はじめに
こんにちは、窓際です。
今回は、後投げするだけで簡単に盤面有利をつくれるヒートロトムの型を紹介したいと思います。
- 注意
- HABCDSといった非公式単語を使用します。
- 努力値は、個体値が攻撃以外すべて31であることを前提に設定しています。
ヒートロトムヒートロトムというポケモンについて
- 種族値
ヒートロトムH50 A65 B107 C105 D107 S86
合計種族値は520と高水準であり、並以上の耐久とそこそこの火力と素早さというバランスの良い配分を活かして、なんでも器用にこなすポケモンです。
- タイプ・特性
タイプは電気・炎タイプ。
2倍弱点は水・岩の2つ。
半減は草、電気、氷、フェアリー、飛行、虫、炎の7つ。半半減は鋼の1つで、計8タイプに耐性があります。
また、本来であれば地面タイプが4倍弱点ですが、特性ふゆうで無効タイプになります。
最近だと種族値の暴力にやられることもありますが、耐性の優秀さでカバーしてなんとか環境に食い込んでいるポケモンです。
持ち物
採用したのはだっしゅつパックです。
持たせると、能力ランクが下がった時に手持ちのポケモンと交代する効果を持ちます。
オーバーヒートと合わせて使います。採用した意図は、下記の採用理由に記載しています。
採用理由
主な役割はサーフゴーに後投げしてからオーバーヒートで有利対面をつくることです。
相手がサーフゴーでなくても、有利対面がつくりだせたらオーバーヒートでアドバンテージをとっていけますし、2度目以降もボルトチェンジで対面操作が可能です。
まず前提として、なぜ、サーフゴー対策をヒートロトムでやるのかという話をします。現環境のサーフゴーの代表的な型として、以下のものが挙げられます。
- 隠密マントを持った悪巧み+自己再生
- こだわりメガネorこだわりスカーフ (トリック)
- HBベースの電磁波+自己再生
CS振り(準速)のヒートロトムだと、これらの内、最速悪巧みシャドーボール、最速シャドーボール×2、スカーフシャドーボール×2以外を全てケアできます。
最速は全体の2割程度で、スカーフの火力だとリターン重視のゴールドラッシュorトリックを打つケースがほとんどなので、リスクはかなり少ないです。
電磁波はタイプで無効、トリックもヒートロトムであれば大した障害にはなりません。
また、サーフゴーは水・飛行テラスタルが多いですが、ボルトチェンジを考えるとテラスタルは切りにくいので、大抵は引くか、オーバーヒートであれば裏の起点にしてボルトチェンジがケアできる居座りを選択するかのどちらかだと思います。
そのどちらの選択にも脱出パックオーバーヒートが刺さります。交代であっても削りながら有利対面がつくれますし、居座ってくればサーフゴーを倒したうえで、Cダウンを利用して起点にされることなく引くことができ、超有利展開になります。
サーフゴーを倒した後も、C特化してるぶんの火力が出せますし、鬼火で物理アタッカーを火傷にして火力を半減させることもできます。
テラスタル
採用したのははがねテラスタルです。
カイリューの神速を無理矢理耐えたり、ランドロス(霊獣)の岩石封じに耐性をつけたりして、鬼火を入れることができるので採用しました。
ただ、テラスタルを切らないことが前提の型ではあるので、いざという時に役に立ってくれそうなタイプをお好みで選ぶと良いと思います。
性格・努力値と調整
- 性格
C上昇、A下降のひかえめを採用しました。
ヒートロトムのS種族値は86、サーフゴーのS種族値は84なので、環境に最速サーフゴーが少ない都合上、最速にする必要性はあまり感じなかったので、相手の引き先への負荷なども考えてCに補正をかけました。
- 努力値
努力値:C252/D4/S252
実数値:125−×−127−172−128−138
CS極振り、Hは無振りで奇数なので余りはD。
無論、Sでなく耐久に回してもサーフゴーに対面有利がとれることは変わりませんし、最速サーフゴーの悪巧みなどまでケアできるという利点はあります。
しかし、準速の方が被弾回数が大幅に減り、せっかくの有利対面で削られてしまうことを防げます。また、パンチグローブが流行っている影響か、最近多い遅めの連撃ウーラオス(れんげき)が増えています。
準速ヒートロトムが抜けるのはS156振りのウーラオス(れんげき)までです。Sを124振りまでに抑えたウーラオス(れんげき)が環境に多く、この上から電気打点を打ち込めるのは明確な強みになると感じたので、準速採用にしました。
技構成
- 確定技
- オーバーヒート
威力130、命中90の特殊炎技で、攻撃後、自分のCランクが2段階下がってしまいます。
先述した通り、脱出パックと合わせて使うので、コンセプト上確定です。命中90という壁は気合いで乗り切れるので無問題です。
- ボルトチェンジ
威力70、命中100の特殊電気技で、攻撃後、手持ちのポケモンと交代する効果を持ちます。
本論においてはオーバーヒートが交代技としての役割を持ちますが、あくまで一度きりで、2度目以降のサイクルを考えたら採用して損はありません。
また、炎技を無効化出来る特性もらいびを持ったヒードランが裏にいた場合、オーバーヒートは裏に刺さらず交代すらできません。ヒードランに後投げするのはハイリスクですが、引きに合わせてボルトチェンジを打つという択に持っていくことができます。
- 選択技
- 10まんボルト
威力90、命中100の特殊電気技で、10%の確率で相手を麻痺にできるという追加効果を持ちます。
確定技のオーバーヒートとボルトチェンジは、普通の攻撃技として扱えないので、単純に相手と撃ち合う時に使う技です。火力重視にはできますが、地面タイプやドラゴンタイプには極端に弱くなります。
