今回はムラっけオニゴーリの育成論です
- 本育成論ではHABCDSの略称を使用
ダメージ計算はポケ徹のダメ計ツールを使用
- オニゴーリとは
・第3世代に登場した単氷タイプのポケモン
・種族値はall80とムラは無いが残念な数値
・半減は氷のみ、弱点は炎、格闘、岩、鋼と辛いラインナップ
・第4世代でユキメノコという新たな分岐進化先の登場により見る影も無い不遇ポケモン
火力、耐久、素早さ、どれをとっても今一つ足りず、何をやっても何かの劣化になりやすいポケモンです
ドラゴン狩るにしてもあえてこいつを選ぶ利点がありませんし、採用価値はほとんどありませんでした
そんなオニゴーリが第5世代で手に入れた夢特性はムラっけです
毎ターンの最後にABCDS命中回避のいずれかが2段階上昇、上がった能力以外のいずれかが1段階下降する特性です
(ユキメノコは呪われボディ)
この夢特性によって強烈な個性を手に入れた訳ですが、いまいち注目されませんね
- コンセプト
身代わり、守る、金縛りを駆使しターンを稼ぎ、能力を上昇させて最終的に全抜きを狙う、いわば積みエースといったところです
ただ、何が上がるかは完全に運任せなな上に全抜きを狙える程の能力を上げるには多くのターンを必要とするので、いかに長く居座れるかが勝負となります
長く居座ることで運要素を強引に必然へとしてしまおうという型です
序盤は安定して身代わりを残せるほどBD回避が上がるまで身がまも金縛りでターンを稼ぎ、Cが上がった後に全抜きを狙うのがおおまかな流れになります
得意不得意こそありますが、身がまも金縛りと能力上昇で強引に相手をハメる型なので、本当に苦手な奴(後述)以外なら割と広範囲に居座り続けることが出来ます
また、繰り出す前に他で場を整えてやると居座りやすさが増します(これも後述)
居座るにおいて挑発は勿論警戒するべきですが、素早い挑発もちには氷が刺さる奴が比較的多く(ボルトロス、クロバット、エルフーン、オノノクス、グライオン、プテラ等)、こいつより遅ければ守るで確認した後に金縛りで封じたり出来るので、きついことには変わりないですが挑発持ち相手に全くの無力、という訳でも無いです
パターンに入ればもはや相性とか関係なしに理不尽な抜き性能(回避的な意味を含む)を発揮してくれます
- 差別化
ムラっけ持ちであるビーダル、オクタン(ドーブルはここでは除外)には無いオニゴーリの特徴を挙げると、
・氷タイプ(霰耐性)
・種族値(特に素早さ)
・急所技 氷の息吹き
・絶対零度
・金縛り
となります
・氷タイプ
受けとしては草以上に最悪のタイプですが、攻める側としてはどうでしょうか
水やノーマルと違い、無効化するタイプや特性が無い、というのはとても大きな利点です
半減程度なら積み方次第でごり押すことも可能なので、1ウェポンでも完全に止まるということが限りなく少ない、といっても良いでしょう
氷4分の1勢の突破にはさすがに時間が掛かります(一般的な無限トドや毒まもドラン相手だとお互い突破手段が無くなるのでpp勝負になります)
霰に強い(むしろダメージ源として利用できる)というのはノオーに弱い他のムラっけ持ちには無い大きなメリットの一つになりますね
・素早さ
ムラっけ持ちの中でもドーブルを含めて最速です
ムラっけで上下こそしますが、初速の段階でより多くのポケモンに先手をとれるのはこの手の型には大きなメリットになります
・氷の息吹き
威力40 命中90 必ず急所に当たる技です
せっかく能力上げても相手も瞑想や蓄える積んできて終了、なんてことが無くなります
氷の息吹きなら積まれても無駄に出来るので、そういった奴らを一方的にボコボコに出来ます
タイプ一致でかつCも上がるこいつにはうってつけのウェポンです
・絶対零度
最強の役割破壊技
あるととても便利
単純に身代わり残し+回避MAXで零度連発は気持ちいいの一言
・金縛り
相手が最後に出した技を4ターン使えなくする、身代わりを残す手段の一つとして非常に強力な技です
相手の身代わりを貫通します
オニゴーリ唯一の氷耐性を活かして水技と氷技しかない耐久水ポケの水技を縛り起点にしたり、
拘りアイテム持ちを無力化して流しつつ身代わりを無償で出しながらターンを稼いだり等と使い勝手に優れた技です
