今回考察するのはがんじょうの強化によりグレードアップしたトリデプスになります。
- トリデプスといえば…
第4世代においてかなりの硬さを誇り、また、数少ないメタルバーストの使い手ということで活躍してきたポケモンですが、逆に言えばメタルバーストさえ警戒すれば怖くない相手であるという、なんとも手が読まれやすいポケモンでした。
しかし、教え技にの中にとおせんぼうが入ったことで(第5世代ではLVUPで覚えるようになりました)その立場に変化がおとずれます。
それは居座りとしての活躍です。
相手は交換が困難な状況になり、この子の硬さを相手どらなくなりますのでかなりの面倒なことになりました。
と、まぁ前作までならばドータクンでやった方が…という意見に圧倒されたでしょうが、第5世代に入り、頑丈の強化によってさらにその立場を大きく変えてきました。
一番大きいのはタスキを持たずともカウンター技を使い易くなった環境でしょうか。それによりもちものを選択できるという前作までとは大きなアドバンテージを得ました。
- 個体値について
基本は6Vが理想ですが、メタルバーストを使用する場合や攻撃技をこちらから放つことがありませんので、HP、防御、特防が3Vであれば十分でしょう。
- 性格について
攻撃性能の低いトリデプスに今回の型において攻撃面は全く必要ありませんので
のんき、わんぱく、おだやか、しんちょう、なまいき、ずぶといが候補に上がります。
この型ではメタルバーストを使うこともありますので、素早さは必要ありません。
被ダメージ計算から考えて、今回の育成論ではおだやかを選択しておきます。
- 被ダメージ計算考察
弱点が少ないのですが、かくとう4倍、じめん4倍とメジャーな技への耐久がないタテトプス。折角の高種族値も台無しですね…
以下防御or特防極振り時におけるダメージ計算になります。
メジャーポケモンが繰り出してくるであろう弱点技の被ダメージ計算
ガブリアスLv50 (ようき攻撃無振り) → トリデプスLv50(のんき防御252)
技:じしん
威力:100 じめん/物理
ダメージ:163〜192 [乱数1]
ゴウカザルLv50(ようき攻撃無振り) → トリデプスLv50(のんき防御252)
技:インファイト
威力:120 かくとう/物理
攻撃:124 (防御:242 HP:167)
天候:undefined
倍率:4*1.5
ダメージ:147〜174 [乱数1]
と、まぁ、なんともならない状況ですね。がんじょうの効果で体調が万全ならば確定2になります。
ではもう一つの弱点である、みずはどうでしょうか。こちらは2倍になりますね。
となります。
スイクンLv50(ひかえめ特攻252) → トリデプスLv50(おだやか特防252)
技:ハイドロポンプ
威力:120 みず/特殊
ダメージ:104〜123 [確定2]
(割合:62.2〜73.6%)
こちらは中々の数字。十分、相手を受けることができそうですね。
では次に効果が普通の技の破壊力の高いポケモンの攻撃ダメージ計算について考察してみましょう。
ウルガモスLv50(おくびょう特攻252) → トリデプスLv50(おだやか特防252)
技:だいもんじ [珠]
威力:120 ほのお/特殊
ダメージ:79〜94[乱数2]
(割合:47.3〜56.2%)
シャンデラLv50(おくびょう特攻252) → トリデプスLv50(おだやか特防252)
技:だいもんじ
威力:120 ほのお/特殊
ダメージ:64〜76[乱数3]
(割合:38.3〜45.5%)
ドレディアLv50(ひかえめ特攻252) → トリデプスLv50(おだやか特防252)
技:はなびらのまい
威力:120 くさ/特殊[乱数3]
(割合:34.7〜41.3%)
ジバコイルLv50(ひかえめ特攻252) → トリデプスLv50(おだやか特防252)
技:かみなり
威力:120 でんき/特殊
ダメージ:66〜78[乱数3]
(割合:39.5〜46.7%)
ウインディLv50(いじっぱり攻撃252) → トリデプスLv50(のんき防御252)
技:フレアドライブ
威力:120 ほのお/物理
ダメージ:51〜60[乱数3]
(割合:30.5〜35.9%)
