はじめに
ポケモン徹底攻略に育成論を投稿するのは初めてです。わからないことも多く、言葉足らずな箇所もあると思いますがよろしくお願いします。
今回は大きくルールが変わったシリーズ10の対戦環境下で活躍できるランドロス(霊獣)霊獣フォルムのランドロスを育成しました。皆様のパーティ構築の参考になればと考えています。
注意点
- この育成論ではポケモンのステータスの表記として、HP=H、こうげき=A、ぼうぎょ=B、とくこう=C、とくぼう=D、すばやさ=Sといった略称を使います。
- ダメージ計算はインターネットサイト「ダメージ計算ツール(ポケモンソード・シールド対応)」を用いています。
- ご不明な点がございましたらコメントで指摘していただけると助かります。
ランドロス(霊獣フォルム)とは
ランドロス(霊獣)はポケットモンスターブラック・ホワイトで登場した準伝説ポケモンでその種族値は
H89 A145 B90 C105 D80 S91 計600
となっています。やはりA145という圧倒的な攻撃力の高さが特徴的です。準伝説の名に恥じない強力な物理アタッカーと言えるでしょう。
採用理由と役割
ランドロス(霊獣)の強力な要素をいくつか紹介し、それらを詳しく解説します。
- 特性いかく
- 優秀なじめん・ひこうタイプ
- S91というすばやさ種族値
- 優秀な技とんぼがえりを覚える
- いかく
場に出た時に相手のこうげきランクを1段階下降させる特性です。この特性により場に出るだけで相手のザシアン(王)などの物理アタッカーの火力を下げることができます。大きなデメリットもなく、シンプルながら非常に強力な特性です。
- じめん・ひこうタイプ
じめんとひこうという複合タイプは、でんきとじめんの2タイプの技を無効にできる上に、弱点はこおりとみずの2タイプしかありません。こおりタイプが4倍弱点であることは目を瞑りましょう
またランドロス(霊獣)のタイプについては、前シーズンまではダイジェットをタイプ一致で撃てるという観点からひこうタイプが強いと注目されていましたが、ダイマックスが禁止となったシリーズ10では、はがねタイプのザシアン(王)やどくタイプのムゲンダイナに対して弱点をつけるじめんタイプが強いと私は考えています。
- S91というすばやさ種族値
S91というすばやさ種族値は非常に優秀で、ゼクロムゼクロムやレシラムレシラム、カイオーガカイオーガといったSが90の伝説ポケモンよりも先に行動できる上に、こだわりスカーフというすばやさを1.5倍にするアイテムを持たせることで、S148のザシアン(王)ザシアン、S150のバドレックス(こくば)バドレックス(黒馬)、さらにはS151のフェローチェフェローチェよりも速くなります。
- とんぼがえり
攻撃後ひかえのポケモンと交代するという技です。ランドロス(霊獣)は高いすばやさを生かして先手でこの技を打つことで、苦手な相手に対してダメージを与えつつ逃げることができます。有利な相手には攻撃し、苦手な相手にはとんぼがえりで控えに逃げるという器用な立ち回りができるのもランドロス(霊獣)の強みと言えるでしょう。
つまり今回のランドロス(霊獣)役割は高速高火力物理アタッカーとなります。有利な相手に対してどんどん攻撃して圧力をかけていきましょう。
持ち物
こだわりスカーフ
上記でも説明した通り、こだわりスカーフを持たせることでS148のザシアン(王)、S150のバドレックス(こくば)、S151のフェローチェ、そして同じくこだわりスカーフをもったS90の伝説ポケモンゼクロム、レシラム、カイオーガ等よりも先に行動できるようになります。
性格・努力値と調整
性格:ようき
努力値:A116 B140 S252
個体値:31 31 31 X 31 31
すばやさを最速にするために性格はようき、努力値のSは252で確定です。
この努力値の調整で特徴的なのは、物理アタッカーでありながらBに140振っていることだと思います。下記の被ダメージ計算でも記載しますが、Bに140振ることで、性格いじっぱりでこうげき特化のザシアン(王)のきょじゅうざん+でんこうせっかの2撃を確定で耐えるようになってます。(この計算はザシアン(王)の攻撃ランクがザシアン(王)の特性ふとうのけんとランドロス(霊獣)の特性いかくで±0となっていると想定したものです。)
これによりランドロス(霊獣)は2回ザシアン(王)にじしんを撃てるため、ザシアン(王)を必ず倒すことができます。
ここでこの調整に対し、「だったらAに252振ってザシアン(王)を一撃で倒しに行ったほうがいいのでは?」と考える人もいると思います。
しかし実は、Aに252振っても性格ようきのランドロス(霊獣)のじしんではザシアン(王)を確実に倒せるとは限りません。正確に言うと、HとBに全く努力値を振っていないザシアンのみ確定で一撃で倒せますが、少しでも耐久に努力値を振っているザシアンは乱数になり、確実に倒せるとは限りません。
だとしたら乱数に影響されず、確実にザシアン(王)を倒すためにはこのような調整のほうが良いと考えました。
