信用不可能なのはこご風の命中だけ。
風船のメリット
- ステロ欠伸展開の対策
上から挑発することでカバルドン
ラグラージの起点作成を封じ、かつ流すことができる。苦手な高耐久地面を逆に起点にできることが襷やシュカの実と比べて最も明確に優位なポイント。クイックターンによる対面操作を許さない点も地味ながら役に立つ。
- 対霊獣ランドロス/対ガブリアス
行動保証+凍える風によりドクロッグより速いこれらの地面と対峙しても引く必要がない。本来はドクロッグに対して非常に有利なポケモンであるため、誘って狩る動きが成立しやすい。
- S関係の識別
風船の表示は特性発動と同様に素早さの高い方から行われる。すなわち、ランドロス(霊獣)
カプ・レヒレ
ゴリランダー等との対面でアナウンスの順番を見ることでS関係およびある程度の型を判別できる。
- その他の行動保証
その他の採用意義
- 対ウーラオス
選出画面で2つの型を見分けるのは難しいが、ドクロッグは闘悪水を半減以下にするためどちらの型であっても鉢巻以外を対面処理できる。
- フェアリーに強い
毒技+挑発によりカプ・レヒレ
ピクシー
オーロンゲ等に対して展開阻止および処理が可能。
- 乾燥肌による水技無効
高火力ゆえに後出しで受けるのが困難なエラ噛みや水流連打に対して無償降臨できる。HP1でも残しておけばこれらの技を牽制可能。
- 毒毒による崩しの補助
ポリゴン2
サンダー等に毒を入れることで裏のポケモンを通しやすくする。毒毒無効+水技無効+挑発により
ドヒドイデ
ナマコブシ等の一部耐久ポケモンを起点に毒撒きができる。
コンセプト総括
耐久調整と持ち物により出し負けを極力減らし、初手に置きやすくした型。有利な相手とのタイマン性能や汎用的な起点回避性能も備え、絞り込まれた役割を遂行することに特化した構成。
構成
- 要件
上記のコンセプトに従って風船・乾燥肌・凍える風・毒毒・挑発の採用を前提とし、そのうえで求める条件は次の通り。
○ ASウーラオスの暗黒強打/インファイトを2耐えし、返しの2発で倒せること
○ HBカプ・レヒレを上から2発で倒せること
○ 凍える風2発でランドロス(霊獣)
ガブリアスを倒せること
○ 凍える風込みで最速ガブリアスを抜けること
○ HBランドロス(霊獣)より速いこと (岩石封じから入られても対面処理できる)
上2つの条件を1ウェポンで達成できるのはダストシュートかヘドロ爆弾(ヘドロウェーブ)しかない。今回は要件を満たすための必要努力値が少なく、命中安定で遂行できるヘドロ爆弾を4枠目に採用する。
B100振り:A200ウーラオスの暗黒強打/インファイトを92.6%で2耐え
C28振り;凍える風でH183-D106ガブリアスを97.3%で2発
C52振り:凍える風でH196-D101ランドロス(霊獣)を98.4%で2発
C156振り:ヘドロ爆弾でH177-D151カプ・レヒレを97.3%で2発
C196振り:ヘドロ爆弾でH175-D81ウーラオスを84.8%で2発 (毒の追加効果と急所込みで93.1%で2発)
S12振り:4振りカプ・レヒレ抜き
S60振り:4振りランドロス(霊獣)抜き / S-1最速
ガブリアス抜き
以上より、B100C196S60振りが配分の最低ライン。
- 調整案1
性 格:臆病
努力値:H172 B4 C196 D12 S124
実数値:180-99-86-131-87-133
B:A200ウーラオス(いちげき)の暗黒強打/インファイトを90.2%で2耐え
C:ヘドロ爆弾でH175-D81ウーラオス(いちげき)を毒の追加効果と急所込みで93.1%で2発
D:ダウンロード対策
S:準速カイリュー抜き
大抵のカイリューに対して起点回避が成立するほか、S128程度の
ランドロス(霊獣)
サンダー
ミミッキュ等に対して上から行動できる可能性を残す。
- 調整案2
性 格:控え目
努力値:H132 B28 C204 D36 S108
実数値:175-99-89-145-90-119
H:16n-1調整(天候ダメ割合最小)
B:A200ウーラオス(いちげき)の暗黒強打/インファイトを91.0%で2耐え
C:凍える風でH196-D100ランドロス(霊獣)をオボン込みで確定2発
