はじめに
初めまして。だーよしと申します。
この度は、育成論をご覧頂きありがとうございます。
シングルのレート対戦ではよく遊んでいますが、育成論を書くのは不慣れですので、不明確なこと、修正が必要なことなどがございましたら、コメントを頂けると幸いです。
※努力値振りの確定欄をD4→S4に変更、威嚇や命の珠についての不正確な表現を修正しました。(9/13)
注意
- シリーズ6の環境を前提として話を進めさせて頂きます。(前環境の使用率トップ10のポケモンが使用禁止です。)
- ステータスにつきましては「H/A/B/C/D/S」の省略を使用致します。
- 極力わかりやすい表現になるように努めますが、一部の専門用語を使わせて頂きます。
- ダメージ計算は「ダメージ計算SS」さんを使わせて頂きます。
- ダメージ計算やすばやさ関係については、追記がない限り理想個体とします。
レントラー(レントラー)とは
第4世代のダイヤモンド&パールから登場したポケモンで、当時は作中の序盤で進化前のコリンクを捕まえることができ、見た目もカッコいいので、思い出深い人が多いのではないかと思います。
対戦においては、A種族値120や特性の威嚇・根性が強力である一方で、低めの素早さ、並み程度の耐久ステータス、タイプ一致の物理技の威力の不足などの問題点から、あまり注目を浴びてこなかったポケモンでもあります。
しかし、今作からダイマックスによって技の威力の底上げが可能になり、火力不足を補うことができました。対戦においては、「根性」を活かした物理アタッカーを務めたり、「威嚇」と「ボルトチェンジ」を活かすことでサイクル戦を有利に進める型も使用されています。
特に、シリーズ6においては環境上位が大きく入れ替わりましたが、レントラーは、ダイマックスを切ることで環境上位の多くをワンパンすることができます。
採用したきっかけ
「初手ダイマックス」+「トリックルーム」+「鉢巻ウオノラゴン」の構築を模索している際に、ダイマックスアタッカーの1体としてレントラーを採用することを思いつきました。
(この構築の発想自体は以前から存在し、私のオリジナルではありません。)
今回は、初手ダイマックスアタッカーとして、レントラーの強さを紹介していきたいと思います。
初手ダイマックスとは…
ソード&シールドより、ダイマックスというシステムが導入され、一時的に技の威力や耐久を強化できるようになりました。これにより、ダイマックスでどう相手を崩すか、相手のダイマックスをどういなすかが対戦のカギとなりました。
初手ダイマックスとは、最初のターンからダイマックスを使用することで、相手の想定外の火力を押し付け、試合の展開を有利に進める奇襲戦法のことです。
具体的な目標は、相手の1体目を突破し、2体目にダイマックスを使わせることだと考えています。
一時期は、「弱点保険バンギラス」や「達人の帯カバルドン」などが流行り、初手ダイマックスはメジャーな戦法の1つでした。しかし、ゴリランダーの「グラススライダー」が台頭した他、エースバーンルガルガン(まひる)ウーラオス(いちげき)などの「カウンター」がメジャーになり、相手にダイマックスを切らせる前に倒されてしまうリスクが高くなってしまいました。
しかし、今シリーズでは環境が大きく変わり、初手ダイマックスの成功率が格段に上がっています。
上手く使えば相手のPTを崩壊させることも可能なので、強力な戦略の1つであることは間違いありません。今回は、そんな初手ダイマックスに焦点を当てて考察をしていきます。
レントラーの採用理由
前述の戦略を安定して可能にするためには、以下の3点を満たすことが理想的です。
- 相手が1体目にどのポケモンを繰り出してきても倒せること
全てのポケモンに勝てるポケモンはいませんので、あくまで理想論です。
しかし、安定して初手ダイマックスを成功させるには、火力と対面性能が高い(=幅広いポケモンを倒せる)ことが必要となります。
個人的な感覚で申し上げると、選出の段階で相手のポケモンの6体中4体以上に有利がとれていれば、上出来だと考えています。これに関しては、人によって多少意見が異なると思います。
レントラーは技範囲が広く、A種族値が120もあるため、ダイマックスを切ることで多くのポケモンを1撃で倒すことができます。
