はじめに
初めまして。poke_jinと申します。初めての育成論投稿になります。拙い点も散見されるでしょうが、どうかご容赦願います。
注意事項
- 努力値は、個体値がすべて31であることを前提に設定しています。ケースに応じて調整してください。
- ダメージ計算はポケモントレーナー天国様の計算ツールを使用させて頂いております。
- この育成論ではHPを「H」、攻撃を「A」、防御を「B」、特攻を「C」、特防を「D」、素早さを「S」と表記しております。
- 不備や質問等ございましたらコメント欄にてお願いします。リアルの都合もあり返信が遅れる場合もございますがご容赦下さい。
ジャラランガとは
第七世代から登場したポケモンです。タイプはドラゴン/かくとう。特性はぼうだん/ぼうおん。隠れ特性としてぼうじんがあります。
弱点はフェアリー・こおり・エスパー・ドラゴン・ひこうの5つ。特にフェアリーは4倍弱点となります。一方耐性は、ほのお・みず・くさ・でんき・いわ・むし・あくの7つ。
種族値はH75、A110、B125、C100、D105、S85。合計種族値は600。Bが一番高くDも100を超えていますがHが75と低く、多少脆く感じられるかもしれません。
攻撃面はというと、A110、C100といずれも100以上ではあるもののアタッカーとしてみると必ずしも高いとは言えない数値です。
攻撃時にとても大事な要素となるSは85と中速。早くも無く遅くも無い平均的な数値です。
総合的にみると、
- アタッカーとしては良くも悪くも平均的。
- ディフェンス面はHの低さが祟って案外脆い。
- 素早さは中速である。
このような評価が下されているのが現状です。
天敵フェアリータイプの台頭
フェアリータイプのポケモンが蔓延している現在のシングル環境でフェアリー技が4倍弱点という事もあってジャラランガは苦戦を余儀なくされるという見方が存在します。
同じフェアリー4倍弱点であるポケモンとして同じく合計種族値600のサザンドラがいますが、あちらは多種多様な攻撃技を覚える事や特性ふゆうの存在、高めのCやSを活かしたこだわりスカーフ型やこだわりメガネ型といった型のレパートリーが多い等、ジャラランガを上回る要素を数種類持っています。
逆にジャラランガは一致するかくとうタイプの技が物理では威力85命中率90のスカイアッパーが最高打点、特殊では威力こそ120とかなり高いものの命中率が70という不安要素を持つきあいだまが最高打点となるというのが現状です。
一致ドラゴン技は物理ではげきりん、特殊ではりゅうせいぐんやジャラランガの専用技であり威力110命中率100のスケイルノイズが通りの良い打点となります。
しかし、いずれの技もフェアリータイプには効果いまひとつ(かくとう)もしくは無効(ドラゴン)となってしまいます。
ジャラランガと同じ第七世代で登場したゴースト/フェアリーのミミッキュには手も足も出ないとされる理由でもありますね。
フェアリー対策として物理ではどくタイプの攻撃技どくづき、特殊でははがねタイプの攻撃技ラスターカノンを覚えますが、まず一撃で倒せず返り討ちを食らいます。
インファイトやアームハンマー、ばかぢからを始めとする高威力の一致かくとう技やストーンエッジやだいもんじ等のサブウエポンにおける高威力技を覚えず、アタッカー観点からするととても高いとは言えないAやCも足を引っ張り、評判は必ずしも良いとは言えません。それが現在のシングル環境におけるジャラランガの評価です。
発想を変える
では、ジャラランガをどう運用していけばいいのか。僕が考えたのは以下の2つです。
- フェアリータイプを呼び込む事を逆手に取る。
- 役割対象をはっきりさせる。
- フェアリータイプを呼び込む事を逆手に取る。
ジャラランガは高確率でフェアリータイプを呼びます。ならばそれを逆手に取ればいいのです。
ジャラランガはS85という中速の部類に入ります。この数値はSの努力値調整次第でジャラランガよりSが低いフェアリータイプを上から叩けるのです。
仮想的としてはアシレーヌ、マリルリ、ニンフィア、カプ・レヒレ、カプ・ブルル辺りになるでしょうか。
