こちらの育成論は以下のような考えを持っている場合におすすめしたいです。
・ストーリークリア前、ストーリークリア直後で星6レイドに参加し、育成環境を整えたい。
・普段のテラレイドにスリルを感じたい。
・友達にあっと驚く戦法をやってみたい。
レベルは1で固定です。また、入手はかなり容易ですが、立ち回りにはある程度テラレイドバトルの知識が必要な部分があります。
【要約】
相手をインファイト持ちに絞り、レベル1戦法による耐久を行うことで低レベルかつ星6レイドでの攻略に貢献することを実現した。しかし、不安定な要素もいくつか見られ、課題が残る結果となった。
コンセプトと役割
ポケモン対戦の歴史には、あえてレベル1のポケモンで戦う「レベル1戦法」が存在し、全国大会でも結果を出した戦法である(2007年)。レベル1のポケモンでも、工夫次第では思わぬ耐久をつけることができ、対策がなければそのまま詰む可能性まである。一方SVでは、ランクマッチは強制的にレベルが50まで引き上がるため、この戦法はなくなりつつある。ただし、テラレイドバトルではこの限りでない。
星6レイドの中には『インファイト』を持つ敵もいる。とても強力な技であるが、使用後に防御、特防が1段階下がるデメリットがある。このデメリットはバリア展開中でも発動するため、インファイトを受け続ければ、その分相手のデバフをかけることができ、アタッカーのサポートに繋げることができる。
また、テラレイドの敵AIは基本的にタイプ相性などを踏まえた最大打点でこちらを攻撃する特徴があるため、インファイトが最大打点となるポケモンを選べば、意図的に相手にインファイトを使わせることができる(後述の通り今回は例外あり)。
「レベル1戦法」と「インファイトを受ける」という2点から、レベル1でインファイトに耐え、サポートも行うことをコンセプトとした『クレッフィ』を考えた。
他ポケモンについて
「レベル1でテラレイドに挑み、攻撃を耐える」という点で優秀なポケモンとして、『リオル』、『モンメン』、『ベロバー』などがあげられる。これらはクレッフィと同様、特性がいたずらごころでまもるとみがわりを覚える。また、HP個体値が低いものを厳選することで「HP実数値11」を達成できる。これにより、たべのこしを持たせてみがわりとまもるを交互に出すことでみがわり分のHPを回収でき、PPが続く限り耐え続けることもできる。
クレッフィはこのような芸当はできないが、差別点として半減タイプが多いことがあげられる。今回の重要なコンセプトは「インファイトを誘う」ことであるが、敵の中にはインファイトがサブウェポンの役割として採用されているポケモンもいる。そのため、「相手のメインウェポンを半減しつつ、インファイトを等倍以上で受ける」という性質が求められる(あるいはメイン等倍、インファイトばつぐん)。この性質を考えるとクレッフィが優れていると考えた。なお、ベロバーもこの性質がある程度あり、イカサマをタイプ一致で撃てることから面白いことができそうではある。
持ち物
『オレンのみ』
みがわりを3回使った瞬間、HPを全回復できる。
レベル100ではオボンのみ、フィラのみなどで代用になるが、こちらはみがわり1回分しか補填できないのに対し、レベル1でオレンのみは3回分の補填になるので多くのみがわりを出すことができ、インファイトを受ける回数も多くなる。
特性
『いたずらごころ』
この戦法の要となる特性。これのおかげでレベル1ながら先制でみがわりを出すことができる。敵からのバフ解除・特性無効を受けた直後は先制できないので、まもるを選んで1ターン分やり過ごすことで解決する。
性格・努力値と調整
性格:指定しない
努力値:HP252(HP実数値:13)
レベル1で攻撃を受けるので性格補正は必要ない。
努力値はHPに全振りであるが、実数値が13であればいい。これにより、みがわりを4回出すことができるので重要である。
HP個体値23以上であれば達成でき、ジャッジ機能なら「すごくいい」以上で確実に達成できる。
