わにと申します。15回目の投稿です。よろしくお願いします。
以下の注意事項に必ず目を通してください。
注意事項
- 指定のない限りすべてのポケモンは理想個体を想定します
- HP、攻撃、防御、特攻、特防、素早さをH、A、B、C、D、Sの略称で表記します
- その他わかる範囲の略称を用います
- ダメージ計算はトレーナー天国様のツールをもとに計算しています
- ご質問、ご指摘はコメントにて受け付けます
- 育成論に関係のないコメント、無益だと判断したコメントは予告なく削除します
- 本育成論はUSM環境を考慮しておりません
ソルロック概要
三世代で登場した所謂マイナーポケモンであり、ポケットモンスターサンムーンの主人公(になれなかった)ポケモン。今世代からHP種族値の上昇とフレアドライブ習得により活躍が期待されました(?)がそんなことは全くなかった悲しいポケモン。
しかし、強化されたことには変わりないので、そんなソルロックを使ってみたいという思いを叶えるべく、今回はHBベースのソルロックを考察していきたいと思います。
ソルロックの強み
- 独自の耐性とフレアドライブ
岩/超という準固有タイプと特性の浮遊により、無炎地に耐性を持ちつつ氷岩闘が等倍であるため、メガガルーラの技範囲を軒並受けることができます。さらに今作からフレアドライブを習得したことにより、氷状態から自力で復帰できるようになったため、冷凍パンチ(ビーム)の追加効果による負け筋を無くすことができるようになりました。これはメガガルーラ受けとして名高いクレセリアやカバルドンにはない大きなメリットと言えます。
また、上記耐性に加えて飛にも耐性があり、飛地の広い攻撃範囲を持つメガボーマンダ(物理)に対しても高い受け出し性能を誇ります。メガボーマンダと組まれやすく、ソルロック自身が呼び込みやすい鋼タイプに対してフレアドライブで高い打点を持てることも大きなポイントです。
- 鬼火をはじめとした優秀な補助技
ソルロックは、相手を弱体化or味方をサポートする技を数多く覚えます。鬼火やリフレクターによる物理耐久の底上げ、ステルスロックによる襷潰し、岩石封じやトリックルームによるS操作も可能であるため、物理ATを誤魔化す力に長けています。ちなみにステルスロック、鬼火、トリックルームを全て両立可能なポケモンは、アルセウスとソルロックのみです。(ミュウ、ドーブルは除く)
反面、回復ソースに恵まれないため、受け切る、詰ませるという立ち回りは不向きです。
- ここまでのまとめ
以上のことから独自の耐性と誤魔化し性能を生かしたメタ要員および物理クッション&サポートがソルロックの生きる道であると言えます。この性能を伸ばしつつ出来る限り汎用性を持たせる方向性で実際の型考察に入っていきたいと思います。
採用理由・差別化
- 主な採用理由
- 無炎飛地受け
- メガガルーラ、メガボーマンダメタ
- 対物理クッション
- 鬼火、壁、ステルスロック、S操作による起点作り
- 太陽の愛
メガガルーラ、メガボーマンダへの受け出し性能は非常に優秀です。型や技構成次第で厳しい場合(身代わり羽休め、毒毒羽休めなど)もあり、役割範囲もピンポイント気味ですが、そこはソルロックがマイナーたる所以なので目を瞑るしかありません。太陽のような温かい心で見守ってあげてください。
対面からならメガバシャ―モやミミッキュの前でも行動回数を確保できるので、最低限トリル展開や壁張りとしての活躍の機会はあります。
- 差別化
ソルロックと似た範囲に役割を持つポケモンとして、クレセリア、カバルドン、エアームド、テッカグヤ、ドータクン、バンギラス、スイクン、ブルンゲルなどがいますが、耐性、鬼火や壁の有無、氷状態からの復帰などで差別化を完了します。
持ち物
- ゴツゴツメット
