はじめに
8世代最強のドラゴンだと思った?残念!ドラ......え、誰こいつ。
ということで今回ドラパルトならぬドラピオンの起点作成+対ゴースト物理性能+クッションについて考察していきます。
- 指定がない限りお互いに理想個体であるとします。
- HP/攻撃/防御/特攻/特防/素早さはH/A/B/C/D/Sという略称を用います。ランク補正を↑↓で示します。
- その他検索すれば出てくる簡易な略称を持ちいます。
ドラピオンとは
ドラピオンって何?食べれる?そもそもポケモン?と思う方も多いと思われます。
第4世代にて登場しじめんしか弱点のない強力な複合タイプどく・あくとして当初は猛威を振るいました。虫タイプ使いの四天王リョウが使用していたので虫と勘違いしてブレイブバードやフレアドライブをぶちかましていた方も多いでしょう。
が、今作までにおける怒涛の種族値インフレに置いていかれ、ドラピオンを知らない新参少年の繰り出すメガリザの等倍フレドラや等倍オバヒで虫けらのごとく吹き飛ばされてきました。特性も夢特性含め全く恵まれず現在はほとんど見ないポケモンの一匹です。その上剣盾では名前の似ている強者ドラパルトが現れますます影が薄くなり、彼のドラパルトへの憎しみは全身を紫色に染めてしまいました。
ちなみにチョロギに似ていますが食べられません。
これまでの主な運用方法はどくびしによる起点作成型やつぼをつくZ+スナイパーによる急所狙いが多かったように思えます。
現環境ではドラパルトとミミッキュのコンビ、通称ドラパミミが頂点を牛耳っており、これらのゴースト物理ポケモンに強く立回ることのできるドラピオンには掴むべき蜘蛛の糸が垂らされてきたと言っても過言でありません。
コンセプト
仮想敵をドラパルト、ミミッキュ、ギルガルドといった物理ゴーストポケモンに絞り、これらへの解答を維持しつつドラピオンならではの仕事も模索していきます。
とりあえずHB特化してダメージを見てみます。ドラピオンの優秀な物理耐久があればどんな攻撃だって
A特化球ミミッキュのダイフェアリー HB特化ドラピオン乱2(90.6%)48.5〜57.0
は?
あと種族値が5さえ多ければ、採用理由に愛なんて要らなかったんだ──。
差別化
一致叩き落とすを使えるポケモンは現在シザリガー、ヤミラミ、バルジーナ、フォクスライ、タチフサグマしかいません。バルジーナとタチフサグマ以外とは耐久値、これら2体とはタイプによる受け出しの幅によって差別化出来ています(特にどく(状態異常)無効、フェアリー等倍が大きい)。さらにこれらの使えないどくびし、必中どくどくを扱えることで差別化とします。
持ち物
黒いヘドロ
特化ミミッキュのダイホロウ+ダイフェアリーを高乱数で耐えます。ダイフェアリーダイフェアリーもまあマシな乱数まで落ち着きます。その他便利なので確定欄はこれ。
オボンのみ
相手のダイフェアリー連打に対しての解答。ドラパルト対面で身代わりも貼れます。選択。
特性
カブトアーマー
急所に当たりません。確定欄はこれ。
するどいめ
自分の命中率と相手の回避率を無視できます。みがちぃシャンデラ、ピクシー、フワライドに一致技で抜群を取れるドラピオンとはシナジーが高いですが、環境にほぼ見かけないのでそれらが構築に重い場合のみこちら。
どうせ急所なんて滅多に引かないからとたまたまするどいめにしていたところ急所引きまくって負けて100万回リスカして両腕ドラピオンになったのでカブトアーマー推奨。
24分の1の負け筋を無視出来るのは地味に強いです。
努力値と性格
- 【調整案1(確定欄) HB】
わんぱく
Bに特化しないと数値がギリギリです。
実数値 177(252)-110-178(252)-72-95-116(4)
H252 B252
数値が足りないので特化
A252ドラパルトのダイドラグーン確3
その他後述
s4
余り