具体的には、環境上位の「パッチラゴンアシレーヌウーラオス(れんげき) ウーラオス(いちげき)リザードンナットレイサザンドラマリルリニンフィアカットロトムヒヒダルマ(ガラル)オンバーンハッサムアイアントキュウコン(アローラ)ピクシー」などをワンパンすることができます。
特にパッチラゴンアシレーヌウーラオス(れんげき)を1体でまとめてみることができるのは大きいです。
- 相手の2体目にダイウォールもしくはダイマックス技を使わせられること
1体目を突破した時点で以下のいずれかを満たしていることで、相手のダイウォールやダイマックス技を誘発できる可能性が高まります。
A:相手よりも素早さが高く、先制技で倒されないHPを確保している。
B:相手よりも遅いが、通常技で落とされないHPを確保している。
レントラーは、特性の「威嚇」、並み程度の耐久ステータスにより、ダイマックスを切ることで多くのポケモンの通常技を2発以上耐えることができます。
したがって、Bを満たせる可能性が高いです。
後述のダメージ計算をご覧いただくとわかりやすいと思います。
- 初手ダイマックスが読まれにくいこと
初手ダイマックスが読まれると、受けまわしなどによってターンを消費させられるリスクが高まります。奇襲である以上、相手から見て型の判別がしづらいポケモンであると理想的です。
威嚇レントラーは、「ボルトチェンジ」などでサイクルを回す型もあり、ダイマックス前提の物理アタッカーと断定するのは難しいです。(そもそも根性型しか知らず、何をしてくるのかわからないという方も多いのではないでしょうか。)
特に、順位が高い方ほど「電磁波」や「ボルトチェンジ」を警戒するため、「カウンター」で逆襲されるという、最悪の展開が起きづらくなります。
以上のことから、対面性能、奇襲性能を考えると、レントラーは初手ダイマックスにふさわしい一匹だと言えます。
レントラーの弱点
電気タイプなので地面タイプのポケモンには不利です。
例え1体目に地面タイプのポケモンが出てこなかったとしても、ダイマックスを切るターンに「ボルトチェンジ」読みで後投げされる可能性があります。Sが高くないため、交代読みの1撃で倒せなければ、地面技でHPを大きく削られる展開が予想されます。
マスターボール級の上位になるにつれて、パッチラゴンの対策として地面タイプを採用しているプレイヤーが増えており、これはレントラーの明確な弱点といえます。
しかし、地面タイプ以外の技で効果抜群を突かれることがないため、一方的に不利な相手も少なく、対面性能は非常に高いです。特に、上記の環境トップ達に有利を取れるのはとても大きいと考えています。
したがって、初手に投げるポケモンとして、地面タイプに有利なポケモンもPTに採用してあげれば、上手く使い分けられると思います。(私は草技を搭載した「すいすいガマゲロゲ」などをPTに採用しています。)
ウインディとの差別化
同じ特性、似た技範囲のポケモンにウインディ(90-110-80-100-80-95)がいます。種族値だけを見ると、A以外はレントラーの上位互換となっています。
しかし、ウインディは炎タイプであるため、電気タイプよりも弱点が多いです。必然的に環境トップのポケモンに対して不利になることも多くなります。
例えば、ウーラオス(れんげき)には効果抜群の「水龍連打」を打たれるので、HPを大きく削られてしまいます。
またスカーフパッチラゴンの「電撃くちばし」が等倍だったり、マリルリの「アクアジェット」が効果抜群になるデメリットがあります。
もちろん、Sの高さなど、ウインディにしかないメリットもあるため、全ての場合においてレントラーの方が優れているわけではありません。PTのバランスと相談しながら決めるのが良いと思います。
持ち物
「達人の帯」で確定としています。
少しでも相手に大きな負荷をかけたいので、火力アップアイテムは必須です。本論のレントラーは、広い技範囲から効果抜群の攻撃を繰り出すことをコンセプトにしているため、「達人の帯」は非常に相性が良いアイテムだと言えます。
また、Sが高くないため、相手の攻撃を耐えてから殴る展開が多くなります。耐久に余裕があるわけではないので、HPを削ってしまう「命の珠」は不採用としています。
特性
相手の物理攻撃のダメージを減らせる「威嚇」で確定です。
