こんにちは。今回は生まれながらのヤケモンとの呼び声も高いヤドキングについてです。
首のうきわがいい味出してますね。
有名な型ですが悪しからず。
ヤドキングとは
第2世代でヤドランとの分岐進化で登場。
ぼーっとしたイメージのヤドランと異なり、ヤドキングは頭脳明晰の天才キャラ。映画「ルギア爆誕」では普通に人間の言葉話してました。つよい。
そんなヤドキングですが、対戦面に目を向けると苦難の歴史が見えてきます。
ヤドランとヤドキングのタイプは共に水・エスパー。このタイプ構成は炎・鋼・格闘に耐性を持ち、岩・地面・ドラゴンに弱点を突けることから総合的に見て物理方面にはかなり強い一方で、電気・草・悪・ゴーストなど特殊方面からは非常に弱点を突かれやすいと言えます。
ヤドランは特殊耐久は並ですが物理耐久が高いので、能力と耐性がうまくマッチして物理方面に非常に役割を持ちやすいです。
一方でヤドキングは特殊耐久は高いですが物理耐久は並…弱点が多すぎてとても特殊受けなど務まらず、かと言って物理方面に役割を持たせようとするとヤドランの劣化です。
つまり、ヤドキングは「特殊耐久が高いにも関わらず、特殊受けができない」という悲劇を抱えることになります。この「能力と耐性のミスマッチ」こそが、ヤドキングを不遇ポケモンに陥れてきた最大にして唯一の要因であると言えます。
ヤドキングがヤドランに勝っている所はないのでしょうか・・・?
「対面性能」なら勝っている
見方を変えましょう。ヤドランは特殊方面に弱点が多い上に特殊耐久が高くないため、特殊アタッカーに弱点を突かれると簡単に落ちてしまうのが欠点。
一方でヤドキングは、特殊耐久が高いため特殊アタッカーから弱点を突かれても持ちこたえやすいことになります。
さらに、並耐久の物理方面に関しては弱点を突かれること自体が少ないため、「相手の攻撃を耐えて1回行動を取る」という能力に長けたポケモンであると言えます。
そして、この性質を最大限に活かせるのが「トリル始動役」です。
どれだけ多くの相手に交代を強要されることなく対面でトリルを展開できるか、というのはトリル始動役にとって非常に重要な要素となるので、ヤドキングのトリル始動役としての適性は決してヤドランに引けを取らないと言えるでしょう。
トリルヤドキングの強み
ヤドランとの比較は終わりましたが、トリル始動要員として優秀なポケモンは他にも数多くいます。
行動回数を安定して稼ぐことができ汎用性で右に出るものはいないミミッキュ、物理受けと自主退場技を兼ね備えたクレセリア、弱点が少なく高耐久・高火力と便利な要素しかないポリゴン2。
他にも、シャンデラやAナッシーは攻撃範囲が優秀、サマヨールやドータクンは高耐久・タイプ優秀、ランクルスは火力が高い、ブルンゲルは耐性でほぼ上位互換です。
ヤドキングには何があるのでしょうか。
- バシャーモに後出しが可能
メガバシャーモの飛び膝やフレドラを余裕を持って2発耐える耐久を持ち、特性再生力により何度も繰り出すことができます。
雷パンチ、はたきおとす、草Zソーラービームなど役割破壊があると受け切れないので過信は出来ませんが・・・
- カバルドンに強め
HD特化カバルドンをなみのりで高乱数2発、再生力によりステロ吠えるの被ダメが蓄積しません。
また、欠伸を受けた際にトリルを打つと、疑似的な起点回避手段として機能するのもポイント(相手が交代から積みの起点にしてきてもトリルが切れるまでは容易に対処できる)。
- ルカリオ、メタグロス、パルシェンに強め
パルシェンのからやぶロクブラ+氷の礫を確定で、メガルカリオのステロ+剣舞インファを高乱数で耐えるので後出しからトリルを始動させて切り返していくことができます。
雷パンチのないメタグロスにも強いです。
- 対雨性能
雨始動要員に対し相性が良く、何度も後出しからトリル展開ができます。さらに軸になるポケモンがトリル展開に弱いので、このポケモン1匹がいるだけでも基本的にかなり有利に試合を進められると言っていいでしょう。
砂パにも弱くはないです。初手のバンギを他のポケモンで削ることができれば、ヤドキングを出してかみくだくを誘い弱保&トリル発動、ここまで出来れば3タテコースです。
- 対カプ・テテフ性能
ブルンゲルとの大きな違いとなるのが「エスパー耐性」
珠サイキネ→シャドボやムンフォ→サイキネZすら耐える耐久があるため、テテフにかなり安定して後投げからトリル展開ができます。テテフに対面で弱いポケモンをトリルエースにする場合、非常に重要なポイントになってくるでしょう。挑発には注意。
