今回はマイナーの中でもマイナーと言えるだろうアゲハントの投稿です。
一つも育成論がなくて不憫だったので、救いの手を差し伸べてみようと思いました。
が、ご存知のかたもいると思いますが、何をやっても上位互換が存在するといっても過言ではないポケモンです。
そこで、ライバル達を意識しつつ、差別化した結果いらない子にならない、なんてならないようにとバランスを取った育成論として構築していきます。
今回はガチ環境においての性能はまったく保証していませんのでご了承ください。アゲハント使うこと自体がガチ環境では間違っているといえるので。アゲハント自体が弱いからといった理由でのコメントはご遠慮ください。
世の中には制限ルールなどローカルルールなども数多く、それらの参考になればなと思います。
今回は劣化認定の酷い子なので、比較対象と比べることで説得力を持たせます。
前置きからしてもう切なくなってくるアゲハントですが、第五世代で新たな技を覚えました。ウルガモスの代名詞ともいえるちょうのまいです。
特攻特防素早さを一段階上げるという脅威の性能。龍の舞の特殊版が防御性能まで強化されちゃった感じのとんでもない積み技です。
これで今までの不遇を吹き飛ばせる……と思ったら。
バタフリー・モルフォン・ドクケイル・ガーメイル・・・アゲハントのライバル達はみんなちょうのまいを覚えてしまいました。つまりちょうのまいでは差別化にはならないのです。
種族値や特性、技といった部分で個性を出していかなければなりません。
ここで大きな壁となるのがガーメイルとバタフリーの存在。比較対象が既に残念な気がしますが、ここはマイナーの宿命と割り切る他ありません。
まずはこの二体との種族値を比べてみましょう。左から、HP・攻撃・防御・特攻・特防・素早さの順です。
アゲハント 60 70 50 90 50 65
バタフリー 60 45 50 80 80 70
ガーメイル 70 94 50 94 50 66
改めて数字として並べてみると絶望的です。バタフリーに特攻で勝っているものの、それ以外は全てにおいて低水準。ガーメイルに対しては一個も勝る部分は無いという始末。つまり種族値で個性を出すのは不可能とみていいでしょう。
では次に特性。左が通常特性、右が夢特性です。投稿時点で未解禁のものはかっこをつけてあります。
アゲハント むしのしらせ/(とうそうしん)
バタフリー ふくがん/いろめがね
ガーメイル むしのしらせ/いろめがね
ガーメイルとは種族値で劣り、挙句特性でも差がつかない始末。現状とうそうしんは未解禁ですが、解禁されたとしても実用的かというと……火力の上昇度合いがむしのしらせに劣ること、火力が落ちるデメリットがあることを考えると実用的ではありません。
つまり、同じむしのしらせでなおかつ種族値で勝るガーメイルと技で個性を出さないとアゲハントの採用理由が無くなってしまいます。ガーメイル自体採用理由が薄いのに、更にそれをライバルとして意識しなくてはいけない。この事がマイナーの中のマイナーとしてのポジションに拍車をかけてしまっています。
バタフリーに関しては、あちらはむしのしらせが無いのと特攻で勝っているため、またあちらはふくがんによる補助を軸とするため単純に劣化とはなりません。
そこで、ガーメイルの覚えない技で個性をはかります。
しかしほとんど同じ技構成で、違う技で有用そうなものといったらしびれごなとふきとばしくらいしかありません。というわけで、これを何とか活かしていきます。
まずは技の考察に入る前に、性格や努力値などベースとなる部分から。
性格
おくびょう
ちょうのまいで素早さを補えること、ちょうのまいで抜いた後むしのさざめきで落とせる相手が多いこと、ひかえめとそこまで確定数に変動がないこと、以上を踏まえた結果火力重視するよりも素早さに補正をかけた方がより返り討ちに落としやすくなる、と判断したため。
努力値
特攻252 素早さ252 特防6
数値的にもタイプ的にも耐久が紙なので素直に火力と素早さに。あまりは耐久に。
持ち物
きあいのタスキ
足が遅い上に耐久が低く、基本的に即死します。なので一回は動けるようにタスキ確定です。
