いなむぽんと申す者です。
今回はブーストエナジー持ちではないアタッカートドロクツキでアクロバットを撃つ育成論を持ってまいりました。
水を使わない肉じゃがみたいでカッコよかったからです。
パラドックスポケモンには、ハバタクカミテツノブジンといった相手の能力を下げる動きを得意とするものや、リフレクターとひかりのかべ、アンコールをはじめとする様々な場づくりをできてかつミストバーストの退場を可能とするサケブシッポがおり、りゅうのまいトドロクツキの相性のいい味方がブーストエナジーを欲しくなる場合が一定数存在するものと考えての育成論となるため、味方のステルスロックや壁のサポートがある条件設定での性能の議論がメインとなっておりますことをご了承ください。
型の要約
自分の場にある壁や相手にかかったアンコールの加護が残っているうちに必要なだけ積んで、オボンのみで耐久を残しつつアクロバットなどで相手を殴ります。
積みアタッカーとしてのカイリューとの差別化
主に耐久面とすばやさでの差別化となりますが、まずは火力面から比較していきます。
こうげきの実数値×技威力×一致補正の比較
陽気カイリューのひこうテラバースト:29,760
実数値176トドロクツキのテラスアクロバット:29,040
→1.02倍ほどの違いであり、じしんなどのサブウェポンにおいてはもう少々の差が開いてしまうものの、それでも十分といえる火力は有しています。後述しますが、努力値振りをある程度変更できるので、ここからもう少し伸ばすことも可能です。
耐久面
場に出た瞬間、言い換えるとテラスタルを切る前、相手のステルスロックを踏むことによって崩される耐久力に違いが生じます。
加えて、そういった削れた後の想定でいえば、特殊耐久の高さは壁と合わせる前からりゅうのまいアタッカー随一のものを有しているので、壁と合わせて行動回数を作れるアタッカーの観点でも筆頭候補です。
また、もう一つの特性やタイプの違いによる利点として、オーガポン(いしずえ)や、かたやぶりオーガポン(かまど)を相手にする際に有効に働く要素を持ち合わせています。
すばやさ
味方のアンコール+退場の動きでりゅうのまいを積む猶予を設けた場合や、相手のブーストエナジーハバタクカミなどに対して体力や能力変化を温存すべく早急にすばやさラインを上げておきたい場合など、トドロクツキのもつすばやさが生きる場面は多いと考えています。
味方の行動を活かして必要なだけりゅうのまいやみがわりを使うポケモンとしては、この点において特にカイリューより高い評価をできるものといえると思います。
持ち物
後述のダメージ計算に詳細を載せますが、壁+オボンによる耐久確保をすることでりゅうのまい(2回か1回)とみがわりを絡めた3タテ性能を発揮できることを踏まえると、推奨は『オボンのみ』となります。
オボンのみ以外でアクロバットと合わせるなら、
のパターンがあり得ると思いますが、
- 前者のブーストエナジーは、壁+オボンで実現される動きとは異なった使い方で強みを発揮できることや、選択できる味方ポケモンの層の違いがあり、可能性としてはあり得ます。ただ、コンセプト的な部分でいうと少し外れるため、深くは議論いたしません。
- 後者のシードは耐久の上昇の仕方が今回の想定とだいぶずれてしまうため、こちらを採用する場合は今育成論の耐久面の調整を見直す必要があります。
また、体力が減少したときに能力上昇する類のきのみは、みがわりを使えるタイミングを展開し始めの数ターンに固定してしまうことでふいうち択などへの備えが作れないため、私個人はお勧めしません。
特性
オーガポン(かまど)の登場により晴れ構築の使用が増えたら、ブーストエナジー以外の型で相手の天候にタダ乗りしつつアクロバット等できそうだなと思っていますが、特筆事項は今のところそれくらいです。
