はじめに
こんにちは、窓際です。
今回は、S18で使用していた願い事ママンボウママンボウが強かったので久々に育成論を書くことにしました。
レギュレーションGという環境においては、個人的には突撃チョッキを持たせてクッションとしての役割を持たせるのは少々無理を感じており、願い事で禁止級伝説を回復させる役割を持たせる方が環境にマッチしていると感じます。また、ママンボウ単体だと隙を見せやすいので、セットで使うと真価を発揮する
メタモンの解説も少し入れています。
- 注意
- HABCDSといった非公式単語を使用します。
- 禁止級伝説という単語が多く出てくるので「禁伝」と略しています。
- 努力値は、個体値が特攻と素早さ以外すべて31であることを前提に設定しています。
採用理由
主な役割は対物理のクッションと禁伝を回復させることの2点です。
1つ目の役割対象としてあげられるのは、禁伝だとコライドン
ザシアン(王)
ホウオウなどがいます。特に
ホウオウに対しては、後投げからクイックターンを押すだけで有利なサイクルを展開できるので、構築に入れるだけで対策になり得ると思います。
2つ目の役割は、ねがいごとをしてからクイックターン(あるいは素で交換)することで、引き先のポケモンのHPをママンボウの最大HPの半分回復させることで遂行できます。初手に瞬間火力の出せる禁伝を置き、削られたところを
ママンボウをクッションにしつつ、隙を見て回復させる行動は、再現性が高く非常に有効です。回復ソースのない高火力ポケモンを雑に使える他、突撃チョッキを持った特殊クッションのHPを回復させてサイクルを回し続けることもできるなど、非常に活躍の幅が広いです。
私自身は眼鏡ルナアーラと合わせてファントムガードを願い事で回復させる動きをとっていましたが、
ミライドン
バドレックス(こくば)
コライドンといった純粋にパワーが高い禁伝を選べば間違いはないと思います。
現環境で
ママンボウは強いのか?
「ママンボウの耐久で禁伝相手にサイクルを回せるのか?」「願い事でエースを回復する余裕はあるのか?」という疑問は、誰しもが浮かぶところだと思います。
現環境におけるママンボウの評価を一言で表せば、あらゆる構築に投げられるわけではないが、一部の構築に対する強い解答になるポケモンです。
特に、願い事を搭載した型だとその特徴が強く現れると思います。レギュレーションFまでに採用されていたママンボウは、どちらかというと幅広い構築に対応できて選出率がほぼ100%というイメージが強いですが、レギュレーションGにおけるこの型の選出基準は、従来の
ヘイラッシャに近いものがあります。
ヘイラッシャは優秀な特性である天然を持つことで、一体で積みに対する解答を持つことができる代わりに対面操作技がなく、特殊アタッカーへの引きに対しては
地割れを当てる欠伸で流すことでケアしています。
一方で、ママンボウは対面操作技と再生力という回復ソースがあり、非常にサイクル向きな性能をしていますが、一体で積みに対する解答になることができません。単純な物理受けとしては、互換性はないものの
ヘイラッシャの方が
ママンボウよりも遥かに優れていると断言して良いでしょう。
つまりママンボウ単体の強みは裏を回復させることができる点に見出すしかないことになりますが、正直、これだけだと強みとしては弱いです。なぜなら、それなりの再現性があるとは言え、どの試合でもその行動を取れるほど余裕があるというわけでもなく、むしろその行動を取れないことの方が多いです。「回復ソースにすらならないのであれば、物理受けとして優れている
ヘイラッシャを使うに決まっている」となるのが自然です。
しかし、本論の冒頭で話した通りメタモンと組ませることで
ママンボウのもう一つの強みが生まれます。それは相手の積みを誘発できることです。
本来、ママンボウが積みに対応できないことは立派な弱点です。例えば、役割対象である
コライドン
ザシアン(王)に対しては後投げできたとしても、剣の舞の起点になったりと、普通に使えば裏目の方が大きいです。しかし、積みごと変身でコピーできる
メタモンと組ませることで、積み技をケアするどころか、積み技を逆手に取って有利な盤面をつくることができます。
ヘイラッシャは積みに対する解答になれても、それで有利な盤面をつくれるわけではないので、
ママンボウ
メタモンの並びで差別化することができます。
特性
特性はさいせいりょくです。
交換することでHPが最大HPの1/3回復するという強力な効果を持ち、もはやママンボウの本体とまで言える特性なので確定です。