先制技に弱いだとか、連続技に弱いだとか、この子にタスキ枠もったいないとか贅沢言ってられません。
特性
むしのしらせ
夢特性が解禁されたとしてもこちらで。異性相手の場合火力が下がる闘争心は安定しませんし、ただでさえ繰り出し性能が低いこの子で同性をピンポイントで狙うのは難しいです。瞬間火力もむしのしらせのほうが上を行くため、むしのしらせでいいでしょう。
技考察
むしのさざめき/しびれごな/ちょうのまい/選択技でお願いします。
確定技
むしのさざめき
タイプ一致で打てる、アゲハントの最高威力。むしのしらせの補正もうけるため、意外な火力が出る。他のライバル達も覚えますが、無いと話にならないので確定です。
しびれごな
ガーメイルを意識するにあたって必要不可欠な技。
しかし、今度はバタフリーがふくがん×しびれごなorねむりごなという壁にぶつかる。
あちらはむしのしらせと違って火力が上がらないため、火力で個性を出します。というかそれしかない。
そうしょく持ちとじゅうなん持ち以外に刺さり、自分の足の遅さも補えます。
また、タスキ+むしのしらせの効果で素早さを補い虫技の威力を1.5倍という擬似ちょうのまいになったりします。
見せておけば、アゲハントの前で無理に積もうとすることもなくなり読みやすくもなります。
ガブリアスやメタグロスとかどう頑張っても落とせない相手の足を奪いましょう。
ちょうのまい
第五世代で追加された高性能な積み技。
火力の底上げ、素早さの底上げと何かと便利。特防アップはあってないようなものとお考えください。
相手に合わせて、舞うか粉をまくかを選んでください。
なお、舞った後はひかえめで最速106族……レパルダスまで抜けます。
おくびょうだと最速120族まで抜けます。
逆に言うとこれ以上はやい可能性のある相手に向かって舞わないようにしてください。
選択技
エナジーボール
威力不足は否めませんが。一応エナジーボールの方が威力が5上ですが、HPを吸って特をする場面もある……かもしれないのでギガドレインでも構いません。基本的にどちらでも威力はたいした違いは出ません。
ウルガモスは覚えません。ソーラービームは覚えますが。
地面読みで出せれば、草四倍相手ならなんとか落とせます。
サイコキネシス
流行の格闘に刺さりますが、相手はストーンエッジを大抵搭載しているためこちらが速いor確定1にできる状況でないと打ち合えません。といっても、ローブシンやカイリキーを一撃で落とせるかっていうと無理です。おまけにガーメイルだけならずウルガモスも習得。ピンポイントの割に舞ってもいまひとつ火力が足りないのでコッチ入れるくらいなら草技の方が便利。
めざめるパワー
役割破壊技。2倍程度の弱点を突いてもちょうのまい込みでも落とせないことが多いので、4倍を狙います。が、等倍むしのさざめきにむしのしらせが発動した時とそこまで変わらないです。
虫の通らない鋼に対抗できる炎が狙い目です。
ふきとばし
ほぼ砂パピンポイント。身代わり張られちゃうとどうしようもないので。
ただ、この子で身代わりをどうにかしようとする時点で構築に穴だらけな気がします。
ダメージ計算
※すべて理想個体値にて計算中
※タスキ前提のため、被ダメは一切載せてません。
※調整はきりがないので極端な例だけのせています
むしのさざめき
HP4振りゾロアーク
割合: 133.8%〜158.8%
回数: 確定1発
HP4振りフーディン
割合: 105.3%〜125.1%
回数: 確定1発
HP252振りラティアス
割合: 52.4%〜62%
回数: 確定2発
むしのしらせor1積み
割合: 78%〜93%
回数: 確定2発
むしのしらせ+1積み
割合: 116.5%〜137.9%
回数: 確定1発
HP252振りサザンドラ
割合: 67.3%〜79.3%
回数: 確定2発
むしのしらせor1積み
割合: 99.4%〜117.5%
回数: 乱数1発
むしのしらせ+1積み
割合: 148.7%〜175.8%
回数: 確定1発(舞えばサザンドラを追い抜けるので、タスキ耐えから返り討ちにできます)
H4振りガブリアス
割合: 37.5%〜44.5%
回数: 確定3発
むしのしらせor1積み