また、ジャラランガよりSが高いフェアリータイプとしてはカプ・コケコやカプ・テテフ辺りが現在の代表格になるでしょうか。
これらのポケモンを(一部のポケモンは無理ですが)一撃で倒す事がジャラランガには求められていると考えました。
- 役割対象をはっきりさせる。
ジャラランガは、どんなポケモンにも対応できるポケモンではありません。よって、ジャラランガで見るポケモンをはっきりさせなければなりません。
今回の育成論におけるジャラランガの主な役割対象は、
ヒードラン、スイクン、ポリゴン2、ナットレイ、ギルガルド、
メガゲンガー、メガルカリオ、メガギャラドス、バンギラス、
ウインディ、バシャーモ、シャンデラ、アローラガラガラ、ジバコイル、
マリルリ、アシレーヌ、ニンフィア、カプ・ブルル
この辺りとなります。
条件が整えばカプ・コケコ、カプ・テテフ、カプ・レヒレ、エルフーン辺りも狩る事ができるため、対戦では味方が繰り出す技との兼ね合いに神経を尖らせなければなりません。
特性・性格・努力値
- 特性
この育成論では爆弾やボール系等の技を無効化するぼうだんを採用していますが、勿論音技を無効化するぼうおんや天候ダメージや粉系の技を無効化するぼうじんでもいいと思います。
いずれの特性も特定の技を無効化する性質を持っているため、特性の選択は自分のパーティとの兼ね合いになるかと思います。
ジャラランガの強みの1つとして自覚しなければならないのが、「ジャラランガが物理型なのか特殊型なのか、また特性がぼうだんなのかぼうおんなのかぼうじんなのか初見では判別できない」という点です。
これがガブリアスならさめはだの物理型、サザンドラならふゆうの特殊型というお決まりの特性と型であると相手側は判断するでしょう。
しかし、ジャラランガに関しては初見で技構成や特性を判断する事は難しいと思われます。精々パーティ単位で「アローラキュウコンがパーティにいるからこのジャラランガはぼうじんかな」くらいの予測になるかと思います。
実際育成論の型を用いて対峙したハッサムは対面時即座に交換しました。おそらく特殊型のかえんほうしゃを警戒したのでしょう。こちらは悠々とつるぎのまいを積む事ができました。
- 性格
いじっぱりで確定。BDSいずれもマイナス補正は掛けられません。微妙なAを少しでも伸ばすべく性格補正はCダウンのAアップで。
- 努力値
151(4)-177(244)-147(12)-×-148(180)-114(68)
括弧内の数値は努力値。括弧の左に記載されている数値がLv.50時点の実数値。
Hは奇数にする為最低限の4振り。Bは12振り。H12振りB4振り、もしくはH20振りB無振りでは受けるダメージがH4振りB12振りより大きくなる為この調整。
Dは180振り。これはポリゴン2のダウンロード対策であり、無補正C4振りのポリゴン2のれいとうビームを確定3発に抑え込むのが主眼。
無補正C特化の霊獣ボルトロスや補正有りC特化のジバコイルが繰り出すめざめるパワー(こおり)が確定3発になる点もこの型で重要な要素。
Sは準速バンギラスを抜く調整。この調整なら無振りのスイクンや準速マリルリ・準速ジバコイルを上から叩く事ができます。
使用できる残りの努力値244は全てAに回します。
持ち物
ドクZを採用します。これがフェアリータイプのポケモンを狩るのに絶対必須な持ち物となります。
他の候補としてはメガハッサムやテッカグヤを狩るのに必要なカクトウZ、クレセリアを狩るのに必要な場合はドラゴン技を覚えさせてドラゴンZを持たせる形になります。
今後解禁されるメガクチート辺りを見越して特殊型のホノオZ持ちを育成するのも良いかもしれません。ですが、今回はドクZを前提に以下の技構成についてお話します。
技構成
- つるぎのまい
Aを2段階上昇させる補助技です。Hが半分になるはらだいこに比べると安定性に優れ、りゅうのまいやビルドアップに比べると交代によるいかくを巻かれた際のリカバリーに繋がります。
りゅうのまいやボディパージはSを上げる効果がありますが、とにかく火力不足のジャラランガに必要なのはS上昇よりA上昇であると考えました。
