はじめに
はじめまして、ゼータと申します。
今回が初投稿となります。よろしくお願いします。
- この育成論は他の育成論でも使用されている非公式の用語や略称を使用しています。
- 指定がない場合個体値はV(31)とさせていただきます。
採用理由と役割
シーズン2の内容が発表され、早くもパラドックスポケモン達がランクマッチに参戦するのを見て、何かパラドックスポケモンで面白い型が作れないかと試行錯誤しておりました。
そんな中で可能性を見出だしたポケモンがトドロクツキトドロクツキです。
合計種族値590は600族に一歩及ばぬも非常に高く、かつCは55とスッパリ諦められる数値である為、相当に強いです。
ただ、それ即ち物理技で戦う事が基本となり読まれやすいとも言えます。
実用的な技はタイプ一致の竜・悪に加えて超・飛・炎・電・霊・鋼・闘・虫・岩・地・無の13タイプが放てます。威力80以上に絞っても、炎・電・霊が消えて10タイプ(ただし闘はボディプレスのみ)あるので優秀です。
役割は物理アタッカーで、先発もしくは他ポケモンが起点を作成した後に投げて「くらいつく」で対面を縛り、「りゅうのまい」を積めるだけ積んで殴るというシンプルなもの。それ故に苦手もはっきりしておりますので、後述する苦手なポケモンが相手の手持ちに見えたらトドロクツキを出すべきかどうかはしっかりと考えてください。選出と読み合いに自信があれば、相手の手持ちに苦手がいても活躍させる事は可能です。(当たり前ですが)
持ち物
ブーストエナジーです。
最初は「ドラゴンクロー」を「スケイルショット」に替え、いかさまダイスを持たせておりましたが、特性てんねん持ちを対策する為にブーストエナジーに変更しました。
「スケイルショット」も襷を貫通出来る為、ここは一長一短であるとは思います。
ブーストエナジーなら特性てんねんのラウドボーンラウドボーンとHD振りドオードオーを確定2発に出来ます。
「りゅうのまい」を積んで、さぁここから全抜きしようという場面で1体目を倒し、2体目として体力の削れていないラウドボーンやドオーを出されると「おにび」や「あくび」を入れられてしまう為、本来この2体は苦手です。
ですが、トドロクツキの起点作り技である「くらいつく」に受け出しされた場合は状況が一変し、逃げられない状態のドオーを上からもう一度「くらいつく」で倒してしまう事が出来ます。ラウドボーンはゴーストタイプであり、「逃げられない状態」にはならないですが、HPを半分以上削られたら引くか諦めるしかなくなるでしょう。
(注※もしもドオーがHB型であるなら、たとえトドロクツキのAを252振っても確定2発は取れません)
ただし、同じ特性てんねん持ちのヘイラッシャヘイラッシャだけは乱数5発であり非常に苦手なポケモンです。
〜追記(2023/02/02)〜
コメント欄にて きれいなぬけがら の案を頂きました。
ブーストエナジーの火力1.3倍が無くなる為、上記ラウドボーンやドオーへの確定2発は成立しなくなります。しかし、それを差し引いても本論とのシナジーは高いと判断し追記させて頂きます。
なお、本論のダメージ計算は全てブーストエナジーによって発動する特性の補正を考慮しておりますのでご了承ください。
『きれいなぬけがら』
持たせると、技や特性などの交代を封じる効果を受けず、必ず交代できるようになる。
「くらいつく」による互いに逃げられない状態であっても、自分だけ交代できるようになる。
ブーストエナジーは一度場に出たら消費される為、どうせ交代して無駄にするくらいなら「くらいつく」で互いに交代出来なくしてテラスタルも絡めて「りゅうのまい」を無理矢理にでも積むという考え方がベースにあります。
対して きれいなぬけがら は消費される事はないので「くらいつく」のリスクを軽減しつつ、サイクルも回しやすくなります。
火力が下がりますが使いやすさは向上し、かつ持ち物が他と被る可能性が格段に下がる為、こちらの道具もオススメです。
コメントくださった ぼみっきゅさま に感謝です。
特性
パラドックスポケモンは特性が1種類しかない為、確定です。
古代種の「こだいかっせい」及び未来種の「クォークチャージ」は一見するとランク補正のように思えますが、これはマリルリマリルリの特性ちからもち等と同じく特性の倍率としてランク補正とは別に計算されます。
また、特性による倍率である為、特性てんねんの影響を受けません。
気になる倍率ですが、Sのみ1.5倍、他は1.3倍となります。AとCが上昇した場合、ダメージ上昇の感覚は命の珠がもっとも近いですね。