性格、努力値と調整
相手に大きな負荷をかけたいので、いじっぱり、A極振りは確定としています。
耐久については、物理と特殊の両耐久を高くできるようにH極振りとしています。
物理攻撃は「威嚇」でダメージを抑えられるので、Hに振っている努力値をDに振るという考え方もあるかもしれません。ただし、初手ダイマックスという戦略上、2体目のポケモンは「威嚇」を受けていない状態で殴ってくるので、素のステータスで両耐久をバランスよく高くする方が使いやすいと感じています。
Sは無振り70族(エアームド、キリキザン)抜きです。Dは端数です。好みでBに振っても良いと思います。
技構成
ダイマックス前提なので、ダイマックス技として紹介させて頂きます。
- 確定技
ダイサンダー(ワイルドボルト)
電気タイプ 威力130 エレキフィールドを張る。
タイプ一致のため、実質の威力は195です。
水、飛行への打点です。タイプ一致の物理技の中で最高打点なので確定です。
ダイバーン(炎の牙)
炎タイプ 威力120 天候を晴れ状態にする。
鋼、草、氷、虫への打点です。
環境に多いナットレイで止まらないようにするために必須です。抜群を取れるポケモンも多いので確定としています。
ダイフェアリー(じゃれつく)
フェアリータイプ 威力130 ミストフィールドを張る。
ドラゴン、格闘、悪への打点です。
パッチラゴンオンバーンウーラオス(いちげき)などを倒したいので確定です。
- 選択技
ダイスチル(アイアンテール)
鋼タイプ 威力130 Bを1段階上げる。
フェアリー、氷への打点です。
壁があってもキュウコン(アローラ)をワンパンできるのが魅力です。
Bを上昇させることで、相手の攻撃を耐えられる可能性が高くなります。
今回の型と相性が良くて使いやすいため、確定欄はこちらで記載しています。
ダイナックル(馬鹿力)
格闘タイプ 威力95 Aを1段階上げる。
ノーマル、岩、鋼、氷への打点です。
カビゴンを相手したい場合は優先順位が高いです。(ただしワンパンはできません。)
A上昇は強力なものの、威力が低い分、1撃で相手を突破することは難しいです。「ダイスチル(アイアンテール)」の方が使いやすいと感じたため、確定欄は「アイアンテール」にしています。
ダイアイス(氷の牙)
氷タイプ 威力120 天候をあられ状態にする。
ほぼ地面タイプのポケモンへの交代読みという1点のみで刺さります。他に効果抜群となるタイプについては、確定欄の技と被っているため、採用価値はあまり高くないと思います。
個人的には、地面タイプ対策は割り切って、他のポケモンに役割を持たせたほうが良いと思っています。
ダイサイコ(サイコファング)
エスパータイプ 威力130 サイコフィールドを張る。
毒、格闘への打点です。格闘については「ダイフェアリー(じゃれつく)」と被ります。
主にストリンダー(ハイ)などに刺さります。
立ち回りの例
レントラーで相手の1体目を倒し、2体目のポケモンにダイマックスを誘発します。
レントラーが倒されたのちに、こちらの2体目のポケモンで相手のダイマックスポケモンを突破して数的有利をとるか、もしくは、「トリックルーム」や「追い風」、「後攻の尻尾トリック」などで起点を作ります。
相性の良い味方
こちらの2体目のポケモンで相手のダイマックスポケモンを相手にする場面が多いため、高火力の技も確実に耐えられるように、「気合の襷」を持たせたポケモンを後続に控えさせると戦いやすいです。
カバルドンがいない現状、「ステルスロック」を撒くプレーヤーが減っているので、安定して「気合の襷」を発動できることも追い風となっています。
特に、「気合の襷」で攻撃を耐えたのち、「トリックルーム」や「追い風」などで3体目の起点を作る展開がオススメです。既に相手にダイマックスを切らせているため、後続のエースが全抜きを狙いやすくなります。
私の場合、襷シャンデラで「トリックルーム」を張り、鉢巻ウオノラゴンで全抜きを狙う展開を好んで使っています。
仮にシャンデラが相手のダイマックスアタッカーを倒せなかったとしても、HPに削りを入れることで、水タイプが半減の相手に対してもウオノラゴンの「エラがみ」で倒せるようになります。
他にもブリムオン+ガラガラ(アローラ)、オーロンゲ+バタフリーなどのギミックも強力です。
