ポケピク
たびびと
投稿者 : うにゃ
もう帰られないことはわかっていました。
いつかこの機体が止まってしまっても。
最後の小さな友のデータを故郷へ送り、空気の無い世界にため息をつきました。
このレンズがまた動くのはこれから四万年先の話です。
それまではこの愛していた世界を眺めてゆくのでしょう。
ほしの誕生を共に歓んだ時もありました。
ほしの死を背後で感じた時もありました。
そういう時にはいつでも、腕の中の思い出に故郷を思い出すのです。
四万年、と消え入りそうに言葉を零します。
組み込まれた遺伝子をもってしても、想像のつかない数字です。
丁寧に磨き上げてくれたあの人は、もういないのでしょう。
ずっとずっと手を振ってくれたあの人は、もういないのでしょう。
この思い出に情報をくれたあの人は、もういないのでしょう。
住んでいた”世界”から、旅立つまであと七年。
それまではせめて、あの人の顔を思い出していよう。
ほしになってくれたら、ずっと一緒にいられるかな。
目の前をゆっくりと通過していく流れ星に手を振りながら、初めて願い事を。
「ぼくの大好きな世界。ずっとぼくを見守ってくれますよう。」
無人探査機ボイジャー一号に、愛と敬意を込めて。
いつかこの機体が止まってしまっても。
最後の小さな友のデータを故郷へ送り、空気の無い世界にため息をつきました。
このレンズがまた動くのはこれから四万年先の話です。
それまではこの愛していた世界を眺めてゆくのでしょう。
ほしの誕生を共に歓んだ時もありました。
ほしの死を背後で感じた時もありました。
そういう時にはいつでも、腕の中の思い出に故郷を思い出すのです。
四万年、と消え入りそうに言葉を零します。
組み込まれた遺伝子をもってしても、想像のつかない数字です。
丁寧に磨き上げてくれたあの人は、もういないのでしょう。
ずっとずっと手を振ってくれたあの人は、もういないのでしょう。
この思い出に情報をくれたあの人は、もういないのでしょう。
住んでいた”世界”から、旅立つまであと七年。
それまではせめて、あの人の顔を思い出していよう。
ほしになってくれたら、ずっと一緒にいられるかな。
目の前をゆっくりと通過していく流れ星に手を振りながら、初めて願い事を。
「ぼくの大好きな世界。ずっとぼくを見守ってくれますよう。」
無人探査機ボイジャー一号に、愛と敬意を込めて。
1148×709
投稿日時 : 2013/09/16 02:22:43
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