あいさつ
初めましての方は初めまして。そうでない方はいつもご無沙汰しております。
さすらいです。2回目の投稿となります。今回もよろしくお願いいたします。
さて、本育成論では対ヌオドオヌオードオー対策専用サポーターとしてジュゴンジュゴンをご紹介いたします。対戦でも同タイプのパルシェンラプラステツノツツミと比べるとマイナーかつこれといった強みがよくわからん扱いされることが多いポケモンですが、テラレイドでは意外なポケモンが活躍することがよくあります。本育成論のジュゴンもその1匹です。
本育成論はみんなで挑戦「だれとでも」(以下:野良レイド)での運用を想定した型ですので前回(育成論SV/3663)ご紹介いたしました相性の良いNPC考察は割愛させていただきます。
前回から引き続き注意点です。
- DLCゼロの秘宝のダウンロード及び藍の円盤をある程度(テラリウムドーム解禁時点が目安)まで進めていることを前提としております。
- 本育成論では対戦などでよく使用される専門用語や略語を使用している箇所がございます。予めご了承ください。
例1:HABCDS
H = HP
A = こうげき
B = ぼうぎょ
C = とくこう
D = とくぼう
S = すばやさ
例2:横遺伝:『ものまねハーブ』を持たせた状態で特定の技を覚えたポケモンと一緒にピクニックをすることでタマゴ技を習得させる方法のこと。
詳しくはこちら→https://yakkun.com/bw/tamago.htm
例3:A1↓:こうげきのランク補正を1段階下げること。
例4:C+1:とくこうのランク補正が1段階上がっていること。
- 専門用語や略語についてもし分からない場合、本サイト内の解説ページをはじめ事前に調べておくことをお勧めします。
バトルの基礎知識はこちら→https://yakkun.com/data/battle.htm
個体値・種族値・努力値はこちら→https://yakkun.com/dp/system.htm
前回から繰り返し申し上げますが、本育成論の型にかかわらず、レイドで運用する際の前提としてソロ及びマルチ問わず、Lv100、理想個体値、技構成などを考慮した育成をお願いいたします。
ましてや未育成で野良に潜ろうなどもってのほかです。絶対にやめてください。
コンセプトと役割
あいさつで申し上げた通り、対ヌオドオ対策専用サポーターのジュゴンとなります。
早速ですが、ヌオー及びドオーがいかに厄介なのかを技構成や特殊行動から分析してみましょう。
(引用:ポケモンスカーレットバイオレット攻略 | hyperWiki
URL:https://hyperwiki.jp/pokemonsv/raid-param/
https://hyperwiki.jp/pokemonsv/raid-param-kita/#t1)
- ★6ヌオーの通常技と特殊行動
- 特性:てんねん
- 通常技
・じしん
・アクアブレイク
・あくび
・どくどく
- 特殊行動
時間40%:テラ回収
体力90%:強化解除
体力75%:弱体解除
体力70%:のろい
体力30%:あまごい
シールド展開:体力60%
- ★6ドオーの通常技と特殊行動
- 特性:どくのトゲ、ちょすい、てんねん
- 通常技
・じしん
・どくづき
・メガホーン
・あくび
- 特殊行動
時間95%:強化解除
時間60%:強化解除
体力75%:あくび
体力50%:弱体解除
体力20%:じしん
シールド展開:体力70%
ということが分かります。
ここで最も厄介なのがてんねんです。
- 相手のランクの変化の影響を受けない。ただし素早さのみ影響を受ける。
上記の効果から読み取れるように、どれだけ素早さを除くランクを積もうと全て+-0、つまりランク変化が無かったものとして処理されてしまいます。
第8世代でヌオーがザシアン(王)受け対策で使われていたまでである
そして次に厄介なのが状態異常です。両者とも共通してあくびを使用します。
- 次のターン終了時に相手を眠り状態にする。
やけどやまひと異なりタイプ上無効にできるタイプが存在せず、しかも2〜4ターン行動不能になってしまうあらゆる場面で恐ろしい状態異常です。こおり状態も行動不能になるって? 100%でこおり状態にする技は第9世代時点では無いし、こおり状態になること自体本サイトでも極まれと言われるほどだし、第1世代ほど鬼畜設定じゃないしな……
レイドでは状態異常になった際はポケモンが持っている特性や道具、いやしのエールぐらいしか回復手段がありません。ネット対戦と同様にバッグの中にある回復用の道具は使用できません。