カイリュー等と比べても特性がくさりやすいのはネックに感じられますが、ブーストエナジー消費でこだいかっせいを発動するコンボがないとアクロバットは採用されにくいからこそ、このトドロクツキが出る手前の2体目でサケブシッポorハバタクカミorテツノブジンor…がブーストエナジーを消費することで、アクロバット地震だと削りにくい相手のポケモンを相手が雑に使ってくれる可能性がうまれる意味では、見えないところでこの特性が役に立つ場面も発生しうると思います。
性格・努力値と調整
略称を用います。
H…HP A…こうげき B…ぼうぎょ
(C…とくこう) D…とくぼう S…すばやさ
調整1
いじっぱり H188 A4 B60 D4 S252
(204-176-99-x-122-171)
耐久力
ひかりのかべ下でのひかえめC252ガチグマ(アカツキ)から受けるハイパーボイスが20.5~25.0%なので、ひかりのかべがのこり2ターンからスタートしてかつ相手がアンコール状態なら1回積みとみがわりからアクロバット2回で突破可能、相手のガチグマ(アカツキ)がもともと3分の1ほど削れているなら2回積みが可能な撃ち合い性能となっています。
リフレクター下でいじっぱりA252オーガポン(いしずえ)のテラスツタこんぼうが42.2~50.0%なので、2回積みのじしん等で切り返しながらみがわりできる体力を残すことができます。
このとき、特にオーガポン(かまど)が相手なら、相手のアンコールをケアして2ターン目で攻撃しても勝てる展開か考えたいのですが、結局噛み合うかは運になってしまうのが若干の難点です。というかオーガポンは耐久ラインを作る際に意識してはいるものの、じゃれつく考慮のテラスの切り時などまで考えたくないので、2回積みたい試合では、壁を貼る段階でアンコールしたり交代させたりしておきたい寄りのポケモンであると言えます。
すばやさ
初速でウーラオス(いちげき)やガブリアスを抜くことができてかつ、1回の龍舞でオーガポンやパオジアンに、2回の龍舞でSブーストハバタクカミやほぼすべてのスカーフ持ちに先制できるようになるすばやさを確保しています。
こうげき
ここまでの余りでかつ、龍舞するので偶数になるよう意識しています。
調整2
ようき H92 A132 B12 D28 S244
(192-176-93-x-125-187)
オボンのみがいい感じに発動してくれる前提で若干耐久を下げつつ、1回の龍舞で相手のSブーストテツノブジンまで抜かせるようにしています。
この調整を使ってから、味方のアンコールなどで起点を作って龍舞するならもうちょっと耐久寄りにしてもいいのではないかと考えて調整1を導き出したところがあるので、基本的にはここまですばやくしなくてもいいかと思います。
この調整のすばやさを下げて火力に回すのもアリです。
技構成
積みアタッカーとしてテラスアクロバットの火力で相手をなぎ倒すことが目標なので、『りゅうのまい』『アクロバット』、消費アイテムのオボンのみを発動しやすくすることができてかつ相手の補助技やふいうちへの対抗手段となる『みがわり』の3つが確定枠です。
残りの1枠はオーガポン(かまど)やオーガポン(いしずえ)のテラスタルだったり相手の鋼タイプだったりに対して有効な『じしん』でほぼ確定となります。
『はたきおとす』や『かみくだく』等の悪技は他の龍舞アタッカーとの差別化点になるとはいえ、『じしん』で実現できる範囲の広さに勝るほどにはこの型に合っていないと考えております。
立ち回り例
私はこのような選出パターンを作りました。
- 『ステルスロック』を相手の場に撒きます(例:初手のコノヨザル)
- 初手のポケモンが倒された後にすばやさをブーストできるサケブシッポやテツノブジンで壁やソウルクラッシュ、アンコールを絡めてトドロクツキが積み技を使いやすい状態を整えます。相手の構築によっては、特定のポケモンを削りきって倒すか交代させて別のポケモンに流すかしてからトドロクツキを盤面に置きたいことがある意識を持ちつつ、起点作成を行う感じです。
