はじめに
今回初めて育成論を投稿いたします、HIPEと申します。初投稿ですので至らぬ点が多いと思いますがご了承ください。
- 能力のHABCDS表記など、非公式の略称を用いる場合があります。
『ポリゴン2』について
DLC後編・藍の円盤で解禁された中でも最強格の強さを誇るポケモンで、進化前とは思えない種族値と『しんかのきせき』による圧倒的な耐久力による数値受けももちろんのこと、『ダウンロード』、『アナライズ』による高火力で殴りあっても強く、どくどくの没収された8世代においてもトップクラスの強さを誇りました。
今作での弱体化も予想されましたが、蓋を開けてみればじこさいせいのpp減少程度にとどまり、まだまだ一線級の活躍が予想されるポケモンです。
そんな『ポリゴン2』ですが、前作でもお馴染みの技、トリックルームの重要性が今作でより高くなっていると感じたので、トリックルーム基本型ポリゴン2の育成論を書いてきたいと思います。
『ポリゴン2』と『トリックルーム』
トリックルームは、5ターンの間、素早さの低いポケモンから先に行動できる空間を作り出す技で、主に素早さが低く火力の高いポケモンを上から動かすためのサポート技として使われます。
『ポリゴン2』は過去世代を通してみても最も安定したトリックルーム使いと言っていい実力を持ちます。
その理由として、
- ・タイプであるため、弱点がタイプのみであり、一撃で落とされにくい。
- ・『しんかのきせき』による圧倒的耐久により、その技であっても大抵は一撃耐え、等倍なら確三以下に落とし込めるため、安全にトリックルームを展開できる。
- ・トリックルーム展開後も基礎スペックの高さにより自らエースとなったり、効果が切れた後の詰めを担ったりできる。
が挙げられます。
そして、9世代の現在、ある技の存在がトリックルームの必要性を大きく高めています。
それは『アンコール』です。
前述の通り、じこさいせいのppが16→8に弱体化されたことで、アンコールによりじこさいせいのppを削りきることでポリゴン2をお手軽に対策できるようになってしまいました。
しかし、トリックルーム下のポリゴン2であればアンコールを先制で打たれて何も出来ずに倒される自体を防ぎつつ、裏の鈍足ポケモンが先制で動ける環境を作ることが出来ます。
他にも、回復動作を封じる新技サイコノイズの効果を1ターン軽減したりもできますし、
トリックやはたきおとすによって受け型のポリゴン2が機能停止に陥るような場面でも、トリックルームで裏のサポートができるので、腐る場面が極めて少ないです。
以下、トリックルームポリゴン2の基本型を考察します。
持ち物
高種族値進化前の強みを活かす『しんかのきせき』で確定です。
特性
トリックルーム採用のため、以下の2つが候補に上がります。
- 『ダウンロード』
- 相手の防御より特防が低い場合にこちらの特攻ランクが1上昇し、その逆なら攻撃ランクが1上昇する、シンプルな強特性です。
- 前述の通りトリックルーム採用のポリゴン2は自らがエースとなることも多く、火力重視のこちらが過去世代では優先される傾向にあったのですが、今作においては優先度は少し下がると考えます。
- 理由として、カイリュー・ オーガポン・ ハバタクカミ・イーユイ・ トドロクツキ など、環境にB<Dのポケモンが多く存在しており、『サーフゴー』も少しDに振るとB<Dとなるため、C上昇の機会がそれほど多くないこと、後述の『トレース』が今作でかなり刺さっていることが挙げられます。しかし、10まんボルトでH振りれんげきウーラオス(れんげき)を一撃で倒すことができるなど確かなメリットも存在します。
- 『トレース』
- 効果は相手の特性をコピーするというもの。
- カイリューの『マルチスケイル』やサーフゴーの『おうごんのからだ』などの強特性を自分の物にできるのはもちろん、四災の『わざわいの○○』系統の特性を打ち消すことによる間接的な火力上昇や耐久上昇の効果も期待できるため、今作においてトリックルーム型でもこちらの採用が増えそうです。
構築によってどちらの採用も考えられますが、今回はトリックルーム採用が疑われにくくなる点なども評価し、『トレース』を第一候補とします。
性格
ポリゴン2自身がトリックルーム下で火力を出すための『れいせい』を第一候補としています。
確実にトリックルームを展開したり、受け重視の運用をしたい場合は『のんき』や『なまいき』、非トリル下で抜きたいポケモンがいるなら『ひかえめ』も考慮に入ります。
努力値と調整
- H244 B12 C252
