お久しブリムオン
前置き
- 投稿年月日:2020/12/24
- 非公式の略称/用語あり
- 常体
役割
先発に選出し、すばやさの操作及びステルスロックによって後続の起点を作る。
- すばやさの操作
でんきだま+なげつける/がんせきふうじのいずれかで相手のすばやさを下げる。これにより、レジロック自身の行動回数を増やしたり、後続の味方が先手を取れる。すばやさ操作の際にダメージを与えるため、相手のきあいのタスキを潰せる点もポイント。
- ステルスロック
これを撒くことで味方の攻撃でギリギリ倒せない相手を倒せるようにしたり、相手のきあいのタスキを潰すことができる。
でんきだまレジロックの強み
- 特性:がんじょう
基本的に、この手の起点作りは先発に選出したい。しかし、相手がこちらの起点作りを一撃で倒せるポケモンを選出する可能性がある。その場合、こちらは何もせずに1体捨てるか、交代する他ない。しかし、特性がんじょうならばこういった事態を避けることができるため、「とりあえず先発に出しておく」という選出が非常にしやすい。
- 相手をまひ状態にする
8世代のポケモン対戦では、ダイジェットで攻撃しながらすばやさを上げる戦術が猛威をふるっている。がんせきふうじの場合、ダイジェットでこちらのすばやさ操作を帳消しにされ、最悪すばやさを上げられた状態でこちらが突破されることもある。がんせきふうじではなくまひ撒きを採用する意味は、相手のダイジェットに対して無抵抗にならないようにするためである。同じまひを撒くための技であるでんじは/へびにらみと違い、でんきだま+なげつけるは命中が100である点/じめんタイプにまひが撒ける点/相手のきあいのタスキを潰せる点が強みである。
- 2回以上攻撃を耐える場合もある
レジロックは高い物理耐久/低くはない特殊耐久を持つため、相手の出方次第では2回以上攻撃を耐えることもある。特に、ダイジェットを使ってくる相手に対して行動回数を稼ぎやすい点は大きな強み。具体的にどのような相手の攻撃を2回以上耐えるかは後述。
- だいばくはつによる自主退場
起点を作るポケモンが、逆に相手の起点になるようなことは避けなければならない。しかし、がんじょうもでんきだまも失ったレジロックは相手の起点になりやすい。そこで、だいばくはつで自ら退場することで、自身が起点にならず、控えのエースポケモンをスムーズに繰り出すことができる。
育成例
性格:ようき(S↑, C↓)
個体値:31-31-31-×-31-31
努力値:252-0-0-×-4-252
実数値:187-120-220-×-121-112
特性:がんじょう
持ち物:でんきだま
技:なげつける/ステルスロック/だいばくはつ/がんせきふうじ
- 性格/個体値/努力値/実数値
・S - すばやさ
なるべく多くの相手に先制するために努力値252振り+すばやさが伸びやすい性格(いわゆる最速調整)にする。特に、まひ状態の最速フェローチェ/がんせきふうじを1回受けた最速サンダーよりも1だけすばやさ実数値が高いため、ここを削る余地はない。
・HB・HD - 耐久
H252振りによって、物理・特殊共に2回以上耐える攻撃が存在する(詳しくは後述の「実践考察」の項にて)。
・A - こうげき
すばやさ/耐久に252ずつ努力値を渡しているため、Aに割く余裕はない。そもそも、役割を全うする上で火力はそれほど必要ではない。とはいえ、わざわざ火力を下げるメリットはないため、性格はおくびょうではなくようきにする。
- 特性
がんじょうで確定。理由は前項「でんきだまレジロックの強み」にて。
- 持ち物
でんきだまで確定。まひを撒くために必須。
- 技
・なげつける/ステルスロック/だいばくはつ
いずれも確定。理由は前項「役割/でんきだまレジロックの強み」にて。ちなみに、でんきだま+なげつけるの威力は30。
・がんせきふうじ
まひが効かないでんきタイプ/ラムのみ持ちのすばやさを下げるために必要である。後は、でんきだまを失った後に相手のすばやさを下げたくなる場面があるため、なげつけると併用する。
基本的な運用
先発に選出する。そして
1.なげつける/がんせきふうじですばやさを下げる
2.ステルスロックを撒く
の流れで起点を作る。最初にすばやさを下げることで、2ターン目のステルスロックを撒く時にレジロックに先制させる狙いがある。上記の流れが終わったら、相手のポケモンを削るか、だいばくはつで退場する。
以上が基本的な運用方法である。しかし、すべての相手に対してこの流れができるわけではない。次項では、もう少し具体的なシミュレーションで、レジロックがどのようにして起点を作るか考察する。
実践考察
○:与ダメージ計算、●:被ダメージ計算を示す。
