アローラ!(時代遅れ)皆さんはじめまして、しもべ1号と申します。
今回は自分が愛用しているアシレーヌの型を友人に勧めたところ、今までシーズン中盤にようやくマスター級に到達していた彼が、シーズン序盤で僕よりはやくマスター級に昇格していたのでこれは初心者にも扱いやすいのではと思い、筆をとった次第です。
アシレーヌというポケモンの基礎が詰まっていると思うので、よろしければ是非目を通していってください。
- 本育成論では、以降H(HP),A(攻撃),B(防御),C(特攻),D(特防),S(すばやさ)といった略語を使用します。
- 個体値は基本的に全能力最大(6v)を想定します。厳選環境がそろっていない方や時間がない方は、けいけんアメや王冠を使うことをお勧めします。
アシレーヌというポケモンについて
アシレーヌとは第7世代で初登場したみずタイプの御三家の中の1匹です。
種族値は
H 80 A 74 B 74 C 126 D 116 S 60
という配分になっており、高い特攻と特防、そして低めのすばやさが特徴的です。
アシレーヌが持つみず・フェアリータイプは攻撃面・防御面ともに優秀であり、鎧の孤島まででこの2タイプを両方半減にできる無進化・最終進化形は、
と限られており、その中でランクマッチでの使用率(シーズン9)で50位以内に入っているのは、フシギバナナットレイドヒドイデの3匹のみです。
また、みず・フェアリーという技範囲によりドラパルトカバルドンウーラオス(いちげき)などの環境のトップ層に有利に立ち回れます。
役割と差別化
このアシレーヌの大まかな役割は
- 高いCから放たれる水・妖技+先制技で対面または後続の相手に大きい負荷をかける。
- 高い耐久力や持ち物を活かし、サイクル戦において不利な対面からの引き先となる。
- ポリゴン2サザンドラガオガエンなど有効打がない相手を起点にして3タテ、もしくは相手PTの崩壊を狙う。
となります。
また、みがわり&めいそう型,とつげきチョッキ型といった従来のアシレーヌとの差別化要素・変更点としては以下の通りです。
- みがわり&めいそう型
・メリット
アクアジェットの採用やCを伸ばしたことによる、対面性能及び攻撃能力の上昇
→めいそうに依存せず、柔軟な戦い方が可能になる
・デメリット
みがわりを失ったことによる、状態異常耐性の低下
→ポリゴン2のトライアタックやほうでん等により状態異常を引く可能性が高くなる
ドヒドイデに勝てなくなる
- とつげきチョッキ型
・メリット
持ち物をたべのこしにしたことで、物理方面の耐久力上昇も見込める
ダイウォールを用いた立ち回りが可能になる
→ウーラオス(いちげき)やエースバーンなどに対する役割遂行がより安定する
・デメリット
めいそうを積む前の特防が低い
→こだわりメガネ持ちのウォッシュロトムヒートロトムなど高火力の特殊攻撃を耐えられなくなる
まとめると、このアシレーヌは
みがわり&めいそう型の詰め性能と、チョッキ型をはじめとする通常のアタッカー型の中間のような性能をもっています。
なお、同じみず・フェアリータイプを持つマリルリとの差別化に関しましては、攻撃技の物理・特殊の違い、積み技の特性の違いなどから、詳しい考察は省略させていただきます。
持ち物
物理・特殊の両方に安定した役割遂行が可能になるのでたべのこしで確定です。
ほかの持ち物だと、努力値調整・技構成等が大きく変わる可能性があるので考察は省略します。
性格・努力値と調整
- ひかえめ H172 A0 B156 C140 D4 S36
- 実数値 177-84-114-180-137-85
- 調整意図
H…16n+1(たべのこしの回復効率最大&奇数)
HB…A特化一撃ウーラオス(いちげき)のあんこくきょうだ+かみなりパンチを最高乱数を2連続で引かない限り、たべのこしの回復込みで耐え
A252振り珠ギャラドスのダイジェットまで確定耐え
C…役割遂行に支障をきたさない程度にできるだけ高く
HD252振りカバルドンをダイストリームで確定1発
D…余り
S…無振り60族+5 (ここまで振ると耐久ベースのポリゴン2ジバコイルアシレーヌなどをほぼ間違いなく抜ける)
