前注
- HABCDSをはじめとする略称やスラングを一部用います。これについて分かりにくすぎる箇所があればご指摘ください。
- 表現上の習慣から、次項目より常体文を用います。
- 論に直接関係のないお問い合わせ(論の展開上不要と言えるダメージ計算や、ポケ徹内のコンテンツの閲覧で解決できる知識に関する質問など)はお答えしない場合があります。
- 本論で考察したカラマネロは、ニコニコ動画にて活動されているとある実況者様が使用していたマーイーカから着想を得ています。予めご了承ください。
採用理由
- 「こうこうのしっぽ」を「すりかえ」で押し付けて、相手の立ち回りを妨害したり、「みちづれ」によって1:1交換に持ち込んだりする。これにより自身の構築の短所をカバーする。
- 「すりかえ」と「みちづれ」を両立できる。
これにより、「こうこうのしっぽ」を相手に押し付けて次のターンに確実に上を取って「みちづれ」を発動し、1:1交換に持ち込むことが出来る。「すりかえ」するだけでも、ドラパルトドラパルトなど、Sに頼った立ち回りがメインの相手の機能を大きく制限することが出来る。
- 「みちづれ」と「ちょうはつ」を両立できる。
これにより、「ちょうはつ」で攻撃を促した上で「みちづれ」を発動し、前述した1:1交換の遂行可能性を高めることが出来る。
- 特性「すりぬけ」を持っている。
これにより、初手「みがわり」で変化技対策を施そうとする相手に強くなり、「すりかえ」が成功しやすくなる。
- 悪タイプである。
これにより、特性「いたずらごころ」を持つポケモンから、「ちょうはつ」などの変化技を受けることが無い。そのため、初手「すりかえ」を阻止されにくくなる。
- 以上の条件を満たすのはカラマネロカラマネロのみである。
持ち物
- こうこうのしっぽ
これで確定。
「すりかえ」で相手に押し付けることで、相手の行動を遅くすることが出来る。これにより前述した通りの役割を遂行する。
相手の行動を遅くする道具には「くろいてっきゅう」などもあるが、それらがS実数値を半分にする効果であるのに対し、「こうこうのしっぽ」の効果は「素早さを無視して後攻になる」というものであり、こちらのほうが自分の2倍以上のS実数値を持つ相手にも有効である。
特性
- すりぬけ
これで確定。
カラマネロカラマネロの特性は「あまのじゃく」「きゅうばん」「すりぬけ」の3種類だが、本論の型では「すりぬけ」こそ最も相性が良いと言える。
本論では「あまのじゃく」はシナジーのある技を持たせることは基本的に無く、「きゅうばん」の追加効果も優先順位的に高くない。よって、初手「みがわり」に対応できる点からも「すりぬけ」が最有力となる。
調整意図
- 性格:わんぱく
- 努力値:252-0-188-0-68-0
- 実数値:193-112-145-*-104-93
- A252振りミミッキュミミッキュ(いのちのたま)の「じゃれつく」+「かげうち」を確定耐え
現環境にいる物理アタッカーとしてとても数の多いミミッキュを想定して、以上のように物理耐久調整を施す。「こうこうのしっぽ」を押し付けても優先度が+1以上付与された技には先制を許してしまうため、こちらの「みちづれ」を遂行するには、「じゃれつく」のみではなく「かげうち」まで想定しておく必要がある。この調整により、等倍までのほとんどの物理攻撃を耐えることが出来るようになる。
- C特化トゲキッストゲキッスの「マジカルシャイン」を最高乱数以外耐え
現環境にいる特殊アタッカーとしてとても数の多いトゲキッスを想定して、以上のように特殊耐久調整を施す。とはいえ、トゲキッスはダイマックスするケースが多く、「みちづれ」はダイマックスポケモンには効果が無いため、これはあくまで指標のひとつとして設定したに過ぎない。
物理耐久調整の残りの努力値で実現可能な特殊耐久の最大がこの調整であるが、対物理に割り切ってしまうのであればHB252/D4振りでも構わないだろう。
- ASには振らない
