ポケモンパーティ構築(シングル)
【ドクロッグ入り】虹色詰ませサイクル【S19環境シングル】
- 概要
あまり見かけないドクロッグを採用し、Pokémon SHOWDOWNにおいて5位を達成した構築です。構築分類としては受け攻めスイッチ(サイクル)の亜種にあたると思います。
- 構築経緯
相棒枠のドクロッグを現環境で活躍させる、という目標からスタート。型はある程度決めていたため、ドクロッグで撒く毒を詰め筋の1つとして活用するという構築の全体像をまず想定しました。そこで、毒を絡めた詰め駒としての性能が高く、サンダーに対して相手からは見えづらい引き先となれるHD身代わりサンダーを採用しました。サンダーで詰めるにあたってサンダーが苦手なポケモンからの引き先が必要となるため、ポリゴン2やウツロイドに出せるHDナットレイと、ドサイドンやバンギラスに出せる火炎玉ミロカロスを採用しました。ここまで電気タイプが重めで一貫を切れる地面タイプが欲しかったため、クッション性能と崩し性能をある程度両立できるHSベースの剣舞ランドロス(霊獣)を採用しました。最後の枠には、ダイジェットに強くストッパーや鬼火撒きができるポケモンとしてHB尻尾トリックヒートロトムを採用していましたが、構築を使い慣れるうちに選出機会が著しく減っていきました。そこで、全体的に低いSラインを補うことができ、勝ち筋の1つとしても強力な竜舞ドラパルトに途中で変更したところうまくハマったため、これで構築が完成しました。
ヒートロトムランドロス(霊獣)サンダーナットレイミロカロスドラパルトドクロッグ
このように並べると赤橙黄緑青藍紫の7色に見える(確信)ところから構築名を授けました。
- コンセプト
★サイクルを回しながら猛毒や火傷を撒いて、相手のダイマックスをいなしながら最終的にサンダーで詰める。
★受け切ることが難しい場合はランドロス(霊獣)やドラパルトを先に展開することで数的優位を取り、残りの駒で詰める。
- 構築全体の意識
☆欠伸展開カバルドンラグラージに対してほぼ全てのポケモン(ランドロス(霊獣)以外)に対抗策を持たせ、選出を歪ませないようにする。
☆全メンバーにダウンロード対策を施すことでポリゴン2に厚くする。
☆ウーラオス(いちげき)はできる限り対面処理する。
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使用ポケモン
- ドクロッグ@ふうせん(おくびょう)かんそうはだ
- HP:172 / 防御:4 / 特攻:196 / 特防:12 / 素早:124
- 実数値:180-99-86-131-87-133 / 個体値:31-0-31-31-31-31
- ヘドロばくだんこごえるかぜどくどくちょうはつ
単体の育成論も書いたため詳細は基本的に以下を参照してください。
育成論ソードシールド/2965
- 役割
★ウーラオス(いちげき)やカプ・レヒレ等の対面処理
★挑発による展開阻止(対ステロ欠伸等)
★水技の一貫切り
★毒撒き
- 調整
育成論のものと同じです。
ランドロス(霊獣)ガブリアスカバルドンラグラージ等を見ても選出を躊躇する必要がない点が非常によかったです。マイナーゆえにやることが一番読めないポケモンだと思いますが、挑発でカバルドン等を流しつつ裏に毒を入れたり、ランドロス(霊獣)を無償で突破したりと、相手の想定していないであろう動きでうまく掻き乱してくれました。出すときは大抵先発においていましたが、ダイジェットさえ構築単位でケアしておけば問題なく動くことができ、3タテするような派手さはありませんが堅実に仕事をしてくれる型だと確認できました。
- サンダー@たべのこし(おだやか)プレッシャー
- HP:244 / 防御:20 / 特攻:4 / 特防:236 / 素早:4
- 実数値:196-85-108-146-154-121 / 個体値:31-0-31-31-31-31
- ぼうふうほうでんみがわりはねやすめ
以下の育成論をほぼそのまま流用しました。
育成論ソードシールド/2365
- 役割
★身代わり+羽休め+プレッシャーによる詰め/ダイマ枯らし/PP削り
★ダイジェットを絡めた切り返し(+TOD)
★サンダーカプ・レヒレテッカグヤラプラス等の特殊、およびゴリランダーナットレイ等の一部物理の後出しからの処理
★地面技の一貫切り