Sを上げてガブリアスなどにげきりんを撃てば一撃で飛ばせるでしょうが、フェアリーが大の弱点であるジャラランガでげきりんを撃つのにはかなりのリスクが伴います。
- スカイアッパー
ガブリアスとの差別化であり、物理かくとう技最高打点。つるぎのまいでAを上昇させてから撃つのが基本。
仮想的であるポリゴン2が補正有りHB特化であってもつるぎのまい後のスカイアッパー2発で飛ばせます。
同じく補正有りHB特化のナットレイには半分くらいの確率で耐えられますが、特性がぼうだんであるならばナットレイに対して有利に事を運べます。
- じしん
ギルガルドやでんきタイプ・どくタイプへの有効打点。スカイアッパーと対象範囲が被り気味ですが、特に役割対象であるギルガルドに勝つ為に必須となります。
また、さめはだやてつのトゲ、ゴツゴツメット対策にもなります。余談ですが、今後解禁されるメガクチート対策の為にHとBをアイアンヘッド+ふいうち確定耐えに調整した上でジメンZを持たせる型も出て来るでしょう。
メガクチートはジャラランガが退く事を見越してつるぎのまいを行う可能性があります。それを防ぐ為にホノオZ特殊型と並んでメガクチートへの牽制にもつながります。
メガクチートからすればホノオZで焼かれるか、いかくによるAダウンをものともせずじしん+Zじしん、もしくはつるぎのまい+Zじしんで倒される可能性を考慮しなければなりません。
つまり、悠長につるぎのまいを行う余裕は無く最初からじゃれつくをしなければなりません。命中率が100%では無い技なので外しの期待も僅かながらあります。
- どくづき
対フェアリータイプの上で最も重要な技となります。ドクZによるZ技化により多くのフェアリータイプを確定一発で持っていけるようになります。
補正有りHB特化のニンフィアやカプ・レヒレはさすがに一撃で倒せないので他のポケモンでダメージを与えておくか、対峙する前につるぎのまいでAを上昇させておく必要があります。
僕はZどくづきを採用してからマリルリやアシレーヌを見てジャラランガを積極的に選出するようになりました。
マリルリ達は絶対に退かないです。当然です。仮にジャラランガがどくづきを持っていたとしても一撃でやられるわけが無いと思っていますから。
そこにZどくづきを撃ち込み、相手の戦略を崩す。フェアリーを呼ぶジャラランガだからこそ可能な役割破壊です。
カプ・コケコやカプ・テテフなどのジャラランガよりSの高いフェアリータイプ相手にはトリックルームの補助が必要となります。
ジャラランガの中途半端なSは、見方を変えるとジャラランガよりSの高いフェアリーにはトリックルーム下で、ジャラランガよりSの低いフェアリータイプには素の状態でZどくづきを打ち込める種族値であるとも見れます。
トリックルームを覚えるポケモンは大抵ゴーストタイプの技を苦手としているので、トリックルーム発動後テテフが放つシャドーボールをジャラランガで無効化しZどくづきを叩き込む。
僕はこの方法で今まで結構な数のテテフをジャラランガで倒してきました。何より、マリルリやアシレーヌを恐れずジャラランガを先発で出す機会も増えました。
与ダメージ
- Zどくづき
補正無しH252振りアシレーヌ 226〜268(120.8%〜143.3%)
補正無しH252振りマリルリ 212〜250(102.4%〜120.7%)
補正無しB4振りカプ・テテフ 222〜262(153.1%〜180.6%)
補正無しB4振りカプ・コケコ 202~238(139.3%〜164.1%)
補正有りHB252振りカプ・レヒレ 118~140(66.6%〜79%)
補正有りHB252振りニンフィア 168〜198(83.1%〜98%)
補正有りHB252振りスイクン(つるぎのまいによるA2段階上昇) 117〜138(56.5%〜66.6%。A2段階上昇のスカイアッパーのダメージ量が93〜111の為3ターンで確実に飛ばせる。補正無しC4振りスイクンのれいとうビーム2発+ゴツゴツメットのダメージ量が最大で149の為、スイクンよりSが高ければ確実に勝てる)
補正無しH4振りギャラドス(いかくによる下降補正によりAは1段階上昇で計算。ジャラランガのスカイアッパーを見越してメガシンカせずにりゅうのまいを行うと仮定) 161〜190(94.1%〜111.1%。メガシンカした場合のダメージ量は124〜146)
