挨拶、はじめに
初めましての方は初めまして、モミジと申します。
過去作の育成論である"ポケモン育成論ソードシールド"においては育成論を投稿したことがありますが、今作では育成論の投稿は初めてになります、よろしくお願い致します。
さて、今回は☆6ニョロボンニョロボンソロ攻略用コノヨザルコノヨザルの育成論となります。
このレイドはDLCで新しく追加されたレイドの中でもやや攻略のアプローチが特殊なレイドになっており、一般的なレイドアタッカーではソロ攻略がやや困難なレイドとなっています。
何より、このレイドがスパイスレイドである事も相まって周回したい人が沢山居る中で、自分の周りでも未だに攻略に手こずって困ってる人が多く、数ある常設のレイドの中でも特に攻略情報の需要が高そうだなと感じたので筆を執った次第です。
慣れないと攻略が難しいレイドではありますが、育成論だけでなくどういうアプローチで攻略すれば楽に勝てるのか、みたいな所も書いていこうと思いますので、少しでも興味を持ってくださった方、ニョロボンレイドで苦戦した覚えのある方は読んでいって頂けると幸いです。
- 本育成論ではHABCDSなどの略称を用います。
- 個体値は全て理想個体を前提としています。
- ダメージ計算はポケマネを使用しています。
- 本育成論の個体はテラレイドでの使用を前提とする個体であるため、ダメージ計算などは全てLV100を前提としております。
- 不備、質問等ございましたらコメント欄にてお願いします。
そもそも☆6ニョロボンレイドとは
初めに、この☆6ニョロボンレイドにおいて相手が使ってくる技、ステータスなどの基本データ、具体的にどういう所が難しいのか、みたいな所を書いていこうと思います。
コノヨザルの具体的な育成論に関しては次の項から書いていこうと思いますので、手っ取り早く育成方法と立ち回りだけ知りたい!という方はここは読み飛ばして頂いても構いません。
- ☆6ニョロボンのステータス
(相手の個体値は全て31、性格は無補正と仮定した時の能力値)
レベル90
HP 8650
こうげき 203
ぼうぎょ 232
とくこう 158
とくぼう 223
すばやさ 158
☆6レイドのポケモンは捕獲時はLV75に下がりますが、戦闘時のステータスは一律でレベル90に設定されています。また、☆6であればHPの倍率も通常時の25倍で固定です。
またそれに加え、キタカミのレイドポケモンのステータスは戦闘時のみHPに252、BDにそれぞれ128ずつの努力値が振られた状態のステータスになっている(捕獲時は努力値も0に戻る)ため、本土のレイドポケモンと比べても全体的に耐久が高く設定されています。
- 相手の技構成
かわらわり
アクアブレイク
きあいだま
くろいきり
これらはソロの場合、1ターンに一回ずつ、味方一匹一匹に対して撃ってくる技となります。
自分に対してはアクアブレイク、NPC1に対しては気合玉、NPC2に対しては黒い霧…という感じですね。
具体的な要因に関しては後述しますが、これらの技にニョロボンレイドが難しい理由の9割以上が凝縮されてます。
- 相手の行動パターン
時間95% あまごい
体力70% 強化解除(こちらの能力上昇&特性打ち消し)
体力65% バリア
体力50% 弱体解除(相手にかけたデバフの解除)
体力45% ビルドアップ
体力20% ビルドアップ
この行動パターンというのは、相手のHPや体力が一定まで減った時に相手が固定で行う行動です
これらは、体力や時間がそれぞれのボーダーを通過した段階で毎ターンの一回ずつの行動とは関係なく、追加で挟んでくる行動になります。
- 何でニョロボンレイドって難しいの?
