最初に
- 本育成論では、対戦に関する一般的な用語及び略語を使用します。また性格補正有り252振りを「特化」、性格補正無し252振りを「極振り」と表記します。
- ダメージ計算には、ポケソル様のツールを使用しています。
アリアドスの遷移について
アリアドスは第2世代から登場したポケモンで、合計種族値400かつ鈍足低耐久という序盤虫らしいスペックをしています。しかしねばねばネットやどくびしのほか、SMから追加された専用技どくのいとの存在により、起点づくり要員として独自の個性を有していました(BDSPまでは、ねばねばネットとどくびしを両立できるのはドーブルを除けばアリアドス系統のみ)。
しかし、碧の仮面にて復帰したアリアドスの前にワナイダーという後輩が立ち塞がります。ワナイダーは長らくアリアドスだけの個性だったねばねばネット+どくびしを使いこなし、更には強制交代技のともえなげも習得します。
素早さもあまり変わらないため、耐久に割り振った種族値のワナイダーの方が使いやすいという悲しみを背負うことになりました。
いやいや、専用技のどくのいとという個性があるじゃないか!…といった声が聞こえてきそうですが、S1段階下降では最速85族(ジャラランガなど)・準速98族(サザンドラなど)までしか抜けません(第7世代ではドクZ併用で最速150族マルマインすら抜けた)。これでは素早さインフレが激しいSV環境において、起点を作り切れない可能性が高いです。
また、毒・猛毒状態時にA・C・Sをまとめて1段階下げる技ベノムトラップの消滅により、わざわざ猛毒でもないただの毒状態にするメリットが大きく薄れてしまったことも向かい風です。
10/7時点での使用率(ポケモンバトルデータベース様を参考)を見ると、きあいのタスキ(約50%)やメンタルハーブ(約10%)を持たせ、どくのいと・ねばねばネット・はたきおとす・どくびしといった技構成の起点づくり型が主の様ですが、恐らくどくのいと→ねばねばネットのコンボまで決められる確率はそこまで高くないでしょう。
環境が変わり役割を遂行しづらくなった今、起点づくりに拘らず新たな道を模索しても良いと筆者は考えます。即ち、アタッカーとしての道です。
アタッカーとしての道
アリアドスのA種族値は90と、そのままではとてもインフレ環境を生き残れるスペックではありません。しかしアリアドスはスナイパーという火力増強特性を有しています。この特性は急所ダメージが1.5倍から2.25倍にアップするという効果で、SVではアリアドスのほかにインテレオンしか所有者のいない特性です。しかもアリアドスはきあいだめを自力習得できるため、サンのみやバトンタッチに頼る必要がありません。
急所率を上げる持ち物と併用することで確定急所スナイパーとなることが出来るのです。
しかし、そのままではきあいだめを積めても鈍足で攻撃回数を稼ぐことが出来ません。そこで本育成論は先制技のふいうちに重きを置いています。悪テラスと合わせれば多くの並耐久・悪弱点ポケモンを突破することができ、事前にステロを撒けば使用率トップのオーガポン(かまど)すら撃破できます(B4振りのASアタッカーを想定)。
現環境はサイコフィールドにより先制技無効の天敵カプ・テテフ不在のほか、使用率上位に鈍足ポケモン(ガチグマ(アカツキ)・クワガノン・カビゴンなど)が増えアリアドスが上を取りやすくなるなど、アタッカーとしては追い風の環境と言えるでしょう。
また、毒タイプのためどくどくをダメージソースのメインにしている耐久型相手に粘ることも出来ます。
単体では一度積むのもリスクを伴うため、事前のサポート(壁貼りやステルスロックなど)は必須級ですが、序盤虫とは思えぬ壁貫通・能力ダウン無視の高火力を叩き出すことが出来ます。
具体的にどんな相手を倒せるかは、ダメージ計算の項目を見て頂ければと思います。
特性
本育成論のコンセプト・個性の確立という点からもスナイパーで確定です。
持ち物
スナイパー補正が確実に乗る確定急所が本育成論の強みであるため、持ち物はピントレンズ(するどいツメでも可)としております。
しかし、ちょうはつで総崩れしてしまうリスクがあるため、メンタルハーブも有力な候補です。
持たせることでオーロンゲやキュウコン(アローラ)対面でも、ちょうはつやアンコールに臆せず積むことが出来るでしょう。
テラスタル
本育成論ではあくテラスタルを推奨しています。鋼や毒タイプへの対策として地面や炎テラスも有りかとは思いますが、テラスふいうちによる突破力は失われます。また、悪テラスは弱点のエスパー無効・元の耐性により格闘・虫・フェアリー技を打たれにくいというシナジーがあります。
性格・努力値について
火力を出すため、性格はいじっぱりのA特化です。
