はじめに
こんにちは。マグロの刺身です。
今回はゴリランダーゴリランダーの育成論を書いていきます。
今作のゴリランダーは、前作で猛威を振るった「グラススライダー」を始めとする主要な技を没収されてしまったため、前作よりも使用率がかなり低くなっています。
ですが、今作のゴリランダーが全く活躍できないわけではありません。
確かに没収された技は多いですが、全体的に高めな種族値や専用技「ドラムアタック」、優秀な技「はたきおとす」は健在です。
今回は、そんな「グラススライダー」を覚えなくなったゴリランダーの素早さを補うために、こだわりスカーフを持たせた型を紹介していきます。
ゴリランダーの魅力が伝わるように書いていきますので、ぜひ最後まで見ていってください。
注意点
- この育成論は非公式の用語を使用しています。なるべく一般的に使われている用語を使用していますが、わかりにくい用語があればコメント欄でいただけるとありがたいです。
- 個体値はすべて理想個体とします。
- ダメージ計算はダメージ計算SV for ポケモン スカーレットバイオレットを使用しています。
- この育成論はレギュレーションDを想定しています。
- 質問やアドバイスがあればぜひコメント欄によろしくお願いします。
コンセプト
実質グラスラ/高速草打点
「もしゴリランダーがグラスラを覚えていたら強かっただろうな」を実際に再現することをコンセプトとしています。
読まれにくい高速草打点でハバタクカミパオジアンウーラオス(いちげき)テツノツツミ等に対して有利をとることができます。
奇襲だけでなく、とんぼがえりによる対面操作やドラムアタック・はたきおとすで相手に負荷をかける動きもとれるため、できることが多いです。
サイクル構築の先発要員想定です。
強み
この型のゴリランダーの強みは主に4つです。
- 奇襲性能
- 優秀な追加効果を持つ技を覚える
- そこそこ耐久がある
- とんぼがえりによる対面操作
奇襲性能
7/23現在、ゴリランダーのこだわりスカーフ採用率は5.3%と少なめです。
そのため、ゴリランダーの高速草技は非常に読まれにくく、相手に奇襲をかけることができます。
相手が「水ウーラオス(いちげき)テツノツツミハバタクカミ」のようなスカーフゴリランダーを考慮しない選出をすることも意外と多いです。
そのようなパーティーにはドラムアタックを撃っているだけで勝つことができます。
優秀な追加効果を持つ技を覚える
ゴリランダーは専用技「ドラムアタック」や覚えるポケモンが意外と少ない「はたきおとす」を覚えます。
ドラムアタック
タイプくさ 威力80 物理技
100%の確率で相手の『すばやさ』ランクを1段階下げる。
はたきおとす
タイプあく 威力65 物理技
相手が道具を持っている場合、ダメージが1.5倍になり、さらに道具を持っていない状態にする。
この2つの技は追加効果がとても強力です。
そのため、草技・悪技を受けようと交換してきた相手(ランドロス(霊獣)ヌメルゴン(ヒスイ)サンダーボルトロス(霊獣)イーユイ等)に対して確実に負荷(Sダウンor持ち物ロスト)をかけることができます。
ここで負荷をかけることで、今後のサイクルを有利に進めることができます。
そこそこ耐久がある
ゴリランダーはH100-B90-D70とそこそこ耐久があります。
そのため、少し耐久に振るだけ(H92振り)で以下のような攻撃を耐えることができます。
そのため、相手がこだわりスカーフ持ちやブーストエナジー持ちであったとしても、相手の攻撃を耐えてから反撃をすることが可能です。
とんぼがえりによる対面操作
もし初手に不利な相手が来てしまったとしてもとんぼがえりで逃げることができます。
特に、初手に出てきたカイリューカイリューのマルチスケイルやパオジアンのきあいのタスキを剝がすことができるのは大きなメリットです。
差別化
ゴリランダーと同じく草タイプで「はたきおとす」と「とんぼがえり」を覚えるポケモンにマスカーニャジュナイパージュナイパー(ヒスイ)がいます。
この中でも特にこだわりスカーフ持ちのマスカーニャマスカーニャはスカーフゴリランダーと似た役割を持つポケモンです。
それぞれの長所は下記の通りです。
スカーフマスカーニャのメリット
- Sが早い
S種族値が123のため、こだわりスカーフ持ちのウーラオス(いちげき)などの環境ポケモンを抜くことができます。
- 実質的な攻撃力が高い
マスカーニャのAが110、ゴリランダーのAが125と攻撃種族値だけで言えばゴリランダーの方が高いですが、マスカーニャの特性「へんげんじざい」により実質的な攻撃力はマスカーニャの方が上回っています。
