はじめに
こんにちは。7世代では育成論を一つ投稿しましたが、剣盾では初となります。よろしくお願いします。
ちなみに7世代では、バトンパの起点作りの育成論を投稿したバトンパ大好きな人です(笑)。
- 一般的な略称を用います。(HABCDSなど)
- ダメージ計算はポケマス様のものを使用しています。
- 基本的にお互い理想個体、レベル50を前提としています。
- 不要という声が多ければ削除します。
この型の特徴、フォーク元との違いについて
からを破るの能力上昇をバトンタッチで引き継ぐ、いわゆる「からやぶバトン」を目的としつつ、ある程度は自分自身でも殴っていく型です。
などと言うと、「フォーク元と全く同じじゃん」とつっこみが来そうですが、あちらの育成論がたすきを採用することで
積みやすさとポットデス自身の火力
を重視した構成なのに対して、
本育成論は白いハーブで下がった耐久を戻すことで
バトンが成功した時の安定性
を重視した構成となっています。
フォーク元の論でもバトン先にしろいハーブを持たせれば耐久を戻すことができますが、
- バトンエースを2匹いれられない
- バトンエースが実質持ち物無しになる
という弊害があります。
サイクルの中である程度の有利対面を作れば積んでいくことができるフォーク元に対して、パーティ全体でバトンを通せるように組むかわりに、バトンの安定性を高める、バトンパにおいて採用されるのが本論という事も出来るでしょう。
- バトンパ(バトンパーティ)とは:(わかっている方は読み飛ばしてください。)
バトンパは強力な積技を持つポケモンが積んだのちにバトンタッチでエースに引き継ぐことにより、1匹の超強力なポケモンを降臨させ、1匹で相手3匹すべてを倒すことをねらう構築です。
基本的には起点作り+バトン役+エースの3匹で構成され、バトン役は起点作りのサポートを前提とした積みを行い、エースはバトンで能力上昇を引き継ぐことを前提とした技構成+調整をします。
動かし方について
バトンパなので原則、起点作り+ポットデス+バトンエース
の選出をします。自分が使っていてポットデスを選出した時には100%この選出でした。
起点を作った後ポットデスを出し、からをやぶる(しろいハーブで耐久回復)⇒バトンタッチをします。
基本的にはバトンを優先し、攻撃するのはよほど余裕がある場合や必要に迫られた場合にしておいた方が良いと思います。
- 起点作りについて
バトンパにおいて最も重要と言ってもいい部分です。
私がメインで使っていたのはマタドガスマタドガス(ガラル)です。おにび、おきみやげにより火力を下げて自主退場ができるポケモンで、かがくへんかガスによりクリアボディやまけんきのポケモンにおきみやげしたり、マジックミラーにちょうはつ、いたずらごころのでんじはの上からちょうはつなど、ほとんどの試合で起点を作ってくれました。本当に強かったので、マタドガス(ガラル)については後日育成論を上げたいと思います。
基本的には鬼火or壁や置き土産、相手に積むすきを与えない挑発or十分な火力などがあれば起点作りとなれると思います。
エルフーンエルフーン、オーロンゲオーロンゲ、ヨノワールヨノワール(きせきサマヨール)、デスバーンデスバーン(デスカーン)
などは使いやすいかと思います。
- バトンエースについて
バトンエースについてはフォーク元でも述べられていますが、S2段階上昇で少なくともドラパルトまで抜けるポケモンが良いと思います。しろいハーブ採用なので耐久は基本的には減少しませんが、ポットデスに飛んできやすいゴースト技への耐性やバトン際の一撃を耐えられるだけの耐久が必要だと思います。
そして使ってみて感じたのは、ダイジェットなどダイマックス技を利用してさらに積んでいけるポケモンが特に優秀だという事です。このようなポケモンを採用することで、攻撃2段階上昇のみでは1撃で落としきれないポケモンに対処できたり、ポットデスがバトンできずに落とされそうな時や起点作りが十分にできなかったとき、バトンではなくエースが単体で積んでいく、積みサイクル(積みリレー)的な動きができるからです。場合によってはダイジェットでSを上げたエースで暴れたのち、エースを倒した相手ポケモンを起点にポットデスがからやぶを積んで抜いていくという動きもありえます。
このようにバトンパでありながら、バトン以外の勝ち筋を追えるのが今世代のバトンパの強さであると考えます。
ちなみに自分は
剣舞かダイナックルでの火力上昇、ダイジェット(とびはねる)があり、ゴースト無効のホルードホルード
ビルドアップかダイナックル+ダイジェットで能力を上げて、つけあがるが使える+バトン際のダイマックス技で能力が下がらないアーマーガアアーマーガア
を使用していました。
他には単体で十分強く、ゴースト、悪半減。竜の舞で単体でも積めるバンギラス
