初めましての人は初めまして。そうでない人はお久しぶりです。普段はあくタイプを中心に育てているやみらみと申します。
今回はメインで育てているあくではなく、ジュペッタジュペッタの育成論となります。
ジュペッタジュペッタとは?
第三世代で初登場した単ゴーストタイプ。種族値合計が低く、配分もバランスの悪い鈍足低耐久。当時は禁止級を除けばゴースト最強の攻撃種族値でしたが、第五世代でゴルーグゴルーグに追い抜かれてしまい、アイデンティティを見失い気味に。
その後、第六世代でメガジュペッタメガシンカを獲得。いたずらごころと高い攻撃力により、少々マイナーながら一線級にも立てるようになりました。みちづれ>後攻で攻撃して1:1以上の交換を強制する性能が素晴らしかったため、微妙に上がった素早さが逆に憎たらしい感じでした。
が、今回はメガシンカが廃止。進化形も専用技も無く、最強技はゴーストダイブ。威力はともかく溜め技であり、無条件に使える技でいうとシャドークローという有様。コノヨザルハカドッグのように優秀な専用技を持つ連中と真正面からは競い合えません。
採用理由と役割
なので変化技に活路を見出しましょう。今作ではキノガッサキノガッサが復帰、カバルドンカバルドンも続投。先発運用が多いのもあってトリックルームの起動役には睡眠技への耐性が求められます。そしてジュペッタの特性はふみん。パズルのピースが噛み合ってしまいました。
ブリムオンブリムオンとの差別化
しかし、それだけだとブリムオンブリムオンが立ちはだかります。あちらはマジックミラーで同じくトリパの天敵・ちょうはつを無効化。素早さもジュペッタより遅くトリックルームと相性良好、アタッカーとしてもこちらより大分マシということで、タイプが異なるとはいえ差別化は必須でしょう。
第一に第九世代で登場したリククラゲリククラゲの存在。奴は専用特性・きんしのちからにより、防御側の特性を貫通してキノコのほうしを飛ばしてきます。その分、変化技を使用した際に優先度が同じ場合、自動で後攻になるというペナルティがあるのですが、なにしろトリックルームの優先度は−7。ブリムオンはあっさり眠らされてしまいます。一方でジュペッタも特性を無視して眠らされますが、ふみんには眠り状態を解除する効果がついているためすぐに起きてくれます。
第二に微妙な鈍足。ブリムオンは素早さ種族値が29とかなりの鈍足であり、純粋なトリパであればそれをメリットに転嫁できます。一方ジュペッタの素早さは65。遅いは遅いのですが、トリックルームの影響下で抜かれてしまう相手も多数存在します。しかしこれは逆に言えば、相手に応じてトリックルームを展開するかどうかを変える『スイッチトリパ』への適性があるとも言えます。
そして第三に習得技。トリックルームの起動役はその後、トリルエースに繋ぐ必要があるのですがブリムオンの自主退場技はバトンタッチ、いやしのねがい。どちらも相手に直接負担をかけることはできず、前者については後続に負担をかけてしまい、後者は先発運用だと扱いづらくなります。一方ジュペッタはのろいを習得。HPが半分以下である必要はありますが、相手に負担をかけつつ後続にトリックルームのターンを残すことが可能です。
またはたきおとすの習得も重要。こちらは起点化を嫌って削ってこなかった場合にも、相手の思惑を崩すことが可能です。また、第九世代でアンコールを新規習得しており、積み技に強い点も嬉しいところでしょう。
ちなみにスリーパースリーパーはふみん、はたきおとす、アンコール、スイッチトリパに使える半端な鈍足と要素がモロ被りですが、火力はジュペッタの方が高く、やはりのろいを習得できません。ブリムオンとの差別化をこなせば、種族値がそんなに高くは無いスリーパーとの差別化は自然と為されるでしょう。
特性
ということでふみんです。
ダブルではおみとおしも選択肢。当然ふみんは失いますが、ダブルで跋扈するねこだましをタイプ相性で無効化できるため、差別化については問題無いでしょう。
性格・努力値と調整
確定枠はのんき。前述したスイッチトリパに搭載したり、ちょうはつを採用する場合はカバルドン等、一部の耐久ポケモンに安定して先制できるようわんぱくも選択肢に。必然トリックルームの影響では抜かれてしまう相手が増えるので、抜きたい相手、下を取りたい相手に合わせた調整が重要です。
努力値の確定枠はH252、B252、D4としておきます。トリックルームを発動するには生き残らなければなりませんので、ジュペッタの耐久では特化が妥当です。ただしHPが奇数になるので、自主退場に必要なのろいの回数が全快からでは3発に。これを嫌う場合はH244、B252、D12としておきましょう。のろいは既にのろい状態の相手に使うと失敗してしまうため、ややリスキーな読み合いになる点には注意。
余り部分はAに振っても構いません。一致技を使わないので確定数は別に変わりませんが、ほんの僅かに負担が増えます。特殊の連続技は現時点リキキリンリキキリンしかいないので、トリルを貼れずに倒れることはほとんどありません。
ただし、万が一特化メガネリキキリンとかち合った場合、H252だけだと超低乱数ですがツインビームで倒れる可能性があります。一方でH252D4だと急所を食らわない限り確定で耐えます。これはトリルジュペッタが猛威を振るった場合の安全弁としてリキキリンが設計された証左だと考えても構わないでしょう。考えるだけならタダですしね。
持ち物
確定枠はきあいのタスキ。耐久に振ってはいますが、特化していない方の耐久は低いためサーフゴーサザンドラ等の特殊アタッカーとかち合うと何も出来ずに落されてしまいます。連続技の大半が物理技のため、物理耐久は妥協すると確定数が結構変化してしまいます。