基本型のため、特に調整をしない上記の振り方を採用しています。
HPは244振りで止めることで16n−1で表される実数値191となり、やどりぎのタネやステルスロックのダメージが252振りと比べて1下がるため、244振りで止めることを強く推奨します。汎用的ないい調整先がありましたらコメントで指摘お願いします。
素早さ個体値と主なポケモンとのS関係
以下、すべてのポケモンをS無振りで計算しています。
S個体値 | S実数値 | |
---|---|---|
S無補正 『ポリゴン2』 | 31 | 80 |
S無補正 『ガチグマ(アカツキ)』 | 31 | 72 |
S下降補正 『ポリゴン2』 | 31 | 72 |
S無補正 『カバルドン』 | 31 | 67 |
S下降補正 『ポリゴン2』 | 19 | 66 |
S無補正 『ディンルー』 | 31 | 65 |
S下降補正 『ポリゴン2』 | 0 | 58 |
S無補正 『キョジオーン』 S無補正 『ヘイラッシャ』 | 31 | 55 |
通常状態で抜きたいポケモン、トリックルーム下で抜きたいポケモンを考えてS調整をすることをおすすめします。
技構成
- 『トリックルーム』
- コンセプトであるため確定。裏の高火力ポケモンを強く動かすほか、自身の立ち回りも強化します。
以下、攻撃技
- 『れいとうビーム』
- 『ポリゴン2』の攻撃技の代表格で、タイプの優秀な範囲から、唯一のウェポンとなることも多い技です。追加効果の氷もうれしい。
- カイリュー・ランドロス(霊獣)・ガチグマ(アカツキ)・ディンルーなどに弱点を突き、テラスタルを強要できるため、本育成論で採用しています。
- 『10まんボルト』
- れいとうビームとの補完が優秀な打点。れんげきウーラオス(れんげき)・テツノツツミにトリックルームとあわせて強くなるほか、環境に多い水テラスへの打点にもなります。範囲の優秀さを評価して本育成論で採用しています
- トリックルームとの噛み合いは悪いですが、麻痺を狙うなら『ほうでん』も選択肢に入ります。
- 『シャドーボール』
- 威力80の技。
- ハバタクカミ・サーフゴーへの打点となり、れいとうビームと併せてほとんどの相手を等倍で殴れます。テラスタイプを 技意識のタイプにすればメインウェポンとしても期待できます。
- 『トライアタック』
- タイプ一致の技で、優秀な追加効果を持ちます。ポリゴン2で広い範囲のポケモンに火力を出したいなら採用したい技です。
- C上昇と合わせると多くのポケモンに確二が取れるので、ダウンロードと相性がいいです。
- 『イカサマ』
- 相手の攻撃の値を利用して殴れるタイプの技。
- 火力に振らずとも使えるのが強みですが、相手によって火力が上下するのが欠点です。撃ち合いに重きを置いたこの型だと優先度は下がります。
- 『テラバースト』
- 『ポリゴン2』と相性のいい強力な新技。
- 素のテラバーストはタイプ一致で、テラスタル後はタイプを変更して打てるので、構築に合わせて多様な使い方ができます。
- カイリュー・ウーラオス(れんげき)・パオジアンに強いタイプがおすすめです。
- 通常時はタイプ一致で打てる技として、シャドーボールや10まんボルトの代わりに採用し、必要な時にこれらのタイプのテラスタルをするといった使い方もできます。
テラスタル
『ポリゴン2』は耐性変更の必要性が少ない所が優秀な点の一つであるので、どちらかと言うと味方にテラスタルを残しててあげるのが強い使い方になると考えています。そのためポリゴン2でテラスタルを切ることで勝ち切る という展開を取れそうなタイプを優先して選んでいます。
- 本育成論で採用しています。耐性を変更しつつ、技と技の範囲の広さを活かして、テラスタルを切った後にほとんどのポケモンに一致等倍以上を突ける点が優秀で、トリックルーム下での打ち合い性能をより強化できます。また、10まんボルトをタイプ一致技として打つことで、C上昇なしでH振りれんげきウーラオス(れんげき)を一撃で倒すことができます。
- テラバーストを採用する場合に。素でタイプ一致技を無理なく扱いつつ、テラスタルを切ってパオジアン・ウーラオス(れんげき)などを殴りにいける点が強いです。また、タイプと違い弱点の格闘技を半減に抑えることができます。
- シャドーボールをメインウェポンにする場合に。トリックルーム下で上からテラスタルを切れば、そのターンに技を打たれる心配をすることなくハバタクカミ・サーフゴーを一致抜群で殴ることができ、次のターンに落とし切ることも期待できます。非トリックルーム下でテラスタルを切ると次のターンに弱点を突かれてしまうので注意が必要。れいとうビームとあわせてほとんどのポケモンを一致等倍以上で殴れるのも相性がいいです。