仮想敵筆頭であるメガガルーラへの遂行速度を速め、ダメージレースを有利に運びます。発動機会も多く汎用性が高いため確定欄はこちら。
- 混乱実
鬼火やリフレクターと併用することで確定数を大幅にズラし、行動回数を多く確保することができます。また、C特化メガボーマンダの流星群を1.5発耐えることが可能になります。
メガガルーラ意識のゴツメ、メガボーマンダ意識の木の実、といった形で使い分けていただいても良いと思います。
特性
- 浮遊
これだけです。選択の余地がありません。
性格
腕白
耐久がギリギリなのでBに上昇補正、使わないCに下降補正をかけます
調整
- 努力値
H252/B252/S4
- 実数値
H197/A115/B150/C※/D85/S91
- 調整意図
HB:A156ミミッキュのZシャドークロー超高乱数耐え
A182ガブリアスの逆鱗超高乱数2耐え
A197メガボーマンダの捨て身タックル3耐え
A194メガガルーラのグロウパンチ+(A+2)ギガインパクト耐え
A233メガバシャ―モのフレアドライブ+飛び膝蹴り超高乱数耐え
HD:C189メガボーマンダの流星群確定耐え
C172メガボーマンダの流星群のダメージ率が75.1〜88.8%
(混乱実確定発動)
C95クレセリアのムーンフォース4耐え
種族値変更が無ければ上記の耐久は確保できなかったと思うと、いかに不遇だったかが分かりますね(涙)それでも数値がギリギリなので下手に調整するよりはぶっぱが安定します。H振りメガボーマンダとほぼ同じ物理耐久になります。確定欄はこちら。
一応調整案も2つほど紹介しておきます。
≪調整案1≫
- 努力値
H188B252S68
- 実数値
H189/A115/B150/C※/D85/S99
- 調整意図
HB:A156ミミッキュのZじゃれつく+影討ち耐え
A197メガボーマンダの捨て身タックル超高乱数3耐え
A194メガガルーラのグロウパンチ+(A+2)ギガインパクト超高乱数耐え
HD:C189メガボーマンダの流星群超高乱数耐え
S:S−1準速ミミッキュ抜き
数の多いフェアリーZミミッキュの前で行動回数を増やせるようSを調整したもの。岩石封じ+鬼火で対面から化けの皮剥がしと火傷撒きまで遂行できます。(ミミッキュZを許すな!)また、Sを甘えているメガハッサムやカプ・ブルルの上から鬼火やフレアドライブを撃ち込めるといった利点もあります。
≪調整案2≫
- 努力値
H124B252S132
- 実数値
H181/A115/B150/C※/D85/S107
- 調整意図
HB:A156ミミッキュのZじゃれつく+影討ち超高乱数耐え
A200ハッサム@こだわり鉢巻のバレットパンチ+ステロ超高乱数耐え
HD:C172メガボーマンダの流星群確定耐え
S:4振り85族抜き
メガガルーラ+クレセリアの並びを特に意識した調整。クレセリアの上から回復封じを使うことで、三日月の舞によるメガガルーラの復活および月の光でのHP管理を許しません。その分耐久に難あり。
技構成
- 準確定技
フレアドライブ
呼ぶ鋼への打点であり、氷ワンチャンを許さず、火傷ワンチャンを狙えます。また、木の実発動のためのHP調整や自主退場の手助けにも使えます。積極的に使う技ではありませんが、持っていると心強い技です。
炎複合タイプ以外でフレアドライブを習得するのはソルロックとソルガレオのみです。
H151B124ミミッキュ:27.8〜33.1% 確4
H181B201ナットレイ:59.6〜70.7% 確2
H177B135カプ・ブルル:44〜51.9% 乱2(9.8%)
H181B120メガガルーラ:24.3〜28.7 乱4
岩石封じ
攻撃とS操作を同時に行える良技。
ミミッキュ対面やメガボーマンダの身代わり破壊など様々な場面で役立つ、クセのないダメージソースです。ほぼ必須。
