前書き
「わに」と申します。よろしくお願いします。
以下の内容に必ず目を通してください。
- 指定のない限りすべてのポケモンは理想個体を想定します
- HP、攻撃、防御、特攻、特防、素早さをH、A、B、C、D、Sの略称で表記します
- その他範囲の略称を用います
- ダメージ率はダメージ計算式をもとに計算しています
- ご質問、ご指摘はコメントにて受け付けます
- 育成論に関係のないコメント、無益だと判断したコメントは予告なく削除します
それでは考察に移ります。
論概要
主に先発での場づくり、起点づくりに注力したワルビアルです。
気合の襷と耐久調整による行動保障のもと、特性威嚇の耐久補助、挑発の起点・展開阻止、岩石封じのS操作、ステルスロックの展開を行います。
先発要員として対応範囲がとても広いことがこの型の強みです。
すでに気合の襷型の育成論は投稿されていますが、推奨する調整や技構成に違いがあるためフォークとして投稿させていただきます。
ステルスロック展開役としてのワルビアル
ステルスロック展開役として有名なのはカバルドンドリュウズガマゲロゲルガルガン(まひる)ルガルガン(まよなか)ルガルガン(たそがれ)バンギラステラキオンコバルオンナットレイエアームドジュラルドンコータスピクシー等。
これらと比較した際にワルビアルの大きな強みとなるのが特性:威嚇と挑発、そして悪複合タイプです。
威嚇は有利対面・不利対面問わず、相手の物理アタッカーに対して強力な圧力になる優秀な特性です。自身は元より味方の耐久補助にも繋がります。
たとえワルビアルが突破されたとしても火力を削がれた相手が場に残るため、容易に味方の起点にすることが出来るでしょう。
特性の発動順から相手とのS関係を掴みやすく、ドラパルトの特性判別もできるため、初手での情報収集にも一役買います。
また、S92という中速帯を一歩抜け出すSから挑発を使えるため、本来不利な相手のカバルドンナットレイエアームド等の展開阻止やギャラドストゲキッス等に対する起点回避ができます。
特にカバルドンギャラドスの並びに対してどちらから展開されても隙を見せない点は非常に優秀です。
そして悪タイプが故に相手の悪戯心の影響を受けずに行動できるため、オーロンゲエルフーン等の先制挑発でこちらの展開を阻害されることがない点も地味に優秀です。
一貫しがちな霊・悪に対する耐性を構築内に付与できる点も大きなポイントですね。
以上の条件(特性:威嚇、中速以上のSからの挑発、悪複合タイプ)を満たしつつ、ステルスロックを覚えるポケモンは現環境(鎧の孤島解禁時点)でワルビアルしかいません。これを以って差別化および採用理由とします。
型解説
ここから今回の型を詳しく解説していきます。
- 持ち物
気合の襷
- 特性
威嚇
- 性格
陽気
- 個体値
C抜け5V想定
- 努力値
H84/A76/B4/D92/S252
- 実数値
H181/A147/B101/C-/D102/S158
- 持ち物について
不特定多数との対面の中で行動保障を得るため、気合の襷で確定です。
耐久調整しているのに襷???と思われるかもしれませんが、先発運用を想定している以上、相手の初手ダイマックス(以下DM)展開に対して最低限行動保障が求められます。気合の襷であればどんな高火力でも一撃は耐えることができ、それだけでDMを2ターン分消費させることができるため、後続への負担がかなり変わってきます。
また、耐久調整しているとはいえ、ワルビアルは弱点が6つと多く、特に特殊方面は脆いので気合いの襷の発動機会はとても多いです。
どうしても構築内で持ち物が競合する場合は、オボンの実、ラムの実等が次点で候補になるかと思います。
- 特性について
差別化、採用理由から威嚇で確定です。
自信過剰、怒りのツボは起点作りを主とするこの型には合いません。
- 性格および調整意図
A172こだわり鉢巻ドラパルトのドラゴンアロー耐え(クリアボディ想定)
A132カバルドンの地震3耐え(威嚇込み)
A184命の珠エースバーンの巨大火球+ステルスロック耐え(威嚇込み)
C172ポリゴン2のトライアタック超高乱数2耐え
C167ドラパルトの祟り目(威力130)2発+火傷ダメージ3回耐え
C73ドヒドイデの熱湯2耐え(+火傷ダメージ2回超高乱数耐え)
ダウンロード対策(D>B)
最速
余りA
より多くの対面で上から行動できるよう性格は陽気、Sは252振り切り。
ここまでは確定として、本論の核となるのは以下の耐久調整です。
(ここから少々長くなります。すみません!)