- ・・
- 弱点が少なく耐性が優秀なのでこれらのタイプも候補に入りますが、テラスタルを切ることが火力上昇につながらないのが玉に傷。テラバーストは一貫性が高く素テラバとあわせて等倍以上を取れる範囲が広いため考慮に入るかもしれません。
立ち回り例
トリックルームで素早さ関係を逆転させてアンコール、サイコノイズを上から打ってくるポケモンをいなしつつ、そのまま対面突破を狙ったり、裏の高火力エースに繋ぐといった戦い方ができます。
ダメージ計算
れいとうビーム | H252 ガチグマ(アカツキ) | 62.7%〜74.5% 確定2発 |
H252 カイリュー マルチスケイル 発動時 | 49.4%〜58.5% 乱数2発(98.4%) | |
HD特化 ランドロス(霊獣) | 81.6%〜97.9% 確定2発 | |
H252 ディンルー わざわいのうつわ 非発動時 | 45.5%〜53.4% 乱数2発(34.4%) | |
10まんボルト | D4テツノツツミ | 111.4%〜131.2% 確定1発 |
D4 水 ウーラオス(れんげき) | 83.4%〜98.2% 確定2発 | |
ポリゴン2テラス H252 D4 水 ウーラオス(れんげき) | 105.3%〜124.6% 確定1発 | |
シャドーボール | H252ハバタクカミ | 41.9%〜50.6% 乱数2発(1.95%) |
H252サーフゴー | 48.4%〜57.7% 乱数2発(94.9%) | |
トライアタック | D4 パオジアン | 58.7%〜69.6% 確定2発 |
H252オーガポン(かまど) | 35.8%〜43.3% 確定3発 |
A特化 カイリュー | しんそく | 19.3%〜23.0% 乱数5発 |
テラス しんそく | 28.7%〜34.5% 乱数3発(3.22%) | |
じしん | 24.0%〜28.7% 乱数4発 | |
A特化 水 ウーラオス(れんげき) | インファイト | 84.8%〜100.5% 乱数1発(6.25%) |
すいりゅうれんだ | 42.4%〜51.8% 乱数2発(0.04%) | |
A特化 オーガポン(かまど) | ウッドホーン | 30.3%〜36.1% 乱数3発(38.3%) |
ツタこんぼう | 39.7%〜47.6% 確定3発 | |
テラス おもかげやどし発動 ツタこんぼう | 79.5%〜94.2% 確定2発 | |
無補正C252 こだわりメガネ ハバタクカミ | ムーンフォース | 46.0%〜54.9% 乱数2発(58.9%) |
C特化 ガチグマ(アカツキ) | ブラッドムーン | 49.2%〜58.6% 乱数2発(98.8%) |
だいちのちから | 31.9%〜38.2% 乱数3発(96.8%) | |
A特化 パオジアン わざわいのつるぎ 非発動時 | つららおとし | 28.6%〜34.3% 乱数3発(2.05%) |
せいなるつるぎ | 40.6%〜47.9% 確定3発 |
苦手なポケモン
- 高速再生技・積み技持ちの高耐久のポケモン
- 『ポリゴン2』では突破できず、逆に起点されてしまいます。裏のポケモンに崩しを任せる必要があります。
相性のいいポケモン
- こだわりハチマキ『ランドロス(霊獣)』
- ポリゴン2の苦手な技に対しての引き先になり、逆にじしんの通らない相手のカイリューやランドロス(霊獣)に対してはポリゴン2が強く出ることができます。サイクルパーツとしてももちろん、トリックルーム下の中速エースとしても高い制圧力を発揮します。れんげきウーラオス(れんげき)の対策にポリゴン2に技を搭載することをおすすめします。
- 『ガチグマ(アカツキ)』
- トリックルーム下最強のエース。技が一貫するので、3体目に引き先を用意するといいでしょう。
- こだわりメガネ『サーフゴー』
- ポリゴン2の苦手な技やトリック、どくどくなどの変化技をサーフゴーで、サーフゴーの苦手な技をポリゴン2で受けることができます。また、ランドロス(霊獣)と同じくトリックルーム下での中速エースとして運用できます。はたきおとすの一貫には注意が必要です。
おわりに
長文になってしまいましたがここまでご覧いただきありがとうございました!評価や指摘をコメントしていただけると嬉しいです!
また、次の育成論でお会いしましょう!