リーフィアLv50 (いじっぱり攻撃252)→ トリデプスLv50(のんき252)
技:リーフブレード
威力:90 くさ/物理
(割合:23.3〜27.5%)
かなりの硬さがあり、特に防御にかんしては極振りした場合、ウィンディのフレアドライブでですら乱数3にすることができますね。
シャンデラのだいもんじの[乱数3]で受けれることも大きなポイント。
では効果が今ひとつの技を受ける際はどうでしょうか。
ラティオスLv50 → トリデプスLv50
技:りゅうせいぐん [拘]
威力:140 ドラゴン/特殊
ダメージ:62〜73[乱数3](能力低下は考慮しない)
(割合:37.1〜43.7%)
ガブリアスLv50 (いじっぱり攻撃252)→ トリデプスLv50(のんき防御252)
技:げきりん
威力:120 ドラゴン/物理
ダメージ:28〜33
(割合:16.7〜19.7%)
ガブリアスLv50(いじっぱり攻撃252) → トリデプスLv50(のんき防御252)
技:ストーンエッジ
威力:100 いわ/物理
ダメージ:16〜19
(割合:9.5〜11.3%)
バッフロンLv50(じっぱり攻撃252) → トリデプスLv50(のんき防御252)
技:アフロブレイク
威力:120 ノーマル/物理
ダメージ:12〜15
(割合:7.1〜8.9%)
これは硬い…有利なタイプにくりだした時のトリデプスの硬さは尋常ではありません。最早ノーマルタイプの攻撃わざは恐れる必要性がほぼ皆無です。
- 努力値について
今回の型は居座り方になりますので、低いHPを補填するためにもHP252は確定にしたいところです。防御と特防の割り振りについては種族値の関係から考えて、特防を多めにふることが望ましいです。今回は弱点であるみずタイプでメジャー所のスイクンのハイドロポンプに焦点を絞り努力値を配分します。特防196振ることで確定2まで持っていくことができます。たべのこしを持たせているのならば乱数2にすることも可能なこの数字が理想的です。残りの62は防御に振ります。
この振り方のときのトリデプスの能力(性格おだやか)
HP 167
攻撃 64
防御 196
特攻 67
特防 201
速さ 50
(6V基準値です)
- 持ち物について
食べ残し オススメ度★★★★★
居座り型には最早定番のアイテムですね。がんじょうつぶし技を警戒するならこちらを。
カゴのみ オススメ度★★★★
ねむるとの相性が最高です。カウンター技を放つための体力回復用にはこちらを。
- 技構成について
確定技
とおせんぼう
交代ができなくなる技。新たに追加されたこの技を活かします。
どくどく
安定したダメージソース。とおせんぼうとの相性は抜群ですね。とおせんぼうとのコンボでドータクンに苦しんだ方も多いのではないでしょうか。
候補技
メタルバースト おすすめ度★★★★★
最早この子の言わずと知れたカウンター技。とは言えこの技を持っていると想定している方が多いと思いますので過信しすぎないようにしないといけません。意表をつきたいのであればこの技を抜いてしまうのもありでしょう。
カウンター おすすめ度★★★★
弱点がかくとう、じめんが4倍のこの子向きの技。今回はたまご遺伝での習得が可能です。
てっぺき おすすめ度★★★
元々硬いこの子が更に硬くなります。積むのが難しいかもしれませんが、通れば相手は相当厄介になります。
じわれ オススメ度★★★
一撃必殺技。ねむるを繰り出す相手にはこの技をいれることで多少対応できます。
ねむる おすすめ度 ★★★★
この技を使えばがんじょうの効果を復活させることが出来ます。
まもる おすすめ度 ★★★★★
食べ残しとの相性が良い守り技。ダメージの低い技でがんじょうをつぶすのを阻止するときの時間稼ぎにもってこいです。硬さのあるこの子にとっては微量の回復でも大きな役割をもつことになりますのでたべのこしとの組み合わせで安全に回復できるこの技は有益といえます。
すなあらし おすすめ度★★★
ダメージソースを増やしたい方はこちらをいれてもいいかもしれません。
ステルスロック おすすめ度★★★
後続の事を考えるならばこちらをいれましょう。今回の型では打つタイミングが難しいかも知れません。
ほえる おすすめ度★★★
