注意
1. この育成論は2022年12月〜2023年1月のランクマッチにおける「シングルバトル シリーズ1」を想定し、登場するすべてのポケモンは理想個体を前提とする。
2. HABCDS等の略称を用いる。
3. 「採用理由および差別化など」「仮想敵」の表記を除き、ステータスの数値は、基本的に実数値にて表記を行う。
4. 当育成論のダメージ計算は、アプリ「VS SV」様のダメージ計算ツールを利用したものである。(制作者のRyuji Yamakawaさん、ありがとうございます。)
採用理由および差別化など
1. 高火力の一致格闘打点を扱える
環境に多くいるであろうキョジオーンやドドゲザンやブラッキー相手に、有効打を持てる。
今回はその中でブラッキー(HB特化型)を鉢巻込で確定1発に出来る程度の火力を持つことを条件とした。
2. 相手に状態異常技の使用を躊躇わせる効果が期待できる
特性「根性」を用いた火炎玉型が有名である(2023.01.04時点でポケ徹内の育成論および構築記事での採用率が66.6%という高い数値である)ことから、逆説的に相手の状態異常技の使用を牽制できる。
仮に鬼火や電磁波を撃たれた場合、もしくはそれ読みで繰り出した場合は、それを利用し火力を大幅に上げることが可能という点も優秀である。
3. 技「地獄突き」及び「岩技(岩石封じ等)」を習得できる
これらの技を用いることで、格闘タイプが誘い易い霊タイプや飛行タイプへの回答が持てる他、場合によっては相手PTのサイクルを崩すことも可能となる。
特に地獄突きは、音技を用いるポケモン(ラウドボーン等)の型次第では機能停止に追い込むことが可能な上、場合によっては処理することも狙える。
この時点で1〜3の要素を満たすポケモンは2023.01.04時点のSV環境においてヘラクロスのみである為、差別化は終了とする。
4. ある程度の選出誘導力(主に霊や飛行を誘う)を持つ
採用理由3と若干被るが、格闘や虫を両方とも半減に出来るポケモン(主に霊タイプや飛行タイプ)を誘うことから、構築単位で他悪タイプのポケモン等を活躍させたい場合でも採用を検討できる。
5. (鉢巻の採用理由)瞬間火力がある
根性火炎玉型ASヘラクロス採用時の欠点として、場に出した直後は火力が高くない、耐久性が不足している点が挙げられる。
欠点が響く具体例としては、先発等の偶然対面時にブラッキーや鋼or悪テラスタルしたドドゲザンを相手した際、すんなり処理ができない(特にドドゲザンの場合は返り討ちにされる可能性がある)、という問題がある。
そういったシーンにおいては、鉢巻を採用することで仮想敵の素早い処理が可能となる。この点は、火炎玉型と比較して大きく優っていると捉えられる。
6. ある程度の対面性能がある
耐久調整(項目『調整』を参照)と技構成の副産物だが、物理耐久はA特化ドラパルトの鉢巻ドラゴンアロー、特殊耐久は珠サザンドラの大文字、それぞれを高確率で耐える。
このことから、一致弱点を突かれない限り、一撃は相手の攻撃を耐え、高い攻撃力を活かした打点を与えられるだろう確率が高い。
1〜6より、このポケモンは、
・主に格闘が弱点のポケモンを素早く倒せる
・対面ならラウドボーンにも強く出れる物理アタッカーである
・毒や火傷や麻痺といった状態異常を扱う相手に強く出れる
・霊や飛行へ弱点を突ける味方ポケモンを活かし易くなる
・そこそこの耐久を活かして相手を削ることが出来る
これらの長所を備えた、ある程度の対面性能を持ったポケモンと言える。
調整
補正:A↑C↓
特性:根性
持ち物:拘り鉢巻
個体値:H31 A31 B31 Cx D31 S31(31の箇所は王冠で代用可能)
努力値:H252 A116 B44 D44 S52
実数値:H187 A176 B101 Cx D121 S112
技構成:インファイト/地獄突き/岩石封じ/選択技(確定欄では地震を採用)
テラスタル:岩
A176:
・H202B178ブラッキー インファイト 確1(100.9%〜118.8%)
上記を達成できる数値までAを確保
H187B101:
・A189ドラパルト 鉢巻ドラゴンアロー 乱1(1.17%)
H187D121:
・C177サザンドラ 珠大文字 乱1(6.25%)
S112:
・岩石封じ×1回で最速100族+1
・無振86族+6
☆
技構成は、採用理由1と3を満たす為に、「インファイト/地獄突き/岩技(今回は岩石封じを確定欄とした)」までは確定。