特性
げきりゅうで確定です。HPが1/3以下(本育成論ではHPが59以下)になった際にみずタイプの技の威力が1.5倍になります。たべのこしの回復のせいでげきりゅう圏外になることもしばしば
うるおいボイスはシングルバトルにおいてハイパーボイスしかまともな適応技がない上に、そのハイパーボイスも相手のやけどを治さないくらいしか採用するメリットがなく、むしろダイマックスするとダイアタックになるという致命的な欠点があるため候補外です。
技構成
確定技
- うたかたのアリア
威力90 命中100のみずタイプの技です。音技であるためみがわりを貫通できるほか、相手のやけど状態を治す効果があります。
威力・命中のバランスが良い上に、みがわり貫通がえらすぎるので確定欄はこちら。
- ムーンフォース
威力95 命中100のフェアリータイプの技です。30%の確率で相手の特攻を1ランク下げることができます。ドラパルトやウーラオス(いちげき)などへの遂行技兼確定技です。
- アクアジェット
威力40 命中100のみずタイプの先制技です。威力自体はかなり低いですが、この技があることできあいのタスキ持ちウーラオス(いちげき)などに余裕を持って勝つことができます。
また、実際の対戦ではダイストリームで雨を降らしたあとや、げきりゅう圏内で使う機会も多く、試合の展開によりますが終盤の掃除役にもなり得ます。
- めいそう
自分の特攻と特防を1ランクずつ上げるエスパータイプの変化技です。安易に突っ張ってくるポリゴン2を†わからせましょう†。
ダイマックスすることでダイウォールが使用可能になります。ダイウォールが使えることがとつげきチョッキ型との大きな差別化要素になるため、確定技です。
- その他
ハイドロポンプ
威力110 命中80のみずタイプの技。うたかたのアリアのおよそ1.22倍の威力を出すことができます。威力だけ見るとアリアを上回りますが、命中80があまりにも不安定であることから、安定感を求める本育成論では確定技から外れます。
技外しを許容できる方や運に自信がある方で、もし採用するのであればうたかたアリアと入れ替えで。筆者は運が悪く命中80は信用していないので絶対に採用しません。
ねっとう
威力80 命中100のみずタイプの技。30%の確率で相手をやけど状態にする優秀な追加効果を持っており、相手をやけど状態にして物理攻撃のダメージを半減することでめいそうで起点にできる範囲が広がります。
この技を採用することで上記のメリットを得られる反面、火力がうたかたのアリアのおよそ0.88倍しか出ず、素の状態だとH252振りカバルドンにすら確定で耐えられます。(アリアなら同条件で56.2%の乱数1発です。)また、追加効果も所詮は30%なので過信はできません。
みがわり貫通や威力よりも、やけどの追加効果に魅力を感じる方はこちらでも可です。アリアと選択で。
れいとうビーム
サイコキネシス
エナジーボール等のサブウェポン
これらの技を採用することでゴリランダーフシギバナドヒドイデウォッシュロトムなどに有効打を得られますが、アクアジェットやめいそうを抜いてこれらの技を入れるのであれば、『たつじんのおび』や『こだわりメガネ』『とつげきチョッキ』などを持たせ、より攻撃的な努力値配分にした方が強いため、今回は候補外とします。
立ち回り例
- 選出
みず・フェアリーの通りが良い相手には積極的に選出し、ゴリランダーパッチラゴンなどアシレーヌが上から一撃で倒されるようなポケモンがいなければ初手から出して負荷をかけていくこともできます。
PT構築にもよりますが、相手にフシギバナドヒドイデといった後出しから確実にアシレーヌを止められるポケモンがいる場合は、選出の優先度が下がります。
- 対戦での立ち回り
基本的には相手の技に受け出す、『とんぼがえり』『ボルトチェンジ』などの交替技を使う、相手の交替に合わせてこちらも交替する、といった行動で有利対面を作り、状況を見て攻撃や『めいそう』をして相手に負荷をかけていきます。
- ダイマックスについて