ステルスロックと組み合わせる基本的なパターンの技ですが、今回は既に確定技で枠を2つ埋めていますので、あまり使いどころがないかもしれません。しかし、身代わりもちに対してこの型は全くといってもいいほど歯が立たないのでそれを警戒するのであればこちらを入れるのもありです。
ちょうはつ おすすめ度★★★
相手居座り型にはこちらを。特にこの型は眠るを使う型を相手取る場合、どくどくをダメージソースとしている為不毛なPP削り争いになりますので、その防止作としてはいいでしょう。
- とおせんぼうについて
今回の型はドータクンと同じくとおせんぼう×どくどくを主軸に戦いますが、ドータクンとの大きな違いとして下の考察にもある通り非常に反撃読み交換をされる可能性があります。 また、このトリデプスは速さのないポケモンですので先手で放つのはまず無理なので一見するとあまり使えない技にみえるかも知れません。
しかしバトル中盤以降でアタッカー相手にトリデプスがくりだされた時に相手はかなりカウンターを嫌がり交換を余儀なくされる状況を作りだせます。くりだされる相手はみがわり持ちやスイクンなどが出てくる可能性もあるでしょう。その交代読みでどくどくを打ち、その次のターンにとおせんぼうで逃すのを防止する…というのが理想的な使い方でしょうか。どくどくの刺さったポケモンが交換したとしてもその次でてくるポケモンが結果的に逃げられなくなりますので、中盤以降の相手の手が少なくなるタイミングで、相手の動きをかなり制限出来るという点で、非常に優秀ではないでしょうか。交換読みで出てきたポケがこちらに有利なポケだったらメタルバーストを容赦なくさしていけばいいわけですから、戦略的に非常に有益になるかと思います。基本はどくどくが主体となるのでまずどくどくを刺す事を前提に考えて頂ければ…と思います。またブイズの様なこちらに有益なダメージを与えることが困難な相手を逃がさないようにすることも出きますのでここでも有効なのではないでしょうか。
- トリデプスの役割ついて
トリデプスの最大の特徴はなんと言ってもメタルバースト(カウンターを含む)だと考えている方が非常に多いと思います。特に第5世代でのがんじょうの強化によりその思いは強まっていると言えます。よってこのトリデプスがくりだされた時、相手は確実にメタルバーストを警戒されるでしょう。その心理を利用して、動くというのが今回の型になります。なので、基本的にはアタッカーへの死に出しが望ましいです。(ただし優れた防御能力の持ち主でもありますの高火力の相手への繰り出しなどもありでしょう。)トリデプスに対して相手の警戒するであろう行動パターンは
- ダメージの小さい技でがんじょうをつぶしにかかる
- メタルバースト狙いでの無償交換狙い(フルアタッカーがこのパターンになるでしょう)
- 特殊な攻撃パターン持ちのポケモンとの交換
- 積み技をこれ幸いにとつかう
- 完全なる力押し。カウンターを無視しての高威力技での攻撃
と言う所になるでしょう。
- に関して言えば食べ残しとまもるのコンボがあればたやすく突破できますのでその間に己の有利な土壌を作りあげることが出来ると考えられます。
- こちらもそれを読んだ上でどくどくorとおせんぼうをくりだされたポケモンに対して放つことができ、ある程度有利な状況で勧められます。
- に関しても同様です。くりだした時に最初からどくどくを打たれている状況はかなり辛い状況になりますので有利に事を勧められるでしょう。
- になった場合、攻撃力をあげるパターンの場合は常にメタルバーストの脅威に晒されますのであまり恐れる必要はないでしょう。防御を固めるタイプの場合はどくどくが刺さってしまいますので結局なんらかの対策をとらないといけないくなります。
- になってしまった場合は…その場合は不運だったと諦めるのがいいと思いますが、メタルバーストをうまく打つことが出来れば相手を道ずれに追い込むことができますので及第点でしょうか。また、かくとうタイプやじめんタイプ以外の攻撃ならばある程度受けきることができるのは前述のダメージ計算で照明されているので居座りで打破できることもあります。