まず、H84B4振りについてですが、主に初手カバルドン対面での動きが大きく変わってきます。
こちらが耐久無振りで挑発から入り、相手が挑発を読んで地震を選択したと想定した場合、ワルビアルは地震3回で落とされてしまうのですが、その落とされるターンでちょうど挑発の効果も切れてしまうため、後続の味方に対して欠伸や吹き飛ばしで好き放題動かれてしまいます。
また、挑発→ステルスロック→味方に交代、と動いたとしても交代のターンで挑発の効果が切れてしまうため、挑発の効果を残しつつステルスロックを展開することができません。
そこで、上記の調整を施し、カバルドン対面で4回行動ができるようにしました。
これにより、初手挑発に合わせて相手が地震を選択してきたとしても、挑発→ステルスロック→攻撃→再び挑発、と動くことで、ステルスロックを展開しつつ、最終的に挑発の効果も残すことができるようになります。
もちろん、相手にも常に交代の択があるため、この動きが確実に決まることを保証するものでありません。しかし、行動回数が1回増えること自体は大きなメリットとなりますし、相手が交代してくれるということは、相手の展開を封じつつ先に裏を確認できるということなので、決して悪い状況ではありません。
また副産物として、威嚇を入れることでA184命の珠エースバーンの巨大火球ほどの超火力もステルスロック込みで耐えることができるようになります。
ここまで耐久があれば、体力を温存しつつ一度引いて、物理アタッカーに対して威嚇を入れながら再展開する動きも十分視野に入るでしょう。
次にD92振りについて。
ここまで振ることでダウンロード対策を施すことができ、さらに前述のH84振りと合わせてC172ポリゴン2のトライアタックを超高乱数(98.8%)で2回耐えることができます。
ポリゴン2はワルビアルが叩き落すを没収されたことに付け込んで、意気揚々と後出ししてきます。(絶許)その際、特性ダウンロードの効果でCを上げられてしまうと、ワルビアル自身もまともに行動回数を得られず、さらに味方への大きな負担となってしまうため、ここまで数値を確保しました。
先発要員として、初手から相手に流れを握らせないことを重視した調整です
また、C167ドラパルトの祟り目(威力130)2回+火傷ダメージ3回、C73ドヒドイデの熱湯2回+火傷ダメージ2回も確定で耐えるなど、心許なかった特殊耐久が多少改善されます。
最後に余りを全てAに注ぎ込んで完成となります。
ASぶっぱと比較してかなりAを削っているので、撃ち合い性能は当然落ちていますが、型の性質上、対面の敵を倒して数的有利を取ることよりも敢えて倒されて威嚇や挑発の効果を残しつつ味方に繋げることの方が重要な場面も多いため、火力不足はそこまで気になりません。
一応、火傷状態のDDラリアットでH195B147ドラパルトの身代わりを確定で破壊できる最低限の火力は有しています。
色々語りましたが、状況に応じた柔軟な立ち回りができることが耐久調整+気合の襷の構成最大の長所だと思います。(長文にお付き合いいただきありがとうございます!)
【耐久指標】
注釈がない限り全て威嚇込み、非DM時のものです。
物理耐久指数:18281(威嚇込み:27421相当)
A184エースバーンの命の珠巨大火球:79.0〜93.3%
A172ドラパルトの鉢巻ドラゴンアロー:40.3〜48.1%(一発当たり/威嚇非考慮)
A132カバルドンの地震:28.1〜33.1%
A142ミミッキュの命の珠じゃれつく:70.1〜82.8%
A142ミミッキュの命の珠影討ち:7.7〜9.3%
特殊耐久指数:18462
C161リザードンの巨大獄炎(150):74.5〜87.8%
C172ポリゴン2のトライアタック:42.5〜50.2%
C167ドラパルトの祟り目(130):33.1〜39.2%
C73ドヒドイデの熱湯:37.5〜44.1%
C211ギルガルド(シールド)のラスターカノン:51.9〜61.3%
物理方面は威嚇込みでかなりの範囲と撃ち合え、特殊方面も最低限の耐久があることがお分かりいただけるかと思います。
ここに記載していないものは恐れ入りますが各自計算をお願いします。
技構成
- 確定技
ステルスロック
言わずと知れた優秀な設置技。
味方のエースを通すために相手の気合の襷や頑丈を潰し、ダメージレースを優位に運びます。今回のコンセプトの一つですので確定です。
挑発
相手の補助技を3ターン封じる技。
相手の展開を阻害したり、味方の起点を演出したり、この技の存在が初手ワルビアルの汎用性を引き上げています。差別化のためにも必須です。
- 選択確定技その1(S操作技)
下記からどちらか片方を選択となります。
岩石封じ