そして、サポーターとしてのよくある役割であるデバフ付与もする必要があります。両者とも使用する技は全て物理技なのでAデバフができることも重要になります。
上記を踏まえ、★6のヌオーおよびドオーを対策するうえで重要なことをまとめると
サポーターとして選出する以上は上記3点の対策を全て集約しかつ味方を守れるようにする必要があります。
これらの条件を全て満たせるポケモンはいないかなと探していたところ白羽の矢が立ったのがこのジュゴンだったわけです。
技構成
- しんぴのまもり(レベル61)
- 5ターンの間状態異常を無効化します。本育成論における状態異常対策となる技です。ミストフィールドと異なりタイプやふゆうでも恩恵を受けられるうえ、フィールド技どうしで競合し合わずに済むメリットがあります。
- SVでは技マシンから削除されてしまった影響もあって習得者が激減したためかなりレアな技です。
- なかまづくり(タマゴ技)
- 相手の特性を自分の特性と同じ特性に上書きします。本育成論における特性対策となる技です。
- スキルスワップと似たような効果ですが、技を使用したあとの自分の特性は変わらないという違いがあります。
- 『チュリネ』(Lv39)、『パモ』(Lv31)などからものまねハーブを使って横遺伝で習得できます。
- ひやみず(マシン22)
- 物理サポーター定番のAデバフ技です。しんぴのまもりの効果が継続している限りは基本的にこの技を連打します。
- ただし、ドオーだとたまにちょすい持ちのときがあるため注意。先んじてなかまづくりを使用していれば問題ありません。
- なげつける(マシン43)
- 投げつけた持ち物によって威力や追加効果が変わるというユニークな効果を持っています。
- 例えば、でんきだまの場合、投げつけることで威力30、相手を確定でまひ状態にします。
- ただし、なげつける使用後は道具が無くなる、つまり1回きりであるため使用するタイミングに注意しましょう。
持ち物
かえんだま
持たせると登場したターン終了後にやけど状態になる道具です。
ハッコウシティのデリバードポーチで15,000円で購入できます。
『なげつける』で投げつけた時の追加効果で相手を確定でやけど状態にします。
特性
アイスボディ
天気が雪のとき毎ターン1/16回復できます。ジュゴンにとっては仮想敵の関係上特に意味はありませんが、なかまづくりによる特性上書き用として仮想敵に渡しても最も無害だからです。
下記の都合上通常特性のままでは相手に何かしらの恩恵を与えてしまうためとくせいパッチの使用を強く推奨します。
あついしぼう→味方のメインウェポンがタイプまたはタイプの場合与ダメージが半減してしまうため。
うるおいボディ→天気が雨のとき状態異常が回復する。一見恩恵といったものが薄そうなので大丈夫ではないかと思われるますが、本育成論の型および立ち回り(かえんだま+なげつけるのコンボ)においてはミスマッチなため。特にヌオーは体力30%時にあまごいを使用するためうるおいボディに上書きするのは厳禁。
性格と努力値配分
性格:ずぶとい(A↓B↑)
努力値配分:H248 B252 C10
Hをあえて252にしなかったのは、かえんだまを持たせる都合上やけどによるスリップダメージを少しでも抑えるためです。
H個体値V(31)かつLv100の場合のHP実数値は383、16n-1に該当します。この調整は状態異常やすなあらしによるスリップダメージが最小になることで有名です。
余りの10はCに振っていますがSに振っても構いません。
- 本育成論の努力値配分のやり方の例
HP:
マックスアップorたいりょくのもち×24 + たいりょくのはね×8
育てたいポケモンにパワーウエイトを持たせてラッキーラッキーを24体倒す→たいりょくのはね×8
ぼうぎょ:
ブロムヘキシンorていこうのもち×25 + ていこうのはね×2
育てたいポケモンにパワーベルトを持たせて
スカーレットの場合→イシヘンジンイシヘンジンを26体倒す
バイオレットの場合→テツノワダチテツノワダチを23体倒す
上記の性格補正、努力値配分、すごいとっくんをしてLv100まで育成した場合の実数値は
HP:383
こうげき:158(使用しないが便宜上記載)
ぼうぎょ:284
とくこう:178
とくぼう:226
すばやさ:176
となります。実数値がおかしいときはレベル不足、すごいとっくんのし忘れ、努力値配分のミスなどが考えられますのでレイドバトルをする前に指差し確認をしましょう。
テラスタル
タイプです。
主にヌオーの一致技()を両方半減します。
