はじめに
こんにちは。ナマコ48と申します。今回で4回目の育成論投稿となります。まだまだ不慣れな点や拙い点があるかと思いますがご容赦ください。また、不明な点やおかしな点、ご意見等あればコメントを頂けると幸いです。
さて今回はユクシーユクシーの育成論となります。投稿日時点では使用率105位に位置しており、先発起点作り・ステルスロック型としてはラグラージやカバルドンに、「こうこうのしっぽ」トリック型としてはエルフーンオーロンゲ等と競合してしまっているという状況です。しかし、これらのポケモンは「あくび」対策をされた場合の対応や、明確に苦手とするタイプがある等弱点があります。今回は能力面・技構成で他の競合ポケモンとの差別化を意識しながらユクシー独自の強みである汎用性の高さについて考察していきたいと思います。
- HABCDSなどの略称や性格補正を↑↓で表記します。その他、検索すればわかる専門用語などを用いる場合があります。
- ダメージ計算は「ダメージ計算SS forポケモン ソード&シールド」様を使わせていただいています。
- ダメージ計算時の相手ポケモンの個体値は31を想定しています。
ユクシーについて
さて、本論で述べるユクシーについて考察をしていこうと思います。まずはタイプ・種族値・特性から見ていきます。
- ユクシーユクシー
タイプ エスパー
種族値 75-75-130-75-130-95
特性 ふゆう
タイプに関して
タイプはエスパーです。今回はエスパータイプの攻撃技を採用していないので、攻撃面でのエスパータイプの考察は省略します。防御面としては弱点が霊・悪・虫の3タイプ、半減は格闘・エスパーの2タイプです。またユクシーは特性「ふゆう」で地面が無効になります。このタイプ相性は後述の『他のポケモンとの差別化』において大きな意味を持ちます。
種族値に関して
ユクシーの種族値は高耐久低火力型で、かなりサポート向きな配分となっています。特徴的な部分としては、Sが95あり、サポート型としては高速と言えます。
また、BDがともに130と高水準にあることで、「あくび」・「ステルスロック」を覚えるポケモンの中ではカバルドンを抜いて1位の物理特殊合計耐久指数を持っており、仕事のできる相手が非常に多いポケモンと言えます。
特性に関して
ユクシーの特性は「ふゆう」のみなので「ふゆう」で確定です。
持ち物
今回の育成論では「ゴツゴツメット」を確定としています。採用理由は先発で出てくる「きあいのタスキ」持ち高速物理アタッカーポケモン(ウーラオス(いちげき)フェローチェ等)のタスキを潰せる点、「とんぼがえり」「クイックターン」によるあくびループ脱出を安易に行わせない点が強力だと考えています。他の候補としては、本来受けられない「こだわりはちまき」ウーラオス(いちげき)の「あんこくきょうだ」を耐えられる「ナモのみ」や、「トリック」を覚えさせる場合には「こうこうのしっぽ」、「おきみやげ」を覚えさせるなら確定ラインをずらすことができる「オボンのみ」も挙げられるかと思います。
技構成
- 確定欄
あくび
ノーマルタイプ 変化技 相手を「ねむけ」状態にする
言わずと知れた起点作成技です。「とんぼがえり」や「クイックターン」等の交代技、エレキフィールド・ミストフィールド等の状態異常無効化、「ラムのみ」による無効化など、対策は多くありますが、それでも強力な技。確定技とします。
ステルスロック
岩タイプ 変化技 交代で出てきたポケモンに最大HPの1/8のダメージ(相性によって増減)を与える
「きあいのタスキ」潰しの他、確定数をずらしたり4倍弱点のポケモンに1/2のダメージを与えることも可能な技。「あくび」と組み合わせた『ステロあくび』はあまりにも有名。確定技とします。
- 選択枠1
選択枠1では2種類の自主退場技を挙げています。相手の起点回避のため、どちらかを選ぶことを推奨します。また後述しますが、どちらを選ぶかで推奨努力値振りが変わります。
とんぼがえり
虫タイプ 威力70 命中100 攻撃後、手持ちポケモンと入れ替わる