ダメージを与えつつ相手のSランクを一段階下げることができ、しかも無効タイプが無い優秀な技。S関係を逆転させることで自身の行動回数を確保したり、味方の補助をしたり、様々な場面で役立ちます。地面技との補完も優秀。命中難が玉に傷。
怖い顔
岩石封じ同様、相手のSランクを下げる技ですが、こちらはランク下降が2段階なので、相手がダイジェットを展開して来ようともお構いなしです。
その代わりダメージを蓄積することはできません。命中100%も心強い。
- 選択確定技その2(メインウエポン)
下記からどちらか片方を選択となります。
DDラリアット
威力、命中ともに安定したタイプ一致技。
無効タイプが存在せず一貫性が非常に高い点が特に優秀です。
相手のBランク上昇を無視できる点も見逃せません。
対霊・超を強く意識する場合はこちら。
10万馬力(地震)
こちらも安定したタイプ一致技。ゴリランダーのグラスフィールドを意識して10万馬力推奨です。
DDラリアットに比べ弱点を突きやすく、威力も若干高いですが、無効タイプや無効特性が存在します。接地している電・炎・鋼等を強く意識する場合はこちら。
以上の構成で完結しており、本論においてこれらより優先して採用したい技がないので他の技の紹介は省略します。
【火力指標】
全て非DM時の相手を記載しています。
- DDラリアット(火力指数:18742)
H163B95ドラパルト:92.0〜107.9%
H157B127ウォッシュロトム:35.6〜42.6%
H172B211エアームド:19.7〜24.4%
- 10万馬力(火力指数:20947)
H185B81ドリュウズ:104.8〜124.3%
H157B224ドヒドイデ:46.4〜54.7%
H165B110パッチラゴン:87.2〜103%
- 岩石封じ(火力指数13230)
H163B95ドラパルト:21.4〜25.7%
H161B115トゲキッス:36.6〜43.4%
H171B99ギャラドス(威嚇込み):27.4〜32.7%
ここに記載していないものは恐れ入りますが各自計算をお願いします。
選出と立ち回り
先発に据え、ステルスロック展開を目指します。
有利対面は岩石封じもしくはステルスロックから、受けや補助系のポケモンには挑発から、不利対面は威嚇を残して交代、あるいは襷を盾に無理矢理S操作とステルスロックを撒いて切り、など状況に応じて技を選択していきます。対応範囲がべらぼうに広いのでどんな構築に対して選出しても腐ることがほとんどありません。
基本的にS操作や挑発が決まると相手側に交代の択が生まれやすいので、余裕があれば二手目以降は裏を読んだ行動を心がけると良いです。(交代読み岩石封じ連打等)
目標を達成した上で体力がわずかでも残っていれば、(安全な引き先があれば)一旦引くことで後に威嚇クッションとしての仕事を担うことができます。
安易に捨てず、最後の最後まで活躍の場を与えてあげてください。
相性の良い味方
- ドヒドイデドヒドイデ
別の論でも挙げましたが、ワルビアルとのタイプ相性補完が非常に良く、優秀な引き先となります。交代を繰り返しながら、威嚇、タイプ補完、再生力で強引に受けを成立させる動きが可能で、ワルビアルとセットで環境topであるエースバーンのほぼ全ての構成に対応することができます。
- リザードンリザードン
ワルビアルが呼び込むアーマーガアエアームドナットレイゴリランダーカバルドン等に強いエース枠。挑発から繋げることで安全に腹太鼓や奮い立てるの起点にすることができます。リザードンが苦手なステルスロック展開をワルビアルが阻害できる点でも相性良し。
- リーフィアリーフィア
ワルビアルが行動回数を確保できない連撃ウーラオス(れんげき)やマリルリゴリランダーに対して比較的安全に受け出すことができ、欠伸を連打することでステルスロックダメージを蓄積させます。水・草を半減し欠伸を習得する現環境唯一の存在。
- コバルオンコバルオン
ワルビアルが呼ぶ2大ダイジェッタ―ギャラドストゲキッスに対して上から行動でき、DMすることでダイサンダー、ダイスチルでそれぞれ打ち勝つことができます。加えて、ゴリランダーエースバーンに対しても真正面から殴り合えます。
などなど。
ワルビアル+クッション+エース、ワルビアル+エース1+エース2、ワルビアル+欠伸要員+エース等が基本選出になると思います。
ほんの一例ですので色々試していただければ幸いです
あとがたり
今回はワルビアルの剣盾育成論第二弾となりましたがいかがだったでしょうか。
以前投稿したスカーフ型(育成論ソードシールド/1233)よりも行動保障に恵まれ、技の固定等もないので、とても扱いやすい型だと思います。耐久調整は少々面倒ですが、本当に腐りづらいのでぜひ育成してみてください。(ちなみに僕の構築では選出率圧倒的一位です!)
最後までご覧いただきありがとうございました!