技構成
- 【確定】『まもる』(わざマシン)
- 味方のバフ解除・特性無効の後に撃つことで「とくせいなし状態」に対応する。まもるでインファイトを受けても相手の耐久ダウンは起こらないため注意する。インファイトが来ない場合でもみがわりとまもるの交互出しで延命を行うことができる。
- わざの順番について、まもるを1番上にすることで放置による耐え(時間稼ぎ)ができ、まもるが成功する状況であれば、2分近く耐えることができる。みがわりが出せない状況で倒れるとまずい場合にこれを利用する。
- 【確定】『リサイクル』(レベル28で習得、両親に覚えさせ遺伝)
- バリア破壊直後、攻撃はずれ、まひ・混乱などでみがわりが残った時、オレンのみを使っていたら撃つ。オレンのみが復活し、延命することができる。
- なお、レベル1のクレッフィにリサイクルを覚えさせるには両親から遺伝させる必要がある。オスとメス両方のクレッフィにリサイクルを覚えさせた状態でタマゴをつくり、生まれた個体が覚えている。
テラスタル
テラスタルはしない前提なので変えなくて良い。
しかし、イカサマを利用した攻略を今後見据えるなら、 テラスに変えても良いかもしれない。コメントにある通り、レベル1のイカサマは火力が出ません。
立ち回り
何度か使っての体感であるが、実際のところ相手も単純にインファイトを連打するわけではないようだ。クレッフィは基本的にインファイトが最大打点になりやすいが、レベル1の場合だと他の技でも一撃で倒れるので、AIが倒せると判断し、他の技が選ばれることがあるのかもしれない。また、先制技で倒せる状況では先制技が優先される。
上記に注意し、みがわりが撃てる回数にも注意しつつ、確実にみがわりをインファイトにぶつけたい。また、6段階下がった場合には他の技を使ってくるのでまもるとみがわりの交互出しで対応する。
序盤はみがわりを連打し、インファイトを受ける。長期戦になる、インファイトが来ないなどの状況に応じてまもるを混ぜて延命を行う。バリアが壊れた直後は、相手は1回動かないのでリサイクルでオレンのみを回収するチャンスである。わざが外れる、まひ・混乱などでみがわりが残った場合も回収できるチャンスとなる。
なお、星6テラスバサギリにて、NPC『ニンフィア』、『オノノクス』、『ドヒドイデ』の組み合わせでソロ攻略を達成した(1回ひんし、残り時間10%ほど残し)。この組み合わせはニンフィア→アタッカー、オノノクス→すばやさデバフ、ドヒドイデ→こうげきデバフと実際はかなり条件が厳しいが、インファイトを受け続けて耐久を6段階下げれば、NPCのアタッカーでも条件次第ではソロ攻略が可能である。
勝因としては早い段階でみがわりを連打できたこと、まもるも組み合わせることでNPCの行動回数を稼げたことが考えられる。
インファイト持ちの相手
前述の通り、最大打点でないわざでも一撃で倒れる状況であるため、インファイト以外のわざが来る場合もある。それを前提に気になった点などを以下にまとめる。また、テラスタイプによってはメインウェポンの威力が上がり、インファイトが最大打点でなくなる場合がある事も注意してほしい。全て星6での運用とする。
- 好相性
- 『バサギリ』
- 基本インファイトで受けることができる。自身のデバフ解除がないので、耐久の減少を維持できる。6段階まで下がるとエアカッターなどを使ってくるので、まもるも混ぜて延命する。ただし、早い段階でがんせきアックスをランダムで1体に使うため、これがクレッフィに当たると倒れる。
- ある程度まで役割を果たせる
- 『ムクホーク』
- 基本インファイトで受けることができるが、HP25%を切ると追加行動のブレイブバードを撃ってくる。みがわりが消えてから受ける形になり、倒れてしまう。ここにまもるを合わせれば防ぐことができるかもしれないが、かなり難しい。
- 『パーモット』