また、麻痺を引くメリットを優先して放電を選択するのもナシではないですが、Hに厚く振っているウーラオス(れんげき)が乱数になってしまう可能性があるので、安定性は10万ボルトに分があると感じます。
- おにび
命中85の変化技で、炎タイプ以外の相手を火傷状態にする効果を持ちます。
タイプ上滅法強いランドロス(霊獣)に対してや、他にもカイリューなどの物理アタッカーに対して打って火力を大幅に削ぐことができます。セグレイブの特性ねつこうかんには通らない点に注意。
- イカサマ
威力95、命中100の物理悪技で、自分のAではなく相手のAの数値でダメージ計算する効果を持ちます。
オーバーヒートでCランクが下がった後も気にせず殴っていけるので、噛み合いは非常に良いです。
- でんじは
命中90の変化技で、地面・電気タイプ以外の相手を麻痺状態にする効果を持ちます。
地面タイプに打てる鬼火の方が刺さるケースが多いと思いますが、麻痺を利用して裏の詰みの起点にできる場合など、構築単位の役割を考えて採用する価値はあると思います。
与ダメージ
計算には(https://sv.pokesol.com/calc)を使用しました。私が知るSVに対応した計算ツールの中で一番使い勝手が良いので、是非ご活用ください。
- オーバーヒート
サーフゴーH244
→(118.2 ~ 139.9%) 確定1発
カイリューH244マルチスケイル込み
→(13.2 ~ 15.7%) 乱数7発 : 62%
ハバタクカミH4
→(62.6 ~ 74.1%) 確定2発
パオジアンD4
→(189.7 ~ 224.6%) 確定1発
ディンルーH244禍の器
→(36.1 ~ 43.0%) 確定3発
ランドロス(霊獣)H4
→(77.0 ~ 91.0%) 確定2発
ガチグマH252
→(53.6 ~ 63.3%) 確定2発
- ボルトチェンジ
ウーラオス(れんげき)連撃D4
→(96.0 ~ 114.3%) 乱数1発 : 75%
テツノツツミH4
→(128.3 ~ 152.7%) 確定1発
カイリューH244マルチスケイル込み
→(14.7 ~ 17.2%) 乱数6発 : 0.89%
ヒードランH244D4
→(27.5 ~ 32.5%) 確定4発
サーフゴーH244
→(31.7 ~ 37.9%) 乱数3発 : 93.43%
ハバタクカミH4
→((34.4 ~ 41.3%) 確定3発
パオジアンD4
→(51.0 ~ 60.7%) 確定2発
- 10まんボルト
ウーラオス(れんげき)連撃D4
→(124.6 ~ 147.5%) 確定1発
テツノツツミH4
→(166.5 ~ 197.0%) 確定1発
カイリューH244(マルチスケイルなし)
→(37.1 ~ 44.2%) 確定3発
ヒードランH244D4
→(35.0 ~ 41.7%) 確定3発
サーフゴーH244
→(41.0 ~ 48.8%) 確定3発
ハバタクカミH4
→(43.6 ~ 51.2%) 乱数2発 : 5.07%
パオジアンD4
→(65.9 ~ 78.1%) 確定2発
与ダメージに載せて欲しいポケモンなどあればコメントでお知らせください。
被ダメージ
サーフゴーC特化 シャドーボール
→(57.6 ~ 68.0%) 確定2発
サーフゴーC特化眼鏡 シャドーボール
→(86.4 ~ 101.6%) 乱数1発 : 12.5%
サーフゴーC特化眼鏡 ゴールドラッシュ
→(32.0 ~ 37.6%) 乱数3発 : 93.16%
カイリューA特化鉢巻ノーマルテラス しんそく
→(87.2 ~ 103.2%) 乱数1発 : 18.75%
ヒードランC無振り マグマストーム
→(26.4 ~ 31.2%) 確定4発
ウーラオス(れんげき)A特化 アクアジェット
→(57.6 ~ 68.8%) 確定2発
ランドロス(霊獣)A特化 飛行テラバースト
→(40.8 ~ 48.8%) 確定3発
ハバタクカミC252 シャドーボール
→(53.6 ~ 63.2%) 確定2発
パオジアンA252禍の剣 かみくだく
→(65.6 ~ 77.6%) 確定2発
その他で被ダメージに載せて欲しい技などあればコメントでお知らせください。
相性の良い味方
ヒートロトムの味方として、欲しい要素が3つあります。
その内、上2つの要素が該当するのがキノガッサです。イーユイキノガッサといった並びは環境でも時偶見かけることがありますが、それに似たものです。
また、ゴースト技の一貫を切れるポケモンとして有力なのはディンルーなどの耐久力のある悪タイプのポケモンです。これは、自分がヒートロトムに引く際の事故を減らすためのものなので、選出せずとも構築にいるだけである程度機能すると思います。ディンルーでなくとも、カイリューを入れてノーマルテラスタルの圧をかけるだけでも良いかもしれません。
終わりに
私はレギュレーションDの間、サーフゴーを呼んでくれるモロバレルと、そのサーフゴーに後投げして高火力を叩き込むメガネイーユイの並びを好んで使っていました。しかし、電磁波を打ってくるサーフゴーが増え、イーユイを電磁波+気合玉で倒してきて為す術もなくやられたりと、問題が山積みでした。
電磁波に耐性が持ててサーフゴーに強いポケモンを探した結果、ヒートロトムに行き着いたというわけです。やることは違いますが、イーユイと似たような役割が持てるお陰で使用感が良く、お気に入りの一体になりました。
ここまで読んでくださった方ありがとうございました。よろしければ、評価やコメントの方もよろしくお願いします。