- エースバーントゲキッスなど、迅速な処理が必要なポケモンを相手にするとき
- ドラパルトポリゴン2など、こちらがダイマックスをすることで安定した処理ができ、残りのポケモンがアシレーヌ自身、もしくは後続で対応できるとき
上記の場合はダイマックスの選択肢が生まれます。最終的には自分の直観を信じてください。
与ダメージ計算
- 主な役割対象に与えるダメージを中心に計算しています。
- DMの表記はダイマックスしたポケモン・技を表しています。
- ダメージ計算にはスマホアプリ「SWSH」を使用しています。
うたかたのアリア
D4等倍エースバーン
61.9〜73.5%(確定2発)
D4等倍DMエースバーン
通常 30.9〜36.7%(乱数3発 66.2%)
DM 44.5〜52.5%(乱数2発 22.2% 実際は雨により次の攻撃で倒せます)
H252カバルドン
93.0〜109.7%(乱数1発 56.2%)
HD252カバルドン
通常 75.8〜87.9%(確定2発)
DM 106.5〜124.1%(確定1発)
補正ありHD252カバルドン
通常 62.3〜75.3%(確定2発)
DM 96.2〜113.0%(乱数1発 75.0%)
H4トゲキッス
通常 41.6〜50.3%(乱数2発 0.3%)
DM 61.4〜72.6%(確定2発)
H244トゲキッス
通常 35.0〜42.4%(確定3発)
DM 51.8〜61.2%(確定2発)
H244奇石ポリゴン2
通常 28.2〜33.5%(乱数3発 0.1%)
+1 42.4〜50.2%(乱数2発 0.3%)
補正ありH244D252奇石ポリゴン2
通常 20.4〜24.0%(確定5発)
+1 30.3〜36.1%(乱数3発 38.3%)
H252ジバコイル
通常 47.4〜55.9%(乱数2発 78.9%)
DM 67.7〜80.2%(確定2発)
+1DM 101.6〜120.3%(確定1発)
ムーンフォース
H252ドラパルト
104.6〜124.1%(確定1発)
D4DMドラパルト
通常 62.5〜73.6%(確定2発)
DM 84.6〜100.0%(乱数1発 6.2%)
D4連撃ウーラオス(いちげき)
138.2〜164.5%(確定1発)
D4DM連撃ウーラオス(いちげき)
DM 94.2〜111.4%(乱数1発 68.7%)
H252D4ウォッシュロトム
48.4〜57.3%(乱数2発 92.1%)
DM 65.6〜78.3%(確定2発)
被ダメージ計算
- 主な役割対象から与えられるダメージを中心に計算しています。
- アシレーヌの努力値は確定欄のもので、ダイマックスはしていないものとします。
- 実際の対戦ではたべのこしの回復により確定数・乱数が変わることが多々あるので、あくまで参考にする程度でお願いします。
物理
A252ドラパルト
ゴーストダイブ 42.9〜51.4%(乱数2発 6.2%)
ダイホロウ(130) 62.7〜74.5%(確定2発)
珠ダイホロウ(130) 81.3〜97.1%(確定2発)
A252エースバーン
珠かえんボール 36.7〜43.5%(確定3発)
珠ふいうち 21.4〜25.9%(乱数4発 0.9%)
珠ダイジェット(130) 80.2〜94.9%(確定2発)
珠ギガインパクトorダイアタック(150) 92.6〜108.4%(乱数1発 56.2%)
補正ありA252ウーラオス(いちげき)
すいりゅうれんだ 32.2〜38.9%
あんこくきょうだ 33.3〜39.5%
かみなりパンチ 56.4〜66.6%(確定2発)
ダイサンダー(130) 97.1〜115.2%(乱数1発 81.2%)
A252ミミッキュ
珠じゃれつく 46.8〜55.9%(乱数2発 76.5%)
珠ダイフェアリー(130) 68.3〜80.2%(確定2発)
珠かげうち 20.3〜24.8%(確定5発)
A252ギャラドス
珠ダイジェット(130) 83.6〜99.4%(確定2発)
珠ダイソウゲン(140) 120.3〜142.3%(確定1発)
特殊
C252ドラパルト
10まんボルト 42.9〜50.8%(乱数2発 1.9%)