バシャに後出しできるのが一番の強みなので比較対象はそもそもクレセ、シャンデラ、ブルンくらい。
シャンデラは対雨・対カバ・パルシェンへの後出し性能と差別化は十分。クレセリアとはアタッカー性能が段違い。一番差別化が難しいのはブルンゲルですが、テテフへの後出し性能と種族値の差があります。
種族値がヤドキングの方が高いので、ヤドキングと同じ火力を実現しようとすると耐久で劣り、同じ耐久を実現しようとすると火力で劣ってしまうのです。再生力の有無も大きいですね。
対面不利なポケモン
以上のようにトリル要員としてなかなか優秀なヤドキングですが、現環境では何といっても弱点だらけ・・・対面でトリルを展開できないポケモンがそこそこ多いのも事実です。
こうしたポケモンに対しては、ぜひ引き先を用意しておきたいです。
- カプ・コケコ
通常の10万・眼鏡ボルチェンまでは耐えますが、珠10万、眼鏡10万、デンキZ、ワイボは耐えません。型が確認できるまで居座らないのが吉。
- ギルガルド
弱保が主流だった時代はさほど苦手意識を持たなくてよい相手でしたが、今はZシャドボが危険なので逃げましょう。
他にも、Aガラガラ、カミツルギ、カプ・ブルル、キノガッサ、メガヘラクロスなどから一撃で倒されてしまいます。
がんばれ☆ヤドキング
もちもの
- じゃくてんほけん
ヤドキングの弱点の多さを逆手に取れる優秀なアイテム。
実は、特殊方面から弱点を突かれやすく、さらにそれを耐えやすいヤドキングは弱点保険の発動機会に非常に恵まれやすいです。
さらに、このアイテムはトリルとの相性も抜群。
相手から弱点技を受ける→弱保発動→後手でトリル の流れにより、次のターンから超速&高火力で攻め込む体制が整います。これは、この型を使っているとかなりよく起きます。
弱保があればヤドキングが相手の低火力弱点技を起点に疑似的な抜きエースのような動きを取れるようになり、パーティとしての決定力を大きく引き上げることになります。
- エスパーZ
相手から弱点技を受けた後でないと高火力が発揮できない弱点保険に対して、自発的に瞬間火力を引き出すことができるのがZストーンです。
Zストーンの中でも特に有力なのがエスパーZ。
超火力のエスパー技を放てるのはもちろん、Z技をトリックルームに適用することで、挑発を受けた状態でも1回限りでトリルを起動できるので、挑発対策としても優秀なアイテムであると言えます。
ただし、ドサイドンやホルード等と組ませる場合はZストーンの競合が悩みとなります。
他にも、自主退場しやすくなり再生力と相性も良い命の珠、役割の安定感を得られる残飯や半減実など候補となる持ち物は多いですが、
最優秀候補となるのはこの2つ。
特性
さいせいりょくとどんかんがあります。
バシャーモへの役割を重視するなら基本的にさいせいりょく一択です。
対バシャーモを一任する形でヤドキングを選出した場合、ヤドキングの特性がどんかんであればヤドキングのHPが削られると負けてしまうのでHP管理に極めて気をつけなければならず、さらに肝心のバシャーモに対しても1回しか受け出しが効きません。
これが再生力であれば、ヤドキングのHPが残り1割になろうと控えに戻しさえすれば飛び膝を耐えるHPを確保することができます。
つまり、「バシャーモに対して何度も受け出しが効くようになる」だけでなく、HP管理をそこまで気にしなくて良くなるため「バシャーモ以外のポケモンにも積極的にトリル展開をしていける」ようにもなります。
挑発を食らうとトリル展開できないという欠点はありますが、エスパーZを持たせてZトリルにすれば挑発対策も可能です。
とはいえ、挑発を貰いやすいヤドキングですのでどんかんもかなり優秀な特性ではあります。対バシャーモをそこまで重視しないなら十分ありでしょう。
努力値例
H244B116C132D12 なまいき
201-#-115-137-145-31
H-B
メガルカリオのインファステロ込みで17.6%低乱数2
メガルカリオの剣舞インファイトステロ込みで75.0%耐え
陽気ガブのドラゴンZ+逆鱗 93.8%耐え
特化鉢巻カイリューの逆鱗 62.5%耐え
特化カイリューのZそらをとぶ 81.3%耐え
特化バシャーモの剣舞+Zフレドラ 81.3%耐え
特化メガバシャーモの飛び膝×2 ステロ込みで確定耐え
特化メガバシャーモの雷P エレキF込みで93.8%耐え
特化メガギャラのかみくだく68.7%耐え
