※2022.12.20に、この育成論通りのピカチュウを入れたパーティーで、第1シーズンマスターボール級入りを果たしました。
第9世代では初めまして、ピカチュウを専門に考察をしている酢漬け梅干と申します。
第8世代では
育成論ソードシールド/807
育成論ソードシールド/1064
という、2種類のピカチュウ育成論を発表いたしました。第9世代でも引き続きピカチュウの研究をしていきたいと思います。
注意事項と第8世代との違い
初めに断っておきますが、ピカチュウというポケモンは、ポケモンを代表する有名なポケモンではありますが、ことレート対戦においては、他の一線級ポケモンからは二歩も三歩も後ろにいる、マイナーなポケモンであることは間違いありません。
それでもピカチュウを使いたいというのであれば、並々ならぬ愛と工夫が必要となります。勝率が落ちてしまうことも覚悟しておくべきでしょう。
さて、今回のピカチュウを考察するにあたって、前回の第8世代環境では「キョダイマックス」がありました。これによりピカチュウを先発に使い、相手の先発ポケモンをまひさせたり、なみのり経由でダイストリームを打つなどして、天候変化をするサポート役として戦っていきました。
では今作第9世代、どのように戦っていくのか。そのカギは、テラスタイプおよびテラバーストにあると考えております。
テラバーストは、自分がテラスタル状態の時、テラスタイプに対応した一致技を撃つことができる技です。この技によって、ピカチュウのみならず、多くのポケモンに活躍の場面が増えると考えております。この技を使って、今まででは太刀打ちできなかったポケモンに一矢報いることができるようになります。
でんきタイプのピカチュウにとって、基本的にはドラゴンタイプのポケモンは(ドレインキッスがあるとはいえ)とても対応できないポケモンでした。それが、テラバーストとして攻撃することで、ピカチュウがドラゴンキラーになりうる、という通常考えられないようなことが起こるのです。
持ち物
「でんきだま」とします。せっかく専用アイテムがありますし、きあいのタスキなど、人気アイテムは譲ってあげましょう。
特性
対戦、特にピカチュウ使いの初心者には、とくせい「せいでんき」をお勧めします。
理由としましては、ピカチュウをはじめとしたでんきタイプのポケモンが入っているパーティーには、でんきタイプの技は打ちにくいものです。よって、「ひらいしん」が発動する機会は少ないと考えるのが無難でしょう。
性格・努力値と調整
性格は「おくびょう」にし、とくこう、すばやさに努力値を振りきります。のこりはHPに振ることで奇数にしておきましょう。
最速調整にするのは、ピカチュウが先制できる可能性を少しでも上げることが目的です。そして、特殊技を撃っていくためにもとくこうに努力値を振ります。
(第8世代の拙稿で記述しましたが、物理型ピカチュウは、ピカチュウを使ううえで、より上級のテクニックを必要とします。)
技構成
今回の技構成は
10まんボルト
なみのり
くさむすび
テラバースト
の4種類を固定といたします。なるべくピカチュウの攻撃範囲を広く取るためです。
もし10まんボルトでは火力が不十分であるという場合、かみなりを採用してもよいでしょう。
テラスタル
ピカチュウのテラスタイプは「でんき」や配付個体である「ひこう」がメジャーとなりますが、本育成論では「フェアリー」を採用します。
フェアリーにテラスタイプをすることで、ドラゴンやかくとうタイプへの打点となり、より戦略が広まるからです。
立ち回り例
立ち回りとしては、キョジオーンなど、先発で場づくり、場荒らしをして相手のテラスタイプ消費やエースポケモンのHP消費を誘い、後詰として死に出し(受け出しはとてもできません)を行い、役割を遂行する形になります。
大切なのは、「こちらのエースポケモンが倒されてしまい、あとはピカチュウしかいない」、というピンチを演出することです。そのために、ピカチュウを繰り出すときは、心の中で3つ数えてから決定ボタンを押すことをお勧めします。
いざピカチュウが場に出たとき、相手がすでにドラゴンタイプのポケモンを出している(あるいはテラスタルをしている)ならばしめたものです。ガブリアスを除けば、基本的には一致ドラゴン技を繰り出してくるはずです。
すぐさまフェアリータイプにテラスタルし、相手のドラゴン技をかわし、テラバーストをお見舞いしてやりましょう!
与ダメージ計算
(データ算出の際に、ゲーム8様のダメージ計算ツールを利用しています)
10まんボルト
シャワーズ(HP252振り)
182 ~ 216 (76.7 ~ 91.1%) 確定2発
なみのり
キョジオーン(HP140振り,とくぼう108振り)(育成論SV/240)
112 ~ 134 (58 ~ 69.4%) 確定2発
テラバースト
ドラパルト(HP無振り、とくぼう140振り)
164 ~ 194 (100.6 ~ 119%) 確定1発
セグレイブ(HP4振り、とくぼう無振り)
174 ~ 206 (91 ~ 107.8%) 乱数1発 (50%)
サザンドラ(HP無振り、とくぼう4振り)(育成論SV/288)
336 ~ 396 (201.1 ~ 237.1%) 確定1発
(ただし、はがねにテラスタイプされないことが前提です)
苦手なポケモン
ガブリアスなど、ピカチュウよりもすばやさの種族値が高い、あるいは努力値の振り方によってピカチュウよりも先制できるポケモン(特にじめんタイプ)には、ピカチュウはどうしようもありません。おとなしく別のポケモンに譲ることを考えましょう。
おわりに
ピカチュウはバトルにおいて一線級の強さではありません。ゆえに頼もしい先発が必要です。また、テラスタル権をピカチュウに譲れるくらい、元のタイプで丈夫なポケモンが必要です。
そう考えると、立ち回り例で紹介しましたが、キョジオーンなどが有力でしょう。
ポケモン対戦は厳しい世界ですが、工夫と愛さえあれば、様々な戦術を生み出すことができます!ぜひピカチュウによる奇襲を成功させてみませんか?
更新履歴
2022.12.09 下書き投稿
2022.12.20 この育成論のピカチュウ入りパーティでマスターボール級到達のため加筆。