珠ダイサンダー(130) 80.7〜95.4%(確定2発)
補正ありC252トゲキッス
エアスラッシュ 32.7〜39.5%(乱数3発 99.8%)
ダイジェット(130) 57.6〜67.7%(確定2発)
ダイソウゲン(130) 76.8〜90.3%(確定2発)
C4ポリゴン2
トライアタック 23.7〜28.8%(乱数4発 93.9%)
ほうでん 31.6〜38.4%(乱数3発 92.5%)
ダイサンダー(130) 50.8〜61.0%(確定2発)
補正ありC252ポリゴン2
トライアタック 32.7〜38.9%(乱数3発 98.9%)
10まんボルト 48.5〜57.6%(乱数2発 90.6%)
ダイサンダー(130) 70.0〜82.4%(確定2発)
補正ありC252ジバコイル
10まんボルト 84.7〜99.4%(確定2発)
アナライズ10まんボルト 109.6〜129.9%(確定1発)
ボルトチェンジ 65.5〜77.9%(確定2発)
アナライズボルトチェンジ 85.8〜101.6%(乱数1発 6.2%)
ほかに必要そうなダメージ計算がありましたらコメントでお教えください。
相性の良い味方
- エースバーンエースバーン
アシレーヌが不利なゴリランダーフシギバナジバコイルにエースバーンが強く、エースバーンが苦手なドラパルトカバルドンにアシレーヌが強く出れる、攻撃面の相性補完が優秀なコンビ。
誘い出したカバルドンに打つ『とんぼがえり』や、ドヒドイデに抗える『しねんのずつき』を持った型がおすすめ。
- パッチラゴンパッチラゴン
超火力をもつ8世代の化石ポケモン。エースバーンゴリランダーウォッシュロトムヒートロトムドヒドイデあたりに強く、高い火力で相手のPTをガンガン削ることができます。
2匹ともすばやさが特別高いわけではないので、ドラパルトミミッキュなどに隙を見せないようにしましょう。『10まんばりき』をもったゴリランダーも要注意。
- ドリュウズドリュウズ
アシレーヌが苦手なでんき・どくタイプにドリュウズが強く、ドリュウズが苦手なほのお・みず・かくとうタイプにアシレーヌが強いです。また、アシレーヌを無理やり止めてくるミミッキュに対しても安定して戦えます。
相手のPTにゴリランダーがいる場合は選出を控えるか、細心の注意を払って立ち回りましょう。
このポケモンの対策
- ドヒドイデドヒドイデ
『The Japanese INKYA』の名でお馴染みの圧倒的受け性能を持つポケモン。アシレーヌがどんな有利対面であっても、こいつに交換されるだけで試合のペースを握られてしまいます。
ただ、ドヒドイデ自体が有利不利がはっきりしたポケモンなので、逆にトゲキッスウォッシュロトムゴチルゼルなどの起点にされたり、パッチラゴンとの対面を作られて大ダメージを負わないように気をつけましょう。
フェアリー技が致命傷にならないくさタイプもアシレーヌの対策になります。ただし、『めいそう』を使われている場合はダイマックスを用いたゴリ押しもあり得るため、悠長な立ち回りは厳禁です。
単純に上から高火力で殴るのも有効です。弱点がつけなくても、アシレーヌが相手できる高火力ポケモンはせいぜい1匹までなので、複数のポケモンで過労死させるのも効果的です。
おわりに
いかがだったでしょうか?
このポケモンは初心者でも扱いやすく、対戦に慣れた方であっても幅広い運用ができるのが長所だと思っています。筆者はこのポケモンを使って8/31現在レートを1955まで上げることができました。
シーズン10,11では役割対象であるドラパルトポリゴン2カバルドンなどが使用禁止となり環境が大きく変化しますが、今後採用率が上がるであろうウーラオス(いちげき)ドサイドンウインディなどに強いアシレーヌは新環境でもある程度戦えるのではないかと思います。
初投稿で拙い部分やわかりにくい箇所など多々あると思いますが、よろしければ評価・ご指摘をお願いします。
ここまで読んでいただきありがとうございました。
追記・修正
8/31
全体の誤字・脱字の修正
アシレーヌの技範囲に関する修正
対策ポケモンの欄の修正