D:ダウンロード対策
S:S-1最速キュウコン(アローラ)抜き
Cに多めに振ることでオボンランドロス(霊獣)にこご風2発を耐えられるリスクを減らしたもの。火力的に殴る動きが比較的強いのも利点。
シミュレーション
ダメ計は調整案1に準拠。
- A. 積極的仮想敵:対面から倒す/先制技圏内に入れる/流すのいずれかを果たす、場合によっては後出しからそれらを狙うことが目標となるポケモン。
- 一撃ウーラオス
ウーラオス(いちげき)
襷やスカーフであれば対面撃ち合っても勝てる。鉢巻や珠を一点読みするなら凍える風から入るのがベストになる。ダイジェット持ちは厳しい。
☆H175-D81にヘドロ爆弾 48.0%~56.5%
★A200 暗黒強打(確定急所) 43.3%~51.6%
★A200 インファイト 43.3%~51.6%
★A182 DM燕返し 97.7%~115.5%
- 連撃ウーラオス
ウーラオス(れんげき)
基本的に一撃の型に倣うが、水流連打に対して後出しできること、インファによる耐久downで与ダメを見込みやすいことから、どちらかといえばより処理しやすい。
- カプ・レヒレ
カプ・レヒレ
上を取れている限り対面で負けることはないが、スカーフには撃ち負ける。風船とミストメイカーの表示順によりS関係が把握可能。水技に対して無償で着地できるが、瞑想やC振り個体を考えると後出しは安定しない。
☆H177-D151にヘドロ爆弾 50.8%~61.0%
★C116 ムーンフォース 40.0%~47.2%
★C147 ムーンフォース 50.5%~60.0%
★C161 ムーンフォース@眼鏡 82.2%~97.2%
- カバルドン
カバルドン
風船があるなら挑発が安定し、流し際に毒を撒くことができる。勘の鋭いプレイヤーは風船を見てすぐに引いてくることも稀にある。地面技以外の打点があると風船を割られてしまうが、引き換えに起点作成を阻止し、吹き飛ばしが(おそらく)ないという情報も拾えるため最低限の仕事はできている。
☆H215-D93に凍える風 27.9%~33.4%
☆H215-D136に凍える風 19.5%~23.2%
★A132 地震 96.6~114.4%
★A132 氷の牙 21.1%~25.0%
- ラグラージ
ラグラージ
基本的にカバルドンと同じ。上位帯に多い地震切り守る採用の個体であれば風船なし挑発のみで完封可能。乾燥肌を知らずにクイックターンをしてくることがあり、思わぬ形でアドが取れることも少なくない。
☆H207-D119にヘドロ爆弾 13.5~15.9%
- ウオノラゴン
ウオノラゴン
ドクロッグがいようと構わず大抵エラ噛みしてくるため、1回は後出しできると考えてよい。ダイサイコ(拘り解除)や2サイクル目以降の択に対しては味方と連携したプレイングが必要となる。
☆H165-D101にヘドロ爆弾 40.6%~47.8%
★A156 逆鱗 68.3%~80.5%
★A156 頑丈顎サイコファング 193.3%~228.8%
- ゴリランダー
ゴリランダー
地面技に怯えることなく殴れる。風船とグラスメイカーの表示順でS関係が分かり、鉢巻グラスラはGFの回復込みで60%ほどで2耐えするため有利な勝負。グラスシード等のアクロバット持ちはS振りが多いことも含めて不利。
☆H207-D90にヘドロ爆弾 72.4%~85.0%
★A194 GFウッドハンマー@鉢巻 82.2%~97.2%
★A194 GFグラススライダー@鉢巻 48.3%~56.6%
★A194 10万馬力 90.0%~106.6%
- ポリゴン2
ポリゴン2
格闘技を切っているためドクロッグ単体では処理ができず、対面を作って流す、あるいは毒毒を入れるというのが仕事となる。習得する格闘技の低威力さを知ってか平気で居座ってくるプレイヤーが一定数おり、安定した行動が取りにくい点はやや難しい。格闘技があることをチラつかせて流す、格闘技がないことをチラつかせて毒を盛る、といったブラフの使い分けが必要になる。攻撃に対して受け出せる回数は高々1~2回程度しかないこと、身代わりを貼られると毒が入らず別の処理ルートが必要になることには注意。
☆H191-D161@輝石にヘドロ爆弾 14.6%~17.8%