ビルドアップ、ドレインパンチ、じゃれつく(ソウルクラッシュ)、DDラリアットなどの技を持っており、先制ビルドアップで攻防強化してドレインパンチで回復しつつ殴る、ダイマックスしてダイナックルで火力をあげつつ通りの良いフェアリー+悪で攻めるなどの選択肢があるオーロンゲなども良いと思います。起点作りの方で呼ばれる事も多いけど
バトン成功の際の性能としてはかたやぶりゴロンダも非常に高性能です。一致つけあがるにより十分な火力があり、かたやぶりによりミミッキュをばけのかわごと倒せたり、ヌオーのてんねんやコオリッポ(アイス)のアイスフェイスを無視できる、ドレインパンチで回復しつつ攻撃できるなどの特長があります。
ただし素の素早さが低く、耐久やメジャーなタイプに対する耐性もあまり無いため、バトンができなかった場合には腐りやすく、先程述べたような積みサイクル的な動きはできません。バトンが成功することを前提としたエースと言えるでしょう。
特性
白いハーブで戻した耐久をくだけるよろいで下げるわけにはいかないので、のろわれボディで確定です。
たまにのろわれが有効に働くこともありますが、基本的にはのろわれボディをあてにするような立ち回りをしないように心がけたいところです。
技構成
バトンタッチ/からをやぶる/シャドーボール/アシストパワー
が最有力かと思われます。
ちょっと話は変わるのですが、バトンパの宿命としてほぼ絶対にバトンを成功させることができないポケモンというのが、一定数います。サンムーンだと、イーブイバトンにおける、HDドヒドイデやくろいきりレヒレが該当します。
普通のパーティならバトン以外の選出をすれば良いだけなのですが、バトンパにおいては、バトンを通すことを最優先する都合上、このようなどうしても無理なポケモンを少なくすることが求められます。
ポットデスバトンの良い点として、このような絶対無理なポケモンが少ない点があげられます。くろいきりやのろい、ふきとばしを打ってくるポケモンの多くをポットデス自身が1撃で落とせるため、仕事をさせないようにできるのです。バトン先も1積み以内でこれらのポケモンを1撃で落とせる手段を用意すれば、からをやぶるタイミングでの後出しやバトンエースへの死に出しが対策にならなくなり、安定性が増すと思います。例をあげると、
くろいきりを打ってくるドヒドイデはアシストパワーで確1
のろいやくろいきりを打てるサニーゴ(ガラル)はHD振りでもダイホロウで確1
ふきとばし、あくびのカバルドンはよほどDに厚くない限りはダイホロウで1発
バトンパのポットデスにとってはシャドーボール、アシストパワーどちらも重要な技なのがわかると思います。ほかにもフォーク元にもあるように、ダイサイコを打つことでミミッキュ後出しを許さないのもアシストパワーの利点です。
ただし、H振りミロカロス(かえんだま)はダイホロウでもほぼ落ちないので注意が必要です。C特化すればD12振りは落ちるけど。
ミロカロスにはくろいきりを打たれてしまったら、からをやぶるを連発してくろいきりしか打てなくして、火傷ダメージで倒しましょう。ちなみに相手がくろいきり連発ではなく、じこさいせいなどを打った時点でダイホロウで倒せるので、無傷でミロカロス突破か、からやぶを許すかの2択を迫ることはでき、くろいきり読みでエースに交替も選択肢に上がります。
- ギガドレインについて
この論を書いた当初はバトンだったら、ギガドレインよりミミッキュ後出しやドヒドイデに対処できるアシストパワー1択だろう、と思っていたのですが、ポットデスが知られるにつれてミミッキュやドヒドイデが後出しされる機会が減ってきたように感じました。(ミミッキュ後出しはむしろダイマックス切らせるため、という雰囲気)
さらに受けループの要員として、てんねんヌオーヌオーを入れるのが定番化し、ヌオーはあくびもちが多い印象のため、アシストパワーを抜いてギガドレインを入れる選択肢もあると考えました(シャドーボールはさすがに抜けない)。さらに副産物として、カバルドンやミロカロスを安定して落とすことができるようになるので、ありなのではないかと思います。また、この場合は性格を臆病にして耐久にさらに割くことも考慮されます。このあたりは、自分のパーティと相談するのが良いでしょう。
ちなみに自分は考えた結果、ギガドレインは採用せず、起点作り⇒積みというバトンパの構築と相性が良く、ヌオーの選出も抑制できるオニゴーリオニゴーリをいれることにしました。害悪って言わないで(笑)。積み構築と相性が良く、受けポケモンを対策できて汎用性が高い奴がほかにいるなら教えてほしい。
調整
性格:ひかえめ 努力値:H188 B132 S188
実数値:159-*-102-169-134-114
調整意図:
HB:リフレクター下or火傷したA特化いのちのたまミミッキュのダイホロウを93.7%耐え
