2/26 特性についての項目を追記しました。
3/7 最強カメックスカメックス転用マニュアルをコメント欄5番目に追記しました
今回のテーマは『幻』。
貴重な、1体しかいない幻のポケモンの強みを活かし、テラレイドでフル活用する方法です。
はじめに─種族値の暴力─
「幻禁伝のちからって、すげ〜!」
ハイラルとネロリ博士の元からほぼ一年振りに帰還して、野良レイドに本格復帰して出た一言目です。
DLC解禁に伴い大量の幻・伝説ポケモン達がパルデア地方になだれ込んだ影響は大きく、サポーター使いの筆者から見てもそれら高種族値のポケモンのおかげでだいぶ勝ちやすくなりました。
「だが、まだやれる。」
反動技でない高威力の技を連打してくれるだけでもありがたいのは間違いないですが、もっとカッコいい立ち回りや技構成というものがあります。
今回紹介するのは、その中でも特に優秀な幻ポケモン───マナフィマナフィです。
あらゆる要素がレイド向けなこのポケモンの凄いところを、まんべんなく伝えられたらなと思います。
なお、例によって
・野良レイド=テラレイド「だれとでも」の俗称。
・ここでは主に★6レイドの話をしています。
・★6レイドのポケモンのレベルは90相当で、HPは25倍ちょっとで性格補正もあります。
・こちらが使うポケモンはレベル100の理想個体です。
・HABCDS、および努力値等の用語を使用してます。
・★6レイドは野良もソロも長期戦。ワンパン戦法は一切想定してません。
このあたりが、大前提にあります。
マナフィマナフィ、すごい!本当にすごいんだ!
マナフィのテラレイドにおける総合力は、凄まじいものがあります。
まず、タイプが優秀です。
水単タイプは、テラレイドにおいて最も弱点を取られにくいタイプの一つです。数値にすると、くさ・でんき技を使用する元タイプ一致のレイドがパルデア全70種中9種類、キタカミ27種中4種、ブルーベリー27種中4種です。
もちろんタイプ不一致やテラバーストを含めたらもう少しいますが、それは他のタイプにも同じ事が言えます。
また、種族値も長けています。
HACDBS100の600族というのは、それだけでレイド適性が高い数値です。
具体的には耐久無振りでも同努力値帯のハラバリー程度には耐久指数があり、それでいてSに4振るだけで難敵の★6ガブリアスガブリアスの先手を取れます。そしてCもヤドランヤドランと同程度にあるというおまけ付き。性格と努力値配分次第でアタッカーにもサポーターにもなれる優れものです。
何よりすごいのは技範囲。
レイドに有用な技をざっと挙げるとこうなります。
※赤字は事実上固有技、太字はレイドで頻繁に用いられる技です。
ほたるび(C3段階上昇/PP20/変化技)
あまえる(対象のA2段階降下/変化技)
とける(B2段階上昇/変化技)
あまごい(天候雨/変化技)
まもる(説明略。連続使用は失敗の元)
ハートスワップ(対象と能力ランク『交換』/変化技)
ブレイブチャージ(CD1段階上昇&ステータス治癒/変化技)
うそなき(対象のD2段階降下/変化技)
どろかけ(じめん/威力20/対象の命中1段階降下/特殊技)
ひやみず(みず/威力50/対象のA1段階降下/特殊技)
アシストパワー(エスパー/威力20+(能力値のランク上昇数×20)/特殊技)
リフレクター(5ターン物理半減/味方全体 /変化技)
ひかりのかべ(こちらは特殊半減)
マジカルシャイン(フェアリー/威力80/特殊技)
スキルスワップ(特性交換/変化技)
シャドーボール(ゴースト/威力80/20%でD降下付与/特殊技)
エナジーボール(くさ/威力90/10%でD1段階降下付与/特殊技)
サイコキネシス(エスパー/威力90/20%でD1段階降下付与/特殊技)
なみのり(みず/威力90/特殊技)
れいとうビーム(こおり/威力90/10%でこおり付与/技)
ハイドロポンプ(みず/威力110命中80/変化技)
ねっとう(みず/威力80/30%やけど付与/特殊技)
ふぶき(こおり/威力110命中70/10%こおり付与/特殊技)
ウェザーボール(天候時威力2倍タイプ変化/基本威力50/特殊技)
じこあんじ(対象の能力ランクコピー/変化技)
自身では強化できない物理技をごっそり除いてこれです。もうメチャクチャ。だいたい何でもできます。
しかし、マナフィにしか出来ないことを突き詰めると…アタッカーが一番でしょう。
なぜアタッカー?