★C126 冷凍ビーム 27.7%~32.7%
★C126 トライアタック 36.6%~43.3%
★A100 +1(ダウンロード)空元気 38.3%~45.5%
★C126 アナライズトライアタック 47.2%~56.6%
★C172 DM破壊光線 93.3%~110.0%
- ドヒドイデ
ドヒドイデ
熱湯ワンウェポンであれば無限に後投げが可能なため、挑発で流して後続に毒を刺すという動きを取れる。ドヒドイデ自体には毒毒が入らないため、最終的には他のポケモンで崩すかTODを目指す。風船が割られていることが前提となるが、毒菱を回収できるというのもポイント。水技以外の攻撃技を所持されると逆に不利な相手となる。
★C73 ヘドロ爆弾 11.6%~14.4%
- バンギラス
バンギラス
本来一致で4倍弱点を突けるため、格闘技がないことがバレないうちは流せる。襷のみ居座って電磁波やステロを打ってくるため挑発で阻止する。
★A186 噛み砕く 27.2%~32.2%
★A204 地震 100.0%~117.7%
- フェローチェ
フェローチェ
陽気鉢巻トリプルアクセルまで確定で耐える。虫技1/4なため蜻蛉で逃げられても圏内に入りにくい点はよいが、こご風1回では抜けずヘド爆での処理を目指す形となるため、単騎での突破は追加効果等の運要素に依存する。
☆H147-D57にヘドロ爆弾 80.2%~94.5%
★A207 蜻蛉返り 13.3%~15.5%
★A207 インファイト 45.0%~53.3%
★A189 トリプルアクセル@鉢巻 (13.8%~16.6%)+(27.7%~32.7%)+(41.1%~48.8%)
- ピクシー
ピクシー
挑発により積み展開やステロ等のサポートを阻止可能。基本的にヘド爆で押していくことで対処できるが、天然であれば毒毒を入れて詰ませ性能を奪うという処理ルートも一考。
☆H202-D111にヘドロ爆弾 59.4%~71.2%
★C116 ムーンフォース 40.0%~47.2%
- その他
○ マリルリ
アシレーヌ:カプ・レヒレの対処に倣う。
○ ヌオー
ナマコブシ
スイクン:ドヒドイデと同様だが、毒毒が通るため面倒な択は少ない。
○ ガマゲロゲ:一致技2つが無効+サブで弱点を突かれない。
○ カビゴン:挑発+毒毒により対面限定なら安定する。
○ エルフーン
カプ・ブルル:毒技と挑発があるため比較的柔軟に対処可能。
- B. 消極的仮想敵:有利対面ではない(=引けるのであればそれも有力な選択肢になる)ものの、後続の処理ルート確保や起点回避のために居座る場面があるポケモン。
- 霊獣ランドロス
ランドロス(霊獣)
偶発対面で初手からダイジェットされることはまずないため、風船を持っている限り行動保証があると考えられる。H116振りまでならオボン持ちでもこご風で確定2発であり、剣舞やステロから入ってきた場合は無償で突破可能。風船と威嚇の表示順でS関係を判別でき、上をとっているなら岩石封じから入られても勝てる。上から蜻蛉で様子見してくるのは基本的にスカーフ。
☆H196-D101に凍える風 57.1%~67.3%
★A197 蜻蛉返り 8.3%~10.0%
★A197 岩石封じ 14.4%~17.2%
★A197 地震 143.3%~170.0%
- ガブリアス
ガブリアス
霊獣ランドロスと同様で、風船がある限り基本的に1回の行動保証があり、剣舞やステロを優先してくるならこご風連打で突破を望める。スケイルショットやチョッキ、スカーフなどを考えると対霊獣ランドロスほど安定はしないものの、竜技を誘発できるためフェアリーと組ませておけば安定しやすい。
☆H183-D106に凍える風 56.8%~67.7%
★A182 スケイルショット (17.2%~20.5%)*(2~5)
★A200 逆鱗 87.2%~103.3%
- カイリュー
カイリュー
マルチスケイル込みでこご風を2耐えされるため対面で勝つことは困難だが、上をとっている限り竜舞やダイジェットの起点にはなることは防げる。
☆H167-D120に凍える風 55.0%~67.0%
★A204 ダブルウイング (60.0%~71.1%)*2