- 最初と途中でほっぺすりすりを計2回撃ってくるが、それ以外は基本インファイトで受けることができる。しかし、後半でエレキフィールドを展開されるとワイルドボルトが最大打点に変わるため、インファイトが来なくなる。
- 『ケンタロス(パルデア単)』
- 基本インファイトで受けることができるが、ヘラクロス同様あばれるを撃ってくる。暴れ牛のせいなのか、ヘラクロスよりもあばれるの頻度が多く感じた。
- 『コノヨザル』
- 序盤にシャドークローを2回ほど受けるが、中盤は基本インファイトで受けることができる。きあいだめによる確定急所もAIの判断に含まれ、シャドークローが選ばれるかもしれない。また、コノヨザルは特性がまけんきとなっており、こちらからのデバフは悪手となるが、インファイトによるデバフはまけんきの対象外となっているため、有効なデバフとしてはたらくのが利点である。
- 他の味方からの支援が必要
- 『エルレイド』
- 基本インファイトで受けることができるが、追加行動のさいみんじゅつ、かなしばりを受けると機能停止する。これらの対策が他のトレーナーでできるのであれば役割は果たせる。おにびもみがわりにより怖くなく、AIが一撃で倒せると判断しているためかそもそも撃ってこない。
- 『ハッサム』、『ローブシン』
- それぞれバレットパンチ、マッハパンチを優先して撃つためインファイトが来ず、すばやさの関係で相手が先制となり、こちらがみがわりを出す前に倒される。サイコフィールド下であればインファイトを撃つと考えられる。
- 『ケンタロス(パルデア炎)』、『ケンタロス(パルデア水)』
- ブレイズ種は弱点を突かれ、ウォーター種は途中で天候を変えるためインファイトを受けにくい。他の味方で天候を変えることが出来ればインファイトが最大打点となり、インファイトで受けることができると考えられる。
なお、それぞれのレイドは1、2回ほどしか試していないため、上記は概要として捉えてほしい。また、インファイト以外にも『グレンアルマ』のアーマーキャノンも受けることで耐久を下げることができるが、ほのお弱点のクレッフィを野良で出すのはあまりにも不自然すぎるため割愛する。
まとめ
インファイト持ちの星6レイドで一通り運用した結果として、以下のように利点と課題をまとめる。
・利点
1.レベル1であるため、ストーリー攻略途中でもオンラインを介して星6での運用ができる。
2.インファイトを受けることにより、相手の耐久のデバフを実現でき、デバフのサポートをすることができる。
3.見た目がそれほど悪くない。
3について、上記「他のポケモンについて」で紹介したポケモンたちはどれも未進化であからさまに初心者であることがうかがえるのに対し、クレッフィは壁はり要員として優秀な面があり、そういった期待からホスト受けも悪くないことが利点としてあげられる。
・課題
1.確実にインファイトを誘えない、追加行動で倒れる、機能停止になるなど不安定要素がある。
2.行動が明らかに不審。
2について、やはりみがわりとまもるを使っていることからただ延命しているだけではないかと思われるのは必然である。そこで、ニックネームを「インファうけ」と変えることで「インファイトを受けてデバフをかけている」ということを他のトレーナーにアピールすることで解決できると思われる。ただし、海外勢にはまず伝わらない。
試運転でソロ攻略を達成した勢いで、他のレイドでも運用を試みたが、実際やってみると不安定な要素がいくつか見られ、これらが課題として残った結果になった。しかし、レベル1というアメを必要とせず、低コストで星6レイドでもある程度運用できたことは、アメの収集というハードルを下げるのに大いに役立つと考えられる。今後、不安定要素を解決できるようなポケモンがいれば模索していきたい。
最後に、このクレッフィは相手がインファイト持ちであることからサポートができ(一部は味方から別のサポートが必要)、それ以外の相手では何もサポートできない。音技持ちやちょうはつ持ち、きんちょうかん持ちなど、むしろ足手まといになる場合もある。十分に注意して運用してほしい。