- アンコールした相手の技や、アンコールしていない相手に撃たれそうな技、相手が引いてきそうな裏のポケモンを見ながら『みがわり』か『りゅうのまい』を選択し、一発の火力やすばやさが必要なら龍舞を2回、相手の並びや削れ具合、目の前の展開次第では1回積みして、オボンのみを食べてから攻撃に転じます
サケブシッポテツノブジンもしくはハバタクカミの枠は、もちろん無理にパラドックスを選ぶ必要はありませんが、同様の性能を発揮できるポケモンは少ないものと思っています。
これはあくまで一例であり、このトドロクツキの前に場に出るポケモンにサポートを受けつつ積む動きができるのであれば、色々な動き方に入りうると考えています
与ダメージ計算
「H…HP」「B…ぼうぎょ」といった略称を用います。
こうげき1段階上昇にて計算
アクロバット(テラス時かつ威力110)
- オーガポン(かまど)B4に効果バツグン:201.3~237.5%
- ハバタクカミH100 B132:124.5~146.9%
- パオジアン無振り:105.2~124.6%
- ウーラオス(れんげき)H252 B20に効果バツグン:128.6~151.7%
- ガチグマ(アカツキ)H148 B108:51.3~60.9%
努力値と調整の欄で前述のとおり、ガチグマ(アカツキ)に対しては試合展開次第で、1積みから2回殴るor削れたガチグマ(アカツキ)を2積みで倒しきるかを使い分けることになります。これは勝つことが若干難しい展開になるので、後述のパーティの組み方で代打のエース枠を用意するうえで考慮すべき1体となっています。
ウーラオス(れんげき)も、相手のテラスタルまで考えると、壁貼りのポケモン等で体力を削ってから流せる展開ができないと相手にするのが厳しいので、同様に代打エース枠を使う相手だと思うべきと考えています。
じしん
- オーガポン(いしずえ)B4テラスB1段階上昇(ステロ1回と合わせ):93.6~109.1%(乱数1発 62.5%)
- サーフゴーH4:106.8~126.4%
- ヌメルゴン(ヒスイ)H252(ステロ1):94.7~110.7%(乱数1発 68.75%)
サーフゴーとヌメルゴン(ヒスイ)は相手のテラスタイプに影響を受ける部分が大きいため、元タイプのダメージ計算よりも実際の対戦での余裕はなく、壁やテラス温存、みがわりを使ってダメージレースを制しにいくか、2回積みしておけることを目指すかすべきです。
ここまでの事から、
- 一般的に物理耐久が高いとはいえないか、いえるのか微妙なくらいの相手ならステルスロックと合わせて1積みが必要
- 物理耐久が高い相手には1積みで2回殴るorステロ以上の削りを味方で行ったうえで2積みして殴ることが求められる
と考えることができます。
また、1積みか2積みかはすばやさが判断基準になることも多いです。
被ダメージ計算
リフレクター・ひかりのかべあり
もう一つ条件があるので追ってお話します。
- ようきA252オーガポン(かまど)のテラスツタこんぼう(A1段階上昇 半減)
調整1に29.0~33.9%
調整2に32.3~38.6%
- いじっぱりA252オーガポン(いしずえ)のテラスツタこんぼう(等倍)
調整1に42.2~50.0%
調整2に48.0~56.8%
- おくびょうC252ハバタクカミのムーンフォース
テラスタルを切れば
調整1に20.5~24.0%
調整2に20.9~25.0%
- いじっぱりA252カイリューのテラスハチマキしんそく
調整1に33.9~40.2%
調整2に38.6~45.4%
→壁が切れたりして攻撃に転じる際に、最後にもう1回先制されるのが致命傷にならないように注意
- ひかえめC252ガチグマ(アカツキ)のハイパーボイス
調整1に20.5~25.0%
調整2に21.9~25.5%
上記のうち、オーガポン(かまど)や、序盤の展開で拘りアイテム持ちじゃないとわかっているハバタクカミ、ガチグマ(アカツキ)に対しては、相手の行動をアンコールした後で対面したいです。
