前置き
- お互いに理想個体を想定します。
- ダメージ計算はダメージ計算SSを使用します。
- 考察は常体で行います。
採用背景
現環境における
マンムーの強味
- vs竜・飛行:A130からの氷打点と先制技により、環境を席巻している
ランドロス(霊獣)
ボーマンダ
アーゴヨン
ファイヤー(ガラル)などに強い。
- vs電気:一致技を無効化しつつじしんを打てる。
- こおりのつぶて:体力が1でも残っていれば
ランドロス(霊獣)
ボーマンダ
アーゴヨン等に致命打を与えられる。
- 対応・攻撃範囲の広さ:現在、70位以内で
マンムーの一致技を両方半減できるのは
ウォッシュロトム
ヒートロトム以外存在せず安定行動に移しやすい。
- 対面性能とDM適正:前述の範囲と先制技による火力補強、低速相手は抜けるS、中の上程度の物理耐久のおかげで、高い対面性能を持つ。
つららばりと先制技でミミッキュや襷持ちへ強い点、ダイアースによる特殊相手へのDM適正等も拍車をかけており、対面構築に入れるに十分なスペック。
→攻撃性能が上位軍に刺さっており、先制技で対面性能が高い。竜を1・2撃で仕留められる先制技や電気耐性でランドロス(霊獣)や
レジエレキ
カプ・コケコ等が重い対面構築の穴埋めにも向く。
紙耐久でこそないが、Dと貧弱な耐性を補いつ、先発でステルスロックを展開するASきあいのタスキでの採用が一般的。
一方以下の課題が存在する。
運用上の課題
- 物理受けへの止められやすさ:範囲に対し火力は中の中程度。HB特化
ポリゴン2にじしんを3~4回耐え抜かれる。数値受けに簡単に受けられる。
- 多弱点・並~並以下の特殊耐久:水・格闘・草抜群。加えて種族値上の特殊耐久は
フーディンを下回る、紙でないがお世辞でも高いと言えずC252
アーゴヨンのダイドラグーンで7割程度で落ちる。行動保障がない。
- 電気無効枠としての不安定さ:
ライコウのねっとう、
カプ・コケコのくさむすび等、地面対策に採用する技が抜群になりやすい。Dも相まり対面でもDM等で押し負ける可能性がある。
- きあいのタスキ運用時のリスク:
マンムーに限った課題ではないが、最も相性の良い襷が電気への後出し、高耐久との打ち合い、DM時相性が悪い。
これらの欠点を克服しつつ、強味を活かす構成としてHDベースとつげきチョッキ型を提案する。
構成・調整案とチョッキ等の意図について
特性:あついしぼう※1
持ち物:とつげきチョッキ
努力値:H204 A60 B36 D204 S4(A↑C↓)
実数値:211-173-105-×-106(159)-101)(A↑C↓)
調整意図
HB(22155):A252ランドロス(霊獣)のいのちのたまダイジェットを確定耐え
HD(22366*1.5=33549):C252いのちのたまラティオスのダイドラグーンを非DM状態→DMで2耐え、C252
カプ・コケコのくさむすびを2耐え、C無振り
ポリゴン2のトライアタックをほぼ5耐え。
A:H252ガラガラ(アローラ)をじしんで中乱数1、B特化
ハピナスを高乱数2発
その他:D>Bによるダウンロード対策、H=B+Dによる耐久指数最大化
技構成:じしん/つららばり/こおりのつぶて/じわれ※2※3
※1:襷と違い初手以外の運用も多い。ステロ非採用もあり、ボーマンダ
ランドロス(霊獣)などは死に出しされにくく、どんかんは活きる機会が限定的。
vsリザードン
サンダー
キュウコン(アローラ)への対面性能、耐久型のれいとうビームを考えるとあついしぼう安定である。
※2:高威力・命中安定で電気・毒への遂行技のじしん、飛行・竜への遂行技でみがわり・ばけのかわ等の対策になるつららばり、竜等にHP1でも致命打を与えられ火力補強にもなるこおりのつぶて、そして後述するコンセプト上必須のじわれは確定