また、ゴリランダーと同じタイプである草技に関しても、トリックフラワーの確定急所を考慮するとマスカーニャの方が火力が高いです。
- じゃれつくを覚える
草・悪技を半減してくるドラゴンタイプや悪タイプに刺さる技です。
タイプ一致+威力もそこそこあるため、メインウエポン感覚で使うことができます。
- トリックを覚える
こだわりスカーフと相性が良い技です。
こだわりスカーフをトリックすることで耐久ポケモン(クレセリアドオーキョジオーン等)の動きを制限することができます。
スカーフゴリランダーのメリット
- ドラムアタックの追加効果
確定Sダウンの追加効果により、草技を半減で受けようと交代してきたポケモンに負荷をかけることができます。
- 耐久力
ゴリランダーH100-B90-D70
マスカーニャH76-B70-D70
このように耐久力に関してはゴリランダーの方が少し上回っています。
この耐久力のおかげで、ブーストエナジー持ちのハバタクカミハバタクカミテツノツツミテツノツツミの技を耐えてから反撃で倒すことが可能です。
(マスカーニャの耐久調整次第では、臆病テツノツツミ抜き&臆病テツノツツミのフリーズドライ耐えを達成することができるため、一概にゴリランダーが勝っているとは言えないかもしれません)
- 耐性
ゴリランダーはマスカーニャの弱点であるフェアリー・格闘が等倍です。
そのため、ハバタクカミハバタクカミのムーンフォースやキノガッサキノガッサのマッハパンチを余裕を持って耐えることができます。
また、虫技が4倍ではなく2倍弱点のため、相手のスカーフとんぼがえりも耐えることができます。
(最速スカーフマスカーニャの場合、殆どの相手より先に行動できるため、スカーフとんぼがえりを4倍弱点で受けることはあまりないですが)
- 読まれにくい
マスカーニャのスカーフ採用率は42.2%(7/23現在)と高めであり読まれやすいですが、ゴリランダーのスカーフ採用率は5.4%と少ないため読まれにくいです。
- 後続のサポートができる(特性「グラスメイカー」の場合)
場をグラスフィールドにすることで、後続の耐久ポケモンや地面弱点のポケモンをサポートすることができます。
特に地面弱点の耐久ポケモン(ヒードランヌメルゴン(ヒスイ)ドオー等)と相性が良いです。
攻撃力・素早さ・スカーフトリックを重要視するならマスカーニャ
素早さ操作・耐久力・グラスフィールドを重要視するならゴリランダー
を選びましょう。
持ち物
こだわりスカーフ
コンセプト上確定です。
こだわりスカーフを持つことでハバタクカミカイリューパオジアンウーラオス(いちげき)テツノツツミ等のポケモンに上から攻撃ができます。
特性
候補1 グラスフィールド
一般的によく使われるゴリランダーの特性です。
草技の威力を1.3倍にすることができる点、後続の地面弱点のポケモンをサポートできる点がメリットです。
また、自分が炎テラス・岩テラスをする際はゴリランダー自身が地面弱点になるため相性が良いです。
一方でデメリットもあります。
それについては次の項目で説明します。
候補2 しんりょく
一般的にあまり使われない方の特性です。
「HPが1/3以下の時、『ミノマダム(くさき)』タイプの技の威力が1.5倍になる。」という効果がありますが、あまり役に立つ機会はありません。
どちらかと言えば、グラスメイカーのデメリットを消すために採用される特性です。
グラスメイカーのデメリット(しんりょくのメリット)は以下の2つです。
場に出たときに発動する特性(ゴリランダーのグラスメイカーやパオジアンのわざわいのつるぎ、ブーストエナジー持ちハバタクカミのこだいかっせい等)は素早さが早い順に発動します。(一部例外あり)
そのため、こだわりスカーフゴリランダーの特性をグラスメイカーにしてしまうと、ハバタクカミパオジアンの特性よりも先にゴリランダーの特性が発動した時点で、「ゴリランダーの方が早い=こだわりスカーフ持ちである」ことが相手にバレてしまいます。
スカーフがバレたからといって即座に不利になることはあまりありませんが、相手に情報アドバンテージを与えてしまうのは大きなデメリットです。
- 「じしん」が使えない
グラスフィールドの効果「技『じしん』『じならし』『マグニチュード』の受けるダメージが半減する」は相手だけでなく、自分にも適用されます。
そのため、ゴリランダーや後続のポケモンもこれらの技を使用するとダメージが半減してしまいます。
この中でも特に「じしん」はよく使う技のため、ダメージが半減してしまうのはかなり痛いです。