なおドオーは技範囲()の違いからテラスタルは使わないようにしてください。
基本的な立ち回り例
- しんぴのまもり→技スペースの1番上に配置しておくことで連打だけでスムーズに展開できます。
- なかまづくり→相手の特性を上書きします。
- ひやみず→相手のAを1段階下げます。
- Yボタンでしんぴのまもりのターンが切れていないか確認しつつ切れていたらしんぴのまもり、まだ切れていなかったらひやみずを使用します。
- 弱体解除後orバリア展開後になげつけるを使用します。(詳しいタイミングは後述)
- なげつけるを使うタイミング
相手を状態異常にする以上、状態異常を解除されてしまっては意味がありません。
状態異常を解除されてしまうパターンは
・弱体解除を使われたとき
・シールドを展開されたとき
実はシールド展開でも状態異常に限り回復されてしまいます。意外と知られていない仕様なので注意しましょう。
また、「コンセプトと役割」でヌオードオーの行動パターンに一部太字表記になっているものがありますが簡易的なかえんだまを投げつけるタイミングとしてお使いください。
ママンボウとの違い
レイドをある程度潜っている方であれば上記の方とほぼ同じことが出来るポケモンを思い浮かべると思います。
ママンボウ
そう、ママンボウママンボウです。
主に物理型のレイドにおいてサポーターとして活躍しているママンボウですが、私自身もヌオードオーレイドでママンボウを使用しておりました。しかし、使用していくうちにあることが気になってしまったのです。スキルスワップで自分がてんねんになったらAデバフの恩恵を受けられないことに……
ジュゴン:H90-A70-B80-C70-D95-S70
ママンボウ:H165-A75-B80-C40-D45-S65
物理耐久指数(いずれもLv100、性格ずぶとい、HB252振り)
ジュゴン:H384×B284=109,056
ママンボウ:H534×B284=151,656
種族値からみるとBは同値であるもののHで75も差をつけられてしまっています。物理耐久指数でもHP実数値で150も差を付けられています。
単純な耐久面ではママンボウに軍配が上がるようです。
続いて、習得技を比べてみましょう。
※Aデバフはテラレイドでよく使用される技に限り掲載
内容 | ジュゴンジュゴン | ママンボウママンボウ |
---|---|---|
状態異常対策 | しんぴのまもり | しんぴのまもり ミストフィールド |
特性変更 | なかまづくり | スキルスワップ |
Aデバフ | ひやみず あまえる | ひやみず くすぐる |
なげつける | 〇 | ✕ |
みずびたし | ✕ | 〇 |
状態異常対策では両者ともしんぴのまもりを習得できます。ただし、ママンボウが状態異常対策にミストフィールドを採用している場合、タイプや特性『ふゆう』だと状態異常から守れないこと、フィールド系の技と競合していしまうことが問題点となります。
特性変更ではジュゴンがなかまづくり、ママンボウがスキルスワップとなっています。なかまづくりとスキルスワップの違いは技を使用した後に自分の特性が変わっているか否かです。
★6ヌオードオーでは特性がてんねんである場合があり、スキルスワップをすると自分の特性がてんねんになります。
ここで特性てんねんの効果を振り返りましょう。
- 相手のランクの変化の影響を受けない。ただし素早さのみ影響を受ける。
コンセプトと役割で解説した通りどれだけ素早さを除くランクを積もうと全て+-0、つまりランク変化が無かったものとして処理されるというのがてんねんの厄介なところでしたが、ランク上昇(+)だけでなくランク下降(-)も0として扱われます。
つまり自分の特性がてんねんになるとランク上昇の暴力にさらされない代わりにランク下降の恩恵を受けられなくなります。これがママンボウを使用するうえでのなやみのタネでした。
そしてジュゴンとママンボウの最大の違いとして『なげつける』の有無です。
伝家の宝刀「かえんだま+なげつける」のコンボはあらゆる物理型レイドボスを問答無用で沈静化してしまう1回きりであるものの大変強力なコンボです。
テラレイドバトルでも特に攻略難易度が高いカイリューやコノヨザルにこのコンボを使用したサポートで幾度も勝利することができました。本サイトでもこのコンボまたはその派生を用いた育成論が投稿されるほどです。
次に、特性がてんねんになったママンボウと特性はそのままのジュゴンでの被ダメージ推移はどのようになるのか計算してみましょう。
ジュゴンのステータスは本育成論と同じ型で計算します。
