鑑定スレではありがとうございました。
初投稿ですので至らない点もあるかと思いますが、どうかよろしくお願いします。
今回はちいさくなるベトベトンです。
似たような主旨のものはいくつかありますが、なかなか魅力の伝わりにくい型のようですので、僭越ながら、重ねて投稿させていただきます。
- はじめに
拙稿では、ステータスを上から順にHABCDSと省略する場合があります。
(ex.特攻無補正252振り→C252
攻撃補正有り60振り→A60+)
ダメージ計算はお互い理想個体前提とし、トレーナー天国様のツールを使用します。
コメント欄は利用規約・運営ポリシーをご理解いただいた上でご利用くださると幸いです。
- ベトベトン
まず目を惹くのは、高い水準でまとまった特殊耐久と物理攻撃。
そして毒単という防御面で優秀なタイプ。
物理耐久も並以上で、S50という鈍足がただ悔やまれます。
これらを必要に応じて伸ばし、おもに特殊アタッカーや、格闘をはじめとする一部の物理を流すのが、いわゆるテンプレ運用。
遂行能力に悩まされる印象は否めませんが、その分不意に弱点を突かれることが少なく、任せた役割は比較的安定します。
毒状態にならないため、耐久合戦に基本的に有利であることも強みです。
このサイトには、若干物足りなかった攻撃力をハチマキで伸ばしたものが投稿されていますね。
大変完成度の高いものですので、合わせてご覧になっていただければ。
(bw/1424)
(何かしら不都合でしたら、すぐに対応致しますのでご一報ください)
- ちいさくなる
以上テンプレの解説でしたが、今回ご紹介するのはやや奇形の部類。
有利な対面を起点にし、相手のパーティーをいやらしくかき回していく型です。
メインに据える技は、今作で実用レベルに引き上げられたちいさくなるです。
ラッキーの鬼畜っぷりを助ける技として、一躍有名になりましたね。
各段階での命中率は以下の通りです。
0段階→3/3
1段階→3/4
2段階→3/5
4段階→3/7
6段階→3/9
数字だけ見れば、信頼度は人それぞれ、といったところでしょうか。
育成論に主観を持ち込むのはどうかと思いますが、積んだだけのリターンは期待できる数字だと感じています。
このベトベトンは、これを積極的に積んでいくことを目指します。
積みきったベトベトンはまさに害悪。
テンプレで殴りあうより広い範囲に対応できるのがポイントです。
- 比較
ちいさくなるをメインに据えるのであれば、やはり強力なライバルが多くいますね。
単体での抜きを意識したものであれば、ハピラキをはじめ、先制で積むスターミーや、無理なくまひるみのできるハリーセンも比較対象でしょうか。
これらに対し差別点となりうるベトベトンの長所を挙げていくと
特性
ねんちゃくで持ち物を奪われません。
トリック等で機能停止せず、はたきおとすの効果も受けなくなります。
タイプ
毒状態になりませんので、ポリゴン2などの受けに積極的に繰り出していけます。
格闘にも役割を持ちやすいです。
ハピラキの天敵である聖剣に耐性があるのも評価できます。
耐久
HPが割と高く、それなりに硬いです。
タイプと合わせて広く相手にできます。
かなしばり
鈍足ですので先手で縛ることはできませんが、回避との相性は良好です。
これら全てを上回るライバルはいません。
ベトベトンであるという時点で立派な個性が揃っているようですし、育成段階で差別化する必要は無さそうです。
タイプとねんちゃくが大きいですね。
ネバネバでよかった。
- ステータス
確定欄のもので
おだやか
H220 B180 C4 D92 S12
(208-x-118-86-145-72)
となります。
Hはヘドロの効率を意識して16n
HBは特化鉢巻ヘラクロスのエッジをヘドロ込みで確定3発
4振り同族抜きでSを2だけ上げ、その余りをD、Cの順に振りました。
CSは正直、Dに回しても構いません。
C92 ポリゴン2
れいとうビーム
16.3%〜19.7%
A4 エアームド
つばめがえし
14.4%〜17.3%
ほぼ無振りの受けからのダメージは乱6程度。
余裕を持って後出しできます。
C252 ライコウ
10まんボルト
30.2%〜36%
中火力の特殊からのダメージはこの程度となります。
ヘドロ込みで3耐えするラインです。
C252+ ウルガモス
むしのさざめき
17.3%〜20.1%
だいもんじ
46.1%〜54.8%
高火力の特殊はヘドロ込み2耐え程度です。
A252+ ローブシン
ストーンエッジ
32.6%〜38.4%
A252+鉢巻 ヘラクロス
インファイト
40.3%〜47.5%
ストーンエッジ
44.7%〜52.8%
闘+岩の構成はメイン半減のサブ命中不安と相性が良いです。
