初めましての方は初めまして、お久しぶりの方はお久しぶりです。あくタイプを中心に育てているやみらみと申します。
基本的にあまりガチの対戦プレイヤーという訳では無く、育成論の投稿は基本的に妙な・独特の・変な動きをするポケモンを中心としております。今作では今ひとつ変なことを出来るポケモンを見つけられなかった為、久々の育成論です。
今回は藍の円盤にて復活したカラマネロカラマネロの紹介をさせていただきます。
そもそもカラマネロ
カラマネロとは?
第六世代で初登場したイカポケモン。現在に至るまで、一般ポケモンでは唯一の(禁止級含めると解放フーパフーパ(ときはな)も存在)あく/エスパー複合です。
ゲーム機本体を引っ繰り返した状態でレベル30以上という独特の進化方法から存在自体は割と有名なものの、種族値については
HP/86 攻撃/92 防御/88 特攻/68 特防/75 素早さ/73
というコメントに困る配分で、どの数字も高い訳では無いものの低すぎる訳でもない、良くも悪くも特徴が薄いポケモンです。タイプとしても独自性こそ強いながらアタッカーとしては抜群範囲が狭く、耐性面も無効1・抜群2とノーマル並に平たいのが災いして、アタッカーにも受けにも役割を持たせづらいというのが実情となります。
一方、特性・習得技については面白い上にシナジーのあるものが揃っており、特にあまのじゃくは優秀です。能力ランクの上昇・下降を逆にするという代物で、ばかぢからにより攻撃・防御を上昇させていく、見た目とタイプに反した脳筋戦術が得意。ただし、この特徴も現代となってはラランテスラランテスや化身ラブトロス
ラブトロス(化身)といった面々も可能にしており、種族値もタイプも半端な
カラマネロがこの戦術一本で立ち向かうのは少々厳しいものがあります。
コンセプトと役割
ということで、戦術の見直しをしてみましょう。カラマネロを第八世代の環境と比較すると、はたきおとすを再習得。そしてスキルスワップを新規習得しています。あまのじゃくでこの技を覚えるのは
カラマネロのみであり、相手のポケモンに渡せば積みアタッカーを無力化、ダブルで相方に渡せば能力ランクが低下する反動技を持つポケモンであれば(そしてスキルスワップを無効化してしまうポケモンでなければ)どんどん能力を底上げしていくことが可能になります。
今回は後者を重視して、ダブルにおけるサポーターとして育成しましょう。
確定技
- スキルスワップ
そんな訳でこの型のコンセプト。新規習得した変化技で、対象と特性を交換します。差別化はこれを採用した時点で基本的に不要。一応ドーブルドーブルがまねっこと組み合わせてあまのじゃくを渡すことは出来なくは無いのですが、そんなことしてる間に普通は
ドーブルが倒れるので、1手で渡せる
カラマネロの強みに影響はありません。
特に、やはりダブルで強力ないかくとの相性は抜群。スキルスワップが成功した場合、場に出た時に発動する特性は即座に再発動するため、相方にあまのじゃくを渡しつつカラマネロがいかくを発動。更に
カラマネロが生き延びた場合、次のターンには相手にスキルスワップをすることで、特性を奪いつつ相手側でいかくが発動します。
カラマネロの攻撃は下がってしまいますが、相方にはあまのじゃくを渡している筈なので、逆に攻撃が1段階上昇します。いかくを持つポケモンには物理アタッカーも多いため、相手の弱体化とこちらの強化を技枠1つで両立できるという訳ですね。
優先技
- まもる
ダブルなので「やっぱ欲しいわ」となる技。ねこだましを透かせるほか、相方にあまのじゃくを渡した後もサポーターとして動けるのでカラマネロを嫌って落としに来た時に有効です。
- ひっくりかえす
いかくを逆用してくるまけんき、かちきに強く出られるようになります。1ターン目にまもるを使うなどして相方の能力低下を防げなかった場合にも、これを使うことで能力低下を強化に変換することが可能。特にカラマネロよりも素早い相方を選んでいる場合は、スキルスワップよりも優先して使うことすらあります。
- ちょうはつ
サポーター相手に広く刺さる技。基本的にカラマネロ自身の打点には期待できないので、相手の無力化にはダメージ以外を必要とします。
候補技
- ひかりのかべ
基本的にいかくと組み合わせる運用を想定するため、物理方面はそちらで十分。特殊アタッカーへの対策手段として、この技の優先度は結構高くなります。
- リフレクター
前述の通り、通常はいかくで十分ですが、いかくを無効化されたり逆用される相手を想定する場合に。物理アタッカーが憎くて堪らない場合にも有効。