陽気メガバンギのかみくだく砂ダメ込みで62.5%耐え
特化パルシェンのからやぶロクブラ+礫 確定耐え
陽気メガグロスのアイへ+雷P 80.5%耐え
特化眼鏡テテフのショック 11.3%低乱2
特化ミミッキュのシャドクロ+かげうち 99.6%耐え
H-D
珠ゲッコウガの冷B+悪波確定耐え
特化テテフのシャドボ 41.7~49.7
特化テテフのムンフォ+Zサイキネ 87.1%耐え
特化珠テテフのサイキネ+シャドボ 82.4%耐え
特化眼鏡サザンドラの悪の波動 62.5%耐え
特化眼鏡水ロトムの10万 62.5%耐え
CS眼鏡コケコのボルチェン 62.5%耐え
特化デンジュモクの10万 87.5%耐え
特化バシャーモのクサZソーラービーム 81.3%耐え
特化キングドラの雨Zドロポン+流星群確定耐え
C
なみのりでD4バシャーモ93.8%乱1
なみのりでHD特化カバルドンを84.8%乱2
弱保なみのりでH4orD4コケコを確1
弱保冷BでD4サザンドラ確1
205-142までのスイクン、161-180までのガルドの身代わりを確定で壊せる
冷ビでH4メガマンダを確1・D4ガブを87.5%乱1
エスパーZ+サイキネでH4コケコ87.5%乱1
エスパーZ+サイキネで157-163ドヒドイデ確1(107%~)
エスパーZ+サイキネで187-141メガバナ確1(102.6%~)
バシャ、ルカリオ、パルシェン、メガメタグロス等にある程度安定して繰り出せる物理耐久と、ガブリアスを安定して処理できる程度のCを確保し、残りを特殊耐久に。
テテフへの後出しの安定感を高めたり、ロトム系統やサザンドラ、コケコに対して居座る際の安定感を少しでも高めるのが狙いです。
Dはもう少し削ってBやCに回すのも手です。
B121(164振り):
特化珠フェローチェのとんぼ 75.0%耐え
特化メガバシャーモの飛び膝+雷P 69.5%耐え
C148(36振り+性格補正):
D4メガバシャーモをなみのりで 87.5%乱1
D4ドリュウズをなみのりで 75.0%乱1
素早さは最遅でも、そうでなくてもどっちでもいいです。自由に選べるならランクルス・モロバレル・アロガラ・ドサイにトリル下で先手を取れるよう最遅の方がいいかなというくらい。
努力値アマルルガッ('ω ')
- その他被ダメ
特化珠フェローチェのとんぼ 56.3%乱1
特化カイリューのZげきりん 68.8%乱1
特化アローラべトンのはたき 81.5~96.5
ASゲッコウガのダストシュート 43.2~51.2
CSメガゲンのシャドボ 68.6~81.5
CSおくびょうレボルトの10万 66.6~80.5
特化アシレーヌのムンフォ 36.3~43.2
おくびょうCSリザYの放射+ソラビ 38.3%
特化キングドラの眼鏡流星群 61.1~71.2
技構成
基本はアタッカーなので「トリックルーム+3ウエポン」とします。
3ウエポンの揃え方は死角が最も少ない「波乗りor熱湯+サイコキネシス+冷凍ビーム」でほぼ確定。
なみのりか熱湯かはお好みで。サイクル重視なら3割火傷はおいしいです。
ナットレイがどうしても辛ければかえんほうしゃorだいもんじを入れるのも手です。
ただ、水技を抜くとバンギ/ドリュ/マンムー/ドランあたり、キネシスを抜くと水や毒、冷ビを抜くと4倍竜やサザン・ラティに通る技がそれぞれなくなってしまい、どれもつらいので推奨はしません。
また、これはエスパーZを持たせる場合限定になりますが、グライオンなどのまもみがループを技巧的に崩せるみらいよちも候補に入ります。(わにさんご提案ありがとうございます。)
即時でエスパー技を打ちたい時はエスパーZ+みらいよち、バシャーモやグライオンの守るを読むときはみらいよちといった感じで、用途に応じてエスパー技の打ち分けが可能になります。
ただしエスパーZを持たせる場合でも、個人的には扱いやすいエスパー技としてサイキネが重宝するケースも多かったので、確定欄の技構成を基本としておきます。
組ませるトリルエース
メガヘラクロスとメガクチートの2強。
トリルエースとして圧倒的な制圧力を有しているのみならず、ヤドキングとの相性補完も優秀なので、組ませない手は無いと言っても過言ではありません。
他には、電気に繰り出せる地面タイプも有力。パッと浮かぶのはドサイドンですが、ガルドやミミッキュの霊技を透かせるホルードあたりもいいかもしれません。
これで終わります^^
なかなか侮れないポケモンなので好きな人もそうでない人も使ってみてはどうでしょうか。