- 性格:臆病
- 持ち物:食べ残し
- 個体値:6V理想個体
- 努力値:H172 B12 C44 D44 S236
- 実数値:H177 A90 B102 C106 D106 S143
- 努力値調整概要
・B A200ガブリアスのエッジ耐え
・C C2↑でH4振りマルスケカイリュー確定1発
・D C111スイクンの冷ビを身代わりが高乱 数2耐え
C116トドゼルガの吹雪を身代わりが高乱数耐え
・S 最速-2 最速77族、準速90族抜き
前述した"ムラっけ持ちの中で最速"を活かし、Sに補正をかけて236振り
※意図的に2だけ落としています
身代わり残った状態で最速80族(シャンデラが臆病でめざ格(S個体値30)持ってる可能性まで考慮)と対峙した時に確実に後攻で身代わりを残す為です
最速だとSの変動が無い状態では50%の確率で先制で身代わりを空振り、次のターン(守った後のターン)に先制攻撃される恐れがあるからです
同速ワンチャンを望むことは出来ませんが、身代わりを安定して残す為の調整であるということをご理解頂ければと思います
コメント欄に具体例や補足が詳しく載っているので合わせてご覧ください
Sが一段階下がると実数値で95となり、無振り70抜き調整程度のポケモンを抜けるくらいになります
火力は後から付いてくるものとし、序盤はまず耐えることの方が重要なので、能力上昇後に身代わりを残しやすくする為に残りの努力値で耐久に振るのですが、
食べ残しの回復+身代わりの耐久確保と貼れる回数の効率を良くするためにH172振り
万が一の時にガブのエッジくらい耐えられないようでは困るのでBに12振り
攻撃技が水と氷しかないスイクン等の耐久水ポケモン起点にすることを考慮して氷技を身代わりが耐える為にDには44振っておきます
火力面は(も)基本的にムラっけで上下するので安定しない為、とりあえず余った(絞り出した)分を振りましたが、C2↑でH4振りマルスケカイリューが丁度確定でした
どの能力も変動するので調整とか意味が無くなりがちですが、どちらにせよ能力の変動が少ない序盤を乗り切る為にHSベースが最も安定すると思います
綺麗に努力値使いきりましたね....
- 技
・身代わり
いかに場に身代わりを残し続けるかが、この型における勝利の鍵となります
・守る
ターン稼ぎの為にこちらも必須
・氷の息吹き
威力40 命中90 必ず急所 説明は前述
・金縛り
タマゴ技 遺伝はデスマス等から
説明は前述
技構成は 氷の息吹き/身代わり/守る/金縛りで確定とします
金縛りの代わりに零度を入れるのも全然有りですが、金縛りの有無で立ち回りが変わるので今回は零度は見送らせて頂きます
・その他サブウェポン
範囲を広げようにも序盤は火力皆無なので金縛り、零度の方が汎用性が高く、技スペもありません
ただ、地震がドランやエンペ相手に刺さるので欲しければどうぞ
- 与ダメ
氷の息吹き
・H183D106ガブリアス
104.9~124.6%
・H167D120カイリュー(マルチスケイル)
50.3~61.1%
C2↑時100.6~118.6%
・H135D80キノガッサ
93.3~111.1%
・H156D100ボルトロス
65.8~77.4%
・H191D110サンダー
47.1~56.5%
・H166D105ユキノオー
28.9~34.3%
・H227D151クレセリア
15.0~18.5%
C6↑時55.9~66.1%
・H207D136スイクン
8.7~10.6%
C6↑時34.3~40.6%
ガッサとはSやタイプ相性上は一応有利であり(テクニガッサの攻撃は受けたくないですが)、序盤に身代りも無しに撃ち合う事自体稀なので気にするレベルでは無いですが、どうしても気になる方はCに108振ることで無振りキノガッサを確定に出来ます
- 披ダメ
基本的に身がまもする上にBDも変動するのであてになりませんが一応
・A200ガブリアス エッジ
83.6~99.4%
・A218オノノクス 逆鱗
81.4~96.6%
同じくダブルチョップ1発
27.2~32.8%
・A182マンムー 地震
57.6~67.8%