- ケース1:基本的な運用(1)(例:フェローチェ)
レジロックはまひ状態のフェローチェに先制できる。したがって、初手はなげつけるを選択する。これで、2ターン目は先制してステルスロックを撒ける。だいばくはつはフェローチェに134.6%以上のダメージが入るため、フェローチェを倒さずに起点にしたい場合は他の技を選択する。
○H147-B57(4-0)になげつける:10.2~12.2%
○H147-B57(4-0)にだいばくはつ:134.6~158.5%
●A207(252↑)インファイト:68.4~81.2%
- ケース2:基本的な運用(2)(例:ウォッシュロトム)
ウォッシュロトムを含むでんきタイプはまひ状態にならないため、なげつけるはほとんど無意味である。しかし、ウォッシュロトムの場合はがんせきふうじ1回でレジロックが先制できるようになるため、初手はがんせきふうじを選択する。これで、2ターン目は先制ステルスロックができる。
なお、特性ががんじょうでない場合は一撃で倒される可能性が高い。
○H157-B127(252-0)にがんせきふうじ:21.0~24.8%
○H157-B127(252-0)にだいばくはつ:62.4~73.8%
●C172(252↑)ハイドロポンプ:96.2~113.3%(75%)
(このケースはあくまでも「でんきタイプのすばやさを下げるためにがんせきふうじが必要である」ということを示した例であり、実際は後攻ボルトチェンジやこだわりスカーフ(メガネ)+トリックによって起点を作れない可能性がある。)
- ケース3:基本的な運用(3)(例:ミミッキュ)
なげつける/がんせきふうじのいずれでもばけのかわを剥がしつつ、次からは先制できるようになるため、どちらを選んでも良い。ミミッキュの場合、すばやさ操作+ステルスロック撒きを終えた後でもHPに余裕が残るため、そのままミミッキュを倒せる可能性がある。しかし、前述した通り削れたレジロックは起点になりやすく、仮にミミッキュが倒せたとしても次に出てきたポケモンの起点にされる恐れがある。したがって、基本的にはミミッキュを倒す前にだいばくはつでレジロックが先に退場した方が良い。
○H131-B100(4-0)にがんせきふうじ:32.0~37.4%(86.8%)
●A156(252↑)じゃれつく@いのちのたま:25.6~31.0%
●A156(252↑)ダイフェアリー(じゃれつく)@いのちのたま:36.3~43.8%
- ケース4:相手も起点作り(例:カバルドン)
カバルドンは元々すばやさが低いため、すばやさを下げる必要はない。よって、初手はステルスロックを選択する。この時、相手にあくびを選択される場合がある。あくびでレジロックがねむけ状態になった場合、眠って起点にならないようにだいばくはつを選択する。
○H215-B187(252-252↑)にだいばくはつ:28.3~33.4%
●A132(0)じしん:36.3~44.9%
- ケース5:ダイジェット持ち(1)(例:エースバーン)
まひ状態のエースバーンには先制できるため、初手はなげつけるを選択する。ただし、相手の行動次第では2ターン目以降に取るべき立ち回りが変わってくる場合がある。そのため、対エースバーンはもう少し細かくシミュレートする。
・ケース5-1:ダイジェットを選択した場合
エースバーンをまひさせても次のターンにレジロックは先制できない。しかし、仮にエースバーンがいじっぱり@いのちのたまであったとしても、次のダイナックルを98.8%の確率で耐えられる。耐久に努力値を割く理由の1つが、初手からダイジェットを使ってくるエースバーンに対しても2回行動するためである。
まひで下がったすばやさをダイジェットで帳消しにされたくない場合は、2ターン目以降はがんせきふうじを選択する。ステルスロックを優先したい場合は、ステルスロックを選択しても良い。
・ケース5-2:ダイジェットを選択しなかった場合
次のターンはレジロックが先制できる。ダイジェットですばやさを上げられるとレジロックはまた先制されるため、それを恐れるならがんせきふうじ、そうでなければステルスロックを撒く。
(与ダメージ計算は等倍ダメージを想定)
○H155-B95(0-0)にがんせきふうじ:27.7~33.5%
○H155-B95(0-0)にだいばくはつ:76.7~90.3%
●A184(252↑)ダイジェット(とびはねる)@いのちのたま:20.8~25.1%
●A184(252↑)ダイナックル(とびひざげり)@いのちのたま:62.5~74.8%
- ケース6:ダイジェット持ち(2)(例:サンダー)