飛ばしてもいいです。ここ長いので。
Q.なんでサポーター(寄りのアタッカー)にしないの?
A.
1.まず『ほたるび』の存在があります。
2.水特殊アタッカーが環境不在で、マナフィにはその役割として最適です。
3.そして『ハートスワップ』は思ったより腐る場面が多く
4.何より、サポーター運用ではソロで使えません。
まず1と2について
『ほたるび』は、『自身のCを3段階上げる』というぶっ壊れ技で、今作これを自力で覚えるのはマナフィとバルビートバルビートのみです。
ほたるびをたった2回撃つだけでC6段階上昇の特殊技を撃つことができ、積んでいる間生き残る耐久も十二分にあります。
確かにヤドランヤドランやシャワーズシャワーズにも似たようなことはできますが、『わるだくみ』を覚えているヤドランさえ同火力を出せるのは最速で4ターン目、シャワーズに至っては7ターン+αかかります。
現実的な速度で4桁ダメージを物理で叩き出せるのがテツノカイナテツノカイナなら、それを特殊方面でやってのけるのがこのマナフィマナフィです。
そして大事なのが3。固有技『ハートスワップ』について
アタッカーには、物理型と特殊型の2種類がいます。
そして★6野良レイドにおけるアタッカーの登用割合は、物理型優勢です
ほたるびで上げきったCを特殊アタッカーに差し上げるというのは一応あり得る場面ですが、約半数のケースでお蔵入りになり、その手間から「あ、ぶっちゃけ自分で殴った方が速いわ。」と思い至る場面が多々有ります。
また、忘れてはならないのはあくまで能力ランクの『交換』であること。
レイドボスの技や特性で下がったランクを引き受けて窮地に陥ったり、その味方がこれまで積んできたランクを奪う結果になりがちなことは忘れてはなりません。
ならば耐久全振りにして、あまえるorリフレクター/ひやみず/ほたるび/ハートスワップという構成にすればよいという声も聞こえそうですが、そこで引っ掛かるのが4です。
マナフィマナフィは1ソフトにつき1体の、貴重な幻のポケモンです。
RTA走者でもなければ何体も手に入れられるポケモンではなく、何よりソロでも活躍可能な火力を持つにもかかわらず腐らせるのは、あまりにも勿体無いものがあります。それにあまえるひやみず+αのサポーター型ポケモンは他に大量にいます。
折角の1匹だけの貴重なポケモンなら、野良でもソロでも活躍できるポテンシャルがあるならば、そうするのが一番でしょう。
前置き大変長くなりました。
これらを踏まえ、マナフィの役割はこうです。
役割
野良レイドおよびソロレイド両方で安定して選出可能な、超汎用型超高火力特殊アタッカー
テラレイド四大アタッカーとも言える性能です。ただしちょっと入手困難。入手するなら、レジェンズアルセウスが一番手軽で面白いと思いますが、いずれにせよ現状過去作からの輸入が必須です。
ゲームフリークさん、テラレイド環境改善のためぜひ配布よろしくお願いします。
性格
ひかえめ(C↑A↓)一択
ひかえめな努力値配分と実数値
努力値B152、C252、D100、S4
実数値:H341-A212-B274(152)-C328(252)-D261(100)-S237(4)
この何とも言えないBD配分ですが
・★6ボーマンダの特殊側『テラバースト』の等倍を低乱数4発&確定5発で受けられる下限(4下げると10.6%から25.2%)
・かつ、同じくボーマンダのげきりんを『ひやみず』込みで初動乱数4発99.9%&確定5発の下限(4下げると確定4発)
という理由です。
そこまで拘らないなら、C252S4残りH全振りでもBD均等でもいいです。
持ち物
かいがらのすず(打点の1/8分HP回復)
これがメインです。
バンギラスやブラッキー、ジャラランガ戦においては、能力下降防止の『クリアチャーム』が無難です。
テラスタル
みずorエスパーorフェアリー
みずは説明略
エスパーはソロアタッカー大好き『アシストパワー』最大火力をしたい場合
そしてフェアリーは『マジカルシャイン』を選択した場合に採用があり得ます。