・A200ハッサム テクニシャン補正バレパ ン(キノガッサのテクニマッパ)
75.7~89.3%
珠98.3~115.8
・A200キノガッサ テクニ種マシンガン1発
23.7~27.7%
珠30.5~35.6%
・A161パルシェン ロックブラスト1発
18.1~21.5%
・A211ローブシン マッパ
54.2~64.4%
鉄拳64.4~75.7%
珠 70.1~83.6%
根性79.1~94.9%
鉄拳+珠 83.6~98.3%
・C182ラティオス 流星群
76.3~90.4%
珠98.9~117.5%
・C178ボーマンダ 大文字
85.9~101.7%
・C111スイクン 熱湯
27.1~32.2%
同じく冷凍ビーム
10.7~12.4%
・C116トドゼルガ 吹雪
20.9~24.9%
- 能力上昇後の身代わりの耐久
B3↑からA187メタグロスのバレパンと思念、
B4↑からA182マンムーの地震、A218オノノクスのダブルチョップ2回、A211ローブシンのマッパ、
B6↑からA182マンムーのエッジ、
といった技で身代わりが壊れなくなります
D2↑からC131シャワーズの熱湯、C158ユキノオーのギガドレ、C200ヒードランの龍の波動、
D4↑からC177ボルトロスの10万、C216シャンデラのシャドボ、C157水ロトムのドロポン、
D6↑からC182ラティオスの持ち物無し流星群、C216シャンデラの眼鏡シャドボ
といった技で身代わりが壊れなくなります
- 立ち回り
身代わりが無い状態で上から殴られるのは御免なのでこいつより遅い奴、麻痺させた奴に繰り出しましょう
先発向けではないので基本的に何らかのサポートをこなした後の死に出しが望ましいです
序盤は身がまもを駆使しながら能力を上昇させます
ただ、能力の引きが悪い(必要な能力値が下がり過ぎた)場合、ヤバいと感じたら素直に引っ込めることも大事です
嫌なタイミングでSが下がって逆転すると困ることがあるので
守る身代わりを繰り返すと相手も守る読み補助技やサブウェポン等してくるので身代わり後に守らずまた身代わりしたり、
金縛りで撃たれたくない技を縛ってやりましょう
とにかく序盤は身代わりを残すことだけを考えます
いかにして身代わりを残すか、残し続けるか
これが勝ちに繋げるためのファーストステップともいえます
安定して身代わりを残せるくらいBDや回避が上がったなら後はCが上がるのを待って氷の息吹きで全抜き体制に入ります
何が上がって何が下がったかを絶対見逃さないこと
Sの上下関係は常に意識することが大切です
- 身代わりを残し易くするには、居座り易くするには
今のご時世あらゆる相手に居座り続けるというのは難しいですし、相手も当然それを許すまいとしてきます
ですが、相手の場を荒らすようなサポートがあれば動きやすさが大きく変わります
オニゴーリが身代わりを残しやすくする場作りがとても重要ですので、1、2匹はサポートのできるポケモンを用意しておくと良いでしょう
・拘りトリック・麻痺・置き土産・毒びし・宿り木
使っていて相性が良いと思ったのはこれらです
身代わり残すだけなら置き土産からオニゴーリに繋げるだけでも容易にできます
が、どうせなら相手の場を荒らして置き土産で退場するのが良いでしょう
トリックで相手を拘らせてしまえば金縛りで封殺できるので、起点の駒として利用できます
そして最後まで残った駒には悪あがきでご退場願います
苦手な相手も拘らせてしまえば怖くなくなるので、一番安定した場荒しかもしれません
オニゴーリが安定して先手とれるように麻痺撒きと併用できるとなお良いでしょう
苦手なハッサムブシングロスに強いシャンデラ、
高耐久で電磁波置き土産のユクシー、
不器用と高いS、豊富な補助技で柔軟性の高いミミロップ等
能力上昇と蓄積ダメを同時にできる毒びしとムラっけの相性は抜群
飛行タイプと浮遊には氷が通りやすいという面でも相性は良いです
鋼に効かないことと、毒タイプには回収されるので注意です
相手の面子次第で腐ってしまうので他よりは優先度は低いかもしれません
タイプ補完でドククラゲ、
威嚇+電磁波も使えるハリーセン、
格闘に強く毒の効かない鋼に有効打があるニドクイン、
