はじめに
はじめまして。ユウと申します。
今回はチェリムチェリムの育成論を投稿させていただきます。
本サイトに育成論を投稿するのは初めてなので、タグ等のミスがあった場合はコメントで指摘していただけると嬉しいです。
- 略称について
HP, 攻撃, 防御, 特攻, 特防, 素早さ を、それぞれ
H, A, B, C, D, Sと略記します。
また、個体値は明記がない場合31とし、努力値振りについては
A252→Aに252振り、性格補正なし
A特化→Aに252振り、性格補正あり
HB→H, Bに252振り、性格補正なし
HB特化→H, Bに252振り、性格補正あり
と表記します。特攻、特防についても同様です。
チェリムについて
本題に入らせていただきます。
チェリムチェリムは第4世代で登場し、WCS2010の優勝構築にも入っているなど、結果を残ているポケモンでもあります(WCS2010では禁止伝説ポケモンのグラードンが使えたため剣盾とはまったく立場が違いますが)。
チェリムチェリム最大の特徴は専用特性のフラワーギフトです。天候が「ひざしがつよい」(以下晴れと表記)の状態の際に、自分を含めた味方全体のAとDを1.5倍に上昇させることができます。
フラワーギフトを活かして相手の特殊アタッカーを捌きながら、味方の物理アタッカーの攻撃を通していくのがチェリムチェリムの基本的な運用になります。
- 現環境でのチェリムの立ち位置
現在の剣盾のダブルバトルはバンギラスバンギラス, ドリュウズドリュウズを中心とした所謂「バンドリ」や、ドサイドンドサイドンを中心としたトリックルームパーティ、ダイジェットを撃っているだけで強く、ダイストリームで天候の上書きまで行えるギャラドスギャラドスなど、相手にしたくない物理アタッカーが至るところに居ます。
また、剣盾からS操作の結果がそのターンから反映されるようになったことも合わさり、ダイジェットが飛び交う環境となっているため、ひこうタイプが弱点のチェリムチェリムは立ち回りづらいと言わざるを得ません。
しかし、ジュラルドンジュラルドンやブリムオンブリムオンなどの特殊アタッカーも一定数存在しており、彼らに対してダイマックス技でステータスを増強させる以外の手段で対抗できるのはチェリムの個性であり強みです。
本育成論でのチェリムについて
チェリムはA特化で育成することで、フラワーギフト下では攻撃種族値116相当の攻撃実数値になります(エースバーンと同じ)。
しかし、技範囲が広くないことと、フラワーギフトが味方全体に効果を発揮することを考慮して、今回はサポートを中心としつつ、弱点を突いて落とせる相手は落としていく、といった型に育成しました。
努力値振りについて
H244 - A76 - B20 - D148 - S20
とします。調整ラインは以下のようになります。
あくまでラインなため、詳細なダメージ計算は後述します。
・HP
実数値176となり、16nとなるためオボンのみやグラスフィールドの回復効率が最大になります。
ほぼぶっぱで実現できるため調整。
ぶっぱにすることで下記のリザードンリザードンの熱風が6.25%となるため、振る場合Sから8持ってくることを推奨します。
・物理火力
H4ハードロックドサイドンドサイドン確定1発
192~228 (100.5~119.3%)
・物理耐久
A252ドリュウズドリュウズのダイマックスアイアンヘッド確定耐え
148~175 (84~99.4%)
・特殊耐久
C252リザードンリザードンの晴れサンパワー熱風低乱数1(12.5%)
152~180 (85.8~101.6%) ※晴れ下のためフラワーギフト込み
・素早さ
S4ウォッシュロトムフォルムチェンジロトム抜き
持ち物について
選択肢はいくつかあり、どれもそれなりに強いですが、めちゃくちゃ強いという持ち物はありません。
・オボンのみ
迷ったらこれ。オボンのみで確定数が変わるダメージはダメージ割合が50~62.5%の間に収まるダメージです。
しかし、ダブルバトルでは同じポケモンに同じ技で何度も攻撃される場面が多くないことと、チェリムチェリムは「1発目はギフトなしで受けたけど2発目はギフトありで受ける」という場面もあり、オボンのみで確定数がずれる場面が多いです。
・たべのこし