- 調整
HB:A130ラグラージのクイックターンを身代わりが最大乱数以外耐え
C:端数
HD:D11n / C194サンダー@珠のDM暴風+DM10万ボルトを高乱数耐え
S:無振りサンダー抜き / S+2で最速スカーフヒヒダルマ(ガラル)抜き
Hが偶数なのが少し気持ち悪いですが、S無振りサンダーをそこそこ見かけたためSに4振っておきたいと考えました。
間違いなく構築の中心的な駒。環境TOPのサンダーとサンダー受けとして最も数が多いポリゴン2に強いため動かしやすかったです。暴風や放電での上振れ要素も勝率に貢献してくれました。身代わりは怪電波と選択ですが、ラグラージの欠伸やナットレイの宿り木に対してアドが取れること、ポリゴン2のトライアタックや冷凍ビームで追加効果を引くリスクを抑えられることなど、メリットが大きいと感じました。ほぼHDに振り切っているため一致弱点を突かれない特殊ATであれば大体相手することができますし、キュウコン(アローラ)程度の火力なら数値上は対面で粘ることも可能です。反面、物理耐久には不安が残るため、味方で火傷や威嚇を入れて補いながら詰めていくことを意識していました。
- ナットレイ@フィラのみ(なまいき)てつのトゲ
- HP:252 / 防御:4 / 特防:252
- 実数値:181-114-152-x-184-22 / 個体値:31-31-31-x-31-0
- ジャイロボールやどりぎのタネどくどくまもる
- 役割
- 調整
HD特化。
基本的に上記の特殊ATに対して積極的に出ていくため。
主にサンダーでは受からない特殊ATに対して投げるポケモン。残飯がサンダーに取られているため代用として混乱実を持たせました。技構成は回復ソースの宿り木とポリゴン2に当てる毒毒、ウツロイドキュウコン(アローラ)を素早く処理できるジャイロボール、そして定数ダメージと相性が良くダイマ枯らしに有効な守るを採用しました。残飯でない場合守るは微妙かなと思っていましたが、ダイマ技の被ダメを軽減することで混乱実の発動を調整できるなど思ったより使い勝手は良かったです。瞑想ライコウを見るために種マシンガンを数戦試しましたが、熱湯で火傷を引かれると対策にならないため戻しました。構築内で唯一ウーラオス(いちげき)対面で引きたくなるポケモンなので鉢巻等を考えたときに選出しづらいところが少し気になりましたが、ウツロイドを止めるなど想定通りの活躍をしてくれました。
- ミロカロス@かえんだま(ずぶとい)ふしぎなうろこ
- HP:252 / 防御:252 / 特攻:4
- 実数値:202-58-144-121-145-101 / 個体値:31-0-31-31-31-31
- ねっとうれいとうビームくろいきりじこさいせい
- 役割
★エースバーンミミッキュランドロス(霊獣)ウーラオス(いちげき)カイリューウオノラゴンバンギラスドサイドンブリザポス等の物理の後出しからの処理
★黒い霧+自己再生による対物理の詰め/ダイマ枯らし
★欠伸ループ切り
- 調整
HB特化。
物理AT全般を受ける性能を重視。
この構築の過労死枠。環境に存在するほとんどの物理ATに強く、相手が物理AT3枚選出などをしてきた場合は1体で詰ませることもありました。変更の余地があるとすれば氷技を凍える風に変えるくらいかなと思いますが、冷凍ビームの火力が活きた場面も凍える風のS操作が欲しい場面もあったため、どっちもどっちという印象です。主軸のサンダーとは並びとしても相性が良く、セットでの選出をよくしました。水タイプの物理受けにはカプ・レヒレドヒドイデヌオーナマコブシスイクンなど競合が多いですが、1.自己再生という安定した回復ソースがあり場持ちが良い、2.単水タイプなためエースバーンランドロス(霊獣)ブリザポス等に弱点を突かれない、3.黒い霧による積み技リセット/バトン構築の対策、4.火炎玉による欠伸や毒毒への耐性、といった点がいずれも大きな強みになっていると感じました。B特化しても自然にダウンロード対策ができているというのが地味に美しいですね。
- ランドロス(霊獣)@オボンのみ(いじっぱり)いかく
- HP:212 / 攻撃:36 / 防御:4 / 特防:92 / 素早:164
- 実数値:191-187-111-x-112-132 / 個体値:31-31-31-x-31-31
- じしんそらをとぶいわなだれつるぎのまい