宿り木と痺れ粉も使えて選択肢の広いロズレイド等
宿り木を残した状態でオニゴーリに繋げれば流し際に身代わりを残せます
流れなくても宿り木と食べ残しの回復、能力上昇があるので身代わりが安定行動になります
特性悪戯心+痺れ粉+置き土産のエルフーン、
高いSからの蛇にらみジャローダ等
トリックはかなりおすすめですが、何を使うかはパーティ次第ですね
変わり種として後攻アクアリングバトン(シャワーズ)で無限+能力上昇なんてのも
溶けると併用すると砂相手にも対抗出来たり
- 相手にしたくないポケモン
・高威力先制技持ち(タイプ一致バレパン、マッパ持ち)
積み技+先制技持ち
主にハッサム、メタグロス、ルカリオ、ローブシンです
特にハッサムには起点にされますので後だしから勝てるポケモンを複数用意し、選出の段階で縛りたい相手です
・氷が通らない強力な積み技持ち
こちらは主にウルガモス、パルシェン辺りになります
Sも上がるのが非常に厄介です
毒びしを撒いたとしてもウルガモスはラム持ちが多くパルシェンはロックブラストがあるので危険です
・テラキオン
身代わり残してあれば挑発や二度げりさえ無ければなんとも無いのですが、これら持ちも一定数いる以上警戒するべき相手です
・ブルンゲル
挑発と呪われボディが厄介な相手
挑発無いならただめんどくさいだけですが、
両方発動されると悪あがき確定です
毒びし撒くか、こんな奴にこそ拘りトリック出来れば理想
・砂パ
食べ残しの回復が封じられるので長く居座るのが難しくなります
・滅びの歌、呪い、毒びし、吠える吹き飛ばし
このオニゴーリの弱点ともいえる技達
滅びと呪いは身代わり守る貫通な上に必中です
滅びはニョロトノやムウマージ辺り、呪いは耐久ゴーストが持っていることがあります
吠えるは最悪ラス一になってしまえば解決しますが注意です
・スイクン
相手にしたくない、というよりは氷半減な上に特性プレッシャーなので対処の仕方に注意が必要です
どのスイクンにも共通で、水技を封じて十分にCが上がるまで粘ることで対処します
C4↑氷の息吹でH207D136スイクンを確定4発に出来、C6↑で確定3発です
例え瞑想をフル積みされても、こちらのDが2↑以上なら冷凍ビームで身代わりが高い確率で壊れません(相手がC無振りの場合)
3↑以上で安心して身代わりを残せます
ノイクンの場合は、毒毒を撃たれないためにSが一回上がるか、こちらの身代わりが壊れなくなる程のDや回避が上がるまで粘り、熱湯を封じて十分に負担をかけられる程のCを上げた後に、今度は守るを縛って一気にごり押すのが正解です
零度スイクンは零度で技スペ一個埋まってるので対処が一番楽です
S抜いてるの確定なので水技縛って身代われば簡単に止まります
後続を倒せる分のppをとっておくために、
Cが上がるまで息吹の無駄撃ちはしないようにしましょう(経験談)
苦手といってもサポートや運次第でなんとかなってしまう場合もありますが、ハッサムなんかには無理して突っ張らないように
拘っていれば話は別ですが
- 最後に
上手くはまってくれればうざったいことこの上無いです笑
技スペキツキツながらも居座ることに特化し、ムラっけの持ち味を最大限に活かすことができたかと思います
ムラっけを手にいれたおかげで解禁前と比べ、だいぶ強くなったのは確かです
ただ、レート環境ではバンギやハッサムがやたら多いので、相当構築を練らないと運用し辛い印象です
環境的には逆風ですが、ラキグライムドーなんかはサポート無くてもこいつ一匹で対処出来たり、ユキトドを逆に詰ませたり、クレセやスイクンといった瞑想積んでくる耐久ポケ、受けポケを起点にして後続もろとも葬ったりとこいつ単体での利点も多いので、
苦手を他でしっかりカバーし、味方の強力なサポートを織り混ぜることでまさに鬼と化します
レート、フリー問わずオニゴーリが辛い奴には大体めざ地持った虫ジュエルウルガモスが刺さったりしますので補完として入れるのも良いでしょう
ニョロボン(パル意識の真空波持ち)なんかも苦手な奴に刺さったりするので良いですね
とにかく試合が長引きます
切断率も高いので使うには根気が必要です
ご意見、指摘、疑問等はコメ欄にて何なりと申し付けくださいませ