持ち物
採用したのはゴツゴツメットです。
直接攻撃を受けた時、相手の最大HPの1/6のダメージを与える持ち物です。
これに関しては一択というわけではなく、他の候補としてたべのこしがあります。ゴツゴツメットとの差別化点としては、ママンボウの体力管理がしやすくなることで願い事による裏の回復の再現度がより一層高くなるところにあります。
ゴツゴツメットは前述した役割対象であるコライドン
ザシアンに対して削りを入れ、裏の圏内に入れることができるので、それぞれに利点があります。
ただ、残飯があるお陰で受かるという場面がそれほど多くなく、相手を削ることの方が重要になる場面が多いので、個人的にはゴツゴツメットを使うべきだと考えています。
テラスタル
採用したのはです。
コライドン
ウーラオス(れんげき)などの格闘技や、
ハバタクカミなどのフェアリー技を半減できる他、毒菱回収の役割を担うことができるのが特徴です。
これに関しては、ママンボウ自体がそこまでテラスタルを切りたい場面が多いポケモンではないので、本当に強いのかわかりません。構築単位で噛み合いの良いテラスタイプがあれば、そちらに変更するのが吉かなと思います。
性格・努力値と調整
- 性格
B上昇、S下降ののんきを採用しました。ママンボウはクイックターンを後攻で撃つことで安全に裏に繋ぎたいポケモンなので、基本的にSを最遅にします。今回は物理クッションを主な役割として使いたいので、B上昇を採用しています。
- 努力値
努力値:H116/B252/D140
実数値:255−95−145−x−83−63
H…16n−1 ステロなどの定数ダメージ最小
B…特化
D…余り
S…最遅
前述した通り、今回は物理クッションを主な役割として担っていますが、ママンボウはHが突出した種族値をしているので、Hに多くの努力値を割くよりも種族値の低いDに余りを割いた方が努力値を効率的に使えるかつ、広い範囲をカバーすることができます。
残飯型で使う場合は、H132/B252/D124という風に努力値を振り分けることで、H実数値が16n+1になって残飯の回復の効率を最大にすることができます。
技構成
- 確定技
- クイックターン
威力60、命中100の物理技で、攻撃後、手持ちのポケモンと入れ替わる効果を持ちます。
再生力と並んで、ママンボウの本体とも言える技です。再生力を活かしたクッションとして使いやすくなるだけでなく、今回は裏を願い事で回復させる役割も担っているので確定技としています。
- ねがいごと
次のターンの終了時に、自分の場にいるポケモンをママンボウの最大HPの半分回復させる効果を持つ変化技です。
ゴツメ型のメインとも呼べる技で、ママンボウに物理受けの役割を担わせるのと同時に、裏のポケモンの回復ソースになります。コンセプト上確定です。
- 選択技
- アクアジェット
威力40、命中100の物理技で、優先度+1の先制技です。
主にきあいのタスキラインまで削ったポケモンをスイープするための技で、特にパオジアンに絶対零度を打つ隙を与えないことが強みです。
禁伝は先制技を持っていることが少なく、禁伝+ママンボウ+
メタモンで選出する時に先制技を持っているポケモンがいないと処理が難しい場面が増えるので、個人的には優先して採用すべき技だと思います。
- ねっとう
威力80、命中100の特殊技で、相手を30%の確率で火傷状態にする効果を持ちます。また、自身あるいは相手の氷状態を治すこともできます。
物理エースを火傷にするだけで勝てる試合は多いので、採用する価値は十分にありますが、アクアジェットの優先度が高いため、余裕がない限り採用するのは難しいと感じます。また、ママンボウはCの数値が低いため、威力80でも大した火力は出せません。
- まもる
優先度+4で相手の技を防ぐ変化技で、連続で使うと失敗しやすくなります。
願い事をママンボウ自身の回復ソースとして使う時に必須ですが、構築次第では
ママンボウ自身の回復を必要としないこともあるため、選択技としています。残飯型で使う場合、採用の優先度が高くなります。
今回は、ザシアンのじゃれつくを受けて積みを誘発したいので採用技としています。
- いやしのねがい
自分が瀕死になる代わりに、次に出すポケモンの状態異常とHPを全回復させる効果を持つ変化技です。ママンボウを受けではなく単純なクッションとしての役割だけで使う場合、候補に上がってくる技です。願い事に比べても、裏の回復に繋げる再現度が非常に高いので、採用する価値は十分にあると思います。