- イカサマ
相手の攻撃を用いてダメージを算出。一致なので威力は高め。ただし、いかくと組み合わせる運用が想定される都合上、そこまで打点は出ません。いかくを無効化する特性や積みアタッカーと対峙するのを想定する場合に。
- はたきおとす
持ち物を無力化したい場合に。これを採用する場合は、性格はようきを推奨。
- すりかえ
トリックも習得。効果は完全に同じですが、一応こちらの方がふういんをされづらいです。持ち物を無力化するだけならはたきおとすの方がちょうはつに封じられず、タスキ潰し程度の威力は出せるので、こちらを採用するなら持ち物はこだわりスカーフにしておきましょう。相手の耐久型やサポーターを一行動で無力化できるだけでなく、上からスキルスワップを狙える相手も増えます。
- こわいかお
コメントより採用させていただきました。
素早さを2段階下げる。あまのじゃくを渡した相手に使えば素早さが2段階上昇。敵味方どちらにも使える素早さ操作技。同じく、どちらにも使える変化技としてうそなきも習得。
特性
確定枠はあまのじゃく。
すりぬけについてもスキルスワップと両立できるのは他にミカルゲミカルゲとニャオニクス
ニャオニクス♂
ニャオニクス♀ぐらいなのですが、コンセプトとしてあまのじゃくを優先しています。
持ち物
確定枠はきあいのタスキ。耐久寄りに振っており、攻撃が集中すると結局落とされることになるのでシングルほどの信頼性はありませんが、とりあえず1回で落とされることは無くなるので安定はします。
他に耐久振りを活用しやすくなる回復系きのみ、ねこだまし対策のおんみつマント、挑発を透かせるメンタルハーブ辺りが候補として優先度が高くなるでしょう。
性格・努力値と調整
最低限、あまのじゃくを渡したいエースよりも早く動ければよいものの、積みアタッカーを骨抜きにする仕事も考慮するのであれば調整の幅がかなり広くなります。
とりあえず私の場合は物理耐久をダブルの主な物理アタッカー(主に連撃ウーラオスウーラオス(れんげき)に対して受けられるようにしておきつつ、残りを素早さに振っています。
テラスタル
基本的にサポーターに切ることは無いので何でもいいですが、ハバタクカミにどうしてもタスキ抜きで行動したい等、万一を考えるのであれば一応フェアリーを半減できるタイプにしておくといいでしょう。いずれもむしも半減に抑えるので、弱点が一変します。
立ち回り例
登場時に発動する特性と、反動で能力が低下する技を持つポケモンと組ませましょう。前述の通り、いかくとは相性が抜群です。
基本的にはあまのじゃくを渡すことを優先したいところですが、ねこだましを警戒するのであればまもるから入り、能力ランクはひっくりかえすでカバーするといった動きも可能。相方の能力を上昇させたら、後は普通にサポートに徹しておけば十分です。
仮にいかくを持つ相方にあまのじゃくを渡し、その後相方が倒されてしまっても、後続にいかくを渡すといかくが更に再発動してくれます。総じて物理主体の相手に強いポケモンと称せるでしょう。
被ダメージ計算
ダメージツールはポケソル様を使わせて頂きました。全てダブル補正込みです。
- 物理アタッカー
以下、確定急所を除いていかく込みのダメージ。
特化ウーラオス(れんげき)@しんぴのしずく+テラスタル(みず)
すいりゅうれんだ:156 ~ 186 (80.9 ~ 96.4%) 確定2発
とんぼがえり:108 ~ 128 (56.0 ~ 66.4%) 確定2発
特化テツノカイナ
ドレインパンチ:45 ~ 54 (23.4 ~ 28.0%) 乱数4発 : 74.69%
ワイルドボルト:54 ~ 64 (28.0 ~ 33.2%) 確定4発
ねこだまし:17 ~ 20 (8.9 ~ 10.4%) 乱数10発
特化ゴリランダー@きせきのタネ+テラスタル(くさ)・グラスフィールド
グラススライダー:64 ~ 76 (33.2 ~ 39.4%) 乱数3発 : 99.8%
ウッドハンマー:136 ~ 162 (70.5 ~ 84.0%) 確定2発
ねこだまし:16 ~ 19 (8.2 ~ 9.9%) 乱数11発 : 9.13%
特化ウインディ(ヒスイ)@こだわりハチマキ+テラスタル(フェアリー)
フレアドライブ:93 ~ 111 (48.2 ~ 57.6%) 乱数2発 : 92.57%
テラバースト:126 ~ 150 (65.3 ~ 77.8%) 確定2発