火力を出すことがメインの型ではなく、また、「こうこうのしっぽ」によりSの数値が性能に直接関わる場面は少なくなるため、ASに努力値を振る必要は無い。
技構成
- すりかえ/みちづれ/ちょうはつ/イカサマ
- すりかえ
- みちづれ
コンセプトや差別化の観点からこの2つは確定とする。搭載目的は「採用理由」の項目で述べた通りである。
- ちょうはつ
これも「みちづれ」とのシナジーを考えて確定としたいところだが、この枠に代わりに「ひっくりかえす」を入れると、初手「つるぎのまい」のミミッキュなどに対して、1:1交換ではなく起点作り(皮剥ぎを含む)が出来るようになる。これは好みで選択して良い。
- イカサマ
残り1枠には、「ちょうはつ」や「マジックミラー」など、変化技を対策してくる相手を意識して、攻撃技を仕込んでおきたい。搭載するとしたら「イカサマ」が妥当だろう。
攻撃に努力値を振る余裕はないため、普通の攻撃技では火力が期待できない。そのため、相手の火力に便乗することが出来、尚且つカラマネロがタイプ一致で使うことが出来る「イカサマ」は、この型と非常に相性が良いと言える。実際、ドラパルト程度であれば型によってはワンパンすることが出来る。
- ばかぢから
ほぼバンギラスバンギラスに対するピンポイント。無振りバンギラスを乱数1発にする程度しかA実数値を持っておらず、特性「あまのじゃく」も採用していないので、優先順位は低め。
- じごくづき
音を使った技をメインウェポンにしている相手には有効である。特に、ニンフィアニンフィアなどについては「ハイパーボイス」を封じてしまえば残りの攻撃技は大した威力ではないため、カラマネロが非常に有利になることが見込める。ただし、結局は1:1交換と大差ない働きしか見込めないため、火力が出せる可能性の比較的高い「イカサマ」を差し置いて搭載する価値があるかと言うと、なかなか微妙である。
運用
- 先発・死に出し・受け出しを問わず、「採用理由」の項目でも述べた通り、基本的に以下のような運用を行う。
- 「すりかえ」による相手への妨害
「こうこうのしっぽ」を押し付けることで、高いSに性能を依存しがちなポケモン(ドラパルトドラパルトやコオリッポコオリッポ(ナイス)など)の妨害を図る。
- 「みちづれ」による1:1交換
行動が遅くなった相手に対して上から「みちづれ」を使うことで、1:1交換を図る。自身の構築で対処するのが厄介な相手を無理やり突破することが出来る。変化技を持つと思われる相手には「ちょうはつ」を使い、攻撃するよう促す。
- 注意点
ダイマックスした相手には「みちづれ」は効かず、耐久調整等もダイマックスした相手は想定していない。そのため、相手の出方を正確に伺わないと、ロトムヒートロトムやオーロンゲオーロンゲ等ほかの「しっぽトリック」型のポケモンに、火力や器用さの面で劣ってしまう点に注意すること。
被ダメ
- A252ミミッキュミミッキュ(いのちのたま)の「じゃれつく」
68.9~80.8%
- A252ミミッキュミミッキュ(いのちのたま)の「かげうち」
16.0~18.6%
- A252ドラパルトドラパルトの「ドラゴンアロー」
35.2~43.5%
- A252ドリュウズドリュウズの「じしん」
37.8~45.0%
- A特化Gヒヒダルマヒヒダルマ(ガラル)(ごりむちゅう)の「つららおとし」
54.4~64.2%
- C特化トゲキッストゲキッスの「マジカルシャイン」
84.9~100.5%
- C特化Wロトムウォッシュロトム(こだわりメガネ)の「ハイドロポンプ」
79.7~94.8%
与ダメ
相性の良い味方
- 単体で活躍し、味方を指定しない働きをする型であるため、特に無し。
ダイマックスに極端に弱いという短所こそあるが、その他の場面における1:1交換には非常に優れている。「あまのじゃく」と「ばかぢから」のシナジーを活かした型が比較的印象強いカラマネロカラマネロだが、本論の型もその最善の型のひとつと言えると考えた。