A252+ オノノクス
じしん
67.3%〜79.8%
不一致地震も体力があれば悠々と耐えます。
本当に地震ホイホイなので、これくらいでないと安心できないのも本音。
打ち合うような型ではないので、特にこれといった仮想敵はいません。
対格闘を意識して、物理は厚めです。
みがわりを採用する場合やヘドロを持たせない場合は努力値振りが変わってきますので、その際は各自調整してください。
性格は特防が上がるものから選びます。
AとCを両立したい場合はなまいき、と言いたいところですが、すぐ下の素早さにローブシンがいます。
繰り出しからカモにできますので、Sは下げないでおきたいです。
また、CDからSに回す(C0,D0,S108)ことで4振りバンギ抜き抜きまで確保できます。
先手をとれる、というだけで非常に有利になれる型ですので、S振りはかなり大きな意味を持ちます。
が、その分特殊耐久を大幅に削ることになりますので、リスクとリターンを吟味した上での選択となりますね。
- 特性
ねんちゃくで確定です。
あくしゅうのメリットはほぼ無いかと。
夢特性のどくしゅが解禁されれば、どくづきメインの型なら選択肢には、といったところでしょうか。
- 持ち物
たべのこし
耐久型の頼れるお供。
貴重な回復手段です。
積めさえすれば
避ける。回復。いやらしいですね。
ねんちゃくの採用を確定としている以上、あえてヘドロを持たせるメリットが薄いので、育成論としてはベトベトン単体の理想を突き詰めたいこともあり、こちらを持たせています。
みずびたしを受けても回復が続きます。
くろいヘドロ
とはいえ、ヘドロがたべのこしに劣る点もみずびたしを受けた時のデメリットくらいしか思い当たりませんので、たべのこしを譲ってヘドロを持ってもほとんど問題ありませんね。
ひかりのこな
相手の命中率を0.9倍にします。
回復手段が無く、効果を実感しづらいのが切ないところではありますが、コンセプトを強める選択ではあります。
後出しでヘドロが発動せず、型バレしないのもメリットといえばそう。呼ぶ相手は結局変わりませんが(
- 技構成
確定欄のものはあくまで一例であり、選択の自由度は高いです。
どれも魅力的な候補ですので、PTや好みに合わせて選んでいただければ。
《確定》
ちいさくなる
この型の主役です。
いかに積むかが勝負所。
《選択1》
以下の2つから1つを選択します。
どちらも一長一短で、どちらかは欲しいです。
両立はオススメできません。
かなしばり
これも密かに強化され、命中率100%に。
相手の有効打を封じることで、交換を誘発したり、単純にタイマンに強くなったりと、テクニカルな動きができます。
こだわり持ちへの強さは言うまでもありませんね。
ほぼ後攻での縛りになりますので、読まれると感じたら慎重に使っていきましょう。
みがわり
ジリ貧になりそうなイメージでも、やはり欲しい技です。
積んだ後のリスクをさらに抑えられます。
採用する場合、念のためBからHに1だけ回して16n+1にしておくと安心。
毒々との相性が良く(積んだ後ならみがわり連打でほぼ突破確定)、一撃必殺技にも対応できます。
何度も使う技ですので、若干頼りないPPは是非補強しておきたいところです。
《選択2》
以下より2つ選びます。
活躍の場を減らさないよう、範囲の広さを重視してなるべく止まらないようにしたいところです。
ダメージ計算は無補正4振りです。
どくどく
居座り型御用達、安定したダメージソースとなります。
毒を入れて待つだけの簡単なお仕事です。
どくづき
3割で毒の追加効果が優秀。
無振りでも最低限の火力は出せて、受けや半減でない限りは毒々より速いです。
毒々が通らないみがわり持ちにも対応していけます。
ちょうはつ持ちも早めに崩せますね。
ダストシュートはPP難から見送りました。
H4 オノノクス
34.2%〜41.4%
このぐらいの耐久(152-110)でちょっと調整した程度なら3〜4発圏内です。
半減相手には流石に毒々がいいですね。
……雑談ですが、毒技の範囲ってどうしてこんなに……
H252 カイリキー
29.4%〜35%
参考までに。
ほぼ4発が必要ですので、ノーガード爆Pで混乱ゲーされて厳しいです。
アシッドボム
ご提供ありがとうございました。
どちらかというと後続の補助の意味合いが強いです。
メインとしてはやや厳しいですが、長く居座れるなら結果的に突破できれば十分、とも言えますね。
効果の恩恵はPT次第ですので、確定数がそこまで気にならない方は。
ダメージ計算は(D下降無し/D下降最大)です。
H252 ランクルス
8.7%〜11%/35%〜41.4%