しんそく:42 ~ 50 (21.7 ~ 26.0%) 乱数4発 : 3.41%
特化パオジアン@いのちのたま
つららおとし:79 ~ 95 (41.0 ~ 49.3%) 確定3発
こおりのつぶて:39 ~ 47 (20.2 ~ 24.4%) 確定5発
特化カイリュー@こだわりハチマキ+テラスタル(ノーマル)
げきりん:103 ~ 123 (53.4 ~ 63.8%) 確定2発
しんそく:69 ~ 82 (35.8 ~ 42.5%) 確定3発
特化トドロクツキ@ブーストエナジー+テラスタル(ひこう)
はたきおとす:76 ~ 90 (39.4 ~ 46.7%) 確定3発
アクロバット:85 ~ 102 (44.1 ~ 52.9%) 乱数2発 : 21.48%
特化ランドロス@こだわりハチマキ
176 ~ 208 (91.2 ~ 107.8%) 乱数1発 : 37.5%
特化オーガポン(かまど)
オーガポン(いど)+テラスタル
ツタこんぼう:88 ~ 104 (45.6 ~ 53.9%) 乱数2発 : 34.37%
ツタこんぼう・急所:194 ~ 230 (100.6 ~ 119.2%) 確定1発
ウッドホーン:43 ~ 52 (22.2 ~ 27.0%) 乱数4発 : 32.68%
大半の物理アタッカーには行動機会を狙えることが分かります。
- 特殊アタッカー
無補正252振りハバタクカミ
ムーンフォース:212 ~ 252 (109.9 ~ 130.6%) 確定1発
マジカルシャイン:146 ~ 174(75.6 ~ 90.1%)確定2発
ダブル補正込みでも、メガネを持っている場合はマジカルシャインで確定1発。テラスタルするか、タスキで耐えましょう。
特化サーフゴー@こだわりメガネ
ゴールドラッシュ:160 ~ 190(82.9 ~ 98.4%)確定2発
鋼テラスタル込みだと確定1発。変化技が通じないのも辛いところですね。
特化ヒードラン@いのちのたま
ラスターカノン:125 ~ 148 (64.8 ~ 76.7%) 確定2発
だいちのちから:94 ~ 110 (48.8 ~ 57.0%) 乱数2発 : 91.4%
特化イーユイ@こだわりメガネ
オーバーヒート:288 ~ 340 (149.3 ~ 176.2%) 確定1発
ねっぷう:158 ~ 187(81.8 ~ 96.8%)確定2発
逆に特殊アタッカー相手は、火力に特化していた場合は厳しいことが分かりますね。
苦手なポケモン
変化技に依存する以上、上から挑発を撃たれると半ば機能停止してしまいます。ばかぢから+あまのじゃくのアタッカー運用もあり得るのでサポート専門のポケモンに比べると多少撃たれづらいものの、相方がいかくの場合は動きを読まれやすく、素早さが微妙なので先手を取られやすいといった短所も。
また、タスキを持たせていたとしても連続技には注意が必要。耐久面は並程度のため、超火力アタッカーの連続技は大抵そのまま落とされます。
相性のよいポケモン
前述の通り、いかく+能力低下技(インファイト、ばかぢから等)を両立できるポケモンとは攻防両面において相性良好。いかくを何度も再発動できる上に、インファイトを使えば使うほど硬くなり、ばかぢからは使えば使うほど威力まで上がっていきます。
いかくを相手に渡すとあまのじゃくを持つポケモンは攻撃が上昇するので、特に物理アタッカーと相性がよいものの、オーバーヒートを使えるウインディウインディ、りゅうせいぐんを使えるボーマンダ
ボーマンダなど、特殊アタッカーでも十分に相性は良好。
短所としては、能力ランクが低下する技は単体攻撃が多い点。サーフゴーサーフゴーはおうごんのからだによりスキルスワップを弾いてしまうので、実質的にあまのじゃくを活用出来るのはスケイルノイズを使えるジャラランガ
ジャラランガ(防御ランク-1=あまのじゃくで防御ランク+1)のみです。
コメント欄より採用させていただきました。
本人との相性はいまいち。カラマネロの後続に出すことで、あまのじゃくを渡して上げた能力ランクをコピーできます。基本的に長く盤面に残れば残るほど相手の場がガタガタになるため、こちらを集中砲火されてもされなくてもリターンを得られる組み合わせ。
手番は消費することになりますが、じこあんじと組み合わせるのもOK。技マシンに追加されたことで習得者が多数存在しています。手番を消費することも考慮すると、耐久向けのポケモンを採用しておき、インファイトで防御面を同時に上げる相方と並べることを狙うと要塞化。確定急所ウーラオスに弱いのはご愛敬。