性格・努力値と調整
努力値は「くらいつく」をして「はねやすめ」を絡めながら「りゅうのまい」を積むという立ち回りがしたい為、耐久力を高めるHに252振り、性格いじっぱりの補正と特性の倍率込みでラウドボーンとドオーを確定2発で落とせる最低ライン調整でAに20振り、最速ドラパルトドラパルト抜き調整でSに28振り、残りを無駄が無いようにBに204とDに4振っています。
BとDは逆にして特殊に強くしても良いです。
技構成
確定欄
「くらいつく」
コンセプトその1です。この技が当たると、以後は自分も相手も「逃げられない状態」になります。
詳しくは立ち回りで解説します。
「りゅうのまい」
コンセプトその2です。「くらいつく」で互いに交代出来なくして、テラスタルも絡めてこの技を積めるだけ積み、全抜きを狙います。
選択欄《補助技》
「はねやすめ」オススメ度【S】
上記「りゅうのまい」を積む段階でHPの回復をする事で6積みすら可能にします。選択技のもう1枠は攻撃技である事が好ましい為、この技を選択すると起点作成ポケモンに弱くなります。
「ちょうはつ」オススメ度【B】
こちらは起点作成ポケモンに強くなりますが、このトドロクツキはSの実数値を143に調整している為、「りゅうのまい」を積んでいなければ最速80族や準速92族に抜かれてしまいます。
具体的には準速デカヌチャンデカヌチャンや準速ミミッキュミミッキュ、最速キラフロルキラフロルと先発同士で対面しても上から「ちょうはつ」する事は出来ません。
基本的には初手「くらいつく」に対して相手の先発が引いて、これらのポケモンが受け出しされた場合に輝く技、もしくはS種族値78以下との先発対面に初手撃ちする事になると思います。
「みがわり」オススメ度【C】
上記2つの技よりは優先度が低いですが、この技も一考の余地有りです。ただ、やはりもう1枠は攻撃技が好ましい為、回復手段無しでHPを削る技は悪手になる場面が多いかなと思います。
選択欄《攻撃技》
「ドラゴンクロー」オススメ度【A】
タイプ一致のメインウェポンです。悪技はタイプ一致で威力80の命中100である「くらいつく」があるので、もう一つのタイプ一致技はこれが一番オススメです。
「スケイルショット」オススメ度【B】
タイプ一致のドラゴン技で2〜5回当たる技です。その為全抜きの過程で襷を崩すのに役立ちます。また、追加効果でB↓S↑もあり、「りゅうのまい」以外でもダメージを与えつつSを上げるという択が取れます。命中は90と多少不安です。
「アイアンヘッド」オススメ度【B】
後程紹介しますが、この型はテラスタルを切る事が非常に多く、そのテラスタイプは鋼である為、これも擬似的なタイプ一致技となります。上記2つよりも弱点をつける範囲が広くなる為、こちらも十分に有りです。
〜追記(2023/02/05)〜
コメント欄にて相性の良い技を提案して頂きましたのでご紹介します。
「ワイドブレイカー」オススメ度【A】
タイプ一致のドラゴン技です。威力60の命中100で上記「ドラゴンクロー」より威力で負けますが、追加効果で100%の確率で相手のAを一段階下げます。
「くらいつく」型のトドロクツキはSに努力値を振った「ちょうはつ」採用の受けポケモンを起点にする型が多いです。
対して耐久に努力値を割いた本論のトドロクツキは「ワイドブレイカー」を採用する事で受けポケモンの代わりに物理アタッカーを起点にしやすくなります。
コメントくださった Aさま ありがとうございました。
「その他」オススメ度【C】
「しねんのずつき」「じしん」「ストーンエッジ」等多様なタイプの技を覚えます。ですが、今回の育成論では枠が少ない事から優先度は低いです。
テラスタル
鋼です。トドロクツキはドラゴン/悪というタイプであり、対面にフェアリーを呼びやすいです。
先発トドロクツキに対してフェアリータイプに交代される事は非常に多く、そこに初手「くらいつく」が決まると対面が固定されます。
どう見ても不利な対面ですが、相手がフェアリーなら鋼テラスタルを切る事で強引に「りゅうのまい」を積めるようになります。
しかし、「ばかぢから」を搭載したマリルリにはテラスタルをしても倒されてしまいますので相手の手持ちに見えたら警戒してください。
「くらいつく」&「りゅうのまい」は決まれば強いですが“互いに”「逃げられない状態」は非常にリスキーであり、それをテラスタル込みで決まりやすくするというコンセプトです。
欠点は試合の早い段階でテラスタルを切ってしまう事ですね。
