はじめに
はじめまして。過去作では別ユーザーとして何度か投稿していましたが剣盾では初投稿となります。初めに断っておくとこのポケモンは思い付きで作り、30戦ほど運用したら結構戦えた、という程度で作られたものなので特に調整はされておらず、育成論自体も非常に簡潔なものになります。また、シャンデラというポケモン自体そこそこメジャーであり、特に調整せずぶっぱしているのでダメージ計算も大きく割愛させていただきます。一般的な略称を用います。
運用理念
ポケモン対戦において最も重要な能力値と言えばすばやさです。そのためほとんどのポケモンはすばやさに気を配る必要があり、素早さ関係を逆転させることができるトリックルームという技は戦いの流れを大きく変えます。その一方で強靭な耐久力と火力を持つことにより、トリックルームを用いずとも十分に戦えるカビゴンやバンギラスといったポケモンもまた存在します。このシャンデラの運用理念とは非・トリルパでありながらカビゴンのような低~中速のポケモンを比較的多く(2~3体ほど)パーティー内に採用している場合に自分及び相手の選出に合わせてトリルによって切り返し、勝利を手繰り寄せることになります。これはカビゴンなどの本当に遅いポケモンに限らずとも、例えば相手がドラパルトとスカーフ持ちの何かと確定しているような状況においては最速ミミッキュですらトリルエースになりえるのです。
なぜすばやさに振るのか
ここが最も論点となるでしょう。答えは単純で、シャンデラというポケモンが80族と絶妙に速いポケモンだからです。トリルを持ったシャンデラは大抵タスキを持ち、耐久と火力に努力値を割き、冷静最遅の個体が最適であるとされています。しかしこのポケモンを採用するパーティーはあくまでトリルパではなく、ちょっと遅めのポケモンが多いという程度のパーティーとなります。したがってそもそもこの育成論のコンセプトでありながらトリルを撃たない試合も当然多くなります。また、シャンデラの耐久は60-90-90とあくまで低~中耐久といったところであり、タスキを持っているため不用意に耐久に振る必要があまりありません。そのため、非トリル運用まで考慮すればCSぶっぱが最適の振り方となります。最遅にしてようやくトリル下のシャンデラで抜けるような相手はトリルを張らなければ上から殴れるのです。
技構成
- トリックルーム
この育成論のコンセプトであり、撃たないときは絶対に撃たない不思議な技。トリルパに対してトリル返しをしたり、ダイマを切る場面では最強技ダイウォールにもなります。確定。
- シャドーボール
頼れる一致技。確定でいいでしょう。
- 炎技
火炎放射、大文字、オバヒなど。ここは好みの範疇だと思います。どれか一つは確定。
- エナジーボール、サイコキネシス
シャンデラの持つ数少ないサブウェポンであるエナボとサイキネですが、おそらくエナボのほうがサイキネよりは撃つ機会が多いです。パーティー次第ではサイキネを入れてもいいかもしれません。選択。
- おきみやげ、のろいについて
多くのトリル始動要員は自主退場技を持っています。しかしシャンデラ自身が特殊最高火力ポケモンの一匹であり、技の通りも悪くないため置物となりにくく、相手としては処理を急ぐべきポケモンだと言えます。また、トリルターンを無駄にしたとしても、トリルがないとどうしようもないようなポケモンで固めた、所謂トリルパで運用するわけではないため、トリルターンの温存をそこまで考える必要はありません。そのため、少なくともおきみやげは採用する必要はないです。一方のろいに関しては、カビゴンバンギラスといったシャンデラにとって手も足も出ない上に硬くて後ろのポケモンでも一撃で処理することが難しい相手に削りを入れる手段としてはなくはない、といった程度の位置づけでしょう。
特性選択
もらいび、すりぬけ両方にメリットがあり決めきれません。これも好みやパーティーに合わせて選択。
- もらいびの利点
耐久に振っていない以上タスキを温存しながら繰り出せるタイプが一つ増えることは大きなメリットです。例えば、炎、格闘、ふいうち、+1といった技構成のエースバーンには前2つに対して無償で繰り出し、ふいうちにトリルを合わせて上から殴るといった動きができます。
- すりぬけの利点
言わずもがな、環境にラプラスなどがいる以上すりぬけが活きる場面はそれなりに多く、みがわりを貫通できるのも大きなメリットです。ただ、耐久無振りのキョダイラプラスに対して
エナボが31.2~37.0%
ダイソウゲンが44.8~53.1%
グラスフィールド時ダイソウゲンが58.0~68.7%
です。すりぬけが活きるとすれば相手がタスキ警戒でキョダイセンリツから入ってくるような場合ですが、グラスフィールドの回復込みでダイソウゲンは乱数2発にとどまってしまいます。耐久無振りでコレなので少しでも振られていると落としきれません。非ダイマックス時のラプラスに対しては振り方次第ですがエナジーボールで7割は安定して入れることができます。他ポケでダイマターンを枯らす動きがなければ少し苦しい戦いになります。
性格の選択
シャンデラの性格にはいつも悩まされます。この場合、多少遅くてもトリルという素早さ操作手段を持っているため、火力の上がる控えめのほうが臆病よりもわかりやすく強いように思われますが、特に意識して調整しているわけではないので臆病のほうがいい場面があるかもしれません。
おわりに
このシャンデラは、技スぺの一つをトリルに割いているだけにすぎず、基本的な運用は単にタスキCSのシャンデラです。そしてうまい具合に刺さる相手にはいぶし銀の働きをする、そんなポケモンになっています。環境の素早さ関係を熟知していないと難しく、そこそこ読みも必要にはなりますが、トリルポケは最遅という固定観念を捨てるところからスタートしてみると、同じく変則的な運用ができるポケモンはまだまだ居そうですね。相手の意表を突くのは何よりも楽しいものです。皆さんもパーティーがちょっと遅いなと感じた時、お手持ちのCSシャンデラの懐にそっとトリルを仕込んでみませんか?