特殊炎技と合わせることで、なんとか再生技持ちのマジックガードへの唯一の対抗手段(相手が退かない前提ですが)になります。
火炎放射が確定2発になりますね。
かえんほうしゃ/だいもんじ
定番の炎。
毒が無効の鋼に対して抜群で通る、頼れるサブ技です。
一発に期待するなら大文字が優秀ですが、このベトベトンがそこまで確定数を気にするかと考えると、やはり火炎放射を推します。
毒が効かない相手は鋼タイプだけではありませんし。
とはいえ、十分に好みで選択できる範疇です。
ダメージ計算は(火炎放射/大文字)です。
H252 D196(187-135) メタグロス
24.5%〜29.9%/31%〜37.4%
H252 D252+ ハッサム
49.7%〜58.7%/63.2%〜74.5%
H252 D252+ かんそうはだドクロッグ
16.3%〜19.4%/20.5%〜24.2%
2倍以上ならまあまあのダメージです。
等倍の毒タイプはやはり厳しいですが、こういう場面で追加効果のやけどが活きてきますね。
きあいパンチ
みがきあならぬ避けきあです()
みがわり採用時は優秀な候補ですね。
金縛りでも命中66%と思えば十分使えます。
PPも意外と少なくないです。
これ一本でもいけそうなスペックですので、4枠目の自由度が比較的高いです。
闘+毒とした場合、毒+炎と比べてヒードランで止まらなくなりますが、代わりにゲンガーで止まるようになります。
H252 B116+(267-110) カビゴン
48.6%〜57.6%
徹底攻略内でトップクラスの硬さの、ガブの逆鱗2耐えのカビゴンを高乱数2発(93.4%)圏内です。
抜群さえとればこの程度は、という目安ですね。
H252 ハッサム
33.8%〜40.1%
H252 B20(187-153) メタグロス
25.1%〜29.9%
意識したい鋼にも、無振り等倍ですらこの程度のダメージが通ります。
いばる
加速する運ゲー。
いばみがならぬ(ry
こちらは避けることが前提ですし、いざとなれば物理アタッカーにも。
交代されると残りませんので、相手の立ち回りに警戒していきましょう。
技構成については以上となります。
仮想敵をとらない型ですので、与ダメージは目安となる程度です。
希望があれば追加します。
他に使いやすい技があればコメント欄等で教えていただけますと、修正の参考になり大変嬉しいです。
- 立ち回り
起点を見極めて積んでいきます。
ポリゴン2やローブシンなどは絶好のカモになりますね。
今まで特に触れませんでしたが、自分より遅い相手には常にチャンスがあります。
積みに入るなら基本的に初手から小さくなるを積んでいって大丈夫ですが、こちらの構成と繰り出される相手によってはその限りではありませんので、しっかり考えて臨機応変に動きましょう。
補助技を絡めつつちいさくなるを積んで、場が整い次第攻撃に転じます。
ちなみに、流しに成功し、こちらが後手でちいさくなるを連打するとすれば、3回積みきって1回の行動をするまでに相手の有効打(命中100%)の被弾を3ターン中1回以下に抑える確率は64%となります。
これも計算上は少しばかり不安になる数字ですが、後に挙げるように、プレイングで牽制する方法もあります。
が、それでも当たる時は当たるのは仕方がないですので、割り切っての運用が吉。
- 相性の良いポケモン
毒タイプですので、悪タイプとの相性補完に優れます。
誘う格闘にベトベトンが強いです。
中でもサザンドラは地面無効の特性を持っており、立ち回りの選択肢が広がります。
地面・エスパー・挑発と、弱点をほぼノーリスクでカバーでき、ベトベトンには無い火力もあってメリハリが出ますね。
後ろにいるだけでこれらを牽制できます。
プレイングの領域ですが、ベトベトン自身も動きやすくなることが多い印象です。
サザンドラに限らず、地面無効がベンチにいると安心。
また、ダメージを毒に頼らない場合、味方が予め麻痺を撒いているとかなり動きやすくなります。
痺れが大きな隙になりますし、先手で積めたり縛れたりするだけで、やはり安定感は段違いですね。
地面に通るへびにらみを使えて、壁も貼れてやどりぎもできるジャローダなど、サポート役としてはいいでしょうか。
《最後に》
考察は以上になります。
回避をメインに据えたベトベトンのいやらしさが少しでも伝わっていれば幸いです。
火力インフレはやや逆風ですが、第五世代で大幅に戦略が広がったポケモンの一匹ですね。
非常に長くなってしまいましたが、最後までお付き合いいただきまして、ありがとうございました。
自分はまだまだにわかの箱に入れられてしまうような未熟者ですので、皆様の貴重なご意見、お待ちしております。
また、諸々の事情により対応が遅れる場合がありますこと、予めご理解ください。
それでは。