詳しくは後述の『確定技』『岩技選択』『選択技』を参照。
調整として、まず採用理由1を満たすAの数値を設定。(A補正&116振り)
次に採用理由3の長所を補強する為、岩石封じ込で最速100族抜きの素早さに設定。(52振り)
S調整の副産物として、採用理由外ではあるが、多くのFCロトムの上から行動が出来るようになった。(FCロトムの処理ルートを増やせる。)
残り(340)は耐久に割り振り、本来勝てない相手(主にドラパルトおよびサザンドラ)に勝てる可能性を作る調整とし、完成。
テラスタルは岩タイプを採用。
「炎や飛行技を主体として戦う相手への切り替えし手段となりえる」
「元タイプとの相性補完が良く、テラスタル時に弱点を突かれにくい」
「岩技の火力上昇により、主に対飛行タイプ性能が上がる(より飛行タイプの繰り出しに強くなる)」
が主な理由。
その他候補としては格闘や悪があるが、これら岩の利点を差し置いて採用する理由が薄い為、候補止まりとした。
どうしても一致格闘技の威力を上げたい場合や、悪技を強化してサーフゴー等の霊を素早く処理したい、という場合には一考の余地がある。
確定技
インファイト
命中安定かつ常時高火力の一致格闘技。
他候補格闘技にはこれと同等以上の性能を持つ技は無い為、確定とした。
地獄突き
音技を使えなくする追加効果を持つ威力80の悪技。
多くの物理アタッカーが苦手とすることから採用率が高いラウドボーンに勝てる可能性が生まれる強い利点を持つ為、確定とした。
岩技選択
岩石封じ
私感込みで確定欄。ある意味インファイトや地獄突き以上に選択した技。
S調整の結果、相手飛行タイプ繰り出し時に岩封、続けて岩封を当てて撃破、という流れが散見された。
命中率が95と岩技の中で最も高い点、仮にヘラクロスが倒れた場合も後続支援が出来る点も評価。
ロックブラスト
岩技の中では次点候補。
連続攻撃である為、カイリューのマルチスケイルを貫通して1ターンで倒す可能性がある。
他、身代りを割りながらダメージを与えたり、役割対象外ではあるがミミッキュの化けの皮を剥ぎながらダメージを与えたりすることが可能。
岩雪崩より期待値が高く、ストーンエッジより命中率が高い。
岩雪崩
ストーンエッジ
岩雪崩は火力と追加効果が足りない。
ストーンエッジは机上において優秀な技だが、外す。体感命中80%とは思えない程、外す。とにかく外す。勇気ある人は選択されたし。
選択技
各々がパーティに応じて必要な技を選択すると良い。
地震
主にドオー意識。
命中および威力が安定していることもあり、扱い易さがあることから、暫定として確定欄としている。
種マシンガン
主にヘイラッシャ意識だが、H257B183ヘイラッシャ相手の身代りが2発命中で壊れない場合がある為、優先度が下がった。
メガホーン
一致120技であり火力は十分高い。
ただし命中が80と不安定である他、環境にいるポケモンでこの技を必要とする相手が少ない(ヤドラン程度)為に候補止まり。
各種ダメージ計算一覧(確定欄調整)
ダメージ計算はある程度のものを記述。追記の要望はコメントまで。確認後、追記の可否を検討。
また、「実数値」「ポケモンのアイコン」「テラスタルタイプ」の順に記述。
・A
インファイト
H207B150キョジオーン (-) 確1(236〜282)(114.0%〜136.2%)
H207B200キョジオーン (-)12.5%の乱1(180〜212)(86.9%〜102.4%)(ステロ込で93.75%の乱1)
H207B140ドドゲザン (悪) 確1(254〜302)(122.7%〜145.8%)
H202B178ブラッキー (-) 確1(204〜240)(100.9%〜118.8%)
H157B127ウォッシュロトム (-) 37.5%の乱1(141〜166)(89.8%〜105.7%)(ステロ込で確1)
H167B110サザンドラ (炎) 81.25%の乱1(162〜192)(97.0%〜114.9%)
地獄突き
H163B96ドラパルト (-) 確1(166〜196)(101.8%〜120.2%)
H211B167ラウドボーン (-) 40.62%の乱2(96〜114)(45.4%〜54.0%)
H193B116サーフゴー (-) 確2(138〜164)(71.5%〜84.9%)
岩石封じ