前作のゴリランダーはグラスフィールド化でも半減されない威力95の地面技「10まんばりき」を覚えたのですが、今作では覚えなくなってしまいました。
代わりの技として「じだんだ」がありますが、威力が基本75と低めなのがネックです。
また、ゴリランダーに地面技を覚えさせない場合でも、後続のポケモンに「じしん」を採用しにくくなるのは大きなデメリットです。
しんりょくにもメリットはありますが、グラスフィールドの効果が強力であるため、この育成論ではグラスメイカーをメインの候補としています。
性格・努力値と調整
調整1 ようき H92 A252 S164
H:臆病テツノツツミのフリーズドライ確定耐え
A:できるだけ高く
S:最速テツノツツミ抜き
テツノツツミテツノツツミを強く意識した調整です。
この調整で、環境にいるテツノツツミほぼ全てに対面から勝つことができます。
この育成論ではこの調整を前提として説明しています。
調整2 ようき A252 D4 S252
シンプルなAS振りです。
ドラパルトドラパルトの上を取りたい場合や、S85族付近のスカーフ持ちポケモン(サーフゴーウォッシュロトムバサギリ等)に素早さで負けたくない場合はこの調整がおすすめです。
技構成
ドラムアタック はたきおとす とんぼがえり 選択枠
- 確定技
ドラムアタック
タイプ一致で撃てるメインウエポンです。
確定で相手の素早さを下げる追加効果がとても優秀です。
非接触技のため、ゴツゴツメットや特性さめはだ・せいでんきが発動しない点も覚えておくと役に立ちます。
はたきおとす
相手の持ち物を無効化することができる技です。
受け出しをしようとしてきた相手にも確実に負荷をかけることができます。
相手の道具を叩き落とした後・相手が道具を消費した後はただの威力が低い悪技になってしまうのがデメリットです。
とんぼがえり
初手で不利対面になった時に使う技です。
カイリューカイリューのマルチスケイルやきあいのタスキを剝がしながら交換ができるのが便利です。
- 選択枠
けたぐり
パオジアンヒードランヌメルゴン(ヒスイ)セグレイブなどに撃つための技です。
重いポケモンには威力が出ますが、軽いポケモン(イーユイマスカーニャ等)には威力が出ないことがデメリットです。
他の格闘技と選択です。
アームハンマー
威力が100で一定の格闘技です。
けたぐりと違い、軽いポケモンにも威力が出ます。
自分の素早さが下がってしまうため、連発はしにくいです。
また、命中率が90%なのもデメリットです。
他の格闘技と選択です。
テラバースト
自分の好きなタイプの技を撃てるようになります。
岩・炎・氷タイプなどが候補です。
ウッドハンマー
ドラムアタックでは倒しきれない敵を倒すことができます。
終盤のスイーブ用の技としても優秀です。
じしん(特性しんりょくの場合)
威力100の地面技です。
格闘技と範囲が似ていますが、毒タイプ(オオニューラドオーヤドキング(ガラル))にも抜群を取れるのがじしん特有の良い点です。
特性グラスメイカーの場合、じしんの威力が半減されるため候補外としています。
その他にも「じならし」「ローキック」「かわらわり」「ドレインパンチ」「じだんだ」等も候補に入りますが、上記の技に比べると使用感が良くなかったため割愛します。
テラスタル
いわ
テラバーストでカイリューサンダーを始めとする飛行タイプへの打点を持てます。
防御面においても弱点の炎・毒・飛行を半減に抑えることができます。
しんそくを半減できるのも良いポイントです。
また、特性グラスメイカーとのシナジーもあります。
ほのお
テラバーストでサーフゴーマスカーニャハッサムモロバレルに打点を持てます。
格闘技・地面技と違い、草タイプに打点を持てるのが炎技の良い点です。
弱点の炎・虫・氷を半減に抑えることができます。
こちらも岩テラスと同じくグラスメイカーとのシナジーがあります。
はがね
弱点の虫・毒・飛行・氷を半減に抑えることができます。
炎弱点は変わらないため、そこはデメリットです。
みず
弱点の炎・氷を半減に抑えることができます。
水タイプは弱点が少ないため、テラスタルを切った後でも無難に扱いやすいです。
立ち回り例
先発での奇襲
ハバタクカミパオジアンウーラオス(いちげき)テツノツツミのいるパーティーに先発で投げて、相手の上から攻撃します。
もちろん相手がタスキやブーストエナジー持ちである場合もありますが、大体の場合はこちらが有利をとることができます。
それぞれのポケモンが先発で出てきたときの流れは以下の通りです。
