はじめに
初めまして、せいやと申します。初投稿で至らない点があると思いますが、よろしくお願い致します。
- HABCDS、など非公式の略語、単語等を用います。
- 個体値は理想個体とします。
パッチルドンパッチルドンとは
第8世代にて初登場となった4体の化石ポケモンうち一体です。化石ポケモン同期には中速のs種族値を持ち、こだわりスカーフを持つことで先制時に威力の上がる「エラがみ」を上から打てるウオノラゴンウオノラゴン、「エラがみ」と対になる「でんげきくちばし」を持ち、特性はりきりを活かしたダイマックスエースとして猛威を奮ったパッチラゴンパッチラゴンがいます。
(あとラプラスに強いウオチルドンウオチルドンも)
ウオノラゴン、パッチラゴンの2体は特有の高火力技と特性の相性の良さから対戦初期から一定数を見かけます。現在はピークほどは見かけませんが、それでもある程度の採用率を誇ります。
一方、パッチルドンパッチルドンはと言うと、氷、電気という珍しい複合タイプをもらいながらもその弱点の多さや、s55という微妙なすばやさでトリルエースとしても扱いづらく、ほとんど見向きもされませんでした。(こんなに可愛いのに、、)
ですが氷、電気の複合タイプ持ちは現在パッチルドンパッチルドンとフロストロトムフロストロトムの2体しかおらず、しかも意外と豊富な技を持っているため優秀な技範囲を持ちます。
2020年5月現在に使用出来るポケモンのうち、氷、電気の両タイプを特性込みで半減以下にできるポケモンはアズマオウ、ランターン、ヌケニン、マンムー、ヒートロトム、フロストロトム、トゲデマル、パッチルドンの8体となります。
今回はその技範囲を活かしたエースとしての可能性を考察します。
コンセプト
弱点が炎、地面、岩、格闘というメジャーなことを利用し、じゃくてんほけんを発動させることで火力を上げ、一貫性の高い両メインウェポンで相手をなぎ倒します。そのため、タイトルにもありますが壁張りによるサポートを前提とします。(壁貼り要員については相性のいい味方にて後述します。)
性格・努力値振り・特性・持ち物
- 性格
火力を上げるためにいじっぱりです。
- 努力値振り
asぶっぱ、余りh4振りです。
素早さ実数値は「107」となり、4振り86族(ロトム系統)と同速です。
耐久種族値も悪くないため、調整をして壁無しでじゃくてんほけんを発動させられなくもないですが、火力が物足りなくなること、ダイマックス後にも一致弱点技を2耐えできるほどの耐久を実現しづらいことから今回は特化させています。
- 特性
特性は「ちくでん」です。
「せいでんき」も発動出来れば上からでんげきくちばしを打ちやすくなるためなしではないです。本論では電気技を読むことで意図的に発動させやすい「ちくでん」を採用しています。特に、スカーフ、メガネボルチェンのロトムを捕まえられると無償降臨を狙えます。
(ゲーフリさん早くゆきかきを与えてやってくれ、、、)
- 持ち物
コンセプト上「じゃくてんほけん」一択です。
技構成
かなり豊富に技を覚えるため、パーティに合わせてある程度カスタマイズできます。が、メインウェポンの2つでほとんどの相手に当倍以上を取れるので、メインウェポン以外の使用頻度はあまり高くありません。
- 確定技1
でんげきくちばし
言わずもがな、メインウェポンです。先制時には補正がかかり、85*2*1.5=255という超高火力技になります。この先制補正は、相手が交換してきた場合にも適用されます。
後述のダイジェットによる素早さ上昇がなくても環境に多いカビゴン、アシレーヌ、ラプラスなどには上から打てるため、高火力を押し付けられます。また、ドヒドイデ、アーマーガアにも刺さるため、受けループにも多少強く出られます。
- 確定技2
つららおとし
メインウェポン2です。好みによって「つららばり」との選択もありです。どちらも命中不安か威力不安定が付きまとってしまいますが、、、
つららおとし採用の場合、威力は85*1.5≒127です。半減先制でんげきくちばし(127)=等倍つららおとし(127)のため、ダイジェットで素早さ上昇後はでんげきくちばしより使用頻度が下がります。