メンタル技対策としてメンタルハーブも候補。優先度の低い変化技を使う以上ちょうはつに非常に弱いので、特殊アタッカー対面を切るならこちらを選びましょう。
他にバトンタッチを採用しつつスイッチトリパを狙う場合にルームサービス辺りが採用圏内でしょうか。
確定技
- トリックルーム
今回のコンセプト。スイッチトリパの場合は使わない状況もありますが、普通に殴るだけならジュペッタよりも向いたポケモンがいるので確定です。
優先技
- のろい
自主退場技その1。HPを半分削り、相手にのろいをかけます。後続のエースの『相手を倒すこと』を条件とした強化の補助にもなります。
- アンコール
今作で習得。トリックルームと相性が良く、積み技に対してはほぼ完全な縛りになり、攻撃技にも倒れることができれば起点化を期待できます。
選択技
- はたきおとす
今回の確定枠。相手の持ち物を排除する攻撃技。後続補助として有用で、起点化を嫌った交代先にも負担をかけつつ持ち物に依存する戦術を崩壊させられます。一応ちょうはつされても悪足掻きが可能。
- ちょうはつ
相手の変化技を封じます。アンコールよりは確実性が劣るものの、行動を縛るので起点作成に便利。
- かなしばり
アンコールとは逆に、最後に使った技を封じます。行動を縛るので起点作成に(ry。アンコールと同時にかかった場合、相手はわるあがきor交代を強制されます。今回はダイマックスが廃止されたことで、縛りを抜ける手段が減りました。
- おにび
でんじははトリックルームと相性が悪いので、状態異常で後続補助を狙うならこちら。偶にクソ外しをしますが、物理アタッカーに有効。
- みちづれ
確実性は無いものの、決めれば1:1交換に持ち込んだ上でトリックルームを展開させたまま後続を降臨させられます。トリックルームした時点で読まれやすいのが難点。
- バトンタッチ
自主退場技その2。能力変化を引き継いだまま後続に交代します。ブリムオンスリーパーも覚えますが、残りHPを問わず相手の交代or居座りを確認したまま引き先を選べます。基本は先手で撃つことになるので、後続の負担が増えることに注意。能力変化の引き継ぎはルームサービスを採用する場合に役立ちます。
テラスタル
トリックルーム後はそのまま倒れるのが仕事のため、基本的にジュペッタに切ることはありません。一応はたきおとすの威力向上、および現時点で唯一の特殊連続技・ツインビームを覚えるリキキリン対策としてあくにすることが理想のため、確定枠はこれにしてあります。タイプを変化させるとのろいでの自主退場が出来なくなるため、可能な限り選出や運用でカバーしておきたいところです。
被ダメージ計算
基本はタスキで耐えることになるため、連続技だけ記載しておきます。左がそのまま、右はテラスタイプ一致で撃たれた場合です。
※計算ツールはポケソル様のものを使わせていただきました。
ようきA252珠ボーマンダ/ダブルウイング
86 ~ 104 (50.3 ~ 60.9%) 確定2発/114 ~ 140 (66.7 ~ 81.9%) 確定2発
ようきA252珠ドラパルト/ドラゴンアロー
102 ~ 120 (59.7 ~ 70.2%) 確定2発/136 ~ 162 (79.6 ~ 94.8%) 確定2発
ようきA252ウミトリオ/トリプルダイブ
63 ~ 75 (36.9 ~ 43.9%) 確定3発/84 ~ 102 (49.2 ~ 59.7%) 乱数2発 : 99.75%
A特化無積みスキルリンクパルシェン/つららばり
90 ~ 110 (52.7 ~ 64.4%) 確定2発/120 ~ 150 (70.2 ~ 87.8%) 確定2発
積まれると確定1発ですが、トリックルーム>アンコールで封殺できるので対面からなら問題ありません。
A特化バンギラス/ロックブラスト
・4発ヒット
96 ~ 112 (56.2 ~ 65.5%) 確定2発/128 ~ 152 (74.9 ~ 88.9%) 確定2発
・5発ヒット
120 ~ 140 (70.2 ~ 81.9%) 確定2発/160 ~ 190 (93.6 ~ 111.2%) 乱数1発 : 51.72%
実際にはテラスタルを切られた場合、砂嵐ダメージで5発ヒットの場合は確定1発になります。
A特化テクニシャンキノガッサ/タネマシンガン
・4発ヒット
132 ~ 160 (77.2 ~ 93.6%) 確定2発/176 ~ 216 (103.0 ~ 126.4%) 確定1発
・5発ヒット
165 ~ 200 (96.5 ~ 117.0%) 乱数1発 : 99.74%/220 ~ 270 (128.7 ~ 157.9%) 確定1発
威力がおかしい(震え声)とはいえ、特化+くさテラスタルを切って4回以上ヒットか、5回ヒットを引かなければ一撃とはならず、積みも許さないので後続でなんとでもなるでしょう。大抵の場合はタスキを持ってないということになりますしね。
苦手なポケモン
- ちょうはつ
持ち物がきあいのタスキの場合、ちょうはつ1発で半ば機能停止します。はたきおとすでなんとか誤魔化しましょう。
持ち物がメンタルハーブの場合、高火力の特殊アタッカー相手は何も出来ずに倒されます。特にサーフゴーは変化技が通らないため、トリックルームを置いた後ははたきおとす以外にできることがありません。
最後に
今回の育成論は以上になります。ご指摘・ご感想はいつでも受け付けしておりますので、どしどしツッコミをお待ちしております。長々と閲覧していただき、ありがとうございました。