立ち回り例
技構成は「くらいつく」「ドラゴンクロー」「はねやすめ」「りゅうのまい」で解説します。
基本的にトドロクツキは先発で出します。相手がこちらの上を取れるドラゴンやフェアリーならテラスタルをして「くらいつく」を選択。そうでない場合でも明らかな不利でなければ「くらいつく」を選択。
これにより互いに「逃げられない状態」となりますので、「りゅうのまい」と「はねやすめ」で積めるだけ積んで下さい。
ただし、相手がテラスタル前にも後にも弱点をつける技があった場合、もしくは交代技を搭載していた場合はそれぞれ立ち回りが変わります。
前者であるなら大人しく引いてください。先に挙げたマリルリの他に地面技を持つガブリアスガブリアスやセグレイブセグレイブ、「ほのおのパンチ」搭載のカイリューが当てはまります。他にもこれは要注意というポケモンがあれば教えて頂けると助かります。
後者は「とんぼがえり」や「ふきとばし」等ですね。「とんぼがえり」等の相手が交代する技は「りゅうのまい」を多少は積めるチャンスがありますが、「ふきとばし」等のこちらが交代する技は「りゅうのまい」を積むどころかブーストエナジーをも無駄にされる為相性最悪です。
良くも悪くも、この型のトドロクツキは喰らい付いた相手に大きく左右される為、選出段階から試合中まで、終始読みの力は必要です。ただ、そもそも高い種族値による地力もあるポケモンなのでサイクル戦でも活躍させる事は出来ますし、クルクルとサイクルを回しながら隙あらば「くらいつく」で試合展開をぶったぎる事も可能です。
それを見越すなら持ち物はブーストエナジー以外にしても良いですね。
与ダメージ計算
「くらいつく」【てんねん持ち】
HBヘイラッシャ……16.7〜20.2%
HBラウドボーン……60.2〜71.6%
HBドオー……36.3〜42.7%
HDドオー……56.2〜65.9%
★HBラウドボーンとHDドオーは食べ残しを持っていても確定2発です。
「くらいつく」【ゴースト】
H4ドラパルト……133.0〜158.6%
H4ゲンガー……194.9〜229.5%
H4サーフゴー……111.7〜133.8%
H極サーフゴー……93.9〜112.4%(乱数68.75%)
HBサーフゴー……68.6〜80.5%
H4ミミッキュ……91.4〜108.7%(ばけのかわ発動後・乱数43.75%)
H極ミミッキュ……74.0〜88.1%(ばけのかわ発動後)
★「くらいつく」はゴーストには「逃げられない状態」は無効なので倒せるなら一撃で倒したいです。しかし、S無振りサーフゴーでもなければ主要なゴーストタイプには上を取られているため、先発対面した場合は逃げ安定。相手がミミッキュを受け出した場合、H4でもワンパンは4割強程度で分が悪いです。
- 以下、メジャーポケモン別の「くらいつく」「ドラゴンクロー」で見た確定1発に必要な「りゅうのまい」の積み回数とダメージ計算です。
H4サザンドラ
無積み「ドラゴンクロー」……113.1〜134.6%
H極サザンドラ
無積み「ドラゴンクロー」……95.5〜113.6%(乱数68.75%)
1積み「ドラゴンクロー」……142.3〜169.9%
H4ガブリアス
無積み「ドラゴンクロー」……99.0〜118.5%(乱数93.75%)
1積み「ドラゴンクロー」……148.4〜175.0%
HBガブリアス
無積み「ドラゴンクロー」……61.9〜72.6%
2積み「ドラゴンクロー」……121.0〜142.8%
H4カイリュー【マルチスケイル】
無積み「ドラゴンクロー」……54.5〜65.3%
2積み「ドラゴンクロー」……108.4〜128.2%
無積み「くらいつく」……27.0〜33.0%
6積み「くらいつく」……108.4〜127.6%
HBカイリュー【マルチスケイル】
無積み「ドラゴンクロー」……33.4〜39.4%
5積み「ドラゴンクロー」……114.7〜135.9%
無積み「くらいつく」……16.7〜19.7
6積み「くらいつく」……65.2〜77.3%
★カイリューはフェアリーテラスタルしてくる可能性がサザンドラやガブリアスより高い為、「くらいつく」でも計算してます。本当にフェアリーになられたら「くらいつく」も半減なので「アイアンヘッド」しか確定1発は取れません。ですが、フェアリーになる型のカイリューはトドロクツキを確定1発で落とせる技は持ってない可能性も非常に高い為、5積み以上積めていれば2度目の「くらいつく」で落とせます。
HBサーフゴー
無積み「くらいつく」……68.6〜80.5%