また、サーフゴーやパオジアンウーラオス(れんげき)辺りは掲載すべきだと思われた方もいらっしゃるかもしれませんが、これらの初手出され率高めポケモンたちはステロ撒き→壁貼りの動きやその後のアンコールによって交代してくることが多いor交代してこないなら壁貼りポケモンの攻撃+@でなるべく早く倒しにいってしまう展開になりやすいため、これらの相手の技を受けながら起点にすることが少ないと判断し、あえて除外しております
テラスタイプ備考
私個人は、今回のトドロクツキはメインウエポンにアクロバットを採用したいので、での採用を主に考えたいと思っています。
ただ、このトドロクツキを用いて作成したレンタルを使って下さった方から、やなどの耐性重視のテラスタルを使ってみがわりを残しやすくするのはどうかといった意見をいただき、確かに一発で殴る威力を落としても行動回数を増やすことがいい作用をもたらす場合もあると思ったため、実はタイプにこだわらない意識でカスタマイズ性を追求するのもアリなのかもしれないと考えを改めています。
苦手なポケモン
キツいレベル1
- どくびし…先発で挑発してからステロ→2体目でアンコールなどの対策ができます
- ランドロス(霊獣)等のいかく+とんぼがえり…ステロがあればみがわりと龍舞のタイミングで割となんとかなります。トドロクツキがいけると思った相手にならそういったツッコミで3タテを狙います。
キツいレベル2
ヘイラッシャやアーマーガアなどの物理受けに定評がある耐久ポケモン
→トドロクツキの代わりとなる選出を用意します(例:オーガポン(かまど))
キツいレベル3
- ガブリアスカイリューウーラオス(れんげき)ガチグマ(アカツキ)などの物理耐久と火力を兼ね備えたポケモンが相手に3体いるとトドロクツキはお留守番になります。2体まではそれ以外に刺さっていればいけると信じることができます。(ウーラオス(れんげき)のみ一段と警戒レベル高)
- 上記の耐久+火力マンがいてかつオーガポン(かまど)やテツノツツミが一緒に入っていたら、2回舞わないといけないのにアンコールが厳しい状況を強いられるので穏やかじゃないです。(テツノツツミは警戒レベル高)
テツノツツミもしくは(ウーラオス(れんげき)+同様の撃ち合い強者orアンコールもち)のどちらかが見えたら、特に他のエースを選出すべきです。
超速でアンコールしてくる相手や壁を超越する高火力高耐久ポケモンの流行も、今回のトドロクツキを運用するにあたって、味方を選ぶときやある程度切るべき相手の範囲を定めるときに意識するべき部分になっています。
構築例
例1
先発ステロ→(壁アンコールなど)→トドロクツキor別のエース
利点:ふきとばしをうけない積み展開。個人的に、各補助技のタイミングさえ覚えれば、試合をこなすテンポが爽快になる。
難点:相手の挑発やアンコールに対して、切り替えられるように用意した別のエースを使うか、少ない積みのトドロクツキで頑張るかの判断が求められる。加えて、2回積みを判断した際の役割集中的な考えの立ち回りとガン積み展開の使い方も少し難しいときがある。
例2
(アタッカー)+壁→トドロクツキ等
(例)(ハチマキカイリューorブエナもちアタッカー)+キュウコン(アローラ)+トドロクツキorオーガポン(かまど)
利点:例1ほど動きが固まっていないため、プレイングによってポケモンの強さを伸ばしやすい。あと、ブエナがトドロクツキに渡ったり、トドロクツキの型の自由度がある
難点:正しいチームの組み方をしたうえで、慣れがないとプレイングが追いつかないことがある
例3
スカーフトリックできるポケモン+耐久を使った動きが可能なポケモン+トドロクツキ
利点:2と同様にポテンシャルを引き出せる並びになりやすい&カスタマイズ性あり
難点:壁と合わせる調整が生かしにくい。また、トリックを刺す動きを主に活用したいときに、オーガポン構築の流行り方次第でそれを成立させる方法を探るのが難しくなる恐れがある
ここで一旦論を区切らせていただきます。
ここまでの閲覧ありがとうございました!