- 選択技
上にあるほど優先度は高めになります。
ついばむ
ほぼ100%ダイマックス中にしか使いません。が、かなり重要な技の一つです。壁貼りにより耐久力は向上し、じゃくてんほけんにより火力も上げられますが、すばやさサポートだけはできません。でんげきくちばしを活かすためにも、能動的に素早さを上げられるダイジェット技が必要な場面は多いです。
ダイジェット中の威力は110と少し控えめです。
s1段階上昇で最速93族抜き、2段階上昇で最速142族抜き(ドラパルト抜き)になります。
1段階上昇でも最速ドリュウズを抜けるようになるので、対面からじしんを壁、ダイマックスで耐えてダイジェットからのダイアイスで返り討ちにできます。
(スカーフ持ちでも無補正じしんは2耐えします。ダメージ計算は後述)
ロックブラスト
ヒートロトムピンポイントになります。が、両メインウェポンを半減にされてしまうポケモンの中で環境に多いポケモンのため、こちらも優先度はかなり高めです。命中、威力ともに不安定なためこちらもほぼダイマックス中にしか使用しません。
他にもストーンエッジ、いわなだれ、がんせきふうじを覚えますのでお好みで選んでください。
ちなみに、ダイマックス終了後にh252ヒートロトムと対面した場合(s上昇により先手が取れ、エレキフィールド前提)、a2段階上昇でんげきくちばしで確定一発にすることができるため、火力上昇後にはでんげきくちばしで事足りる場面は多いです。
じならし
こちらはランターンピンポイントです。sダウンがランターン以外に役に立つ場面もごく稀にありますが、威力不足なので打つならダイアースで。
けたぐり
ナットレイ、バンギラスがパーティで重ければ。ですが特化ナットレイには半分も入らないため、他のポケモンでの対策をオススメします。
アイアンテール
打つならダイマックス中に。b1段階上昇しますが、壁により耐久はすでに上がっているので優先度は低め。
からげんき
どうしてもやけどで止まりたくない時に。ほとんどの相手にでんげきくちばしやつららおとしと確定数の違いはありませんので優先度は低めです。h252ヒートロトムに対して、a2段階上昇時にロックブラストが確定2発なのに対し、乱数31.2%で持って行けるようにはなります。
(あさん、ありがとうございます)
他にも特殊技も豊富に覚えますので参考までに。フリーズドライ、ふぶき、れいとうビーム、かみなり、10万ボルト、ハイドロポンプ、なみのり、げんしのちからなど。
特にフリーズドライはヌオー、トリトドン、ウオノラゴンなどに4倍を取れるようになります。ですが、今回のコンセプト上素早さ、耐久ともに下げたくないためとくこう下降補正を採用しており、技候補から外しています。
ダメージ計算
ダメージ計算は必要最低限のみ記載します。不足があると思われる場合はご指摘頂けますと幸いです。
また、受け側がダイマックスしている場合には名前の前に「大」を付けています。
(※つららおとし、ダイアイス、ダイジェットの与ダメージ計算、カビゴンのばかぢからの被ダメージ計算を一部追記しました。)
- 与ダメージ
- でんげきくちばし(先制)
hb特化カビゴンカビゴン 47.1〜55.4%(乱数2発 76.5%)
h252ラプラスラプラス 135.0〜159.4%(確定1発)
hb特化てんねんピクシーピクシー 58.4〜68.8%(確定2発)
h244b116ガオガエンガオガエン(威嚇込み) 42.2〜50.7%(超低乱数2発 1.9%)
hb特化ナットレイナットレイ 22.0〜26.5%(低乱数4発)
- でんげきくちばし(後攻)
h4ミミッキュミミッキュ 61.8〜73.2%(確定2発)
h4ウォッシュロトムウォッシュロトム 51.2〜60.8%(確定2発)
- a2段階上昇ダイサンダー(威力130)
h244大トゲキッストゲキッス 111.5〜131.9%(確定1発)
hb特化カビゴンカビゴン 71.9〜84.6%(確定2発)
b252カビゴンカビゴン 89.3〜105.1%(低乱数1発 31.2%)