1積み「くらいつく」……102.1〜120.7%
HBアーマーガア
無積み「くらいつく」……30.3〜36.1%
5積み「くらいつく」……103.5〜122.5%
HBドオー【ちょすい】
無積み「くらいつく」……36.3〜42.7%
4積み「くらいつく」……106.8〜126.6%
素早さ比較
「りゅうのまい」の積み回数による上を取れるようになるメジャーポケモンの目安です。
無積み【S実数値143】
最速78や準速91と同速。最速キノガッサやニンフィア、マリルリは抜いてます。
1積み【S実数値214】
最速ドラパルト1抜き
2積み【S実数値286】
スカーフガブリアスやスカーフサザンドラ、スカーフ準速マスカーニャを抜いてますが、スカーフ最速マスカーニャには2ほど負けてます。
3積み【S実数値357】
スカーフ最速ドラパルトすら抜いてます。全抜きで万が一すらケアするなら最低でも3積みは欲しいですね。どれだけ早くても先制技には勝てませんが……
被ダメージ計算
メガネサザンドラ「りゅうせいぐん」
【鋼テラスタル受け】……41.6〜49.1%
ハチマキカイリュー「げきりん」
【鋼テラスタル受け】……42.0〜49.6%
命の珠カイリュー「ドラゴンクロー」
【鋼テラスタル受け】……24.0〜28.8%
からの「ほのおのパンチ」……61.4〜72.2%(上と合わせて85.4〜101.0%)
命の珠マリルリ「じゃれつく」
【鋼テラスタル受け】……27.4〜32.5%
からの「ばかぢから」……96.7〜115.1%(上と合わせて124.1〜147.6%)
苦手なポケモン
特性てんねん持ちのヘイラッシャ
テラスタル前と後の両方で弱点をつけるカイリューやマリルリ等
「ふきとばし」「ほえる」「ドラゴンテール」等のこちらを交代させる技を持つポケモンカバルドンカバルドンやステロまきびし型のガブリアス等
相性の良い味方・構築例
個人的には引き先になれて「ステルスロック」や「あくび」が撃てるドオーは相性が良いと感じました。
他に「すてぜりふ」や「おきみやげ」など、一般的な積みエースの起点となり得る技を使えるポケモンはやはり相性が良いと思います。
〜追記(2023/02/06)〜
【ブーストエナジー及び特性の仕様について】
- 1 天候が晴れ(特性クォークチャージなら場がエレキフィールド)の時に特性こだいかっせい(もしくは特性クォークチャージ)のポケモンを出すとブーストエナジーは消費されない。
- 2「ステルスロック」や「まきびし」のダメージ、「どくびし」による状態異常を受けるとブーストエナジーの処理がその次に割って入る。この場合、1の条件を満たしていても処理の順番の都合上、ブーストエナジーが消費される。
- 3 1の条件で晴れ(もしくはエレキフィールド)の効果が切れた際、一度特性の効果で上昇している能力は元に戻る。その後、即ブーストエナジーを消費して能力が上昇する。
- 4 特性こだいかっせい(もしくは特性クォークチャージ)のポケモンが持つブーストエナジーは「トリック」「すりかえ」「ほしがる」「どろぼう」で奪われず「はたきおとす」のダメージも1.5倍にならずにブーストエナジーを失わない。「きょうせい」で譲渡も出来ず「なげつける」は失敗する。特性マジシャンや特性わるいてぐせ でも奪われない。
- 5 同時に複数のポケモンが場に出た時は2の条件を満たさない場合、特性いかく等の場に出た時に発動する特性の中では発動優先順位が遅い。
- 6 上昇する能力は特性発動時にランク補正も計算した状態で最も高い能力となる。当育成論に限らず、パラドックスポケモンの育成論の通りに育成したとしても、例えばクエスパトラクエスパトラの加速バトンを併用した場合等に上昇する能力が変わる事がある。また、5をふまえると特性いかく等によって能力ランクが変動した場合も上昇する能力が変わる事がある。
- 7 3の処理が行われる際、能力ランクが変動していれば場に出た時と別の能力が上昇する事がある。
- 8 能力の数値が同じものが複数ある場合、A>B>C>D>Sの優先順位で能力が上昇する。また、Hは一番高くても上昇しない。
- 9 特性こだいかっせい(及び特性クォークチャージ)は特性を変更されたり消されたりしない。
終わりに
ここまで目を通してくださりありがとうございました。
何か不備や気付いた事などありましたらコメント頂けると助かります。
ダメージ計算においても追加してほしいポケモンなどありましたら、こちらもコメントして頂けたら随時追加致します。