前書き
はじめまして。M2と申します。育成論は初投稿になります。
アシレーヌの「たべのこし」はメジャーな持ち物ですが、「たべのこし」を採用した育成論がポケ徹になかったため、考察いたします。
注意
- HABCDSなどの略称を用います。
- 断りがなければ、本論で触れるポケモンは理想個体とします。
- ダメージ計算はポケマス様のツールを用います。(https://pokemass.site/swsh/dc)
- 不明な点などがございましたら、コメントにて指摘していただけると助かります。
要約
- 「みがわり」で低火力のポケモンを起点にして「めいそう」を積み、等倍範囲の広い水/フェアリー技で攻める型です。
- 物理アタッカーと打ち合いや物理技への受け出しを意識し、HBに厚く振ります。
- ドヒドイデ・ポリゴン2(HB/HD)との対面が比較的有利になります。
- ゴリランダー・パッチラゴン・ナットレイ(草技持ち)など、相性不利で高火力なポケモンには不利です。Cに振らないため、てんねんヌオー・同ピクシーにはやや不利です。
アシレーヌについて
水/フェアリータイプの、第7世代の御三家の最終進化系です。種族値は
H80 A74 B74 C126 D116 S60
で、水タイプとしては最高峰のCを持ちます。
水/フェアリーの耐性と等倍範囲が優秀で、サイクル戦適性があるポケモンです。先制技もあり、打ち合える相手が多いため対面的な強みもあり、さまざまな構築に採用できるのが特長です。
エースバーンカバルドンドラパルトウーラオス(いちげき)などに有利で、執筆時点(2020/8)の環境に刺さるポケモンといえます。
採用理由と役割
剣盾ではアシレーヌは「めいそう」を新規習得し、積みアタッカーとしての適性を得ました。
この論のアシレーヌは「みがわり」「めいそう」によって火力のないポリゴン2ポリゴン2・ドヒドイデドヒドイデに強くすることで、スタンダードな構築への選出機会を増やすことを目標とします。
また、タイプ相性上有利な相手(エースバーンドラパルトウーラオス(いちげき)など)に居座って役割遂行しやすくするため、HBに厚く振ります。
持ち物
たべのこしで確定。
ターン終了時に、HPが最大HPの1/16回復します。
場持ちを良くするため、ほぼ固定です。繰り出し性能も上がり、ある程度サイクルを回せるようにもなります。
オボンのみや混乱実、「ねむる」と組み合わせるカゴのみも考慮する余地がありますが、耐久・火力調整や技が変わり別の型になりそうなので割愛します。
性格・努力値・特性と調整
※実数値(努力値) と表記します。性格補正は努力値右に+-で表記します。*は不問です。
ずぶとい H177(172) A*(0-) B136(236+) C147(4) D137(4) S92(92)
H: 16n+1(16nを避け、たべのこしとグラスフィールドの回復量最大)
B: B<D の範囲で最大値(ダウンロード対策)
C: 余り
D: 余り
S: 4振り70族+1
Hを16n+1とし、みがわりを絡めた立ち回りをしやすくしています。
メジャーな受けポケモン(エアームド)と同族意識でSを振った調整になります。
対ラプラスアシレーヌなど、有利不利があいまいな対面は速いほうが基本的に有利なため、Hを削ってSを多めに振っています。
下記のH振り切りに比べると物理耐久・特殊耐久をやや落としてしまうのが欠点です(ポリゴン2の放電など、一部の技の乱数・確定数が変わります)。
- 調整案
ずぶとい H187(252) A*(0-) B136(236+) C147(4) D137(4) S82(12)
H: 振り切り
B: B<D の範囲で最大値(ダウンロード対策)
C: 余り
D: 余り
S: 無振り60族+2
- 特性
げきりゅうで確定。
「みがわり」使用や受け出しで削られ、HPが低い状態で攻撃する機会が多いこの型と相性が良い特性です。うるおいボイスは相性の良い技が少なく(シングルでは「ねむる」+「いびき」等)、考慮外です。
技構成
ねっとう / ムーンフォース / めいそう / みがわり
4枠ほぼ確定です。他にも魅力的な技は多いですが、この型では技スペースが足りません。
- 技解説
ねっとう
水 / 特殊 / 威力 80 / 命中 100 / PP 15
追加効果: 30%の確率で相手を「やけど」状態にする。使うと「こおり」状態が治る。
主力技その1。追加効果が強力で、ミミッキュゴリランダーパッチラゴンナットレイ等を焼いて勝ち筋を作れる試合も多々あります。ただし3割なので過度な期待はしないほうが良いです。