まひ状態にならない/がんせきふうじ1回で先制できるため、初手はがんせきふうじを選択する。しかし、こちらもダイジェットを選択されると先制できない。2ターン目のサンダーの行動として、ここではダイジェット/ダイサンダーの2つをシミュレートする。
・ケース6-1:ダイジェット→ダイジェット
ひかえめ@いのちのたまでも84.8%の確率で耐えることができる。次のダイジェットで倒されるが、ダイマックスターンを完全に切らすことができる。
レジロック側が2ターン目にがんせきふうじを選択した場合はサンダーのすばやさランクは+1、ステルスロックを選択した場合はすばやさランクは+2だがステルスロックを撒くことができる。こちらの後続に合わせて、都合の良い方を選択すれば良い。
・ケース6-2:ダイジェット→ダイサンダー
サンダーがひかえめの場合、こちらは耐えないため、何を選択しても同じである。この場合はレジロックはほとんど起点を作れていないが、相手はダイマックスターンを2ターン消費した上に何の能力上昇も得られていないため、お互いの後続次第で勝てる可能性は十分ある。
ちなみに、サンダーがひかえめでなく、かつ火力が上がるアイテムを持っていなければ耐える可能性がある。
○H197-B105(252-0)にがんせきふうじ:40.6~48.7%
○H197-B105(252-0)にだいばくはつ:54.3~64.4%
●C177(252)ダイジェット(ぼうふう):31.0~36.8%
●C194(252↑)ダイジェット(ぼうふう)@いのちのたま:43.8~51.8%(15.2%)
●C194(252↑)ダイサンダー(10まんボルト)@いのちのたま:81.8~96.7%
基本的にサンダーは満足に起点を作れないため苦手な相手だが、がんせきふうじ/ダイジェット耐性により無抵抗のまま倒されない。
ちなみに、まひ状態にならないダイジェット持ちには他にボルトロス(けしんフォルム)がいるが、こちらはがんせきふうじ1回で先制できない/特性まけんき/ダイナックルを覚えることから、一方的に起点にされる。
- 補足:こだわりスカーフ持ち
上記のシミュレーションは、いずれもこだわりスカーフを考慮していない。こだわりスカーフを持っている場合、まひさせても先制できない上、一致弱点技は物理技でも流石に2回耐えないため、苦手な相手である。ただし、アイテム判別ができるため後続の起点にしやすい。こだわっているみず/かくとう/じめん技を起点にできるポケモンを後ろにいれておくと立ち回りやすい。
●A216(252↑)ランドロス(霊獣)のじしん:60.9~71.6%
構築
レジロックの作った起点を活かせるポケモン、いわゆる積みエースを構築に組み込みたい。特に、ビーストブースト/じしんかじょうなどで攻撃しながら積むことのできるポケモンとは相性が良い。じしんかじょうギャラドスなどは、みず/かくとう/じめん耐性を持つため、タイプ上の相性も良い。
苦手な相手
これらのポケモンが相手の構築にいる場合、フォローできるポケモンを選出するか、そもそもレジロックを選出しない方が良い。
- レジロックに大ダメージを与えられる先制技持ち
ゴリランダーなどがこれに当たる。すばやさを下げても2ターン目に先制技を打たれるため、2回行動できない。1回は行動できるため、すばやさ操作とステルスロックのどちらを優先すべきか選出と相談しておかなければならない。
●A194(252↑)ゴリランダーのグラススライダー:49.1~58.8%(98.4%)
- いじっぱりウーラオス(れんげきのかた)
アイテムなしのすいりゅうれんだ+アクアジェットで80.9%の確率で倒される他、こだわりハチマキ持ちの場合99.3%の確率で一撃で倒される。いちげきのかたならばそこまで脅威ではないが、選出時点ではどちらのかたか分からないためウーラオス自体が苦手な相手となる。ちなみに、ようきの場合はすいりゅうれんだ+アクアジェットで倒される確率が0.03%、こだわりハチマキすいりゅうれんだでも5.07%の確率でしか倒されない。
●A200(252↑)ウーラオス(れんげき)@こだわりハチマキのすいりゅうれんだ:99.4~118.7%(99.3%)
●A200(252↑)ウーラオス(れんげき)のすいりゅうれんだ:70.5~86.6%
●A200(252↑)ウーラオス(れんげき)のアクアジェット:23.5~28.8%
- ラムのみ/みがわり持ち
でんきだま+なげつけるでまひを入れることができない。その点はでんきタイプも同じだが、こちらは上記のウーラオス以上に選出段階では分からない点が厄介。「がんせきふうじを入れれば先制できる」という相手ならがんせきふうじから入る等、立ち回りでカバーするという方法もあるが、ある程度は「持っていないだろう」と割り切った方が良い。
以上。