性格補正無しA252ごりむちゅうヒヒダルマ(ガラル)のつららばりを93.7%耐え
(最速スカーフはからやぶ後も上をとられるため、後だしからの一撃を耐える必要がある)
H:上記を満たしつつ、なるべく高く。必須ではないが、16n-1に。
S:準速バンギラスバンギラス抜き
2段階上昇後ひかえめスカーフサザンドラ、おくびょうスカーフヒートロトム抜き
C:最低限の抜き性能とカバルドンへの安定性確保のためなるべく高く(性格補正のみ)
H252D252性格補正なしカバルドンに対してダイホロウが56.2%の乱1
ミミッキュやヒヒダルマ(ガラル)に対して乱数が生じるのが嫌であれば、
H156 B164 S188
実数値:155-*-106-169-134-114
であれば、確定耐えとなります。自分みたいな16n-1教の信者以外はこっちの方が良いのかも(笑)
スカーフロトムやひかえめスカーフサザンドラにポットデスを1撃で落とせる火力はありませんが、先に砂やステロ、ボルチェンなどでダメージを受けると、からやぶにたいして後出し⇒上から叩かれるの動きで落とされてしまう可能性があるので、メジャーなスカーフであるこれら2者は抜いておいた方が良いと考えます。
性格をおくびょうにしてさらに耐久や素早さを上げることもできますが、HD特化ドヒドイデをアシストパワーで確1に出来る程度までCに振ると(C28振り)、余った努力値ではさほどの耐久上昇にはつながらなかったため、より努力値効率の良いひかえめを確定とさせていただきました。C実数値に明確な仮想敵はいませんが、ポットデス自身抜きエースとしての側面も持っているため、火力も重要だと思います。
なお、A個体値は指定していませんが、A個体値3以下であれば、からやぶ後に一致イカサマを確定耐えするようになるので、A0 or 1は粘ったほうがいいかもしれません。
きついポケモン
オーロンゲオーロンゲ:
からやぶターンに後出しされ、バトンの際に挑発されるときついです。挑発を持っていなかったとしても、エースに電磁波や後攻のしっぽトリックされたりする可能性もあります。H振りだけならこちらのダイホロウで2/3程度入るため、挑発を読んでうまいこと攻撃できれば突破のチャンスは一応あります。
バンギラスバンギラス+すなかきドリュウズドリュウズ:
まずバンギラスがA特化だと火傷させてもダイアークをポットデスが耐えません。火傷+おきみやげなどできればバンギラスを起点化することができますが、今度は後出しで出てきたドリュウズに上を取られてダイアースなどで倒されます。
どちらかだけなら何とかなる事は多いです。
ブラッキーブラッキー:
後出しからあくびされるのがきついです。ギガドレイン採用しても絶対に一撃では倒せません。抜きエースにラムのみを持たせたりして眠らないようにしておけば対策できるので上記2つ程はきつくないかもしれません。
そのほか、起点作りのポケモンによりきついポケモンは変わってきます。
耐久目安
A-2のA特化ドラパルトのダイホロウ(ゴーストダイブ):84.2〜101.8%(6.2%の乱1)
A-2のA特化キリキザンのダイアーク(じごくづき):88〜105.6%(25%の乱1)
A-2のA特化バンギラスのダイアーク(かみくだく):94.3〜110.6%(56.2%の乱1)
A-2のA特化パッチラゴンのでんげきくちばし(先制):73.5〜86.7%
C特化ドラパルトのシャドーボール:71.6〜84.2%
C特化サザンドラのあくのはどう:83〜98.1%
C252トゲキッスのダイジェット(エアスラッシュ):59.1〜70.4%
気が向いたら時々ダメージ計算は追加します(笑)
終わりに
バトンパでのポットデスポットデス如何だったでしょうか?からやぶバトンのポットデスはすでに投稿されています(本論を書いている間に一つ投稿されてこれが3つめになってしまいました(汗)が、それぞれ想定している運用方法が異なっており投稿の価値はあると考え、このたび投稿させていただきました。
また、これまではSを上げる積み技を持たなかったポケモンがダイジェットによりS上げの手段を獲得しており、バトンエースにそのようなポケモンを採用することでポットデスを切って、エースでダイマックスして積むという積みサイクル的な動きもできるという、バトンパの新たな可能性を発見できたのではないかと思っています。興味を持った方は、ぜひバトンパ使ってみてください。
その他考察や改善点ありましたらコメント欄までお願いします。
更新履歴
2019/12/21:「調整意図」でミミッキュが「いのちのたま」を持っていることを書き忘れていたため、修正(計算はもともと珠持ちで行っていました)。
技候補のギガドレインについて追記。そのほか、数か所追記。
2020/01/06:ゴロンダについて追記