「やけど」によって起点にできる範囲が広がるため、「なみのり」「うたかたのアリア」・「ハイドロポンプ」より優先して採用すべき技だと考えられます。
レコード技。
ムーンフォース
フェアリー / 特殊 / 威力 95 / 命中 100 / PP 15
追加効果: 30%の確率で相手のCを1段階下げる。
主力技その2。「ミストバースト」を除けば、特殊フェアリー技の最大打点です。
タイプ一致技であり、水技との補完も良く、威力・追加効果のどちらも強いため確定。
追加効果のCダウンが強力で、ラプラスやポリゴン2等との打ち合いで有利になる可能性を持っています。
レベル技。進化前のほうが習得レベルが低い。
めいそう
エスパー / 変化 / 対象: 自分 / 必中 / PP 20
効果: 自分のCとDを1段階上げる。
積み技。この論のコンセプトです。
CとDを補強します。Dアップと「みがわり」の相性も良好で、低火力の特殊アタッカーを詰ませることもできます。
レコード技。
みがわり
ノーマル / 変化 / 対象: 自分 / 必中 / PP 10
効果: HPを最大HPの1/4消費し、みがわりを出す。みがわりは消費した分のHPを持ち、自分の代わりに攻撃を受ける。
「どくどく」などを透かす、「ほうでん」の麻痺を防ぐ、相手の様子を見るなどの用途で使います。
長く居座って積む型なので状態異常を対策する必要があり、ほぼ必須の技です。
レコード技。
立ち回り例
ゴリランダーなどの草タイプ・パッチラゴンなどの電気タイプがおらず、水/フェアリーがよく通る構築(エースバーンカバルドンポリゴン2の並びなど)には積極的に選出します。
自分の構築が展開系の構築であれば「おにび」「でんじは」等の状態異常技で起点を作ってアシレーヌを繰り出し、「めいそう」を積みます(筆者は襷ドラパルトやスカーフミミッキュから始動し、アシレーヌ+ダイマックス枠 という選出をよくします)。
アシレーヌが相手の選出に刺さっていると判断できた場合は、アシレーヌにダイマックスを切って詰めることも考慮しながら立ち回ります。
サイクルに参加させる場合、水ウーラオス(れんげき)などの有利な相手に投げして、水技とフェアリー技で負荷を掛けていき、起点にできるポケモンと対面したら居座ります。
HB/HDポリゴン2、アシレーヌに打点がないドヒドイデなどの低火力ポケモンは「めいそう」の起点にしましょう。
ポリゴン2に対しては「めいそう」、ドヒドイデに対しては「みがわり」から入ります。
なお、この型は「くろいきり」を持ったドヒドイデ等と対面すると泥試合になる可能性があるため、技のPPを増やしておくことをお勧めします。
与ダメージ計算
ねっとう/ムーンフォースのダメージを記載します。
ダイマックス技はDMと略記します。
アシレーヌ側はC147(4)、ランク補正0です。
- ねっとう(80) / ダイストリーム(130)
D4リベロエースバーン ※等倍で計算
44.5〜52.9% 確定3発, 乱数2発(24.2%)
DM 72.2〜85.5% 確定2発
備考: 珠エースバーン対面でお互いDMを切った場合、ダイストリーム2発でほぼ勝てます。
H188 D4リベロエースバーン@チョッキ(育成論ソードシールド/1415)※等倍で計算
25.6〜30.7% 確定4発
DM 42.4〜50.2% 確定3発, 乱数2発(0.4%)
DM 雨 63.6〜73.4%
DM 雨 げきりゅう 94.4〜111.1%
備考:上記3発の合計が最低200.4%。ダストシュート持ち以外はDMを切って打ち合いで勝てます。ギガインパクト持ちは中乱数。
H252カバルドン
67.9〜80.9% 確定2発
DM 109.7〜129.3% 確定1発
無振りドリュウズ
84.3〜100.5% 確定2発, 乱数1発(6.3%)
DM 137.2〜162.1% 確定1発
H252 D4ジバコイル
33.8〜40.6% 確定3発
DM 54.8〜64.9% 確定2発
H252ハッサム
37.8〜44.6% 確定3発
DM 61.5〜72.8% 確定2発
H244エアームド
43.8〜51.4% 確定3発, 乱数2発(7.8%)
DM 70.1〜83% 確定2発
H244 D4ミミッキュ
33.5〜39.7% 確定3発
DM 52.7〜63.3% 確定2発
H4トゲキッス
31.6〜37.2% 確定4発, 乱数3発(75.9%)
DM 50.3〜59.6% 確定2発
備考: 積まずにDMを切って打ち合う場合は不利。
- ムーンフォース(95) / ダイフェアリー(130)
D4ドラパルト
103〜121.4% 確定1発
DM 137.4〜163.1% 確定1発