さて、ここまで色々書いてきましたがニョロボンレイドが難しい理由、それは
「通常技に黒い霧があるから」
これにほぼ集約されると思います。
普段レイドをあまりやらない人にとってはあまりピンと来ないかもしれませんが、先述の通り通常技の扱いについては「1ターンに一回ずつ、味方一匹一匹に対して撃ってくる技」となっています。
そして、黒い霧のような場全体に作用する技が選ばれた場合、使用者とこの技を撃たれた当事者以外の全員にも影響が及ぶようになっています。
とどのつまり、味方4人のうち誰か1人にでも黒い霧を使っているとその時点で全員の能力がリセットされてしまっているということになり、言い換えると
ほぼ毎ターン、場の全ての能力変化をリセットしてくるレイド
と言っても過言ではありません
(厳密には黒い霧を使うかどうかのAIの優先度等もあるので若干過言ですが、概ねこの認識で良いです)
従って、レイドにおいて一番分かりやすい立ち回りである「積んでから殴ればOK!」「相手のBDを下げてから殴ればOK!」という戦術を根本から否定してくる相手となっており、この事を知らないと「積んでも積んでもすぐ能力変化リセットされる、勝てない!」となってしまいます。
このような初見の取っ付きにくさが、ニョロボンレイドが難しいとされている一番の元凶になります。
- ニョロボンレイド攻略へのアプローチ
それでは、どういう切り口で攻略していけば良いかという話ですが、
「積み技やデバフがリセットされるなら、能力変化に頼らずに高火力を出せば良い!」
というのが基本的なアプローチとなります。
これに関しては色んな方法が考えられますが、比較的手軽に、高い再現性で高火力を出せる点、耐久が高く、急所や追加効果を引かれても事故りにくい安定感などを加味して今回はコノヨザルコノヨザルに白羽の矢が立ちました。
コンセプトと役割
積み技に頼らずに高火力を出せる、☆6ニョロボンの安定したソロ討伐要員
技構成
- ふんどのこぶし
今回の「積まずに高火力を出す」というコンセプトを実現するにおいてうってつけのメインウェポンです。
6回被弾後の威力350のA特化ふんどのこぶしは、同じくA特化の腹太鼓したテツノカイナのドレインパンチとほぼ同等の火力、といえばその強さが分かるでしょうか。
ただし、相手が悪テラスの場合は半減、ノーマルテラスの場合は無効になるためこの技は通りません。この2タイプだった場合の攻略法に関しては別途後述します。
- きあいだめ
積み技に頼らず火力を補強するための補助技です。
一回も急所に当てられなくても問題なく突破は出来る為必須ではないですが、後半ビルドアップを積まれた直後などに急所に当てる事が出来れば目に見えて討伐速度が上がります。
- 日本晴れ
相手のアクアブレイクの火力を下げるための補助技です。
今回は技の性質上、最大火力に到達するまでに6回の被弾をしないといけない上、火力が低いうちは貝殻の鈴による回復量も少なく体力管理が難しいため、天候を晴れにすることによって体力管理に余裕を持たせます。
- 挑発
相手の補助技を止めるための技、といっても今回の採用理由は黒い霧を止める為ではなく、序盤の雨乞いを止めるのが主な目的です。
相手の雨乞いを見てから日本晴れ、でも問題は無いのですが、その場合すいすいで先手を取られて雨下のアクアブレイクを一回被弾してしまう事になり、直前でBダウンを引いていたり、これが急所に当たってしまうと体力管理がやや厳しくなってしまうので、雨乞いを止めておくことによって下振れの事故を防ぎます。
今回の立ち回りの手順の都合上、これら4つはどれも手順に入ってくるため、今回はこの4つで確定とさせていただきます。
ただし、ふんどのこぶしを軸にして火力を出していく、というコンセプトを保ちつつ「こちらの立ち回りの方がずっと安定すると思います」という指摘があった場合には後述させていただくかもしれません。
持ち物
- かいがらのすず
余程スピードや効率を求めていない限りはこれで安定だと思います。
回復アイテムの候補としては他にオボンのみや食べ残しなどが挙げられますが、1戦を通しての累計の回復量という点においては貝殻の鈴にはどの回復アイテムも遠く及ばず、殆ど比較をする必要はないと思います。
詳細の回復量に関してはダメージ計算の項で後述しています。
- メトロノーム
更に討伐スピードを求めるならこちら
相手のニョロボンがエスパーテラス、ないしはゴーストテラスで、少ないターン数で討伐できる場合には被弾回数も少なくなるためほぼ安定して勝利することが出来ますが、ふんどのこぶしが等倍の相手の場合、複数回急所に被弾したりしてしまうと体力が保たないケースが何回かあったため、安定性は保証できません。
以下の立ち回りなどの解説では、持ち物は貝殻の鈴であるという前提で解説をさせていただきます。
特性
やる気と精神力が対ニョロボンにおいては全く意味のない特性なので、消去法で負けん気一択となります。
黒い霧ですぐにリセットされてしまう事が多いですが、アクアブレイクの追加効果を引いた際に一時的に火力が二倍になるので、多少攻略速度が上がります。
性格・努力値と調整
タイプ相性の都合上、アクアブレイク以外の技を被弾しないのでB振り
B252だけで耐久に関しては十分に足りるので、性格と残りの努力値はAに特化です。
素早さに関しては、ニョロボンが素早さに補正がかかっていたとしても無振りで問題なく抜けます。