また、本育成論はサポート後の運用を主想定としているため、耐久は余りを振る程度でSを無振り65族抜きまで振っています。これによりS無振りハッサムの上を取り、バレットパンチでふいうちを透かされないようにしています。
技構成
- メガホーン
- 威力120の虫技。何故かダストシュートを覚えないアリアドスにとって貴重な高威力技です。
- 確定枠にして差し支えないと思います。
- きあいだめ
- 急所率を2段階上げる積み技。ピントレンズと併せて急所率は100%。確定枠。
- どくづき
- 威力80の安定した毒技。準確定枠。
- 後述する候補技と入れ替えるならこの技になると思います。
- また、メンタルハーブを採用するならクロスポイズンを推奨します。
- ピントレンズ無しでも確定急所となる上、環境に多い毒弱点(ピクシー・オーロンゲ・キュウコン(アローラ)など)への確定数も変わりません。
- その他の候補技↓
- テラバースト
- 鋼や毒に弱点を突ける地面or炎テラスなど、お好みのテラスタルと合わせて。
- かげうち
- 透かされる心配のない先制技ですが、火力に不安あり。シナジーはあまりないですが、採用するなら霊テラスが欲しいですね。
- つるぎのまい
- 積める隙は少ないですが、ふいうち透かしを逆手に取りたいなら採用の余地あり。
- 一度積めれば、テラス急所ふいうちでHB特化サンダーも高乱数1発です。
ダメージ計算(与ダメ)
※全てスナイパー補正ありの急所ダメージで計算を行っています↓
- メガホーン
HB特化クレセリア
→確定1発(120.2〜142.7%)
HB特化ディンルー
→中高乱数1発(96.1〜113.3%)
H148振りガチグマ(アカツキ)
→確定2発(82.6〜97.5%)
※ステロ込みで中乱数1発
HB特化クワガノン
→確定2発(83.1〜98.3%)
※ステロ込みで確定1発
B252振りカビゴン
→低乱数1発(86.8〜103.4%)
※ステロ込みで超高乱数1発
HB特化ヘイラッシャ
→確定2発(51.3〜61%)
- どくづき
H4&B252振りキュウコン(アローラ) ※天候雪
→確定1発(114.7〜134.8%)
HB特化ピクシー
→確定1発(117.3〜139.6%)
HB特化オーロンゲ
→確定1発(124.7〜147%)
- ふいうち
※赤字はテラス時のダメージです
H4振りハバタクカミ
→高乱数1発(96.1〜112.9%)
→確定1発(144.2〜169.4%)
B4振りオーガポン
→確定2発(56.7〜67.7%)
→超低乱数1発(85.1〜101.2%)
↑※ステロ込みだとオーガポン(かまど)は確1、それ以外は高乱数1発
H244振りサーフゴー
→確定2発(83.9〜99.4%)
→確定1発(125.9〜149.2%)
HB特化クエスパトラ
→確定2発(75.7〜90.5%)
→確定1発(112.8〜135.1%)
B4振りテツノドクガ
→確定2発(74.1〜87.7%)
→確定1発(110.9〜131.6%)
H4振りボルトロス(霊獣)
→確定2発(66.4〜79.3%)
→超高乱数1発(99.3〜118.7%)
B4振りテツノツツミ
→確定2発(52.6〜62.5%)
→確定2発(78.6〜93.8%)
↑※ステロ込みだと確定1発
HB特化ラウドボーン
→確定2発(54〜63.9%)
→確定2発(81〜95.2%)
↑※ステロ込みだと確定1発
ダメージ計算(被ダメ)
※壁貼りなどのサポートなしで、どのくらいの攻撃を耐えられるのか記載します
C極振りハバタクカミの
マジカルフレイム→確定2発(76.8〜91.3%)
サイコショック→確定2発(82.1〜98%)
C極振りテツノツツミのハイドロポンプ
→確定2発(79.4〜94%)
A特化テクニシャンハッサムの鉢巻バレットパンチ
→確定2発(74.1〜88%)
C無振りミロカロスのねっとう
→確定3発(39.7〜47.6%)
起点づくりの相方について
ステルスロックと壁貼りを両立できる子の他、より安全に積むためにちょうはつやアンコールなども覚えられる子だと尚良いと思います。
ステルスロック+アンコール+おきみやげを覚えられるユクシーや、ステルスロック+ちょうはつに加えてすてゼリフ・おきみやげを覚えられるオトシドリなどが良き相方になれそうです。
最後に
拙い文章ではありましたが、ここまで本育成論を見て下さりありがとうございます。
本育成論を見て、もしアリアドスアリアドスというポケモンに興味を持って頂けたなら幸いです。
もしアドバイスなどあれば、コメント欄にてお手柔らかにご教授下さると幸いです。
ここまでお付き合い頂き、ありがとうございました。