毎ターン11回復します。まもるを多用することから相性のいい持ち物ですが、オボンのみがたべのこし4ターン分と考えると、5ターン以上チェリムが場に立っていることが少ないため微妙だと思っています。
・きあいのタスキ
耐久振りとアンチシナジーに見えますが、有用なアイテムです。
特殊耐久が高いとはいえ、タイプ一致の弱点技をダイマックスポケモンに撃たれた場合などは耐えることができません。
また、物理耐久に関しても、ドリュウズドリュウズの等倍ダイスチルをギリギリのラインとしているため、一致抜群技は基本的に耐えることができません。
そういった場合に耐えて返したり、HPを1残して最後にてだすけやかふんだんごで味方をサポートしたり、まもるやこらえるでさらにターンを稼いでフラワーギフトを延長することができるため、「受けきれないポケモンと対面した場合でも仕事できる時間を伸ばす」アイテムとして有用です。
技構成
基本的にまもる・てだすけは確定です。他の2つの技については、確定欄は現在私が使っている構成となっています。それ以外の選択肢についても記述します。
- 育成論ページの確定欄の構成
まもる / てだすけ / ソーラーブレード / にほんばれ
・まもる
ほぼ確定技。チェリムの補助性能は高い反面物理耐久は低く、特殊耐久も一致炎技はほとんど耐えることができません。
攻撃の集中に合わせて使ったり、裏にいるひでり要員やてだすけでサポートしたいポケモンが出てくるまでの時間稼ぎに。
・てだすけ
ほぼ確定技。天候を塗り替えられた時や、特殊アタッカーと並ぶ場面、さらに火力を上げたい時などに。
優先度+5なので猫騙しでも邪魔されない他、上を取られていても最後の一仕事として味方のサポートができます。
・ソーラーブレード
選択技。剣盾で新しく覚えた技です。上記の通り、非ダイマドサイドンドサイドンを確定1発にできるほか、火力指数は25245あり、補助型のポケモンとしては高めの火力を出すことができます。
天候を貼り替えられた場合溜めで大きな隙ができることと、チェリムを採用する晴れパーティでは草技の選択肢は豊富なため選択技とします。
・かふんだんご
選択技。剣盾から新しく覚えた技です。むしタイプ威力90の特殊技ですが、味方に使った場合はHPを半分回復させる効果に変化します。
隣のポケモンに攻撃が集中される場面で耐えさせたり、裏から出てくるポケモンのHPを回復するなど何かと便利な技です。
似た効果のいやしのはどうとは特に比較されやすいため、以下に主な違いを記しておきます。
・攻撃技なため、ふいうちを受け、ちょうはつされても撃てる
・相手に対しては攻撃技として使える
主にサザンドラサザンドラなど、草半減かつ虫抜群の相手に撃ちます。
草等倍・虫抜群の相手にはソーラーブレードのほうが良いでしょう。
・にほんばれ
選択技。裏から天候持ちが出てくるのに合わせて使うことで、再び天候を晴れにできます。ひでり要員をダイマックスさせた場合の再展開手段の候補にも。
ダブルバトルでは5ターン以内に実質的に決着が着くことも多く、晴れを再展開するメリットはそれほど大きくないと考えています。
天候の貼り合いには強くなりますが、晴れていない瞬間はフラワーギフトがなく耐久力が低いことと、相手が天候パーティでなかった場合に腐りがちなため、選択技としています。
実際、私はにほんばれを採用せずにチェリムチェリムを使っていますが、にほんばれが欲しい場面は少ないです。
・ウェザーボール
選択技。晴れ下ではほのおタイプ威力100の特殊技となります。
草半減かつ炎抜群の相手に撃ちます。具体的にはカットロトム草ロトムなど。
カットロトム草ロトムはリーフストームを撃った後の仕事として鬼火を搭載していることが多く、チェリムの隣に立っていることが多い物理アタッカーに対して鬼火を撒かれると非常に苦しいため、カットロトム草ロトムに対する打点を持てることはメリットです。控えめHCカットロトム草ロトムに対して確定2発(詳細は後述)。
天候を張り替えられがちではありますが、一応ドリュウズドリュウズにもソーラーブレードより通ります。
・こらえる
選択技。立っているだけで味方のステータスが上昇するため、まもると合わせて。
すなあらしやキョダイゴクエンなどの定数ダメージには気をつけましょう。