- 役割
- 調整
H:16n-1調整
A:11n
B<D:ダウンロード対策
S:S128付近のサンダーランドロス(霊獣)ミミッキュカイリュー意識
数値を綺麗に整えただけで明確な意図があるわけではないため、改善の余地はあります。
最近そこそこ見かける耐久に少し割いた剣舞ランドロス(霊獣)。基本的には第2の勝ち筋となることを想定しての採用ですが、ミロカロスを選出できないときに威嚇を活かして対物理クッションにすることもでき、柔軟な運用ができる点がよかったです。剣舞+一致技2ウェポンに加えて、岩技には岩雪崩を採用しました。とりあえず当てることを重視したのと怯みが勝ちに繋がると感じたゆえの選択でしたが、実際エアームドを怯ませて拾った試合があったため正解でした。クッション運用をするうえで蜻蛉が欲しい場面もありましたが、切る技がありませんでした。
- ドラパルト@ラムのみ(ようき)すりぬけ
- HP:124 / 攻撃:252 / 防御:4 / 特攻:12 / 素早:108
- 実数値:179-172-96-x-95-193 / 個体値:31-31-31-x-31-31
- ドラゴンアローゴーストダイブおにびりゅうのまい
- 役割
★竜舞+ダイマックスによる全抜き/崩し
★鬼火による詰めの補助/起点作成
★すり抜けによる壁構築や身代わり戦術の対策
★格闘技の一貫切り
- 調整
H:余り
A:ぶっぱ
B<D:ダウンロード対策
S:最速アーゴヨン+3
ここまでで重い電気や高速ドラゴンに強めで、先に展開しても強いポケモンとしてドラパルトを途中から採用しました。エースとしての汎用性を確保するため竜舞+一致技2ウェポンは確定として、最後の枠には鬼火を仕込みました。物理ATに火傷を入れることで、サンダーやミロカロスで詰めたりランドロス(霊獣)の起点にしたりといった流れが取れるようになり、構築にすんなり溶け込むようになったと感じます。環境の威嚇持ちがランドロス(霊獣)だけであり、壁展開や身代わりライコウに強くしたかったため、特性はすり抜けを選択しました。熱湯で焼けたり電磁波で止められたりするのを防ぐためにラムの実を持たせていましたが、そのおかげで勝てた試合も数戦あったため結果としてはよかったです。ただ火力不足を感じる場面もあったので、珠などに変えてもよいと思います。
戦術と解説
- 選出
大まかな方針としては、相手の構築に対してサンダー・ランドロス(霊獣)・ドラパルトのどれが最も通るか見極め、それを補うように残りを選ぶという形が失敗しにくいと思います。したがって選出の柔軟度は高いですが、ここではいくつか代表的なパターンを紹介します。
★ドクロッグ+サンダー+ミロカロスorランドロス(霊獣)
ドクロッグが出せるときに多い選出パターン。特殊ダイジェットと物理ダイジェット、どちらに対しても引き先を用意しつつサンダーで詰めるのを狙います。
★サンダー+ミロカロス+@1
ドサイドンやバンギラスでサンダーを見ている構築にサンダーを通すときの選出パターン。
★サンダー+ナットレイ+@1
ウツロイドやポリゴン2でサンダーを見ている構築にサンダーを通すときの選出パターン。
★ドラパルトorランドロス(霊獣)+サンダー+ミロカロス
積みエース+クッション2枚の選出パターン。クッション枠は詰め筋になりやすいサンダーやミロカロスを選ぶことが比較的多いですが、相手の構築によっては他のポケモンを出すこともあります。
★ドラパルト+ランドロス(霊獣)+サンダーorミロカロスorドクロッグ
受けループ等に対する選出パターン。積み技持ちのどちらかを通すことを狙います。選出時点で通すポケモンを決め打ちして、クッションを2枚選出することもあります。
★ドラパルトorドクロッグ+ミロカロス+@1
壁やバトンなどの積み展開に対する選出パターン。すり抜け、挑発、黒い霧がある3体は優先的に出すことが多いです。
- 重いポケモン
★積み技持ちの電気タイプ;瞑想ライコウ、瞑想カプ・コケコ、悪巧みボルトロス(霊獣)、悪巧みヒートロトム、鉄壁ジバコイルetc.
特殊全般に投げるはずのサンダーが起点にされます。ドラパルトが比較的強いのでできる限り出すようにしました。
★速いUB;フェローチェアーゴヨンカミツルギ
先にうまく展開されると切り返すのが難しいです。
★眠る持ち;ドサイドンヒートロトムラプラスetc.