- じしん(つるぎのまいによるA2段階上昇)
補正無しH252振りギルガルド(シールドフォルム) 158〜186(94.6%〜111.3%)
補正無しH252振りアローラベトベトン 280〜330(132%〜155.6%)
補正無しH252振りアローラガラガラ 204〜242(122.1%〜144.9%)
補正無しH無振りシャンデラ 242〜286(179.2%〜211.8%)
補正有りHB252振りドヒドイデ 120〜142(76.4%〜90.4%)
補正有りHB252振りウインディ(いかくによる下降補正によりAは1段階上昇で計算) 138〜164(70%〜83.2%)
- スカイアッパー(つるぎのまいによるA2段階上昇)
補正無し無振りメガルカリオ(メガルカリオのみつるぎのまいをしない前提の与ダメージ) 158〜188(108.9%〜129.6%)
補正有りHB252振りナットレイ 168~200(92.8%〜110.4%)
補正有りHB252振りポリゴン2(持ち物はしんかのきせき) 146〜174(76%〜90.6%)
補正無しH212振りヒードラン(持ち物はふうせん) 182〜216(94.3%〜111.9%)
補正有りHB252振りバンギラス 384〜456(185.5%〜220.2%)
被ダメージ
補正有りC252振りジバコイルのめざめるパワー(こおり) 62〜74(41%〜49%)
補正無しC252振り霊獣ボルトルスのめざめるパワー(こおり) 62〜74(41%〜49%)
補正無しC4振りポリゴン2のれいとうビーム 58〜70(38.4%〜46.3%)
補正無しC252振りゲッコウガのれいとうビーム 108〜128(71.5%〜84.7%)
補正有りC252ギルガルド(ブレードフォルム)のラスターカノン 67〜81(44.3%〜53.6%)
補正無しC252振りメガリザードンYのエアスラッシュ 122〜146(80.7%〜96.6%)
補正無しC252振りメガゲンガーのたたりめ(やけど状態と仮定) 109〜130(72.1%〜86%。やけどダメージ2回の合計が18の為確定で耐える。H4振りのメガゲンガーであればじしん2発で確実に落とせる)
補正無しA252振りメガルカリオのインファイト 122〜144(80.7%〜95.3%)
補正有りメガギャラドスのこおりのキバ(A1段階上昇) 114〜136(75.4%〜90%)
補正無しA4振りニンフィアのでんこうせっか(フェアリースキン) 100〜120(66.2%〜79.4%)
補正有りA252振りバシャーモ(持ち物がいのちのたま)のとびひざげり 122〜146(80.7%〜96.6%)
補正有りA252振りメガハッサムのバレットパンチ 51〜61(33.7%〜40.3%)
補正無しA252振りメガボーマンダのすてみタックル(スカイスキン) 218〜258(144.3%〜170.8%)
補正無しA252振りメガメタグロスのコメットパンチ 158〜188(104.6%〜124.5%)
補正無しA252振りガブリアスのげきりん 168〜200(111.2%〜132.4%)
補正有りC252振りサザンドラのりゅうせいぐん 192〜228(127.1〜150.9%)
おわりに
初投稿という事もあって至らぬ点もあるかと思いますが、ジャラランガを実際に運用している者として少しでもジャラランガの良さを紹介できていればと思います。
ジャラランガと相性が良いのはSが高くドラゴン技を無効化しオーロラベールを張れるアローラキュウコンや、ミミッキュ対策になるカバルドン・ドリュウズの砂パコンビ。
トリックルーム持ちのポケモン、いのちのたま持ちのゲッコウガやテッカグヤを叩けるカプ・コケコ、メガハッサムやメガクチートを焼くほのおタイプのポケモン等々になると思います。
この度の育成論を読んで下さった方々の中で「自分もジャラランガを育ててみようかな」と思って下さる方がいればとても嬉しく思います。
では、この辺りで筆を置かせて頂きます。最後までお付き合い頂きありがとうございました。