テラスタル
憤怒の拳の火力を上げる目的でも、耐性的な面でもゴースト一択。
マンキーから育てた個体やレイド産個体を使う場合はゴーストテラスではないはずなので変更必須。
キタカミの里、キタカミ原生地域(とこしえの森の西側の草原)には夜のみ野生のコノヨザルが出現し、ここではテラスタルを変更せずともゴーストテラスのコノヨザルを捕まえる事が出来るので、テラピース不足の方はこちらで捕獲するのがおススメです。
立ち回り
ここからは実戦での立ち回りの解説になります。
とは言っても、手順としては難しい所は全く無く、覚えてしまえば他の作業しながらの片手間で出来てしまうレベルです。
- 1ターン目:ちょうはつ
これによって相手の火力上昇、素早さ上昇を止めるとともに、相手の撃ってくる技をアクアブレイクで固定することが出来る為、ふんどのこぶしの火力を素早く上げる事が出来ます。
- 2ターン目:にほんばれ
2ターン目は日本晴れで相手のアクアブレイクの火力を軽減。これによって急所、Bダウンなどを引き続けたとしても落とされなくなるため、安定感が高まります。
- 3ターン目:きあいだめ
日本晴れによって相手の攻撃を耐えていける状況を作った所で3ターン目に気合溜め
急所は数少ない火力上昇手段になります。
- 4〜6ターン目:ふんどのこぶしを連打
さて、ここまでの手順でアクアブレイクを3回被弾していればふんどのこぶしの威力は200になっているはず、4ターン目から反撃開始です。
この時点でも既に
ふんどのこぶしのダメージによる鈴の回復量の最低乱数≧晴れアクアブレイクの被ダメによる最高乱数
となっており、Bダウン等の事故が無ければ回復が追いつく火力が出ているはずです。
- 7ターン目以降:テラスタルして更にふんどのこぶしを連打
4〜6ターン目にふんどのこぶしを使っていれば、7ターン目でテラスタルが切れる状態になるはずです。
また、この時点でアクアブレイクを受け続けている場合、このタイミングでぴったりふんどのこぶしも最大威力の350に到達します。
順調に削れてればこの辺のタイミングでバリアを展開してくるはずなので、テラスタルを切って更にふんどのこぶし連打。バリア展開中はテラスタルを切らないとまともにダメージが入らないので、このタイミングのテラスタルだけは忘れないように
ここまで来ればふんどのこぶしの火力、それによる回復も十分すぎる量になっているため、あとはウイニングランです。
連射コンに任せて連打していてもほぼ負ける事はありません。
与ダメージ計算、被ダメージ計算
前提条件
こちらのコノヨザルコノヨザルはLV100、
与ダメージ計算時、相手のニョロボンニョロボンはLV90、個体値31、努力値は128、性格は防御上昇補正の前提で計算します。
被ダメージ計算時は、相手のニョロボンニョロボンはLV90、個体値31、努力値は0、性格は攻撃上昇補正の前提で計算します。
こちらが使う技がふんどのこぶしのみ、相手から被弾する技はアクアブレイクのみなので計算はこの2つの技に関してのみ
実戦的に有り得るシチュエーション、ターンごとに分けていくつか掲載しておこうと思います。
また、特に記載がない場合、お互いの能力は変化していないものとします。
- 1ターン目
これがベースとなる被ダメです。
即落とされるわけではありませんが、何回も被弾し続ける前提だとやや苦しいダメージである事が分かると思います。
- 2ターン目
天候晴れ時の
ニョロボンのアクアブレイク
→B-1{コノヨザルに対して}
52〜63ダメージ(14.4%〜17.5%)
(急所時も同様のダメージ)
- 4ターン目
上記のダメージと比較して貰えれば分かりますが、Bダウンを引いてなければこの時点で貝殻の鈴の回復量が被ダメを上回っている事が分かると思います。
相手が水テラス、かつBダウンして連続で急所被弾、みたいな天文学的な不運が起きない限りはHPも余裕があるはずです。
- 7ターン目
フルパワー状態でのふんどのこぶしの火力です。
ここまで来ると、通常天候時のアクアブレイクの被ダメージすら貝殻の鈴の回復で間に合うほどの火力と回復量になります。
きあいだめの効果で急所に当たれば、ここから更に1.5倍の火力が出ます。
- 8ターン目以降
7ターン目と同条件での、バリア下でのダメージ量
→532〜627ダメージ
貝殻の鈴の回復量 66〜78
ここまでのダメージ的に、この辺のターンで相手はバリアを張ってきているはずです。
バリアが貼られている状態でのテラス一致技に関しては、ダメージが75%まで軽減してしまうため上記のダメージ量になります。
それでも、ちゃんとテラスを切っていれば上記のように十分なダメージ量と回復量が見込めますが、これがテラスを切れてなかった場合、テラスの一致補正が乗らない上にダメージが20%まで抑えられてしまいます。
参考までに、もしテラスを切らずに殴った場合のダメージ量も記載しておきます。
見ての通り、テラスタルを切らないで殴った場合、先程とは一転して威力350出てるとは思えないほど頼りないダメージしか出すことが出来ません。
今回の攻略に限らずですが、テラレイドバトルにおいてはバリアを張られた時にちゃんとテラスタルを切って攻撃出来てるかが何よりも重要となります。
普段のレイド攻略でも、これを意識するだけで格段に勝率が安定すると思います。
ふんどのこぶしが通らない相手の場合はどうするの?