何でフェアリーじゃと思われた方は多いかと思います。
しかしフェアリータイプの高火力特殊アタッカーは、みずタイプ以上に少なく、この選択肢が入ってきます。
もしゼルネアスゼルネアスがわるだくみ覚えて帰ってきたら、この選択肢は音もなく消えます。
特性
うるおいボディ
→天候雨のときにステータス異常をターン終了時に治癒します。
雨天下ならどくどくをつかうバルジーナバルジーナやでんじは持ち等のステータス異常相手に行動を乱されません。
あくびによる眠りからの回復は1ターン先です。
技構成
【絶対必須】
・ひやみず
・ほたるび
ほたるびと同じくらい、ひやみずは必須です。
なぜならば★6テラレイドの70%以上が物理または物理主体の両刀です。
撃つだけで生存ターンが伸び、テラスタルチャージも貯まるこれを採用しない理由は、ソロだろうが野良レイドだろうがあり得ません。
【選択技】
上述の太字から選ぶとよいかと思います。
筆者おすすめは
・なみのり(今回採用)
・アシストパワー(今回採用、実質威力140)
・ねっとう(私怨で非採用)
・ハイドロポンプ
・マジカルシャイン
・あまごい(脳汁出したい&ステータス異常に振り回されたくない方はこれ)
・ハートスワップ
スキルスワップ
あたりで、上二つ採用です。
ハイドロポンプはPP切れと命中不安、そしてねっとうのやけど付与は対戦相手しか発動しないものとアローラ地方で叩き込まれたので採用を見送っています。
※あまごいテラスタルハイドロポンプは不安定要素の少ないソロなら自信持っておすすめします。決まると脳汁も止まりません。しかし必要ターン数が最低6ターンかかること、同席するコライドンコライドン等の火力削ぐこともままあるので野良レイド愛好家の筆者は非採用。そしてこれがサブウェポンとしてアシストパワーを採用している理由でもあります。
勿論、ステータス異常に行動を乱されたくない場合はアシストパワーよりもあまごいが優先されます。
被ダメージ計算
まず物理
A実数値326を誇るオノノクスオノノクス先生の『げきりん』(威力120)
これを素で受けた場合と先制ひやみず後の2つを算出します。
(そのまま)…139〜165(確定3発)
(ひやみず)…93〜111(確定4発)
そして特殊
C実数値253ボーマンダボーマンダの等倍『テラバースト』(威力80)は
(D100振り)76〜90(確定5発、乱数4発10.6%)
(参考:D0振)84〜100(確定5発、乱数4発99.9%)
となります。1発分の差は大きいです。
与ダメージ計算
まずは素のダメージから。
対象はごく平均的な耐久を持つ性格無補正ボーマンダ(種族値BD80実数値176)、テラスタイプもノーマルです。
(す)
・ひやみず→76〜90
・なみのり→135〜159
・アシストパワー→28〜33
・マジカルシャイン→107〜127
力不足も大概です。しかし
(ほたるび1)
・ひやみず→250〜295
・なみのり→430〜531
・アシストパワー(威力80)→267〜315
・マジカルシャイン→267〜315
たった1回でこれ。2回打ったら
(ほたるび2)
・ひやみず→400〜472
・なみのり→720〜847
・アシストパワー(威力140)→746〜878
・マジカルシャイン→426〜502
この威力を3ターン目から安全に打てるのは強烈すぎます。
そして、各タイプ一致テラスタルした場合の威力は
・ひやみず(威力60)→534〜630
・なみのり→960〜1130
・アシストパワー(テラス超)→1119〜1317
・マジカルシャイン(テラス妖)→639〜753
あまごい下だとみず技の威力はもう1.5倍されます。
参考までに、あまごいC6段階ハイドロポンプの場合は1758〜2070となります。
もちろんこれらのダメージは、弱点を突けるならさらに2倍。単体で速やかにこの火力を出せるポケモンはそういません。
立ち回り
原則こうです。
(対物理)…ひやみず3連打→テラス発動→ほたるび→選択技
(対特殊)…ほたるび→選択技orひやみず3回→テラス発動→選択技