毒や火傷入れてサンダーで詰めようとしたところで回復されるときついです。
★初手ダイマヒードラン
耐性で受け回すしかないですがダイマを枯らしたとしても切り返すのが難しいです。2回くらいボコられました。
- 立ち回り
Pokémon SHOWDOWNでのreplayをリンクをいくつか掲載しておきます。必要であれば”kanketsu02”でreplayを検索していただければ他の試合も見つかると思います。
ドクロッグミロカロスで状態異常を撒いてサンダーで詰めるという構築の第1プランが綺麗に通るとこんな感じです。
https://replay.pokemonshowdown.com/gen8battlestadiumsingles-1358611956
サンダーの対サンダー性能やサンダー+ミロカロスの並びの強さがよく分かる試合です
https://replay.pokemonshowdown.com/gen8battlestadiumsingles-1357447086-hs8cmpsty66ssusmni3yv1iiaytc0mmpw
ドラパルトは毒でサポートすることでポリゴン2入りに通していくことも可能です。
https://replay.pokemonshowdown.com/gen8battlestadiumsingles-1358626556
霊獣ランドロス+一撃ウーラオスというような並びに対してドクロッグがうまく刺さります。
https://replay.pokemonshowdown.com/gen8battlestadiumsingles-1357513134
ドラパルトを先に展開してサンダー+ミロカロスで後詰めをする展開も多くありました。
https://replay.pokemonshowdown.com/gen8battlestadiumsingles-1357991763-kap4uqlzoumh3a4pyhxu70mekyz9ftxpw
https://replay.pokemonshowdown.com/gen8battlestadiumsingles-1358664611
受けループに対しては定数ダメ+積み技で1枚崩してTODに持ち込むのが基本方針になります。
https://replay.pokemonshowdown.com/gen8battlestadiumsingles-1358022195-hn2glgjf4jlk8ckq2elx0azp8j6u0fhpw
https://replay.pokemonshowdown.com/gen8battlestadiumsingles-1358622681-qkwqz5889bu5ptt1x929fkh59da9nnfpw
- 戦績
Pokémon SHOWDOWNというシミュレーション・サイトを利用して対戦を行いました(ルールは基本的にランクバトルに準拠)。レート1000(初期値)から始めて、89戦64勝25敗(勝率72%)でレート1629(5位)まで到達しました。
内訳はヒートロトム入りで29勝11敗(勝率73%)、ドラパルト入りで35勝14敗(勝率71%)でした。勝率だけ見るとヒートロトム採用の方がよいですが、レート帯の違いもあり構築の完成度自体はドラパルト採用の方が高いと感じています。
★選出率:サンダー75%(67/89) > ドラパルト63%(31/49) > ミロカロス62%(55/89) > ドクロッグ51%(45/89) > ランドロス(霊獣)35%(31/89) > ナットレイ30%(27/89) > ヒートロトム13%(5/40)
★初手率:ドクロッグ88%(40/45) > ドラパルト52%(16/31) > ヒートロトム40%(2/5) > サンダー22%(12/67) > ミロカロス16%(9/55) ≒ ランドロス(霊獣)16%(5/31)> ナットレイ11%(3/27)
★ダイマ率:ランドロス(霊獣)42%(13/31) > ドラパルト39%(12/31) > サンダー37%(25/67) > ドクロッグ7%(3/45) > ミロカロス4%(2/55) > ナットレイ0%(0/27) = ヒートロトム0%(0/5)
★選出時勝率:ヒートロトム100%(5/5) > ランドロス(霊獣)74%(23/31) > ミロカロス73%(40/55) > ドクロッグ71%(32/45) > ナットレイ70%(19/27) > サンダー69%(46/67) > ドラパルト66%(20/31)
元来のスペックについてはこの中でドクロッグが最も低いというのは事実だと思いますが、それでも半分程度の試合に出すことができ、かつ選出時の勝率を落とさないように運用できたのは非常に嬉しいことでした。
- 変更案
http://shigumaaa.hatenablog.com/entry/2021/02/01/172041
こちらの記事を読んで、ナットレイ+ランドロス(霊獣)をドリュウズ+カバルドンに変えてもよいかなと感じました。また、ドクロッグより汎用性が高く毒毒が打てるポケモンとしてアーゴヨンも面白そうだなと思いました。
- 以上です
ご覧いただきありがとうございました。質問・疑問・指摘・アドバイス・感想等あれば、気軽にコメントしてください。
投稿日時 : 2021/06/20 20:10
最終更新日時 : 2022/04/04 20:43
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