はじめに
現環境のダブルバトルはガオガエンランドロス(霊獣)メガボーマンダなどの連中が蔓延り全世界から威嚇が飛んでくる物理アタッカー冬の時代。かわりにミロカロスキリキザンゴチルゼルなどのアンチいかく特性持ちが数を増しています。今回はその中でも素早さ操作と高火力を両立しているウォーグルに着目しました。
採用理由
- 追い風後の攻撃性能
素早さ操作持ちは得てして攻撃能力が控えめで、効果中に攻めきれず凌がれてしまうことも多いです(メガリザードンYメガボーマンダメガサーナイトなどはメガシンカだから許されている性能です)。その中においていかくや反動Cダウンを受けずに通りの良い一致120技を連発出来るウォーグルは非メガとしては破格の攻撃性能を持つため効果中に相手パーティを追い込みやすいです。
- 対威嚇枠としての攻撃性能
かちき・あまのじゃく持ちは爆発力が高い代わりに、素の火力や技威力に欠けるためいかくとの対面さえ回避すれば難敵ではありません。まけんき持ちでも一致高火力技はオコリザルナゲツケサルのインファイト、ブニャットのとっておきが関の山のためウォーグルの攻撃性能は対威嚇枠としても上々と言えるでしょう。
- 役割と特性の噛み合い
アンチいかく特性はその性質上初手で繰り出したいものですが、自身が素早さ操作という役割を担っているため自然な形で初手に繰り出しやすいです。追い風+アタッカー+対威嚇という形を無理なく作れます。
- 対サイクル性能
素早さ操作に対しての常套手段である交代戦での時間稼ぎを制限・牽制でき、早期決着に持ち込みやすいです。この点でも追い風要員として優秀です。
- 対ねこだまし・こごえるかぜ・エレキネット性能
対威嚇性能により、ねこだまし枠をガオガエンに一任している構築に対し、一方的に素早さ操作を仕掛けやすくなります。また、エレキネットやこごえるかぜでも火力が急上昇するため牽制となり追い風を効果的に扱えます。
- 役割の豊富さ
構築上でも6体、選出時は4体という狭い枠の中で、素早さ操作という重要な役目を担いながら明確な役割対象が複数存在することは対応範囲の広さに大きく貢献します。
調整
- 性格
火力を重視していじっぱりを採用しています。耐久に厚く降るならわんぱく・しんちょうもありです。
- 実数値
201-187-96-×-96-111
- 調整意図
H:奇数(はねやすめ回復効率最大)
A:11n
BD:4振り
S:追い風下で準速スカーフテテフ抜き
B+D=Hにした方が耐久は伸びますが、ブレイブバードの反動を考慮してHに割いています。
技
- 確定技
ブレイブバード
通りのいいメインウェポン。物理高火力技はいかくで、特殊高火力技はCダウンによって規制されるポケモンの技調整から逸脱した120技は極めて強力です。採用理由かつ役割対象への遂行技であり確定。
おいかぜ
採用理由であり確定。上述の理由により効果的に活かしやすいです。
まもる
場に生き残り続ける事に意義がある特性であり、また特性発動後は大事に扱いたいため確定。
- 選択技
はねやすめ
上記のまもると同様延命に重要であり、ブレイブバードで消耗したHPの回復も可能。採用率上では何故か圏外ですが、極めて重要な技です。
(この文章のみでは用途が不明瞭だったため追記です。基本的には相手の両守るを読んでアドを取りに行く使い方を行います。追い風役のため両守るを誘発しやすく、また逆に羽休めを一度見せれば安易な両守るを牽制しやすいです。)
いわなだれ・がんせきふうじ
殆どの攻撃技に言えますが、基本ブレイブバードを振るためほぼサンダーメガリザードンYピンポイントです。
ばかぢから
ガオガエンへの遂行技ですが、くちばしブレイブバードでも火力は足りるためZ型等での採用となります。折角上がったAが戻ってしまうのに注意。