さて、ここまでふんどのこぶしでダメージを出して攻略する、という前提の下解説をしてきましたが、ゴースト技が通らない相手、具体的には悪テラスとノーマルテラスだった場合にはこの攻略法が不可能となってしまいます
(一応半減の悪テラス相手には時間はかかるものの討伐は不可能ではないですが、あまりおススメはしないです)
ただ都合の良い事に、ゴーストタイプを半減以下にしてくる2タイプには綺麗にどちらも格闘が抜群で刺さり、更に格闘タイプの技の中にはドレインパンチという優秀な吸収技があります。
この技を軸としてニョロボンを討伐できるポケモンを3匹ほど、簡易的ではありますが紹介しておきます。
テツノカイナテツノカイナ
特性 クォークチャージ
性格 意地っ張り
テラスタイプ 格闘
努力値 A252 D252 B4
技構成 ドレインパンチ、気合溜め、(他2枠自由)
持ち物 メトロノーム
初めに、「わざわざ2タイプのニョロボンの為だけにレイド用ポケモン作るの面倒だよ〜」という方向け
テツノカイナと言えば腹太鼓を積んで超火力のドレインパンチで破壊!というイメージがあるかと思いますが、体力管理という点で言えば素のドレインパンチで十分な火力&回復力があり、格闘弱点のニョロボンの場合にはこれで十分討伐が可能です。
殆どの方はレイド用のテツノカイナがボックスに眠ってると思いますので、そちらの技構成を少しアレンジして使い回すだけで大丈夫です。
AD252を最適解としていますが、HAやAB振りの個体でも概ね問題無く勝てます。
ただし、PPは16まで増やしていないと途中で足りなくなってしまうことには注意です。
コノヨザルコノヨザル
特性 負けん気
性格 意地っ張り
テラスタイプ 格闘
努力値 A252 B252 D4
技構成 ドレインパンチ、気合溜め、日本晴れ、挑発
持ち物 メトロノーム
本育成論のコノヨザルのふんどのこぶしをドレインパンチに、持ち物をメトロノームに差し替えただけで他は全く同じ、立ち回りもふんどのこぶし採用の場合と全く変わりません。
ただし、こちらの場合ドレインパンチで火力を出すためにテラスタイプを格闘に変更しないといけないため、同じ個体の使い回しはおススメしません。
野生産ゴーストテラスコノヨザルを探してる際、ハズレの格闘テラス個体を捕まえた場合にはこちらの個体として使っても良いですし、進化の手間が面倒でない場合は普通にマンキーから育てても良いでしょう。
ローブシンローブシン
特性 てつのこぶし
性格 意地っ張り
テラスタイプ 格闘
努力値 A252 D252 B4
技構成 ドレインパンチ、気合溜め、日本晴れ、挑発
持ち物 メトロノーム
新しい個体の育成をする余裕と気力のある方向け
継続的にドレインパンチの火力を出し続けられるポケモンとしては、恐らくこのポケモンが最高火力だと思います。
一応技構成はコノヨザルと同じ4つとしていますが、このポケモンに対してはアクアブレイクより気合玉が優先されて飛んでくる事、また他のポケモンよりやや耐久の余裕が無い事から、テツノカイナと同じく気合だめ+ドレインパンチのみで立ち回って問題ありません。
以上3匹が、悪、ノーマルテラスニョロボンに安定するソロ攻略用ポケモンの例となります。
おわりに
ここまで読んでいただきありがとうございました。
レイド用ポケモンの育成論というあまりポピュラーではない分野で、更に特定の一匹に対する育成論という中々にニッチなテーマの内容でしたが、スパイスレイドで苦戦しているどなたかの一助になっていれば幸いです。