※3:じわれの突破率は、1回/30% 2回/51% 3回/66% 4回/76% 5回/84%
この型の特徴は、火力とSを落とした代わりに、チョッキ+厚いHD振り、採用率の低いじわれの搭載の2点に集約される、強みを解説する。
- 対面性能の向上、vs竜等への安定性
無振りではC252アーゴヨンのダイドラグーンで乱数だが、とつげきチョッキ+HD振りでいのちのたま持ちの
アーゴヨンのダイドラグーン×2を非DM→DMで耐えたり、特化
カプ・テテフのサイコキネシスを2耐えする高耐久となる。耐久指数は無振りの2.26倍。(14800→33549)
これにより非DM同士であれば2回耐えて先制技込みで打ち合う、DM相手でも相手のDMの確認してから切り返す余裕が出来た。
物理耐久も、大抵のいのちのたまダイジェットを耐える数値を確保し安定性が増した。
- vs電気
高耐久によりvs電気の安定性も上がった。カプ・コケコのくさむすび程度なら2耐えする。後出し時役割破壊技を被弾しても、じしん+つぶてで倒すか、ダイアースでDM同士の打ち合いの拓へ持っていきやすい。
- vs耐久
物理受けに止められやすい欠点をじわれ+とつげきチョッキで解消する。
30%で一撃で落とせるため、再生技+高HBで出しを目論む相手をけん制できる。ポリゴン2の無振りトライアタックをほぼ5回耐える耐久で試行回数を稼ぎやすい。
留意したいのは、あくまで"崩しの手段である"こと。3回打っても当たる可能性は65%程度、状態異常・急所、DMで踏み倒されるリスクで安定はしない。
あくまで「物理受けが映った場合でも選出機会を失わせない措置」「PT単位での耐性の付与」が本分。
また、エアームド
クレセリア等には一切勝ち目がなく受け全般への対策は厳しい。
- ある程度のDM適正
襷と違い高火力技を2~3耐えする為、DM適正が比較的高い。前述のように相手のDMの切り返しとしてもいいし、今日終盤に特殊相手への詰ませ役としての活躍も期待できる。ダイアースを絡める事で通常の4.5倍(とつげきチョッキ+DM+D1)の耐久となる。
- Sが(ほぼ)無振りな件について
S振りによりカプ・レヒレ
ゴリランダー、S振り
メタグロス
ヒードラン等に抜かれる、中速帯なのにS調整を施さない事に疑念を抱くだろう。
しかし激戦区だからこそ捨ててよいという見方もできる。これらは同族付近の調整が施されるケースも少なくなく振ってもできない。一方、D204振りで1.32倍、いのちのたま1つ分の有意差を実現できる。
カイリューの同族勝負で分が悪い等のデメリットもあるが中速中耐久であり、被弾回数が嵩みやすいことを加味してもチョッキ型においてはHD振りの方がリターンは大きくないか。
→以上である。耐久ベースで対面性能を底上げしつつ電気無効枠としての安定性を底上げした。
じわれ・チョッキで浮いている物理受け以外殆どのポケモンの後出しを許さず、選出機会が失われる事態を回避。
また地面打点+じわれでドヒドイデ
バンギラス
ポリゴン2等を軸とした受けループ、連続技でばけのかわ・みがわり、ボルトチェンジ等、PT単位で厄介な戦法に耐性を持たせられる点も魅力。
襷との差別化は、DMを絡めたvs電気等の安定性、2発以上耐える攻撃への対面性能、じわれの試行回数等で容易。
その一方、一致弱点物理を耐え抜けない点、火力を落としH252マリルリ等の中耐久が乱数2発→瞬発的崩し性能に欠けるただし、Aの低下は主な役割が4倍や低耐久特殊との打ち合いである事を加味すると弊害もそこまで気にならないかもしれない。
採用理由・採用構築・立ち回り
採用理由
- 高い対面性能
- 電気の一貫切り
- 竜、
ランドロス(霊獣)等への圧力
- 高耐久とじわれによる崩し性能、ある程度の受けループ耐性