H171B100ボーマンダ (-) A-1時 76.17%の乱2(80〜96)(46.7%〜56.1%)(テラス岩込で確2)
H171B100ボーマンダ (-) A-1時(岩テラス) 確2(120〜144)(70.5%〜84.7%)
H167B115カイリュー(特性有) (-) 78.1%の乱3(52〜62)(31.1%〜37.1%)
H167B115カイリュー(特性無) (-) (岩テラス) 62.5%の乱1(156〜186)(93.4%〜111.3%)
H192B128ウルガモス (-) 93.75%の乱1(188〜224)(97.9%〜116.6%)
地震
H237B123ドオー (-) 確2(162〜192)(68.3%〜81.0%)
種マシンガン
H257B183ヘイラッシャ (-) 乱8(28〜34)(10.8%〜13.2%)×2〜5発
メガホーン
H202B178ヤドラン (-) 確1(204〜240)(100.9%〜118.8%)
・H-B
A205ドドゲザン (-)
不意打ち 乱4(40〜48)(21.3%〜25.6%)
ドゲザン 確4(48〜57)(25.6%〜30.4%)
アイアンヘッド 98.43%の乱2(93〜109)(49.7%〜58.2%)
A176ブラッキー (-)
イカサマ 99.96%の乱4(46〜55)(24.5%〜29.4%)
A204カイリュー (無)
鉢巻神速 確2(136〜162)(72.7%〜86.6%)(岩テラスの場合半減)
A189ドラパルト (-)
鉢巻ドラゴンアロー 1.17%の乱1(158〜188)(84.4%〜100.5%)
・H-D
C131ラウドボーン (-)
シャドーボール 確4(51〜60)(27.2%〜32.0%)
C203サーフゴー (-)
シャドーボール 確3(76〜91)(40.6%〜48.6%)
ゴールドラッシュ 確2(114〜135)(60.9%〜72.1%)
C177サザンドラ (-)
珠大文字 6.25%の乱1(159〜187)(85.0%〜100.0%)
眼鏡流星群 12.5%の乱1(160〜190)(85.5%〜101.6%)
C205ウルガモス (-)
炎の舞 確2(152〜182)(81.2%〜97.3%)
火炎放射 56.25%の乱1(174〜206)(93.0%〜110.1%)
※
参考程度。
ウルガモス繰り出し読みで岩技を撃ち、処理することをお勧めする。
テラスタル無しの状態では、なるべく対面では戦わないこと。
仮想敵(一例)
相手の繰り出し読みやテラスタルを絡めた場合に処理が狙える相手
ボーマンダ、ギャラドス、サザンドラ、カイリュー、ヒートロトム、ウルガモス
対面からの処理を狙える主な相手
ドドゲザン、キョジオーン、ブラッキー、バンギラス、ラウドボーン、ラッキー
(参考)別ポケモンでステルスロックを事前に撒くと確定数が変わり、更に有利となる相手
スピンロトム以外のFCロトム(特にHCベース)、キョジオーン(HB特化)
(参考)麻痺等のS操作を絡めることで対面時の有利不利が変化する主な相手
マスカーニャ、ドラパルト、エースバーン、ゲンガー、サザンドラ、セグレイブ
注意点等
〜繰り出すタイミング〜
1. 先発or死に出し
2. 麻痺や火傷や毒といった状態異常技を読んで繰り出す
3. 半減技or耐久ポケモンの攻撃技を読んで繰り出す
基本的に上記3つが主となる。
〜相性が良いポケモン(一例)〜
・ヒートロトム、ウォッシュロトム
ヘラクロスが誘う炎技や飛行技を半減に出来る為に繰り出しやすい点や、電磁波を搭載した場合はS関係の兼ね合いでヘラクロスが見れる相手が広がる可能性がある点が優秀。
・ドドゲザン等の悪タイプ
受ける相性というよりは、ヘラクロスが悪技を通し易く出来る点が優秀。その中でもドドゲザンは、ドドゲザンが苦手な格闘および地面タイプをヘラクロスが半減に出来ることも評価ポイント。
・ラッキー
ラッキーが誘う状態異常技をヘラクロスが得意とする点や、ヘラクロスが誘う炎特殊技をラッキーが苦としない点、ステルスロックや電磁波を撒くことでヘラクロスをサポートできる点が評価ポイント。
育成論は以上です
持ち物候補やダメ計や仮想敵や注意点等の追記要望はコメントまで。確認後、追記の可否を検討します。
☆
・更新履歴
2023/01/05 00:10
初版投稿。
2023/02/06 20:06
冒頭の「注意」の文言を一部編集。