また、ママンボウのステータスは以下の条件を仮定して計算します。
・Lv100
・性格:ずぶとい
・努力値配分:HB252
・個体値6V
なお、与ダメージは以下の条件と仮定して計算します。
・仮想敵:★6ヌオー
・使用する技:じしん
・Lv90
・性格補正無し(まじめやすなお等)
・AC個体値さいこう
・テラスタイプ:ノーマルタイプ
・状態異常:ジュゴンママンボウヌオーとも状態異常にかかっていないものとする
・残り体力=現在の体力-乱数ダメージ1.00倍
(a〜b表記の場合aが乱数0.85倍、bが乱数1.00倍とする。上記の計算式の場合bを採用する)
・ひやみずを使用したターンに被弾しているものとする。
・攻撃しなかったターンのついては考慮しないものとする。
・途中でいやしのエールなどの回復技は使用しないものとする。
・残り体力割合は小数点第5位四捨五入、単位は%とする。
- 特性がてんねんになった状態のママンボウでの被ダメージ推移
被弾回数 | ダメージ数 | 現在のHP | 残りHP | 残りHP割合(%) |
---|---|---|---|---|
1回目 | 64〜76 | 534 | 458 | 85.77 |
2回目 | 64〜76 | 458 | 382 | 71.54 |
3回目 | 64〜76 | 382 | 306 | 57.3 |
4回目 | 64〜76 | 306 | 230 | 43.07 |
5回目 | 64〜76 | 230 | 154 | 28.84 |
6回目 | 64〜76 | 154 | 78 | 14.61 |
- ジュゴン(特性はアイスボディのまま)での被ダメージ推移
被弾回数 | ダメージ数 | 現在のHP | 残りHP | 残りHP割合(%) |
---|---|---|---|---|
1回目 | 42〜51 | 383 | 332 | 86.68 |
2回目 | 33〜39 | 332 | 293 | 76.5 |
3回目 | 25〜31 | 293 | 262 | 68.41 |
4回目 | 22〜27 | 262 | 235 | 61.36 |
5回目 | 18〜22 | 235 | 213 | 55.61 |
6回目 | 16〜21 | 213 | 192 | 50.13 |
表から読み取れる通り、4回目時点から残り体力で逆転しています。
また、残り体力割合もママンボウは4回目で50%を切ってしまったのに対し、ジュゴンは6回目時点でも50%にとどまっています。
ステータス上ではママンボウに劣ってしまっていたものの、習得技の違いや技の効果によりジュゴンでも十分サポーターとして活躍できることが分かりました。
結論から言うと答えはNOです。ママンボウはダメージ推移での計算上ジュゴンより被ダメージは大きくなってしまうものの、習得技の違いで紹介をスキップした『みずびたし』を習得できます。
主な使いどころは味方がレイドボスの使用する技で弱点をつかれてしまうときに味方のポケモンのタイプをタイプに上書きすることです。レイドボスにはテラレイドバトルの仕様上必ず失敗してしまいますので注意しましょう。
テラスタルの項でヌオーとドオーの技範囲の違いについてさらっと紹介しましたが、そのタイプで弱点をつかれてしまうタイプを持つポケモン(ヌオードオー両方が使用するタイプを例に挙げると、テツノカイナハラバリーミライドンなど)を残念ながら味方が選出してしまった場合に味方ポケモンの出オチ防止に使うことが出来ます。味方に技を使用する以上ちょっぴり心苦しいかもしれませんが、勝率を少しでも上げるためにも心をオニゴーリにして味方を水浸しにしてしまいましょう。
味方の選出状況を考慮してジュゴンとママンボウどちらを採用するか判断するのが良いでしょう。
・状態異常対策及びAデバフ対策はジュゴンママンボウとも共通
・特性対策はジュゴン:なかまづくりママンボウ:スキルスワップ
・なかまづくりとスキルスワップの違いは使用後に自分の特性が変化するか否か
・ジュゴンはかえんだま+なげつけるによる状態異常付与ができる
・ママンボウは味方が耐久面でのタイプ相性上不利な選出をしてしまった場合にみずびたしでカバーできる
終わりに
今回はヌオードオー用サポーターであるジュゴンの紹介でした。
本育成論のジュゴンを使用してみた感想や撃破報告などがありましたら、お気軽にコメントしてください。
本育成論はこれで以上となります。最後までご精読いただきありがとうございました。
皆様のテラレイドライフがより良いものになることを願っております。