ドーブル- ポケモン育成論SV

はじめに

この『ドーブル』というポケモンは素のステータスは貧弱ながら、専用技『スケッチ』によってほぼ全てのわざを使用できるため、昔からダブルでは強力なサポート要員として戦ってきました。そのあまりの強さにか、ソード/シールドにおいては出禁とされてしまいました。しかしながら、同じ世代に相性バツグンと呼べるほどのアイテム『だっしゅつパック』が登場したのです。

コンセプトと役割

『ねこだまし』によって『おいかぜ』や『トリックルーム』始動の邪魔となるポケモンを動けなくする。また、速やかに退場することでエースポケモンを安全に繰り出せるようにする。なお、この育成論はランクマッチ解禁前に書かれたものであることは理解願いたい。

持ち物

だっしゅつパック

持たせると、能力ランクが下がった時に手持ちのポケモンと入れ替わる

コンセプトのため確定。

特性『ムラっけ』での能力ダウンと合わせて、ターン終了時に交代することができる。

特性

ムラっけ

毎ターン終了時、『こうげき』『ぼうぎょ』『とくこう』『とくぼう』『すばやさ』いずれかのランクが2段階上がり、別のランクが1段階下がる。(第7世代までは『回避率』『命中率』も含まれていた)

コンセプトのため確定。

運が良ければすばやさが上がってサポートしやすくなる。この型の場合、命中率、回避率が変わらなくなったのはむしろ強化かもしれない。

マイペース/テクニシャン

オーソドックスに『きあいのタスキ』などでどうぞ。

以後、ポケモンの能力などについて下記の略称を使用することがある。

性格・努力値と調整

ようき　H 100 / A 4 / B 116 / D 36 / S 252

• 相手のねこだましを受けにくくするためS特化。なお、この場合無振り118族（ルチャブル）まで抜ける。
• HP16n-1を確保しつつ総合耐久指数最大
• あまり4をA

しんちょう　H 196 / B 196 / D 116
すばやさを捨てて耐久に特化した配分。ねこだましやファストガードのすばやさ勝負は負けるものと割りきって運用するなら。物理はパオジアンのA全振りかみくだく、特殊はハバタクカミのC特化ムーンフォースを耐えられるようになる。

技構成

• 確定技

選択技

物理技	タイプ	威力	効果	詳細
はたきおとす		65(97)	道具排除
フェイント		30	まもる解除
ほっぺすりすり		20	100%麻痺
がむしゃら				相手のHPを自分のHPと同じになるまで削る
各種先制技		40	優先度+1	低火力を活かして味方の弱点保険を発動する 一応きあいのタスキで耐えたポケモンにも打てる 先制連続技のみずしゅりけんでコノヨザルのふんどのこぶしの威力を大幅にあげることも可能
特殊技	タイプ	威力	効果	詳細
カタストロフィ				相手のHPを残りHPの半分まで削る
バークアウト		55	100%C↓	相手2体のきあいのタスキを潰しつつ特攻を下げる
むしのていこう		50
ルミナコリジョン		80	100%D↓↓	相手1体のきあいのタスキを潰しつつ特防を大幅に下げる どちらもタイプで無効化されるので注意
アシッドボム		40
クリアスモッグ		50	能力リセット	相手に積み技を使われたときや、味方の能力を下げられたときに
変化技	タイプ	詳細
キノコのほうし		言わずと知れた凶悪技 対策のないポケモンを眠らせて最低1ターン行動不能にする
みちづれ		次に自分が行動するまでの間に攻撃技で倒された場合、そのポケモンもひんしにする 行動するまでのため、みちづれ状態のときにこのゆびとまれを使って技を引き寄せたりはできないので注意 連続で使用すると必ず失敗する
アンコール		相手をまもるやねこだまししか打てない状態にして交代を強要する
ファストガード		自分と味方を先制技から守る
ワイドガード		自分と味方を範囲攻撃から守る
フラワーヒール		味方を最大HPの半分回復する グラスフィールド時回復量が増える効果があるためいやしのはどうではなくこちら
さいはい		味方に直前の行動をもう一度させる 積み技を2回使わせて大幅強化を狙ったり、攻撃技を使わせて1発目を耐えた相手にとどめを刺したりできる味方との素早さ関係に注意
いとをはく		相手2体のすばやさを2段階下げる すばやさ操作の最終ターンに使うと良さそう 無効にされにくいが命中95のいとをはくか、命中100だがやぼうじん、ぼうじんゴーグルに無効にされるわたほうしかは選択
わたほうし

テラスタル

基本的にテラスタルすることはないが、理想としては先制技に多いやを無効にできるを推奨する。

立ち回り例

先発で出し、ねこだましやこのゆびとまれ、キノコのほうしで味方が安全に技を使えるようにする。そのターンを生き残ってうまく脱出した場合、味方が倒されたタイミングで再登場して味方を強化、回復したり、敵を弱体化させたりして追加でサポートする。