無振り95族抜き 準速バンギラス抜き抜き
- 【調整案2 HD】
実数値 177(252)-110-130-72-139(252)-115
H252 D252
上記同様の理由で特化
C特化眼鏡サザンドラのりゅうせいぐん高乱数耐えくらいです
環境変化によるやっつけで使用感はあまり言えないのでダメ計と軽く触れて終わります
技構成
- 確定
はたきおとす
現在この技をタイプ一致で扱えるのはシザリガーとタチフサグマとこいつしか居ません。Zとメガ石が廃止された現環境において一貫して大きな負荷をかけられるこの技を採用しない理由がないです。
- 以下選択技
じならし(推奨)orがんせきふうじ
起点役としてはS操作技は欲しいです。また化けの皮のあるミミッキュとの対面での安定択です。
じならしとがんせきふうじはどっちでもいいですが、0.5割の外しが怖いのとアーマーガアに引かれた時にわざと透かして欲しいので確定欄はじならしにしています。裏がひこうに強くなかったらがんせきふうじのほうがいいかも。
どくびし (推奨)
ドラピオンの代名詞とも呼べる技。ステロ感覚で打て相手の後続相手に定数ダメージを与えます。2回撒くとどくどくびしになりどくどく状態に出来ますが、3ターン目まではどくの方がダメージが良いです。どく タイプには回収されるのでドヒドイデに隙をみせるのが痛い。はがね、どく、ひこう、浮いてるポケモンには無効です。
これを選択しない場合はどくどくが欲しいです。
みがわり(次点推奨)
ギルガルドとの択に有利になります。また毒ダメージ稼ぎや流し際の様子見などに。
ふきとばし(次点推奨)
どくびしとシナジーが高くあらゆるポケモンを流せますがダイマックスに無効なので今作では優先度低め。とはいえ択がめんどくさいことを除けば優秀ですし、ギルガルドの減少によりみがわりを使う機会があまりなかったので候補として強いと思います。
こわいかお
じならしやがんせきふうじでは追いつかない相手に有効ですが、1番打ちたいドラパルトにはクリアボディで無効化されます。
どくづき
フェアリーを重く見るなら。みがちいピクシーが仮想敵ならするどいめ+毒づきは確定です。
無振りトゲキッスが確2くらいの火力。
てっぺき
物理受けの安定感が増しますが高速回復技のないドラピオンではジリ貧でしょう。カブトアーマーとシナジーがあるので採用の価値はあり。
ちょうはつ・どくどく
起点要因や受けに刺さります。腐りにくいです。
まもる・こらえる
相手のダイマックスターンを枯らしにいけます。
ダメージ計算
- 与ダメ
はたきおとす (数値は持ち物を持っていた場合。乱数は2回目以降はなしで計算)
H252ギルガルド ブレードフォルム 確1 104.1〜123.3
H252ギルガルド シールドフォルム 確3 46.7〜55.0
無振りゲンガー確1 111.7〜132.3
無振りミミッキュ確3 45.8〜54.9 化けの皮+球ダメ1回で高乱数2。2回で確定。
H252カバルドン 確いっぱい 20.9〜25.1
無振りドラパルト 確2 78.0〜92.6
攻撃に振ればドラパを確1に出来ますがHBに振り切りダイマを切られても切れるまで受けきる方が重要だと考えています
じならし
無振りドリュウズ 確3 34.4〜40.8
無振りルカリオ 確3 38.3〜46.5
H252ギルガルド ブレードフォルム 43.1〜51.4
- 被ダメ【調整案1 HB】
【物理】
A252ドラパルト ドラゴンアロー 乱3 31.6〜38.4 ヘドロ込み確4
A252ドラパルト ダイドラグーン 確3 40.6〜48
A252ドラパルト ダイホロウ 確5 20.3〜23.7
A252ドラパルト B1↓ダイドラグーン 確2 61.0〜71.7
A252ウオノラゴン 先制エラがみ 確2 64.9〜76.8
A特化ドリュウズ じしん 確2 74.5〜88.1