H197B151メガボーマンダ:27.4〜33.5% 乱3(0.02%)
H181B120メガガルーラ:18.2〜22% 乱5
H165B110霊獣ランドロス:21.8〜26% 乱4
H185B135ファイアロー:64.8〜77.8% 確2
鬼火
命中不安ですが、ダメージソース、疑似的な耐久強化、味方のサポートなど役立つ場面が非常に多い技です。電磁波、毒毒が命中90で鬼火が命中85なのは釈然としませんね
- 選択技
リフレクター
鬼火が通らないアタッカーに対しても有効であり、味方のサポートとしても優秀です。
耐久が足りないポケモンなので鬼火との両立も十分アリです。
鉄壁も習得しますが、回復ソースがなく結局ゴリ押しされやすいため、味方に効果を残せる方が重要です。
トリックルーム
主に積みアタッカーへの切り替えし手段、後続との連携のために用います。
採用する場合は岩石封じと上手く使い分けましょう。
ステルスロック
サイクルの中で撒くことでダメージレースを有利に運ぶことができますが、耐久がギリギリで流し性能も低いため、撒く余裕があまりないことが難点。
回復封じ
ほぼクレセリアピンポイントですが、意外と効果適応範囲が広い技です。
特に羽休めの回復と耐性変化を同時に封じることができる点は良いところです。
≪技自体が失敗するor選択できなくなる主要技≫
高速回復全般(自己再生など)、眠る、願い事、癒しの願い、三日月の舞、ギガドレイン、ドレインパンチ、ドレインキッス、夢喰い、吸血、ウッドホーン
≪回復効果が得られないもの≫
宿り木の種、アクアリング、ポイズンヒール、貯水、蓄電、乾燥肌、アイスボディ、雨受け皿、食べ残し(黒いヘドロ)、各種回復木の実、グラスフィールド
大爆発
トリックルームや壁ターンを後続に残したい場合や欠伸ループなどの起点回避に役立ちます。
H215B187カバルドン:26.9〜32%
H267B128カビゴン:31.8〜37.4%
H197B151メガボーマンダ:37〜43.6%
H181B120メガガルーラ:49.7〜59.1%
毒毒
耐久ポケモンに刺したり、再生技で粘ってくる役割対象を意識する場合に。遂行速度は鬼火より上です。
炎の渦
火力には全く期待できませんが、相手を拘束できる(メガガルーラからのクレセリアバックを許さない)、1回の行動でミミッキュの化けの皮+襷を潰せるなど唯一無二の性能を持つため候補入り。
ダメージ計算は省略します。
基本はフレアドライブ/岩石封じ/鬼火/何か、といった構成になるかと思いますが、何を重視するかや味方によって必要な技は変わってくるのでお好みで選択してください。
被ダメージ計算
論が煩雑になるのを防ぐためダメ計の追加は基本的にしません。
記載のないものは各自計算してください。確定欄の調整をもとに計算しています。
(物理)
A194メガガルーラのグロウパンチ
10.1〜12.1%+2.5〜3%
同(A+2)ギガインパクト
55.3〜65.4 %+13.7〜16.2%
A197メガボーマンダの捨て身タックル
27.4〜31.9% 確4
A166メガボーマンダ(火傷)のA+6恩返し
38.5〜45.1% 確3
A207メガギャラドスの滝登り
63.9〜76.1% 確2
A233メガバシャ―モの飛び膝蹴り
57.8〜68.5% 確2
同フレアドライブ
26.9〜31.9% 確4
A182ガブリアスの逆鱗
42.6〜50.2% 乱2(0.39%)
A156ミミッキュの影討ち
25.3〜30.4% 確4
同Zじゃれつく
52.2〜62.4% 確2
同Zシャドークロー
85.2〜100.5% 乱1(6.3%)
A216霊獣ランドロスの蜻蛉帰り
39.5〜46.7% 確3
A160ナットレイの種マシンガン
1発当たり16.2〜19.2%
1ターン致死率0.6%(急所率込み)