ダイマックスを流すのにも使えますが、ダブルのダイマックスはステータス変化や天候変化などの追加効果を活かす構築が多いため、シングルほど有用でない事も多いです。
・アロマセラピー
選択技。バタフリーバタフリーのねむりごなに対して。また、隣の物理アタッカーに対するおにびやでんじはに対して。
まひを回復する場合は速いSから撃ちたい、やけどを回復する場合は物理アタッカーより先に撃ちたいなどなかなか微妙な素早さとの兼ね合いが難しい技です。
チェリム自身はくさタイプでねむりごなが効かないため、バタフリーに対するメタが主な用途。
ダメージ計算
※乱数n発の場合、急所率は考慮していません。あくまで、急所が発生しなかった場合の乱数の振れ幅で計算しています。
また、オボンのみについては高い確率で耐える回数が変わる場面(確定3発が乱数20%以下になる場面など)についてのみ記載しています。たべのこしは考慮していません。
・火力
※物理技については無補正・A76振り、特殊技については下降補正・無振りで計算
ソーラーブレード -> H4ハードロックドサイドンドサイドン
192~228 (100.5~119.3%) ※晴れ
ソーラーブレード -> H252トリトドントリトドン
436~516 (200~236.6%) ※晴れ
ソーラーブレード -> H252ウォッシュロトム水ロトム
152~180 (96.8~114.6%) 乱数1発(75%) ※晴れ
ソーラーブレード -> H4ドリュウズドリュウズ
118~141 (63.4~75.8%) 確定2発 ※晴れ
ウェザーボール -> H252カットロトム草ロトム
88~104 (56~66.2%) 確定2発 ※晴れ
ウェザーボール -> H4ドリュウズドリュウズ
128~152 (68.8~81.7%) 確定2発 ※晴れ
じゃれつく -> H4サザンドラサザンドラ
168~200 (100~119%) 確定1発 ※晴れ
じゃれつく -> H4ドラパルトドラパルト
98~116 (59.7~70.7%) 確定2発 ※晴れ
かふんだんご -> H4サザンドラサザンドラ
60~72 (35.7~42.8%) 確定3発
かふんだんご -> H252カットロトム草ロトム
52~62 (33.1~39.4%) 乱数3発(99.3%)
・物理耐久
A252ドリュウズドリュウズ - アイアンヘッド
91~108 (51.4~61%) 確定2発
148~175 (84~99.4%) 確定2発 ※ダイマックス
A特化バンギラスバンギラス - かみくだく
100~118 (56.4~66.6%) 確定2発
160~190 (90.3~107.3%) 乱数1発(50%) ※ダイマックス
A4振りバンギラスバンギラス - かみくだく
76~90 (42.9~50.8%) 乱数2発(2.7%)
123~145 (69.4~81.9%) 確定2発 ※ダイマックス
A252ギャラドスギャラドス - たきのぼり
34~41 (19.2~23.1%) 乱数5発 ※晴れ, ダイマックス
105~123 (59.3~69.4%) 確定2発※雨, ダイマックス
A252ギャラドスギャラドス - とびはねる
186~218 (105~123.1%) 確定1発
278~330 (157~186.4%) 確定1発 ※ダイマックス
・特殊耐久
C252サンパワーリザードンリザードン - ねっぷう
152~180 (85.8~101.6%) 低乱数1(12.5%) ※晴れ, 複数対象
276~326 (155.9~184.1%) 確定1発 ※晴れ, ダイマックス
C252サンパワーリザードンリザードン - エアスラッシュ
108~128 (61~72.3%) 確定2発
186~218 (105~123.1%) 確定1発 ※晴れ, ダイマックス
C4トゲキッストゲキッス - エアスラッシュ
66~78 (37.2~44%) 確定3発 ※晴れ
オボン込み乱数3発(9.77%)
96~114 (54.2~64.4%) 確定2発
オボン込み乱数2発(5.86%)
C特化トゲキッストゲキッス - エアスラッシュ
84~102 (47.4~57.6%) 乱数2発(82%) ※晴れ
126~150 (71.1~84.7%) 確定2発
146~174 (82.4~98.3%) 確定2発 ※晴れ, ダイマックス