またたしかにAには116しか振っていませんが火力は十分です。ダメージ計算は下記に記載しますが、確実に倒したい相手であるザシアン(王)とムゲンダイナの2体はたとえHとBに特化しててもじしん確定2発で倒せます。また同じくランドロス(霊獣)の役割対象である耐久無振りレシラムはじしん確定1発、ゼクロムは確定1発ではありませんが、Bに努力値を振っているおかげでげきりんは耐えることができるので対面で勝つことができます。
またこのゼクロム対面においてもザシアン(王)対面と同じことが言え、仮にAに252振っていたとしても、耐久無振りゼクロムは乱数1発であり、確実に倒せるとは限りません。そのためAに252振っていれば倒せたのに!と後悔することはありませんし、むしろBに140振るとなんといのちのたまを持ったゼクロムのげきりんを乱数で耐えることができます。
技構成
じしん とんぼがえり 自由枠1 自由枠2
- 確定枠
じしん
威力100命中100のじめん技です。タイプ一致技なため最も火力の出るメインウェポンなので確定です。命中も100と安定しているのでこの技を中心として戦っていきます。
とんぼがえり
威力70命中100のむし技です。苦手なポケモンとの対面になった時に控えに戻るための技であり、もちもののこだわりスカーフとも相性が良いため確定です。同じ効果を持つボルトチェンジと違って、むし技は無効にされるタイプがないというのも強い点です。またとんぼがえりならば特性かげふみのゴチルゼルやソーナンスからも逃げることができます。
- 自由枠候補
がんせきふうじ
威力60命中95のいわ技です。威力こそ低いものの相手のすばやさランクを確実に1段階下げることができるという効果は非常に強力です。すばやさを下げた相手ポケモンを自分の控えのポケモンの起点にすることもできます。ただしもちものがこだわりスカーフである都合上、一度打つとこの威力の低い技を撃ち続けないといけないというのは弱いと感じる場面も多かったので確定枠ではなく自由枠としました。
ストーンエッジ
威力100命中80のいわ技です。威力が高く、さらに急所に当たりやすいという強力な追加効果もあります。またランドロス(霊獣)が苦手とするこおりタイプに対する強力な打点となります。しかしやはり命中率が低く安定性が欠けるという点には気をつけなければなりません。私は体感この技の命中率50%だと思ってます。
いわなだれ
威力75命中90のいわ技です。また30%の確率で相手をひるませるという非常に強力な追加効果があります。極論無限にひるませれば誰にでも勝てます。威力を取るならストーンエッジ、命中を取るならいわなだれといったイメージです。採用するときは下記の与ダメージ計算を見て決めるのも良いと思います。
じわれ
じめんタイプの一撃必殺技で命中は30です。これはおふざけではなく、一撃必殺技が通用しなかったダイマックスが今シーズンから禁止されたため、一撃必殺技が通りやすくなっています。こうげきランクが下げられたり、やけどしてしまったりで高ダメージが入らない、またナットレイやナマコブシなど相手が硬すぎてどうしても突破できないといった時に最後の手段として忍び込ませておくのは強力だと思います。
げきりん
威力120命中100のドラゴン技です。伝説ポケモンにはレックウザパルキアゼクロムレシラムキュレムムゲンダイナなどドラゴンタイプが多いため忍ばせておくと刺さる場面があるかもしれません。とくにじめん技が効かないレックウザやみず技で弱点をついてくるパルキア、そして一般ドラゴンポケモンのドラパルトやカイリューなどに対して有効な打点になります。またげきりんという技は1度打つと2〜3ターンげきりんを撃ち続けないといけないというデメリットがありますが、どのみち持ち物がこだわりスカーフなのでこのデメリットはあってないようなものです。使用後こんらん状態になるというデメリットもありますが、命中安定な技なので忍ばせておくのはありだと思います。
与ダメージ計算
指標になりそうなポケモンだけ記載します。
- じしん
無振りザシアン(王)
91〜107.7% 乱数1発(43.8%)
H252 B252ザシアン(王)
57.2〜67.3% 確定2発
無振りザシアンなら1発で倒せる可能性がある上に、最も物理耐久が高いザシアンも確定2発
H252 B252ムゲンダイナ
51.8〜61.5% くろいヘドロ込みで確定2発
無振りバドレックス(こくば)
58.2〜69.1 確定2発
無振りウーラオス(いちげき)ウーラオス(れんげき)
48.5〜58.2% 乱数2発(96.9%)
H252 B252ドヒドイデ
58.5〜70% くろいヘドロ込みで確定2発
H252 ネクロズマ(日食)
50.4〜60.2% 確定2発
H252 B252ヒードラン
117.1〜141.4% 確定1発
- ストーンエッジ
H252ホウオウ
116.4〜138.9% 確定1発
H252 B252サンダー
45.6〜54.8% 乱数2発(53.9%)
無振りイベルタル
58.4〜69.3% 確定2発
無振りカイリュー
105.9〜125.7% 特性マルチスケイル込み確定2発