また、前述した弱点をカバーするため、地面タイプに強いポケモンもPTに採用しましょう。
与ダメージ計算
初手ダイマックス前提ですので、ダイマックス技のダメージのみを記載致します。
相手がダイマックスを切った場合は、表記されたダメージ割合がおよそ半分になるとお考え下さい。
- ダイサンダー(ワイルドボルト)
H252、B4アシレーヌ 186.0〜220.8%(確定1発)
B4ウーラオス(れんげき) 157.7〜186.2%(確定1発)
B4リザードン 220.9〜260.1%(確定1発)
H252、B4マリルリ 159.9〜188.8%(確定1発)
H252、B4ラプラス 139.6〜164.9%(確定1発)
B特化アーマーガア 94.6〜112.1%(乱数1発 62.5%)
- ダイバーン(炎の牙)
B特化ナットレイ 183.8〜218.7%(確定1発)
B4アイアント 234.5〜278.1%(確定1発)
H252、B4ハッサム 192.6〜227.6%(確定1発)
H252、B4ギルガルド(シールド) 76.0〜90.4%(確定2発)
H252、B4カットロトム 102.5〜121.0%(確定1発)
- ダイフェアリー(じゃれつく)
B4パッチラゴン 122.4〜144.2%(確定1発)
B4ウーラオス(いちげき) 211.4〜249.7%(確定1発)
B4サザンドラ 241.3〜284.4%(確定1発)
H4オンバーン 138.5〜163.9%(確定1発)
B特化オーロンゲ 86.6〜101.9%(乱数1発)
(リフレクターあり) 43.5〜50.9%(乱数2発)
- ダイスチル(アイアンテール)
H252、B4ニンフィア 127.2〜150.9%(確定1発)
B特化オーロンゲ 86.6〜101.9%(乱数1発 18.7%)
(リフレクターあり) 43.5〜50.9%(乱数2発 5.0%)
H4ヒヒダルマ(ガラル) 164.6〜193.3%(確定1発)
H252、B4キュウコン(アローラ)(オーロラベールあり) 127.7〜152.2%(確定1発)
H252、B4ピクシー 117.8〜139.1%(確定1発)
- ダイナックル(馬鹿力)
B252カビゴン 59.1〜70.6%(確定2発)
- ダイアイス(氷の牙)
H4ホルード 131.0〜155.2%(確定1発)
- ダイサイコ(サイコファング)
H4ストリンダー(ハイ) 163.5〜194.0%(確定1発)
B特化マタドガス(ガラル) 69.7〜82.5%(確定2発)
被ダメージ計算
全てダイマックス時の被ダメージです。
特に追記がない場合は、AもしくはCに極振り、性格補正はないものとします。
- 物理耐久
パッチラゴン 「逆鱗」 41.7〜49.1% 威嚇込み 28.0〜33.1%
ウーラオス(れんげき) 「水龍連打」 33.6〜39.3%
ウーラオス(いちげき) 「暗黒強打」 33.6〜39.5%
A特化ギルガルド(シールド) 「インファイト」 25.6〜30.4% 威嚇込み 17.3〜20.5%
ホルード 「地震」 66.3〜78.6% 威嚇込み 44.9〜52.9%
ヒヒダルマ(ガラル) 「氷柱落とし」 37.1〜44.1% 威嚇込み 24.8〜29.6%
アイアント 「出会い頭」 33.1〜39.3% 威嚇込み 22.4〜26.4%
- 特殊耐久
サザンドラ 「悪の波動」 21.6〜25.6%
サザンドラ 「流星群」 35.2〜41.7%
C特化ギルガルド(シールド) 「シャドーボール」 25.9〜30.7%
C特化ニンフィア 「ハイパーボイス」 29.1〜34.7%
オンバーン 「流星群」 29.6〜35.2%
環境上位の中から耐久ラインが分かりやすいものを選んだつもりですが、足りなければご指摘ください。
最後に
初手ダイマックスはリスクもありますが、構築の段階から丁寧に組み立てていけば、安定して成功させることも可能です。
特に本論のレントラーは、1撃で突破できるポケモンの範囲が広く、マスターボール級の上位でも十分に通用したため、紹介させていただきました。
初心者の方でも使いやすい型になっているので、是非、使ってみてもらえると嬉しいです。
まだまだ拙い育成論ではありますが、最後までご覧いただきありがとうございました。