交代技の代名詞的存在。ミミッキュの皮をはがしたり、後攻「とんぼがえり」で対面操作ができるほか、起点作りの後に一旦引くことでクッションの役割を果たしたり、後続ポケモンのこだわり解除に使うこともできます。
おきみやげ
悪タイプ 変化技 自分は「ひんし」になるが相手の攻撃と特攻を2段階下げる
相手を選ばずに強引に起点にする技です。「とんぼがえり」と比べて非常に強力ですが、「ちょうはつ」されると退場できなくなる点、特性「まけんき」や急所には影響しない点、後攻の場合ダメージ感覚がしっかりしていないと上手く扱えない等、汎用性が高いとは言いにくい技です。積み構築に採用するならこちらの優先度が上がります。
- 選択枠2
後の1枠はここから1つ選択となります。
でんじは
電気タイプ 変化技 命中90 相手を「麻痺」状態にする
素早さ半減・3割で行動不可を押し付ける強力な技です。「あくび」との両採用は賛否両論あるかと思いますが、スカーフでないポケモンに打つことで2回行動する、交代技で「あくび」ループを切ってくる相手に対して打つ、「ラムのみ」持ちが予想されるポケモン(カイリュー等)に「あくび」→「でんじは」と繋いで強引に眠らせるなどの使い方ができるため、選択技の一つとしています。電気・地面タイプには無効なので、そこを気にするなら「トリック」を選択してください。
トリック
エスパータイプ 変化技 相手と自分の道具を入れ替える
この技を選択する場合、持ち物が「こうこうのしっぽ」になります。「でんじは」と異なり、どのタイプにも効果があります。しかし、持ち物が固定される点、相手がこだわり系アイテムを持っていた場合にこちらが動きにくくなる点など、デメリットも多くあります。安定性を求めるなら「でんじは」を選択してください。
イカサマ
悪タイプ 威力95 命中100 相手の攻撃をダメージ計算に使う
呼びがちな「みがわり」持ちやラム剣舞型のポケモンに対して打つ技。しかし絶妙に火力が足りず、身代わりが割れない場合も多く、なおかつピンポイント対策になるため優先度は低め。
性格・努力値と調整
- 性格
「とんぼがえり」採用の場合、下降補正を掛けないと耐久振りランドロス(霊獣)やヒートロトムの上から「とんぼがえり」を打ってしまうため、のんきを推奨します。
「とんぼがえり」ではなく「おきみやげ」を採用する場合は、上から打った方がよい場面が増えるためわんぱくを推奨します。
- 努力値振り
調整案1 のんき
H252-A0-B252-C0-D4-S0
「おきみやげ」を覚えさせないならこちら。耐久はいじっぱりウーラオス(いちげき)の「あんこくきょうだ」を確定耐え、その他火力が高くなりがちな物理アタッカー全般に厚くするためにHB特化となっています。ユクシーの型の中では最も汎用性が高くなるため、こちらを確定欄としています。
調整案2 わんぱく
H252-A0-B116-C0-D0-S140
「おきみやげ」型ならこちら。いじっぱりウーラオス(いちげき)の「あんこくきょうだ」を確定耐えしつつ、麻痺した最速スカーフ109族(キュウコン(アローラ)カミツルギ)抜きとなっています。
他のポケモンとの差別化点
ユクシーを使う上で重要になる他のポケモンとの差別化点です。
まずはユクシーのアイデンティの1つである「ステロあくび」を使えるラグラージカバルドンとの差別化です。
先述の通り、ユクシーの弱点は霊・悪・虫の3タイプです。そこで、弱点となる3タイプの最高打点技を考えます。霊の物理は「シャドーダイブ(威力120)」、特殊は「シャドーボール」(威力90)となっています(発動に2ターンかかる「シャドーダイブ」は補助技の多いユクシーには打ちにくい技です)。 悪の最高打点は物理「あんこくきょうだ(実質威力120)」、特殊「もえあがるいかり(威力90)」です。虫技はそもそも「とんぼがえり(威力70)」以外に採用されることは稀です。この技を見てわかって頂けるかと思いますが、弱点がサブウェポンとして搭載されやすいラグラージカバルドンに比べ、ユクシーは弱点を突かれにくい(=仕事のできる範囲が広い)ポケモンであるといえます。また、ダメージ計算は後述しますが、このことよりHB特化ユクシーをDMなし1ターンで落とせる物理アタッカーは使用率TOP100のポケモンの中では「こだわりはちまき」を持ったウーラオス(いちげき)の「あんこくきょうだ(実質威力120)」、いじっぱりかつ「こだわりはちまき」かつ特性「はりきり」のパッチラゴンの「でんげきくちばし」の2つしか存在しません。