A特化バンギラス ダイアーク(かみくだく) 乱4 23.7〜28.2
特化バンギラス ダイロック(ストーンエッジ)乱2 47.4〜56.2
A特化球ミミッキュ じゃれつく 乱3(99.2) 32.7〜39.5
A特化球ミミッキュ シャドークロー12.4〜15.2
A特化球ミミッキュ ダイフェアリー 乱2(90.6%) 48.5〜57.0
A特化球ミミッキュ ダイホロウ 乱4 22.0〜26.5
A特化球ミミッキュ B1↓ダイフェアリー 71.1〜84.0
黒いヘドロによりダイホロウ→ダイフェアリーは高乱数耐えです。ダイフェアリー→ダイフェアリーの乱数も50%程まで落ちます。
ゴースト技読みでの運用が基本。
【特殊】
C特化ギルガルド シャドーボール 乱3(0.6%)
28.8〜33.8
C252ドラパルト 2倍祟り目 乱3(99.6%)32.7〜39.5
C252ドラパルト りゅうせいぐん 確2 66.6〜
78.5 回復込み乱2
C252サザンドラ りゅうせいぐん 確2 76.8〜91.5%
H252振りによりゴーストやあくウェポンだけなら余裕で流せるくらいの耐久はあります。
- 被ダメ【調整案2 HD】
【物理】
A特化球ミミッキュ じゃれつく ヘドロ込み確3 44.6〜53.6
A特化球ミミッキュダイフェアリー 確2 64.4〜76.8
A252ドラパルト ドラゴンアロー ヘドロ込み確3 44.0〜51.9
A252ドラパルト ダイドラグーン 確2 54.8〜64.9
A252ドリュウズ じしん 乱1(50%)92.6〜109.6 特化なら確1
ミミッキュの火力おかしくね?
【特殊】
C252ドラパルト りゅうせいぐん 45.7〜54.2 下降ヘドロ込み乱4
C252サザンドラ あくのはどう 乱6 16.3〜19.2
C252サザンドラ りゅうせいぐん 下降ヘドロ込み確3 52.5〜62.7
C特化眼鏡サザンドラ 乱1(18.7%)86.4〜102.2
C特化トゲキッス エアスラッシュ 乱3(98.9%)32.7〜38.9
C特化トゲキッス ダイジェット 確2 56.4〜66.2
C特化水ロトム ハイドロポンプ 乱2(6.2%)42.9〜51.4
意外といい耐久してます。シャドーボールやあくのはどう読みで出していけば特殊相手にクッション役としてはそこそこサイクルを回せます。
C特化トゲキッスのエアスラッシュ→ダイジェットは確定耐え。
仮想敵にダイマックスされた時の仕事が安定しませんが、クッションを出来る範囲が広まりました。
運用方法
先発またはクッションとして。基本的な使い方は起点作成型カバルドンに近いです。
剣盾環境になり強力なじめんタイプは軒並み減り、飛んできたとしてもドリュウズのじしんくらいなら1耐えするのでドラピオンはかなり行動保証されていると言って良いでしょう。どくびし撒き、S操作、はたきおとすにより場を整えていきます。
また数値がギリギリとはいえ環境に多いドラパミミに優位に立ち回れます。ミミッキュへの後出しが安定しませんが、剣舞→ダイフェアリーの流れに気を付ければいいので、なんだかんだ多くの択においてミミッキュに優位に立てます。
基本運用は先発または後半でクッションとして繰り出してどくびしやはたきおとすで圧力をかけて行きます。自己回復技がないので受け駒として長いサイクルを回すのは不向きです。
- ドラパミミに対して
どちらも対面勝ちはほぼ必ず出来、+aを狙えます。ドラパルト対面では叩き→どくびし→叩き、ミミッキュ対面ではじならし→叩き(球落とすのでダイフェアリー確3、じゃれつく確4)→どくびし→はたきでどくびしが撒けますし、どくびしが刺さっていないようならどくびしの手順を抜けば4割ほどhpを残して突破出来ます。