岩や鋼にも撃ちますが複合タイプで等倍以下に抑えられる事も多くヒードランやバンギラスピンポイント気味です。
やつあたり・おんがえし
一致技ですが、飛行技と範囲が被ります。
フリーフォール
ロックは使えないこともないですが、おいかぜ中に攻め切る方針と合いません。
とんぼがえり
居座るポケモンのためあまり意味がありません。
ふきとばし
対トリルに。
持ち物
攻撃技がブレイブバードのみであり、ガオガエンへの火力も補正込みで足りることからするどいくちばし(あおぞらプレート)を採用。
- いのちのたま
火力はさらに伸びますが、ダメージが嵩むデメリットの方が大きい。打ち分けたい別のアタッカーに持たせた方が良いです。不採用。
- ヒコウZ
攻撃性能を高められますが、ガオガエンに対しZブレイブバードかばかぢからでないと火力が足りないため不採用。Z枠を消費してしまうのも難点です。
- オボンのみ・半分実
はねやすめがあるため回復ソースの必要性は薄く、不採用。
- たべのこし
同上。
運用
追い風サポート後、メインアタッカー共々猛攻撃を仕掛け相手を消耗させます。はねやすめの存在により裏のいかくを出させるまで粘ったり、二度目のおいかぜ始動を仕掛けたり出来ます。
ガオガエン始動の構築に対しては一方的な試合展開となることもしばしば。
与ダメージ
- A+1くちばしブレイブバード
H252B4ガオガエンに100.9~119.3% 確定1発
H252B4ランドロスに104.0~122.9% 確定1発
無振りメガボーマンダに90.0~105.8% 乱数1発(37.5%)
無振りカミツルギに112.6~132.8% 確定1発
HB特化メガサーナイトに101.7~120.0% 確定1発
無振りウツロイドに91.8~108.1% 乱数1発(50.0%)
- くちばしブレイブバード
無振りメガリザードンYに100.6~119.6% 確定1発
無振りカプ・テテフに110.3~130.3% 確定1発
H252メガゲンガーに91.6~107.7% 乱数1発(43.7%)
無振りカプ・コケコに49.6~58.6% 超高乱数2発(99.6%)
被ダメージ
A209ランドロスのダブル補正いわなだれで45.7~54.7% 乱数2発(52.3%)
C194サンダーの10まんボルトで102.4~122.3% 確定1発
C147カプ・コケコのフィールドなし10まんボルトで77.6~92.5% 確定2発
C200カプ・テテフのフィールドサイコキネシスで79.1~93.0% 確定2発
C161カプ・レヒレのZだくりゅうで82.5~97.5% 確定2発
A200カプ・ブルルのフィールドハチマキウッドハンマーで78.6~92.5% 確定2発
A216メガメタグロスのかみなりパンチで83.5~98.5% 確定2発
A237メガバンギラスのダブル補正いわなだれで77.6~92.5% 確定2発
A165トゲデマルのびりびりちくちくで77.6~92.5% 確定2発
C179ウツロイドののパワージェムで83.5%~99.5% 確定2発
相性の良い味方
- メガガルーラ
一致ねこだましでウォーグルを補助しそのまま攻撃に回れる強力な物理アタッカー。
- ランドロス
飛行半減の電気、岩、鋼の弱点を突ける物理アタッカー。ウォーグルは浮いているため巻き込まれない。
- ガオガエン
ねこだましによる補助。鋼タイプの弱点を突ける物理アタッカー。相手のガオガエンに受け出されにくいため一致技の通りが良くなる。
- トゲデマル
ひらいしんで電気技から守りつつ、ねこだましで止まらないカプ・テテフを縛れる物理アタッカー。ランドロス・ガオガエンはウォーグルで牽制できる。
- カプ・コケコ
相手のランドロスに受け出されにくいため電気技の通りが良くなる。浮いている電気や岩に強い。
- バンギラス
ランドロスの繰り出しを抑制出来る。
苦手な相手
- 電気全般・岩全般