被ダメージ計算

いずれも確定欄の調整だが、範囲技であればそれなりの火力までは耐えられる。

• ガブリアスA特化じしん：確定2発（83.9〜99.3%）
• ハバタクカミC特化マジカルシャイン：確定2発（69.9〜82.5%）
• テツノツツミC特化ふぶき：31.3%の乱数1発（88.8〜105.5%）

苦手な相手

• 特性『いかく』のポケモンランドロス(霊獣)ボーマンダウインディ(ヒスイ)など

先発で対面したり、交代出しされたりするとその時点で脱出パックが発動してしまい、ねこだましなどができなくなってしまう。先発についてはパーティで初手に出すのをためらう構築にすることでいくらかはリスクを減らすことができる。また、交代出しは相手1体に技を使わせず、また威嚇を入れられることなく味方を繰り出せると割りきった方がいいだろう。

• 『はたきおとす』を覚えるポケモンマスカーニャトドロクツキなど

道具を使ったコンボをするポケモンにとっての天敵。先発で対面した場合、優先してねこだましを打ちたい。とはいえドーブルの大部分はきあいのタスキを持つと思われるので、ランクマッチで実際に運用しての判断になる。

• 『おんみつマント』を持っているポケモンや特性『せいしんりょく』『りんぷん』のポケモンカイリュールカリオなど

ねこだましの怯み効果が無効にされるため、何も考えずに打っていると失敗しやすい。所持率の高いトルネロス(化身)やブラッキーがいるときには、このゆびとまれでちょうはつを引き寄せてトリックルームを張るなど臨機応変に対応すること。

• ゴーストテラスタルや特性『じょおうのいげん』『サイコメイカー』など先制技無効のポケモンアマージョイエッサン♀など

こちらはねこだまし自体を無効にされるパターン。対応としては上と同じく、テラスタイプや特性の採用率を把握して柔軟に運用することだろう。一応浮いているポケモンにはサイコフィールドでもねこだましが通ることは頭の片隅に置いておきたい。

相性の良い味方

1.強力なすばやさ操作技を持つポケモン
相性が良いというより、このドーブルを採用する主目的。手動でしか展開できずまたターン数が限られているものについて、起動の補助とエースへの交代を1ターンで済ますことができる。

『おいかぜ』

4ターンの間、自分と味方の『すばやさ』が2倍になる。

中速〜やや速めのポケモンで普段なら上から倒されるポケモンを逆に倒したり、高速ポケモンの努力値を火力耐久に回したりできる。

『トリックルーム』

5ターンの間、『すばやさ』が低いポケモンから攻撃できるようになる。ただし、必ず先制できる技には無効。もう1度使用すると元に戻る。必ず後攻になる(優先度:-7)。

鈍足高火力高耐久のポケモンを実質的に高速高火力高耐久として扱えるようになる。

2.『いかく』を牽制できるポケモン

• 特性『まけんき』ドドゲザンコノヨザルなど

種族値が優秀で汎用性は高いが能力上昇は攻撃+1に留まり、いかくを持つポケモンにタイプ有利というわけではない。

• 特性『かちき』ミロカロスフリーザー(ガラル)など

特攻+2と能力上昇が他の2つより大きく、何かしらのいかく持ちにタイプ上有利をとれるポケモンが多いが、単体では癖の強いポケモンが多い。

• 特性『あまのじゃく』ジャローダラランテスなど

他2つと違い「耐久を下げられて攻撃する暇もなく倒される」というルートを防げるが、かちき以上にポケモンの癖が強い。

• 特性『ばんけん』マフィティフイイネイヌ

完全にいかくメタの特性。ただ強制交代技があまり使われないダブルではまけんきに対する優位点を感じにくい。

1と2を両立できるポケモンは以下の通り。

	おいかぜ	トリックルーム
まけんき	サンダー(ガラル)ウォーグルトルネロス(化身)
かちき	フリーザー(ガラル)タイカイデン	フリーザー(ガラル)ゴチルゼルニャオニクス♀
あまのじゃく	ラブトロス(化身)	カラマネロ

構築例

クレセリア（ふゆう）@たべのこし
じゅうりょく/トリックルーム/みかづきのいのり/ムーンフォース
ガチグマ（こんじょう）@かえんだま
からげんき/じしん/シャドークロー/はらだいこ
※ムラっけの処理が『かえんだま』の処理より後になっている関係で、繰り出した直後には火傷しないことに注意。
ウォーグル（まけんき）@オボンのみ
いわなだれ/インファイト/おいかぜ/ブレイブバード
ハバタクカミ（こだいかっせい）@ブーストエナジー
シャドーボール/マジカルシャイン/まもる/ムーンフォース
ミロカロス（かちき）@とつげきチョッキ
テラバースト/なみのり/ねっとう/れいとうビーム

注意

コメントはきちんとした言葉遣いでお願いします。不適切な表現だと判断した場合は、内容が的を射ていても削除させていただきます。この場合、返信コメントに要約を記載します。