- 先制技による、竜等への削り、きあいのタスキ等の対策
採用構築
電気やランドロス(霊獣)の飛行が重いながら、
ポリゴン2等の物理受けの後出しをけん制し、不要なサイクル戦を避けたい対面構築の場合、他の地面枠をさしおいて採用される。
ただvsランドロス(霊獣)性能や、先制技、あついしぼうによる
ポリゴン2等への耐性を必要としない構築だと耐性と総合数値で勝る
ランドロス(霊獣)等の地面枠の方が適任なケースが多数。構築時意識するとよい。
ランドロス(霊獣)
ボーマンダ
ドヒドイデ
スイクン等が重くなりがちな対面構築のエース
エースバーン、同じく物理受けや竜、
ウツロイド
レジエレキが重くなりがちな
ギャラドス
ボーマンダ
サンダー軸等は相性が良い。とりわけ
マンムーの苦手な
ゴリランダー
エースバーンなどをじしんかじょうの起点にできる
ボーマンダ
ギャラドス等は特に良い。
またじわれの通じないクレセリア
テッカグヤ
ウォッシュロトム、上から一撃で落とす
バシャーモ
ウオノラゴン等は構築時穴になるので対策必須。
運用
電気・竜・飛行・その他耐久を苦手とするポケモンとの同時選出を基本とする。選出画面の時点でエースを通す際障壁になるポケモンを確認し、対面・後出しで殴り合う対象を絞る。
初手出し・死に出しが予測されるが、竜・飛行対面を作った際、カプ・レヒレ等の水や耐久が出し予想できた場合じわれ、DMを切ってくる場合はDMなど柔軟に対応する。
この型のポイントは、3~4発もATの攻撃を耐え抜ける数値はなく、鈍足や流し性能の関係上相手の選出・一手先の動きが求められる場面は多いものの、高耐久と先制技、じわれによる対応範囲で役割対象外でも腐りにくい部分。
有利・不利関係とシミュレート
前述の内容の証明の為ランクマッチの上位70位以内を作為的に選びシュミレートを行う。指定がない限り双方、非DMを想定、DM時は体200%、ダイアース込みなら150%で計算してほしい。
有利・不利
- 有利:双方のDMの有無で左右されるケースが多い。
・竜:アーゴヨン
ラティオス
カイリュー
ボーマンダ
ガブリアス
・電気:サンダー
カプ・コケコ
ジバコイル
ライコウ
レジエレキ
・飛行:ランドロス(霊獣)
ファイヤー(ガラル)
トゲキッス
ボルトロス
・その他:ウツロイド
カプ・テテフ
ヒードラン
キュウコン(アローラ)
エルフーン
ガラガラ(アローラ)
ドリュウズ
- vs竜
・特殊アーゴヨン
ラティオス:球
ラティオスのダイドラグーンを非DM+DMで2回耐える為、非DMで突っ込んでも切り返せる。球ダメージ込みダイアースでダイドラグーンを絡められても
アーゴヨンは落とせる。
球でなければ攻撃を2回耐えるのでDMを温存できる。
非DM相手なら毒技等に数値受け可能
・物理(ボーマンダ
カイリュー
ガブリアス):球DMを耐えつつ、つららばり+こおりのつぶてを打てる。
ボーマンダ程度の耐久であればつららばり2回+こおりのつぶてで乱数を取れる。
ボーマンダはいかく+DMを絡められると厳しいが死に出しが殆どで喰らいにくい、またその場合不利対面を覆す為のDMを消費するケースが殆どなのでこちらもダイアイスを合わせやすい。
与
H4アーゴヨンへじしん:140~166.4%
H4DMアーゴヨンへA-1じしん+A-2ダイアース:46.9〜56.3%/44.9~54.3%
H4DMボーマンダへつららばり/こおりのつぶて:58.4〜181.2%/46.7〜56.1%
H4DMガブリアスへA-1ダイアイス:81.9〜96.1%
被:
C252球ラティオスのダイドラグーン/持ち物なし:55.9~66.3%/43.1~51.1%(4.6%)
A252ボーマンダの球ダイジェット:80.0~94.7%
多くは最高打点でさえ半分通るか否かな程度、対面・無償降臨では確実に打ち勝てる。