割合: 55.9%〜66.8%
回数: 確定2発
むしのしらせ+1積み
割合: 83.6%〜99.4%
回数: 確定2発(201ガブなど耐久振りがいるため、無理と見ていいでしょう)
HP特防252振り補正有りナットレイ
割合: 22%〜26.5%
回数: 乱数4発
1積みorむしのしらせ
割合: 32%〜38.6%
回数: 乱数3発
1積み+むしのしらせ
割合: 48.6%〜58%
回数: 乱数2発(何これ硬い。けれど、パワーウィップを4分の1なので勝機はある)
エナジーボール
HP252振りラグラージ
割合: 75.3%〜90.8%
回数: 確定2発
ちょうのまい1積み
割合: 114%〜135.2%
回数: 確定1発
HP252振りウォッシュロトム
割合: 43.3%〜52.2%
回数: 乱数2発
ちょうのまい1積み
割合: 64.9%〜77.7%
回数: 確定2発
サイコキネシス
HP252振りローブシン
割合: 53.7%〜64.1%
回数: 確定2発
ちょうのまい1積
割合: 80.1%〜95.2%
回数: 確定2発(マッハパンチがあること、耐久調整されてることなどを考えると無理です)
めざめるパワー炎
HP特防特化ナットレイ
割合: 46.4%〜55.2%
回数: 乱数2発
ちょうのまい1積み
割合: 68.5%〜81.7%
回数: 確定2発
HP特防特化ハッサム
割合: 58.7%〜70%
回数: 確定2発
ちょうのまい1積み
割合: 88.1%〜103.9%
回数: 乱数1発
被ダメ
HP特防特化ナットレイ
パワーウィップ
割合: 20%〜24.4%
回数: 確定5発
ジャイロボール(威力100想定)
割合: 68.8%〜82.2%
回数: 確定2発
運用
死に出しor先発が望ましいです。地面読みをしても打点がとりづらいので無理に繰り出してもいいことありません。
アゲハントの利点は、その弱さゆえに相性の悪い相手でも意外と引かずに居座ったりすることです。うまくいけばサザンドラが容赦なく炎を吹いて来た所をさざめきで返り討ちに、なんて芸当も可能です。
基本的な立ち回りですが、まず初手は相手が最速120族以下でこちらが倒せそうな(虫技が等倍以上で通る・弱点をつけると考えてもらって構いません)相手ならちょうのまいを、スカーフだったり相性が悪かったり、ちょうのまいでも抜けないくらい速い相手にぶつかったらしびれごな。
連続技や先制技の恐れのある相手には出さないようにしましょう。自殺行為です。
一体うまいこと処理できたとしたらおそらく積みや麻痺を警戒して先制技などでつぶしにくるか、どうせ逃げると踏んで積みます。
下手に起点にされても困るので、スピード型にはしびれごなを、鈍足にはむしのさざめきを撒いて退場しましょう。怖いのはハッサムなどですが、アンコールや炎技で安定して仲間で対処できるの問題ないでしょう。
仕留めきれず相手に手傷を負わせる程度で終わってしまった場合。今度は相手を起点にしていけるような積みポケモンやじしんかじょう持ちといった、抜き要素の強いポケモンをぶつけていきましょう。
アゲハントを使う利点は相手にこちらの戦術を読ませないこと、相手が油断しやすいこと。マイナーを使う利点はとにかく手の内が読めないことと油断を誘うことに限ります。そして、奇襲が成功するとよほど悔しいのかランバトではよく回線も切られます。運用の際はお気をつけください。
第三世代から種族値制限など、強ポケを好まない人たち同士の対戦などもちらほら見かけるようになりました。決してガチ環境(ただ勝つことだけを重視した環境)での対戦「だけ」がポケモンの楽しみ方じゃないんだなと思い、そういった人たちの参考になればと思います。
最初にも述べましたが、この育成論はガチ環境、いかなる状況においても勝てる構成ではなく、アゲハントを使って勝ちにいくというものです。
アゲハントはネタ、などという存在そのものを否定するようなコメントは反応しませんのでご了承ください。
アゲハントを構築しながら、ミルホッグの方がまだ個性が強くて恵まれてるんだなと実感しました。
それでは、わからないところ、改善点などお気軽にコメントへどうぞ。