- いわなだれ
H252ホウオウ
88.2〜105.1% 乱数1発(25%)
H252 B252サンダー
34.5〜41.6% 確定3発
無振りイベルタル
44.5〜52.4% 乱数2発(17.2%)
無振りカイリュー
80.7〜95.1 特性マルチスケイル込み確定3発
これを見るとやはりいわなだれは命中安定ではあるが少し火力不足なのがわかります。とくにストーンエッジならばホウオウを確定1発、カイリューを確定2発で倒すことができるが、いわなだれだとそれができないというのは大きな違いで、命中は低くてもストーンエッジを採用する価値は十分にあると思います。
被ダメージ計算
同じく指標になりそうなポケモンだけ記載します。
A252 こうげきランク±0ザシアン(王)
きょじゅうざん 60.3〜71.3% 確定2発
C特化ムゲンダイナ
ダイマックスほう 75〜88.4% 確定2発
C252バドレックス(こくば)
アストラルビット 89.6〜106% 乱数1発(37.5%)
A252ウーラオス(いちげき)
あんこくきょうだ 60.3〜71.3% 確定2発
A252こだわりはちまきウーラオス(いちげき)
あんこくきょうだ 88.4〜104.8% 乱数1発(31.3%)
C特化サンダー
ぼうふう 73.1〜86.5% 確定2発
A特化こだわりはちまきゴリランダー
グラスフィールド下 グラススライダー
71.9〜84.7% 確定2発
このランドロス(霊獣)の惜しい点はバドレックス(こくば)のアストラルビット、そしてこだわりはちまきを持ったウーラオス(いちげき)のあんこくきょうだで一撃で倒されてしまう可能性が多少なりともあるというところでしょう。しかしこれ以上耐久に振ってしまうとムゲンダイナを確定2発で倒せなくなってしまう可能性があるというデメリットが生じます。正直そっちの方が良くないのでこれは受け止めるしかありません。相手がAやCに全振りしていなければ耐えますし、全振りしていたとしても乱数で耐えるので耐えることを願いましょう。
苦手なポケモン
- カイオーガカイオーガ
みず弱点であるランドロス(霊獣)はカイオーガの雨下のみず技を受けることが当然できません。
- カプ・レヒレカプ・レヒレ
カイオーガと同じくみずタイプであり、さらに物理耐久力が非常に高いカプ・レヒレもランドロス(霊獣)では勝てません。
- ウオノラゴンウオノラゴン
同じくみずタイプであり、かつエラがみという強力なみず技を覚えるウオノラゴンは特性がいかくであるランドロス(霊獣)でも相手するのは非常に困難です。
- ポリゴン2ポリゴン2
非常に高耐久かつランドロス(霊獣)の4倍弱点であるこおり技のれいとうビームを覚えるポリゴン2も天敵です。またポリゴン2の特性トレースでこちらのランドロス(霊獣)の特性いかくをコピーされたら手も足も出ません。
- ランドロス(霊獣)ランドロス(霊獣フォルム)
忘れてはいけないのはランドロス(霊獣)はランドロス(霊獣)に弱いということです。じめん技が効かない上に特性いかくでこうげきランクを下げられ、さらにはこちらのもちものがこだわりスカーフである都合上、とんぼがえりの撃ち合いになった時に相手のランドロス(霊獣)が後手で撃つことになります。後手で撃った方が相手のポケモンを見てから出すポケモンを選べるので圧倒的に有利です。
相性の良い味方・構築例
- 特性がちょすいのポケモン
例:トリトドンヌオーガマゲロゲオニシズクモラプラスなど
ランドロス(霊獣)が苦手とするみず技を無効にできる特性ちょすい(またはよびみずでも可)のポケモンを控えに用意しておくと、みず技を対策することができます。
ただし気をつけないといけないのは、ラプラスラプラスやオニゴーリオニゴーリが習得する技フリーズドライはこおり技だがみずタイプに対してこうかばつぐんになるという非常に強力な追加効果があります。つまりランドロス(霊獣)は元々こおり技が4倍弱点だし、トリトドンヌオーガマゲロゲは、みず・じめんタイプなので、どちらもフリーズドライが4倍弱点技となります。これだけは非常に注意しないといけません。
- ミミッキュミミッキュ
ランドロス(霊獣)がとんぼがえりで控えに戻るということは、控えから出てくるポケモンは相手の攻撃を1回受けなければなりません。そこで特性ばけのかわで相手の攻撃を1度だけ無効にできるミミッキュは後出しするポケモンとして非常に安定します。
またミミッキュとランドロス(霊獣)は相性互換がよく、特性ばけのかわのミミッキュはレシラムゼクロムネクロズマ(日食)ドリュウズといった特性の影響を受けずに攻撃してくるポケモンに弱いです。しかしこれらのポケモンは全てじめん技が弱点なのでランドロス(霊獣)で倒すことができます。
あとがき
いかがだったでしょうか?ランドロス(霊獣)はダイジェットが使えなくなった今シーズンでもその強さは健在です。なにより伝説ポケモンの中で最も使用率の高いザシアン(王)に対して強く出れるのは本当に優秀です。ぜひ使ってみてください。
何がご不明な点がございましたらコメントにお願いいたします。閲覧ありがとうございました。