これらを考えると特に特殊アタッカーや特殊居座り型を潰すのに優れた性能を持っていると考えています。メタルバーストが読まれているというのならば逆にそれを無言の圧力として使えれば…と思います。
また子の真価が発揮されるのは相手ポケモンの数が少なくなってからになります。4匹目あたりのアタッカー相手にこの子を繰り出せば、相手はよりカウンターに警戒し
てくるはずです。すると後続と変更してくる可能性が強まりますので、ここでどくどくが生きてくると思います。後続の繰り出しと同時にどくどくを刺すので相手としてはかなり痛い展開になるかと思います。かといって何度も何度も交換する訳にはいかなくなりますのでかなり辛い展開に開いてを追い込むことができるのもいいですね。
また相手がグレイシアなどの技が読みやすいタイプのポケモン相手にとおせんぼうも有効でしょう。折角どくどくをうっても逃げられてしまってはどうしようもありませんしね。もし眠るなどをもっていた場合でも逆にこちらが無償降臨をすることができますのでやはり主導権を握っていられるのは大きいですね。
- 仮想敵について
被ダメージ計算において考察した通り、かくとう、じめん相手にはカウンター技を使う以外に道がないように思えますので、ここはあくまで特攻重視の相手を相手取ることを前提としていくのがベスト。特に眼鏡ラティオスに対する防御力は驚異的であり、奴がでてきた時には率先して繰り出していくのが良いと思われます。この場合は繰り出しでの降臨も十分にありなのではないでしょうか。また少々危険ですが、サザンドラのりゅうせいぐん読みでの繰り出しもありかもしれません。こちらはきあいだまがあるので注意が必要ですがりゅうせいぐんがつぶせるのはかなり大きなメリットと言えます。げきりんを受ける為に繰り出すのもありなので600ドラゴン族も仮想敵として考えてもいいと思います。また、技の範囲が狭いブイズなどと戦うときも有利に事を進めることが出来るでしょう。とは言えカウンター技を駆使するのならばこの限りではありません。基本的にはじめん、かくとう技を持たないアタッカータイプのポケモンに非常に強いです。
- 呼び込む敵について
まず、一番危険なのはみがわりを持っているポケモン。この型の場合、みがわり持ちに先出しされると何もできない状況になってしまいます。よってみがわり持ちのポケモンが先出しで出ているのならばまずこの子をくりだしてはいけません。また後出しで繰り出してきた場合でも読み外しや単純に技のミスなどでどくどくが刺さっていない場合はおとなしく交代しましょう。もっとも怖いのはやどみがのエルフーンですね。
後は弱点であるかくとう、じめん、みずタイプの技を持っているポケモンは全般的にくりだされ易いと考えられますが、相手はメタルバーストを警戒しないといけませんのでそこまでは恐れることはないでしょう。ただし、タスキ持ちのフルアタッカーだけは注意しないといけません。まもるなどを使って相手の手を様子見し戦略を立ててください。主にガブリアスやゴウカザルなどには警戒が必要です。特にアンコールを持っているゴウカザルには要注意です。できれば控えにひこうタイプのポケモンがいるのが望ましいですね。またタスキ持ち対策としてステロを蒔いてからくりだしますとより安定するかと思います。
- この型と類似の型を使えるポケモンとの差異について
とおせんぼうとどくどく使えるポケモンはそこそこの数になるわけですが、
その中でカウンター技を使えるポケモンはごく僅かです。
そのポケモンはノクターンとカビゴンな訳ですが、まずノクターンは受けとしては圧倒的に種族値が向いていませんので差別対象にはなりません。
残るカビゴンの方も高いHPと特防がありますがカウンターしか覚えない点でメタルバーストをもつことができるトリデプスとは大きな差異があります。
また、両ポケモンとも、確実にカウンター技を使ってくるという意識を相手に与えることができませんので、やはり役割が被ることはないでしょう。
一番運用方法で被るのはドータクンになりますが、カウンター技の有無と特性がんじょうの効果により完全に別物として考えてることができるでしょう。
以上になります。今回の割り振りでの細かいダメージ計算の希望があればUPしていきますのでお気軽にお申し付け下さい。
今回もいろいろとご指摘・ご意見いただけましたら幸いです。