与ダメージ
ダメージ計算には(https://sv.pokesol.com/calc)を使用しています。
- クイックターン
バドレックス(こくば)無振り
→(18.9 ~ 22.9%) 乱数5発 : 96.3%ハバタクカミH4
→(32.9 ~ 39.7%) 乱数3発 : 99.97%パオジアン無振り
→(21.2 ~ 25.9%) 乱数4発 : 1.53%ディンルーH252
→(18.4 ~ 21.4%) 乱数5発 : 16.91%ガチグマ(アカツキ)H252
→(21.9 ~ 25.5%) 乱数4発 : 0.26%カバルドンHB特化
→(16.7 ~ 20.5%) 乱数5発 : 0.03%
- アクアジェット
バドレックス(こくば)無振り
→(12.5 ~ 15.5%) 乱数7発 : 3.55%ザシアン(王)H236B4(前期1位) 地面テラス
→(16.2 ~ 21.4%) 乱数5発 : 0.52%ハバタクカミH4
→(23.0 ~ 27.5%) 乱数4発 : 39.45%パオジアン無振り
→(14.2 ~ 17.5%) 乱数6発 : 0.08%
与ダメージに載せて欲しいポケモンなどあればコメントでお知らせください。
被ダメージ
コライドンA特化 晴れ フレアドライブ(テラス)
→(37.7 ~ 44.4%) 確定3発コライドンA特化 晴れ スケイルショット
→(53.0 ~ 64.8%) 確定2発
※5回+4回で99.1%で落とされるザシアン(王)A特化 A+1 じゃれつく
→(45.9 ~ 54.2%) 乱数2発 : 46.48%パオジアンA252 電気テラバースト
→(56.5 ~ 66.7%) 確定2発カイリューA特化鉢巻 神速(テラス)
→(37.7 ~ 44.8%) 確定3発ウーラオス(れんげき)A252 インファイト
→(36.5 ~ 43.6%) 確定3発ディンルーA無振り 地震
→(20.0 ~ 24.0%) 確定5発オーガポン(かまど)A特化 ウッドホーン
→(52.6 ~ 62.0%) 確定2発
バドレックス(こくば)C252 アストラルビット
→(69.9 ~ 82.4%) 確定2発ハバタクカミC252 ムーンフォース
→(47.5 ~ 56.5%) 乱数2発 : 83.98%ガチグマ(アカツキ)C特化 ブラッドムーン
→(76.5 ~ 90.6%) 確定2発テツノツツミC252 フリーズドライ
→(65.9 ~ 78.5%) 確定2発
その他で被ダメージに載せて欲しい技などあればコメントでお知らせください。
相性の良い
メタモンについて
ママンボウの解説が一通り終わったところで、私が相棒として推している
メタモンについても触れておきます。
メタモンの強みは
- 相手の禁伝に変身できる
ママンボウが苦手な積みに対する解答になる
- 初手に投げた禁伝で荒らした後、捨てることになっても相手の禁伝に捲くられにくい
の3点があげられます。
持ち物は、ママンボウが
コライドンのスケイルショットが受かっていないのもあって、同速勝負をなるべく拒否できるこだわりスカーフにするか、フェアリーテラスを採用したきあいのタスキの2択だと感じています。個人的には、前者のスカーフがオススメです。
ただ、ママンボウ
メタモンの並びの唯一の弱みとして、相手の身代わりに弱いという点があります。
これは致命的で、本来役割対処であるコライドンなども身代わりを持っている個体数が増え始めており、それだと対処が難しいです。
この2体を使う上では、禁伝を駆使して身代わりのケアすることを意識しなければなりませんが、メタモンを採用せずに、上からアンコールを打てるポケモンを採用するのも一つの手だと思います。
ミライドンを採用している場合は
テツノツツミ、それ以外だとHD
エルフーンなんかも面白いかもしれません。
終わりに
S18の結果は最終161位でした。ママンボウは
ミライドン軸や
ゴリランダー入りに投げられるポケモンではないので、選出の機会が多かったかと言われればそこまででしたが、選出した時の勝率は非常に高かったです。
同じ型のママンボウを採用しているレンタルパーティのコードを下記の構築記事で紹介しています。先に少し触れた眼鏡
ルナアーラを軸にした構築になっています。是非使用感を確かめてみてください。
【SV S18 最終161位(R2071)】眼鏡ルナアーラ始動サイクル
(https://m-adogiwa.hatenablog.com/entry/2024/06/01/145105)