218~258 (123.1~145.7%) 確定1発 ※ダイマックス
C特化ブリムオンブリムオン - マジカルフレイム
92~110 (51.9~62.1%) 確定2発 ※晴れ
オボン込み確定3発
158~188 (89.2~106.2%) 乱数1発(37.5%) ※晴れ, ダイマックス
C特化ブリムオンブリムオン - マジカルシャイン
36~43 (20.3~24.2%) 確定5発 ※晴れ, 複数対象
54~64 (30.5~36.1%) 乱数3発(44.2%) ※複数対象
79~94 (44.6~53.1%) 乱数2発(27.7%) ※晴れ, ダイマックス
118~141 (66.6~79.6%) 確定2発 ※ダイマックス
C特化ジュラルドンジュラルドン - りゅうせいぐん1発目
73~87 (41/2~49.1%) ※晴れ
78~93 (44~52.5%) 乱数2発(17.9%) ※晴れ, ダイマックス
109~129 (61.5~72.8%)
117~138 (66.1~77.9%) 確定2発 ※ダイマックス
C252こだわりメガネサザンドラサザンドラ - かえんほうしゃ
142~168 (80.2~94.9%) 確定2発 ※晴れ
C特化ニンフィアニンフィア - マジカルフレイム
80~96 (45.1~54.2%) 乱数2発(44.1%) ※晴れ
C特化せいれいプレートフェアリースキンニンフィアニンフィア - ハイパーボイス
51~61 (28.8~34.4%) 乱数3発(4.3%) ※晴れ, 複数対象
76~91 (42.9~51.4%) 乱数2発(6.2%) ※複数対象
C252ドラパルトドラパルト - だいもんじ
102~120 (57.6~67.7%) 確定2発 ※晴れ
126~150 (71.1~84.7%) 確定2発 ※晴れ, ダイマックス
他、コメントで要望があれば追記します。
相性のいいポケモン
- 特性「ひでり」のポケモン
コータスコータス
チェリムでサポートできない物理耐久に優れ、低めの特殊耐久はフラワーギフトで補うことのできるため、相性のいいポケモンです。
ダブルのコータスは噴火のイメージがありますが、ダイマックスを前提としたヒートスタンプ、非ダイマ時でも使いやすいオーバーヒートなどの炎技に加えて、物理技もじしん、いわなだれ、ジャイロボールと一通り揃っています。
キュウコンキュウコン
物理技の範囲は狭く、チェリムの横に並べる場合はダイマックスを前提とすることになります。
ダイマックスした場合、S100を活かしてアイアンテールとあなをほるを相手に合わせて撃ち分けて低めの耐久を補ったり、晴れフレアドライブの反動を消して上から撃つことができます。キュウコンは物理耐久が低めですが特殊耐久は最低限あり、ジュラルドンジュラルドンに対して上からフラワーギフト込みダイアースを押し付ける動きが強力です。
- 物理耐久が高く、特殊耐久が低めなポケモン
挙げればきりがないですが、使った中で相性がいいと感じたのは前述したコータスコータスに加え、晴れパの高速アタッカーとして優秀なリーフィアリーフィアなど。
- 特性「いかく」を持つポケモン
物理耐久と特殊耐久を補い合うことができます。見れる範囲が広くマイナーな構築まで対応しやすいですが、メジャーどころであるクリアボディドラパルトドラパルトに刺さらない点やまけんき持ちのポケモンウォーグルタチフサグマナゲツケサルに注意が必要です。
具体的な構築例
冗長だと判断したため載せませんが、コメントで要望があれば追記します。
終わりに
BWを最後に育成論が投稿されていないチェリムですが、個人ブログなどにまで目を向ければ、第6世代、第7世代でもダブルバトルで少数ながら使用されていたようです。
天候の有無で強さにムラがあるため扱いの難しいポケモンではありますが、ガラルの環境でも十分に活躍できるポテンシャルを持ったポケモンだと思っています。
耐久面を削ってアタッカーにする、もっとサポートに特化させるなど、サポートと攻撃を両立したこの型以外にも様々な型が考えられるポケモンです。
紹介した以外にも様々な補助技を覚えるので、本育成論が皆さんに合ったチェリムの形を模索するきっかけになれば幸いです。
本育成論に関する意見、追記してほしいダメージ計算などありましたらコメントにてお知らせください。