C6段階上げることも大事ですが、シールド展開後に備えてテラスタルを貯めることを常に意識してください。シールド展開後は、非テラスタル技は20%しか通りません。不一致テラスタルは35%、テラスタル一致は75%です。
役割対象外
みず単タイプに言えることですが、その耐性から非常に雑に選出可能です。
ですが、以下の相手は単体での選出はやってはいけません。
(赤字は、サポーター込みでも絶対ダメな相手です)
(1)元のタイプがくさ・でんきのポケモン
→キノガッサキノガッサ、ジバコイルジバコイル、タイカイデンタイカイデン、バチンウニバチンウニ、パーモットパーモット、モロバレルモロバレル、リーフィアリーフィア、リククラゲリククラゲオーロットオーロット、ダーテングダーテング、ハハコモリハハコモリ、モルペコモルペコ、ルンパッパルンパッパ、エルフーンエルフーン、エレキブルエレキブル、アローラゴローニャゴローニャ(アローラ)、アローラナッシーナッシー(アローラ)の計17体
→超優秀な火力鎮火サポーター(ウェルカモ、ママンボウ、ラッキー、スカタンク、アローラベトベトン等)同席時ギリギリ採用可ですが、基本ダメ。
(2)アーマーガアアーマーガア
→ミラーアーマー持ちでひやみずが通らない上に無限つめとぎでAがすぐに上がる。特性を消すサポーター同席なら可
(3)カイリューカイリュー
→無限にりゅうのまいを使用。専用サポーター同席時なら可
(4)サーナイトサーナイト
→無限瞑想でどうにもならない。ダメ絶対
(5)ハピナス
→フルパワーハイドロポンプで軽く50ターンかかる。ダメ絶対
(6)たそがれルガルガン
→先制ちょうはつでひやみずくらいしか撃てない。アロマベール等を持ったサポーター同席時に可
(7)てんねん三人衆
→ヌオーヌオー、ドオードオー、ピクシーピクシーの3匹。仮に特性がどうにかなってもダメな要素が多すぎて出せる要素なし。
(8)ニョロボン
→くろいきりでほたるびを片っ端から消される。コノヨザルで出た方が安定。
(9)テラバーストくさorでんき
→ブイズ、ボーマンダ、そして見逃されがちなファイアローファイアロー。サポーターがいる場合は可
また、選出可能でも注意を払う相手は
(1)C110越え(乱数3発が見えてくる)
(2)ガブリアス、ボーマンダ等の二刀流高難易度
(3)ちょうはつ、アンコール持ち(マホイップ、ブロロローム、サザンドラ等)
(4)テラスくさorでんきの場合のくさ、でんき技(ヌメルゴンのパワーウィップ、ミミッキュのウッドハンマー等)
(5)コノヨザルコノヨザル(出せない事はないが、ひやみずを打ったらまけんき誘発でこの世の終わり。ねっとう採用だと多少安定。)
等が挙げられます。
個別に調べたい場合は、ポケモン徹底攻略様のレイド一覧表をご覧になってください。
テラレイド一覧:https://yakkun.com/sv/raid.htm
「出せない相手多くねぇか?」
と思われるかもしれませんが、これでも選出範囲は圧倒的で、しかも考えることも少なく、ハラバリー大先生ハラバリーに並ぶ初心者向けです。
ですのでゲームフリークの皆様、お願いです。
テラレイド環境向上のため、2024年2月27日配信のポケモンデーで、是非マナフィを配布してください。
おわりに
「持ち味をフル活用するなら、あえてそのポケモンにしか出来ないことを捨てる選択肢もあるんだな」
伝説や幻のポケモン育成論でぶつかる壁がこれです。
旅パや対戦で強烈な技や特性がレイドではイマイチだったと言う経験や目撃談は、きっと一度や二度では足りないかと思います。
筆者のマナフィにしてもそうですが、最初は対特殊のためにほたるびに加え『ブレイブチャージ』を入れるところから始まりました。
ところが実践を繰り返すにつれ、「あれ?野良レイドであんまり使う機会ないな?」という結論に至り、今度は『ハートスワップ』。でもそれも「あれ???」となり、ほたるびのみを採用した形になりました。
次回紹介するポケモンですが、そんな伝説ポケモンの固有技をかなぐり捨てた育成論、もとい注意書きになります。
ではでは。