- 対ハバタクカミハバタクカミ
基本ドラムアタック1,2回で倒すことができます。
相手がスカーフやブーストエナジー持ちだとしても、ドラムアタック1回で素早さが逆転すること、臆病メガネムーンフォースまでなら確定耐えすることもあり、攻撃技の撃ち合いで負けることはほぼないです。
しかし、あまえる持ちの場合は勝てないため、後続のポケモンに引くことになります。
- 対パオジアンパオジアン
初手に出てくるパオジアンはきあいのタスキ持ちが多いため、とんぼがえりでダメージを与えながら、後続のパオジアンに有利なポケモンへと繋ぐことが多いです。
こだわりスカーフ型の場合だけは何もできずに倒されてしまいます。
- 対ウーラオス(いちげき)ウーラオス
水の場合は基本ドラムアタック1,2回で倒すことができます。
こだわりスカーフ型はとんぼがえりで逃げられてしまいますが、きあいのタスキ型の場合は意地っ張りアイススピナー+アクアジェットを耐えるため勝つことができます。
悪の場合は基本勝てないため、とんぼがえりで逃げるかドラムアタック連打で後続のポケモンに繋げることが多いです。
- 対テツノツツミテツノツツミ
ドラムアタックで倒すことができます。
臆病フリーズドライであれば耐えるため、きあいのタスキ・ブーストエナジー持ちでも大体倒すことができます。
れいとうビームの場合は倒されてしまいますが、れいとうビーム持ちはこだわりメガネ型の場合が多いため、あまり撃たれる機会はなかったです。
終盤のスイーブ
先発で出した後、サイクルを回してから最後にスイーブ役としても機能することができます。
終盤のスイーブとして活躍するときは、ドラムアタックよりも岩・炎テラバーストやウッドハンマーを撃っているときが多かったです。
弱点
不利対面もとんぼがえりで逃げることができるため、何もできずに倒されることはほとんどありません。
しかし、パオジアンイーユイサンダーゲッコウガ等がこだわりスカーフを持っていた場合、何もできずに倒されてしまうことがあるため注意しましょう。
ダメージ計算
ゴリランダーは全て ようき H92 A252 で計算しています。
- 与ダメ
ドラムアタック(グラスフィールド時)
ハバタクカミB4
106.1~125.3% 確定1
水ウーラオス(いちげき)B4
99.4~117.7% 乱数1(93.7%)
水ウーラオス(いちげき)H252 B4
82.1~98.5% 確定2
テツノツツミB4
116.0~138.9% 確定1
はたきおとす
サーフゴーB4
69.1~82.7%(持ち物あり)
46.9~55.5%(持ち物なし)
サーフゴーH252 B4
57.7~69.0%(持ち物あり)
39.1~46.3%(持ち物なし)
とんぼがえり
パオジアン B4
59.3~70.9% 確定2
- 被ダメ
ハバタクカミ臆病C252
ムーンフォース
59.3~70.5% 確定2
パオジアン陽気A252
つららおとし
109.0~128.3% 確定1
ウーラオス(いちげき)A特化
アイススピナー
59.8~70.5% 確定2
ウーラオス(いちげき)ハチマキA特化
アイススピナー
88.7~104.8% 乱数1(31.2%)
テツノツツミ臆病C252
フリーズドライ
83.4~99.4% 確定2
相性の良い味方
- ヒードランヒードラン
単純に相性補完が良いです。
お互いの弱点を格闘を除いて全て半減することができます。
とりあえず迷ったらパーティーに入れてみるのがおすすめです。
- キョジオーンキョジオーン
弱点のじじんを半減できる点、グラスフィールドの回復で耐久しやすくなる点で相性が良いです。
はたきおとすでおんみつマントを叩き落としたりできる点もシナジーがあります。
※「おんみつマントってはたきおとすで叩き落とせるの?」と思う方もいるかもしれませんが、実は叩き落とせます
これらのポケモンと対面した際は、とんぼがえりで後続のポケモンに交換する展開になりがちです。
そのため、これらのポケモンに有利なポケモンは控えに用意しておくと良いです。
構築例
サンプルパーティーを掲載しておきます。
そこまで推敲しているパーティーではないため、あくまで参考程度でお願いします。
IDも公開しますので試しに使ってみたい方は是非使ってみてください。
少なくともレギュレーションD開催中は公開する予定です。
おわりに
最後まで見ていただきありがとうございます。
ゴリランダーは没収技が多いため今作では不遇なポケモンですが、まだまだ頑張ってほしいポケモンです。
是非スカーフゴリランダーを使ってみてください。