- ミミッキュ
ミミッキュ
化けの皮がなかろうとタイマンで勝てる見込みはほぼないが、陽気珠のじゃれつく+影討ちを77%で耐えるためこご風+αで削りを入れることはできる。アッキミミッキュのような遅い個体に対しては上から動ける可能性がある点にも留意。
☆H131-D125にヘドロ爆弾 41.2%~48.8%
★A142 影討ち@珠 28.3%~33.3%
★A142 じゃれつく@珠 60.5%~72.2%
★A142 DMじゃれつく@珠 87.2%~103.8%
- ドサイドン
ドサイドン
地面技による一撃死を回避しながら毒を盛ることができる。
☆H191-D107ハードロックに凍える風 20.4%~24%
★A211 ロックブラスト (9.4%~11.6%)*(2~5)
★A211 ヒートスタンプ(威力120) 76.6%~90.5%
- ウツロイド
ウツロイド
岩毒草等の主要技を半減するため、耐性受けによるダイマ枯らしなどに貢献できる。特殊技主体な都合上ドクロッグで削るのは難しいが、仮に地面技を採用すれば簡単に処理できる。サイコショックにのみ注意。
☆H185-D152に凍える風 9.7%~11.8%
★A169 10万ボルト 36.6%~43.3%
★C169 +1メテオビーム 54.4%~64.4%
★C169 サイコショック 133.3%~157.7%
- Aキュウコン
キュウコン(アローラ)
霰ダメ込みで攻撃を2耐えするのは厳しい。こご風+ヘド爆では落とせないが、耐久無振りなら毒ダメ込みで高乱数となる。Aキュウコンの方が速いため挑発は基本的に悪手で、壁貼りという最低限の仕事を許す点は以下2種にも共通する。
☆H149-D120にヘドロ爆弾 76.5%~89.9%
☆H149-D120に凍える風 7.3%~9.3%
★C133 ムーンフォース 45.5%~53.8%
★C133 吹雪 52.2%~62.2%
- カプ・コケコ
カプ・コケコ
計算上は撃ち合ったとしてもそこそこの勝率を期待できる。ボルチェン等を考えると単純な撃ち合いになるかは微妙だが、仮にも毒タイプであり悠長な行動は許しにくいため、電気技に対して地面を着地させる動きは成功しやすい。
☆H145-D96にヘドロ爆弾 96.5%~115.8%
★C147 マジカルシャイン 42.2%~50.5%
★C147 EF10万ボルト@眼鏡 93.3%~110.0%
★A167 ブレイブバード 97.7%~115.5%
- オーロンゲ
オーロンゲ
大抵リフレクターから貼ってくるためヘド爆が通りやすいが、挑発とどちらから入るかは状況次第。電磁波やソウルクラッシュをもらう覚悟で倒しにいくか、裏に控えるポケモンに備えてドクロッグを丁寧に扱うかは慎重な判断が求められる。
☆H202-D96にヘドロ爆弾 69.3%~83.1%
★A140 ソウルクラッシュ 38.3%~45.5%
- クレセリア
クレセリア
瞑想型は毒を入れられると後続で処理しやすくなる。挑発によりトリル等の阻止も可能。
★C95 アシストパワー(威力20) 28.8%~35.5%
★C95 +1アシストパワー(威力60) 126.6%~148.8%
構築および運用
補完の際に気をつけることとして、ダイジェット持ち(主にサンダー
エースバーン
テッカグヤ)からの引き先となれるポケモンを必ず用意することは意識したい。また毒毒無効かつドクロッグに打点があるポケモン(
テッカグヤ
メタグロス
ヤドキング(ガラル)etc.)にはまともに負担をかけられないため、特に周りで厚くしておきたい(鋼タイプ全般がこの条件に当てはまるが、格闘抜群の
ヒードラン
ジバコイル
ドリュウズ等は構成がバレるまで後投げされにくい)。
積極的仮想敵にあたるポケモンが2~3匹以上見える場合に選出を検討する。サイクル導入に限度があるため初手出しが推奨されるが、後発に置いて有利対面を作ってから出していく形でもよい。序盤でドクロッグが仮想敵を倒す、あるいは毒を撒くという役割を果たし、最終的に味方のエースの一貫を作ることが理想的な試合展開になる。
以上です
ご覧いただきありがとうございました。質問・疑問・指摘・アドバイス・感想等あれば、気軽にコメントしてください。