また、HBラグラージは同じく先発起用が多いC252{キュウコン(アローラ)}の「フリーズドライ」をあられ込みで確定1発を取られるなどメタが回っている点、{カバルドン}はユクシーのような自主退場技・素早さ操作の手段がない点でも差別化が可能かと思います。
次に「トリック」型のポケモン(エルフーンオーロンゲ)との差別化についてです。これら特性「いたずらごころ」持ちのポケモンは悪タイプに対して何もできないという大きな弱点を抱えています。対してユクシーはほとんどの場合「あくび」をいれたり「ステルスロック」を撒くことができます。また、耐久の面でもエルフーンはH60-B85-D75、オーロンゲはH95-B65-D75であるのに対し、ユクシーはH75-B130-D130と圧倒的な数値があり、クッションとして使った時の性能に大きな差があります。
与ダメージ計算
火力はほとんど出ませんが、一応「とんぼがえり」、剣舞アタッカーと「みがわり」持ちに打った場合の「イカサマ」のダメージ計算を載せておきます。
無表記のものはダイマックスなしです。
- とんぼがえり
- イカサマ
A特化H4、A2段階上昇ランドロス(霊獣) 85.4〜100.6% 乱数1発(6.2%)
A特化H4、A2段階上昇ガブリアス 67.3〜79.8% 確定2発
HBサンダー 19.2〜22.8% (みがわり割れず)
被ダメージ計算
※HB特化ユクシーで計算しています。
- 物理方面
A特化ウーラオス(れんげき)
すいりゅうれんだ 39.5~46.1% 確定3発
あんこくきょうだ 75.8~90.1% 確定2発
とんぼがえり 29.6~35.1% 乱数3発(14.3%)
※「すいりゅうれんだ」なら「ゴツゴツメット」2回+「とんぼがえり」で落ちます。
A252 鉢巻ウーラオス(れんげき)
すいりゅうれんだ 51.0~60.9% 確定2発
あんこくきょうだ 103.2~123.0% 確定1発
とんぼがえり 40.6~48.3% 確定3発
ウーラオス(れんげき)が相手の場合、「でんじは」から入るのが安定行動になります。
A252パッチラゴン
はりきりでんげきくちばし 59.8~71.4% 確定2発
ダイサンダー 46.1〜54.9% フィールド込み確定2発
A252ランドロス(霊獣)
ダイジェット(そらをとぶ) 40.1~47.8% 確定3発
A2段階上昇ダイジェット 79.1~93.9% 確定2発
不一致イカサマ 16.4~19.7% 乱数6発
混乱ダメージ 3.8~4.9%
- 特殊方面
C特化メガネドラパルト
シャドーボール 83.5~98.9% 確定2発
C特化メガネファイヤー(ガラル)
もえあがるいかり 93.4~112.0% 乱数1発(68.7%)
※「こだわりメガネ」採用率は0.7%以下ですが参考のため記載。
相性の良い味方
強力な積み技のあるポケモンとの相性が良いです。代表的なポケモンであれば悪だくみファイヤー(ガラル)、メテオビーム+BBウツロイド、剣舞ランドロス(霊獣)ガブリアス竜舞カイリュー等が挙げられるかと思います。
このポケモンの対策
鉢巻ウーラオス(いちげき)パッチラゴンの火力で吹き飛ばしたり、ちょうはつ持ちで一旦流されてしまうと弱い他、カプ・コケコカプ・レヒレ等のフィールド特性持ちも「あくび」「でんじは」が通らないため、「おきみやげ」以外の有効打がなくなります。
おわりに
拙い育成論でしたが、最後まで読んでいただき、ありがとうございました。起点作成もしつつ、対面操作・クッションもこなせて繰り出せる範囲が非常に広いのがユクシーの強みだと思います。
他の振り方や調整、必要だと思われるダメージ計算などの意見やリクエスト、質問などがあれば気軽にコメント欄にお願いいたします。
ありがとうございました。