C252いのちのたまサンダーのダイジェットで乱数2発を取られるなど役割破壊が安定しないが、
ライコウのねっとうをこだわり込みでも乱数2、くさむすび+ダイソウゲンをDM込みなら受けられるなど、従来よりリスク緩和はできている。
被:
C252こだわりメガネライコウのねっとう:45,4~54.0%(40.6%)
C252カプ・コケコのくさむすび39.8~47,2%
DMへC252カプ・コケコのダイソウゲン(GFなし/GFあり+D+1):21.3~25.5%/18.4~22.2%
C特化ジバコイルのアナライズ眼鏡ラスターカノン:80.5~96.6%
- vs飛行
・物理(ランドロス(霊獣)
ボルトロス):攻撃は1発は耐える為非DMは有利。向こうがDMだとつららばりの回数に左右されるが基本的に不利対面である以上、引けない状況を作れた際こちらのDMを合わせやすい。
ランドロス(霊獣)は読み合いが激しい、初手であればとんぼがえりか、
カプ・レヒレ等の水へ入れ替えるが安定する、とんぼ読みこおりのつぶてや、
カプ・レヒレ読みじわれなど柔軟な動きが求められる。
・ファイヤー(ガラル)
トゲキッス:非DM同士だとつららばり5回+つぶてでも落とせないが、ほけん+ぎゃうじょうダイジェットをDMで2耐えする為、対面有利。向こうがDM消費後すれば2匹を数値受け可能。ぎゃくじょうやひるみを先制技で無力化。
与
H252ランドロス(霊獣)へいかく込みつららばり/こおりのつぶて:65.3〜193.8%/51.0~61.2%
H4ボルトロスへつららばり/こおりのつぶて:72.2〜219.3%/
55.4〜67.0%
被
球ランドロス(霊獣)のA252ダイジェット:84.8~100.4%
じゃくてんほけん+ぎゃくじょう込みファイヤー(ガラル)のダイジェット:89.5~105.6%
C252トゲキッスのエアスラッシュ:21.8~26.0%
- その他
その他、電気等以外へのダメ計を記した。特筆事項はないが等倍を2~3耐え、並耐久等倍を確2にする火力がある指標にはなると思う。ウツロイドの繰り出しは、抜群やメテオビームによるCUPのリスクが高いため毒技以外には安定しない、DMでメテオビーム+くさむすびを耐えるがアド損。
与
H252カプ・テテフへじしん:58.1~69.4%
HB特化エルフーンへつららばり:38.3〜125.7%
H252ガラガラ(アローラ)へじしん:91.0~107.7%(43.7%)
被ウツロイドのC+1ダイソウゲン:78.6~92.8%
C特化カプ・テテフのサイコキネシス:39.8~46.9%
C特化ヒードランのこだわりメガネラスターカノン:80.5~96.6%
C252キュウコン(アローラ)のムーンフォース21.3~25.5%
特化ガラガラ(アローラ)のフレアドライブ: 88.1〜105.2%
特化ドリュウズのアイアンヘッド:83.4〜99.5%
単独突破が本分ではないと記載はしたが、ナットレイ
スイクン以外であれば攻撃を3~5発耐え抜けるため、受けループが重い場合や、役割遂行後に消耗ややけど等を厭わないのであれば突っ張ってよい。
特殊相手であればDMもダイアース+耐久で枯らしに行ける。カビゴン
ナットレイ等は積みの起点にされるケースがある為防止の意味だけでもじわれの価値はあるが、DMでDMを対策できないため単体突破は難がある。
被ダメ
無振りドヒドイデの熱湯:20.8~25.5%
無振りスイクンの熱湯:31.2〜36.9%
無振りカビゴンののしかかり:28.4~34.1%
無振りピクシーのムーンフォース:18.9~22.7%
与ダメ
HB特化ドヒドイデにじしん:54.7〜66.2%
B特化ハピナスにじしん:47.5〜56.3%(83.5%)
以上です。