後出しならダイマックスや択が絡みますが、ダイマックスされても多くの場合HPを削りアイテムを落としどくびしを撒きミミなら素早さを下げダイマックスターンを枯らすという動きが出来ます。ダイマックスを切られなければ後出しからそのまま倒すことができ有利な1・1交換になることが多いです。
- どくびしとS操作技について
どくびしとS操作技はシナジーが高く、1サイクル目で毒を撒き2サイクル目でSを下げて退場する、あるいはこちらのポケモンがS操作技によって上を取ることで、どくみがに嵌め込むことが出来ます。これでサイクル戦を優位に制したり、エースが本来不利な相手を身代わり連打で無理矢理削って突破すると言った動きが可能になります。これはステロにない魅力です。
仮想敵
こちらのエースより早いポケモン
アイアント、インテレオン、エースバーン等→じならしorがんぷうによるS操作
毒無効でない受けポケモン
カバルドン、ブラッキー、ミロカロス等
→どくびしによりドラピオン亡き後もエースのストッパーを許しません。これらの選出が予想される時はどくどくびしにしておきたいです。
毒無効でない襷ポケモン
マンムー、御三家等
→どくびしにより襷を削りドラピオン亡き(以下略
ゴーストタイプ
ドラパルト ミミッキュ ギルガルド サニーゴ等
→タイプ相性で有利です。対面や後出しから高い確率で勝てます。
半減にできるダイマックス
バンギラス ゴリランダー等
→ダイマックスターンを枯らす動き+はたきおとすで弱保を落とす動きが出来ます。
これらは必ずしも後出しや対面で倒すという意味ではなく、何らかの仕事が出来るだろう相手を列挙し具体的な運用を想起させるという意図です。
相性のいい味方
- シンプルに相性補完がよくサイクルを回せる
ネンドール ドータクン マタドガス ウォッシュロトム ヒートロトム フワライド
- 抜きエース〜上から身代わりが打てたりどくはがねひこうじめんに強いポケモンがよい〜
スピンロトム トゲキッス バンギラス ギャラドス ドラパルト サザンドラ
備考
運用期間と現在においての間で環境が変わり、特殊型ドラパルトが勢力を伸ばしてきているようです。が、特殊型ドラパルトは鬼火祟り目やサポート型が多く大きな不利は取りません。眼鏡だと死ぬのは内緒
HBしか使ってないので使用感が言えないのですが、ダメ計が良かったのでHDも乗せておいてます。基本運用はほぼ変わりませんが、クッションになれる幅やひとつひとつの仕事の確実性が変化すると考えられます。
またAに振らない理由については、メインウェポンのはたきおとすの性能にあります。はたきおとすは持ち物を叩き落とせた時のみ威力が上がります。故にはたきおとすで確1の調整はダイマックスを切られると確3になります。ダイマックス環境でのはたきおとすのダメージ調整の必要性が薄く、そうであるならば耐久に振り少しでもダイマックスターンを枯らせる可能性を増やした方が強いと私は考えます(諸説あり)。
あとがき
こいつ、耳から腕生えてるし、なんか気持ち悪いし、その耳で人の持ち物はたきおとしてくるし、極めてなにか生命に対する侮辱を感じる体つきが苦手だったんですけど、使ってみると意外と強かったです。が、ミミッキュをギリギリ安定して受けられないのはマジでないしHBぶっぱしてるのに立ち回りでカバーしなきゃいけないの辛いし採用理由は愛でした。あと種族値5、いや10くれたらまだ中堅マイナーとして掲載出来たんですが。そして耳で殴ってるだけあってはたきおとすの火力がない
とはいえどくびし+はたきおとすは環境に割と刺さってると思います。ダイジェット打ちまくった後ダイマ枯らされたエースが上がったSから身代わりで毒ダメ稼いで無理矢理突破するのは爽快です。また今の環境は弱保叩き落とすだけでトゲキッスやバンギラスは弱火のコンロと化すことが多いのでテクニカルな小技で試合を優位に運べる可能性を秘めたこの子はもっと評価されていいと思います。
最後まで読んで頂きありがとうございました。