- つららおとし
hb特化カビゴンカビゴン 25.8〜30.7%(確定4発)
b252あついしぼうカビゴンカビゴン 14.4〜17.8%(乱数6発)
h4ドリュウズ ドリュウズ 54.8〜64.5%(確定2発)
→a2段階上昇時 108.0〜127.4%(確定1発)
- a2段階上昇ダイアイス(130)
h4大ドリュウズドリュウズ 82.7〜97.2%(確定2発)
h4大ドラパルトドラパルト 157.3〜185.3%(確定1発)
h252大バンギラスバンギラス 45.1〜53.6%(確定2発)
hb特化ナットレイナットレイ 67.9〜80.1%(確定2発)
- a2段階上昇ダイジェット(110)
h4大トゲキッストゲキッス 37.2〜44.0%(確定3発)
h4大ドリュウズドリュウズ 23.1〜27.4%
→ダイジェット、ダイアイスで確定
b252カビゴンカビゴン61.0〜71.9%(確定2発)
- a2段階上昇ダイロック(130)
h4大ヒートロトムヒートロトム 103.2〜121.6%(確定1発)
- 被ダメージ
原則、両壁がある前提での計算となります。壁を考慮しない場合はその旨を記載します。
- ダイマックス時
c特化大トゲキッストゲキッス珠ダイバーン(130)
36.4〜43.0%(確定3発)
→急所の場合、84.3〜99.3%
c252無補正ドラパルトドラパルトメガネかえんほうしゃ
23.4〜27.7%(乱数4発)
→特性すりぬけの場合、46.9〜55.4%
c特化ヒートロトムヒートロトムメガネオーバーヒート
56.9〜67.1%
→2発目28.3〜33.7%
a252無補正ヒヒダルマヒヒダルマ(ガラル)ごりむちゅうばかぢから
35.8〜42.1%
a252無補正大ドリュウズドリュウズダイアース
37.9〜44.5%(確定3発)
a252補正あり大バンギラスバンギラスダイロック
40.9〜48.7%(確定3発)
a特化ネギガナイトネギガナイトインファイト
38.2〜45.1%(確定3発)
- 通常時
a特化カビゴンカビゴン ばかぢから
43.9〜52.4%(低乱数2発)
→2発目30.1〜35.5%
a252無補正ドリュウズドリュウズじしん
57.8〜68.6%(確定2発)
c特化ニンフィアニンフィアマジカルフレイム
30.7〜36.1%(乱数3発)
立ち回り
ダメージ計算を見て頂ければ分かる通り、壁+ダイマックスであれば、一致弱点技含めてほぼ2耐えできます。ですが、逆に言うとダイマックスありきなため、高火力一致弱点技に合わせて受け出しするのは難しいです。受け出しを狙う場合は不一致弱点技を誘うのがベストです。
そのため、初手の壁貼り要因に壁を貼ってもらったあと、死に出しが理想となります。
死に出し後は、相手がカビゴン、アシレーヌ、ラプラスのようなダイマックス前のでんげきくちばしが有利な相手には、初手ダイマックスは切らずに戦います。ただ、カビゴンについては初手あくびから入られるのを嫌う場合はダイサンダーから入るのもありです。
次に、こちらより素早さが高い、かつ弱点技を打ってくる相手の場合、ダイマックスから入ります。その際に、ダイジェット1回で上を取れるようになる相手にはダイジェットから入ることをオススメします。
対面相手、後続にダイジェット1回でも抜けない相手がいる場合は無理にダイジェットを積む必要はありません。というのも、無振りでもそれなりの耐久があるため、ダイジェットを積むことで相手を倒しきれず、壁やダイマックスが切れてしまうことの方が痛いからです。それよりも倒せる相手を確実に倒し、壁やダイマックスターンを残した状態の方が相手に圧をかけやすいです。
苦手な相手
- 特性きょううんなど、急所ランクの高いポケモン
急所はなんで壁を無視できるの壁を貫通してダメージを与えてくるため、注意が必要です。ダイマックスを切ったものの何もせずに落ちる、なんてことも有り得ます。
- おにび持ち
麻痺はでんきタイプのため防げますが、やけどで機能停止してしまいます。特にロトム系統やガオガエンが持っていることが多いので、注意が必要です。特性の欄でロトムのボルチェンをちくでんでキャッチする、と書きましたが持ち物を読み間違えると痛い目に遭います。