D4水ウーラオス(れんげき)
110.8〜131.4% 確定1発
DM 152〜179.4% 確定1発
備考: 悪ウーラオス(いちげき)はこの2倍です。
H252ラプラス
29.1〜34.5% 確定4発, 乱数3発(5.7%)
DM 39.6〜47.2% 確定3発
H244 D252↑ポリゴン2@輝石
17.2〜20.9% 確定6発, 乱数5発(3.7%)
DM 23.5〜28.2% 確定5発, 乱数4発(85.1%)
H252ナットレイ
16〜19.3% 確定7発, 乱数6発(99.6%)
DM 21.5〜25.9% 確定5発, 乱数4発(2.5%)
被ダメージ計算
アシレーヌ側はH177(172) B136(236+) D137(4) S92(92) とします。
ダイマックス技の威力・場の状態・技の特殊条件などは技名の右に表記します。
A252リベロエースバーン@珠
とびはねる 44〜53.1% 確定3発, 乱数2発(23.8%)
ダイジェット(威力130) 66.6〜79% 確定2発
A252↑リベロエースバーン
とびはねる 37.2〜44% 確定3発
ダイジェット(威力130) 56.4〜66.6% 確定2発
A252 C252ドラパルト
ゴーストダイブ 37.2〜44% 確定3発
ダイホロウ(威力130) 52.7〜62.7% 確定2発
10まんボルト 42.9〜50.8% 確定3発, 乱数2発(2%)
ダイサンダー(威力130) 62.1〜73.4% 確定2発
A252↑ミミッキュ
ゴーストダイブ・じゃれつく 37.2〜44% 確定3発
ダイホロウ(威力130)・ダイフェアリー(威力130) 32.7〜39.5% 確定4発, 乱数3発(99.8%)
C4ポリゴン2
ほうでん 31.4〜38.4% 確定4発, 乱数3発(92.5%)
ほうでん(アナライズ発動時) 41.8〜49.7% 確定3発
備考: 「めいそう」2積みならば高乱数で身代わりが残ります。
A無振りナットレイ ※ジャイロボールはナットレイのS実数値を22として計算
パワーウィップ 65.5〜77.9% 確定2発
ジャイロボール(威力105) 28.8〜33.8% 確定4発, 乱数3発(0.4%)
備考: 草技がなければ、「やけど」状態にすることで起点にできます。
A252悪ウーラオス(いちげき)・水ウーラオス(れんげき)@ハチマキ
すいりゅうれんだ(3回の合計) 37.2〜45.7% 確定3発
あんこくきょうだ 38.4〜45.7% 確定3発
かみなりパンチ 64.4〜76.8% 確定2発
ダイサンダー(威力130) 74.5〜88.1% 確定2発
C252↑ウォッシュロトム他FCロトム
10まんボルト 65.5〜77.9% 確定2発
ダイサンダー(威力130) 105〜123.1% 確定1発
A252↑グラスメイカーゴリランダー
グラススライダー(グラスフィールド下) 84.7〜99.4% 確定2発
キョダイコランダ(威力160, グラスフィールド下) 189.8〜223.7% 確定1発
A252↑はりきりパッチラゴン
でんげきくちばし(先攻) 200〜235% 確定1発
ダイサンダー(威力130) 152.5〜180.7% 確定1発
相性の良い味方
お互いの弱点を半減以下にできる、相性補完に優れた組み合わせ。型によりますが、やどりぎの回復やステロによるサポート、てっぺきボディプレスによる詰めなどが優秀です。ヒートロトム等と組むとサイクル構築になります。
こちらも草・電気の一貫を切ることができる優秀な組み合わせ。グラスメイカーによる回復や、草技の火力でアシレーヌを補助できる点が魅力。毒が一貫するほか、トゲキッスギャラドス等がやや重くなります。
このポケモンの対策
ゴリランダーパッチラゴンウォッシュロトムドラミドロなど、起点にできない高火力の草・電気・毒タイプは苦手です。また、アシレーヌより遂行速度が速い草・電気・毒技持ちは苦手です(パワーウィップ持ちギャラドス、ダストシュート持ちエースバーンなど)。
BとSに振りHCDを削った都合上、積む前であればトゲキッスにも不利なので、対面からトゲキッスで処理できる場合も多いです。
後書き
本論は以上になります。
交代のタイミングや技選択が難しいと感じることもありますが、環境上位のポケモンに刺さる型でもあると思っております。
使っていただけると、あるいは調整の参考にしていただけると幸いです。
不備・不足・不明な点などがございましたらコメントにお願いいたします。
ここまで閲覧ありがとうございました。
更新履歴
2020/8/20 タイトルを変更
2020/8/21 調整案の衍字を訂正