるかつきしかいせいorシャドークローで倒せるポケモン全てに勝つ可能性があります。(サーフゴーハバタクカミイーユイトドロクツキなど)
対カイリューカイリューについて
現環境の先制技の代表格のカイリューについては、一見すると苦手に見えますが充分勝ちうる性能はあります。ただし五分五分の読み合いを制する必要があるので、有利とは言えません。
今増えているAS振りのスケイルショット持ちカイリューはしんそくを持たないことが多いため、ステロ込みでチイラ+きしかいせいの圏内に入れられます。(ダメージ計算の欄参照)テラス後ならマルチスケイル有りでも落とせます。
しんそく持ちに関しては耐久にある程度回している型が多いですが、例として下記のような動きがあります。
『こらえる』+チイラのみ発動
↓
『はやてがえし』で『しんそく』を止める
↓
テラスし、『きしかいせい』を連打
この流れで、こだわりハチマキ型やその他のしんそく持ちカイリューには打ち勝つことができます。ただしお気づきのように、カイリューの型を判別しなければただの運ゲーになります。特に先発で対面してしまった場合は最悪なので、2匹目以降に繰り出すようにしましょう。『スケイルショット』や『りゅうのまい』を2〜3回積まれてもかるわざ発動で抜けるので、死に出しからでも充分に勝てます。
ただし、『でんじは』『エアスラッシュ』などを搭載した耐久型にはほぼ勝てません。ここは明確に不利対面と言えます。
以上のことから、カイリューに関しては有利な読み合いを仕掛けられるが、型の判別が必ず必要という結論です。200色の型を持つと言われるカイリューですが、そこに勝ち得る性能は評価できると思います。
苦手な相手
カバルドンは相性最悪で、じしん+すなあらしダメージで落とされる他、あくびも普通に辛いです。
- 環境外からゾロアーク(ヒスイ)ヤミラミミカルゲ
環境にはほぼ居ませんが、タイプ相性は最悪です。
相性のいいポケモン
対アタッカーの対面性能に長けているので、単体で活躍するポケモンではあります。が、全体を少しずつ削れるポケモンとは好相性なので記載しておきます。
ラグラージラグラージ
『ステルスロック』による削りと、『あくび』や『ほえる』による後続の判別ができます。『クイックターン』でオオニューラの安全な着地もできます。
ディンルーディンルー
カバルドンと比べてあくび、すなおこしは無いですが、対面性能の高さとに打点がある部分が評価できます。
キラフロルキラフロル
はやてがえしで怯ませる都合上、どく(もうどく)での削りが1〜2回増えます。更にステルスロックも合わせて強引な突破が見込めるようになります。
エアームドエアームド(個人的に1番オススメ)
苦手なポケモンとしてランドロス(霊獣)カバルドンを挙げましたが、『ちょうはつ』を仕込んだエアームドなら大抵の場合その2匹を流せます。対カイリューに優れている点もかなり好相性と言えます。『ふきとばし』も合わせて採用して相手の型判別をするのが理想形ですね。
おわりに
新技『はやてがえし』入りのオオニューラ育成論、いかがだったでしょうか。自分で実際に使ってみて、環境メタの側面が強い対面駒という印象でした。しんそく持ちカイリューにさえ勝ち得るほどのメタ性能・奇襲性能がありつつ、回り出せば超火力を上から押し付けられるので使っていて非常に楽しいです。相手が素直に殴ってこない時が1番辛いのは、「こらきし」型の性ですかね...。
クセはもの凄く強いですが、使用率TOP10全てに勝てる性能はあります。心理戦が好きな方、ぜひお試しあれ。
※1/2 『新技「はやてがえし」について』『主な役割対象』『苦手な相手』『相性のいいポケモン』を追記・修正しました。