- ミミッキュミミッキュ
対面から勝てないわけではありませんが、じゃくてんほけん発動前には対面を避けたい相手です。
ドレインパンチを持っている型以外では、弱点をついてもらえない上に、こちらはダイジェットを1回積んでも相手が最速なら抜けません。そのためゴーストダイブや身代わり持ちにはうまく壁ターン、ダイマックスターンを枯らされやすいです。
さらに型も多いため、ダイジェットを積んでもトリルで素早さ関係を逆転されたり、身代わりでいなされたりと苦手な一匹ではあります。
差別化
似たようなことができるポケモンとの差別化をします。
- フロストロトムフロストロトム
電気、氷の複合タイプを持ち、同じく耐久が高いポケモンのため差別化必須となりますが、技範囲で簡単に差別化ができます。
フロストロトムの主要な技を挙げると、ふぶき、ほうでん(10万ボルト)、あくのはどう、シャドーボール程度であり、ヒートロトムで止まりやすいです。また、飛行技を覚えないためダイジェットによるs上昇も狙えません。物理と特殊の違いも大きく、カビゴンの突破しやすさもパッチルドンに軍配が上がります。
その分、ロトムはおにび、トリック、わるだくみなど補助技が豊富なためスカーフやメガネ、オボンのみなどを持たせた別な型の方が活躍すると思います。
- パッチラゴンパッチラゴン
でんげきくちばしを覚える憎き最大のライバルです。パッチラゴンもそれなりの耐久、つばめがえしによるダイジェット、さらにパッチルドンより高めの素早さ、はりきりによる高火力と隙がありません。(なんだコイツ)
ですが、こちらも同様に技範囲で差別化が可能です。向こうは電気、ドラゴンという複合タイプのため、メインウェポンの2タイプがどちらも無効化される可能性があり、ダイマックスターンを枯らされる可能性が高いです。
また、メインウェポンであるドラゴン技の選択肢がほぼげきりん一択になる点も、マイナスであると思います。
相性のいい味方
- バイバニラバイバニラ
オーロラベールにより壁貼り要因として重宝します。筆者はいつもセットで使っています。
オーロラベール持ちならsの高いアローラキュウコンキュウコン(アローラ)もいますが、耐久値はキュウコンがh73-b71-d100に対し、h71-b85-d95と若干物理耐久に優れており、4倍弱点もありません。そのため努力値振り次第では初手に来やすいスカーフドリュウズのアイへも耐えることができ、安定した壁貼り要因としての活躍を見せてくれます。(ひるみは知らん)
特筆すべきはcの高さです。こちらはキュウコンを大きく上回る110もあり、壁貼り後もふぶき、フリーズドライで相手に負担をかけることができ、受けに来やすいあついしぼうカビゴンなどはぜったいれいどでワンチャンを狙えます。
また、特性ゆきふらしによりタスキ潰しもでき、パッチルドンを通しやすくなる点も魅力的です。
- もらいびシャンデラシャンデラ
炎、格闘技無効により相性補完に優れているため、壁が切れてしまった時に受けとして活躍してくれます。また、パッチルドンの苦手なナットレイにも強く出られる点も嬉しいです。
また岩、地面の一貫が出来てしまいますが、不一致の弱点技を誘いやすく、じゃくてんほけんを発動させやすくなります。
さいごに
いかがでしたでしょうか。現環境では全くと言っていいほど見ないポケモンですが、優れた技範囲で活躍できるポテンシャルは十分に持っていると思います。
少しでもこの子の可愛さと強さをお伝えできれば幸いです。最後までご愛読ありがとうございました。
更新情報
1.ダメージ計算を一部追記しました。(2020年5月9日)
2.苦手なポケモンにミミッキュを追加しました。誤字脱字や細かい言い回しの修正しました。(2020年5月10日)
3.ダメージ計算を一部追記しました。(2020年5月10日)
4.一部の誤字を修正しました。(2020年5月13日)
5.選択技候補にからげんきを追加しました。(2020年5月31日)