(特殊)
C147カプ・コケコのEF10万ボルト(≒草結び)
67〜79.1% 確2
C200カプ・テテフのシャドーボール
72〜85.2% 確2
C189メガボーマンダの流星群
82.7〜97.9% 確2
C95クレセリアのムーンフォース
20.3〜24.3% 確5
C211メガリザードンYのソーラービーム
114.7〜135% 確1
運用
メガガルーラやメガボーマンダ、その他耐性で受けられるポケモンや鬼火orリフレクターで誤魔化せるポケモンがいる場合に選出します。基本はそれら役割対象に繰り出し、状況に応じてS操作、鬼火、壁を展開し、盤面を整えることが仕事です。メガガルーラ、メガボーマンダに対しては高い受け出し性能を誇るものの、サイクルに複数回参加できる耐久も高速回復技も持ち合わせていないので、少ないサイクル参加でどれだけ自分に有利な場を整えることができるかがカギになります。目の前のポケモンを倒すことよりも味方の攻撃圏内まで削ること、場を整えることを意識して立ち回ることが大切です。
基本は岩石封じやスリップダメージ等でダメージを蓄積していき、氷解除、木の実の発動、自主退場、鋼への負担かけ等の要所でフレアドライブを使用します。
相性の良い味方
- オニシズクモ
ボーマンダを呼び込み、ソルロックのトリックルームから展開できるポケモン。障害となるナットレイに対してもソルロックが鬼火やフレアドライブで崩すことができる点もポイント。鉢巻型やミズZ型がオススメです。相性補完もかなり良いです。
私がソルロックを使おうと思ったきっかけがこの子でした。
- キノガッサ
襷のイメージが強いためメガガルーラを呼び込みやすく、オニシズクモと同じくメガボーマンダやナットレイも呼び込みやすいポケモンです。襷型も良いですが、HA鉢巻なんかも面白いです。
- サザンドラ
相性補完に優れ、ソルロックが不利を取るタイプを軒並み受けることができます。
ミミッキュの一貫がやばくなるので、皮を剥がした後上から一撃で粉砕できるCSアクZ型がオススメです。
- ファイアロー
ソルロックが相手しづらいミミッキュ、メガバシャ―モ、メガメタグロス、メガルカリオに強いため相性が良いポケモン。水の一貫には注意。
おまけ
おまけとして私が使ったもう一つの型を簡単にご紹介します。
【起点作成特化型】
- 持ち物
気合の襷
- 性格
陽気
- 努力値
A252B4S252
- 実数値
H165/A147/B106/C※/D85/S134
- 技構成
岩石封じor大爆発orフレアドライブ/鬼火/ステルスロック/トリックルーム
- 調整意図
HB:A200マンムーの氷柱張り5発耐え
A194メガガルーラの噛み砕く耐え
S:最速(岩石封じを採用しない場合は耐久ベースでも可)
襷持ちの弱点である連続技持ちに強い起点作成役として考えた型です。この技構成はレート環境だとドーブル、ソルロックにしか実現できず、ドーブルはメガガルーラの捨て身タックルで吹き飛んでしまうため実用性から考えるとソルロック独自の型になります。こちらもぜひお試しあれ。
あとがたり
ここまでご覧いただき誠にありがとうございました!
サンムーンの対戦環境も一区切りつきましたが、このポケモンを考察せずしてサンムーン環境を終えることはできないという謎の使命感を持って今回投稿に至りました。久々のマイナーポケモンの考察でしたが、考察するほどに不遇っぷりが顕著になり途中で何度も筆を折りそうになりました(笑)
不遇であることに間違いありませんが、使いどころを見極めればしっかり(太陽のように)輝いてくれるポケモンだと思います。この育成論を通してソルロックの可能性を感じていただければ嬉しく思います。
USM環境でも育成論を投稿していきたいと思いますので、そのときはまたよろしくお願いいたします。